2010年 07月 21日
【10068】 和製だった 「医食同源」と「身土不二」 |
★ 「食」という漢字を見る度に丸顔の童顔をしたT先生を思い出します。
「いいか、みんな、しっかり覚えろヨ。食という漢字は”人に良い”と書く。
”人に良い”モノだから『食物』 ”人に良い”ものだから『食べる』・・・忘れるな」
日本がアメリカと戦争を始めた昭和16(1941年)の頃の話です。
当時、私は、小学校5年生でした。
★ 70年も前のこと。今更、T先生を責め立てる気は毛頭、ありません。
が、しかし、それらしく、俗受けしそうな、この「食」の解説は、実は全く根拠のない「子どもダマシ」
・・・いや、ちょっと、酷ですね・・・子どもに漢字を覚える興味を持たせるための
「T先生、独特の創案」と、敬意を表しておきましょう。
★ 漢和辞典を引けば、「食」は、
【器に食物を盛って、フタをしたさま。よって”食物”を、 ひいては”たべる”意をあらわす】
となっています。「食」の言葉の含意は漢字の基本をなすもの。
これを部首にした漢字は、飲、飼、饗・・・・と、80種も掲載されています。
★ どうでもいいような事柄ではありますが、年とったセイでしょうか、はたまた、ヒマなのでしょうか。最近、言葉の厳密な意味を問い直すことが多くなりました。この一事でもお分かりの通り、やはり、気がついた時に、きちんと真偽を整理して子・孫に伝える努力をなすべきだ。
それこそ、時間に恵まれた年寄りの役目、という思いが私にはあります。
★ 田舎に住んでいますと、あちこちに「青空市場」があります。
土地の農家が生産・出荷とは関係のない”庭先農園”で自分の家庭用に育てた”余り物”を出しておられるのですが、それぞれ出品者の名前が記されており、値段も安く、安心感もあって、我が家では重宝しています。
★ 最近、目に付くのは「地産地消」のスローガン。
イベント時には、更に「医食同源」も仲間入りして、満艦飾に垂れ幕が並んでいます。
土地で採れた新鮮なものを食べて健康に・・・とのメッセージでしょう。
★ 特に岡山県では、行政と農協が中心になって、早くから全県下で「地産地消」運動を展開しています。
非常に結構なこと。私も大賛成です。隠居の身では何のお役にもたてそうにありませんが、
せめて隣近所に声かけして運動の盛り上げに協力する心構えだけは持っています。
★ 先日、と、ある「青空市場」に立ち寄りました。
「身土不二」の4文字があちこちに貼ってあります。
何でも、ご近所の名刹のお坊さんが書かれたものだ、とか。
実に達筆で、特別、”アカヌケ”しています。
田舎に行くと、その教養の深さを偲ばせる書がさりげなく掲げてありますね。
足を止めてジッと拝見しました。
★ それにしても「身土不二」 懐かしい言葉です。
私は、子どもの頃、広島の田舎に学童疎開していましたが、そこは、浄土真宗の盛んな所。
お坊さんに”シンドフジ”を徹底的に刷り込まれました。
★ それが、最近、「医食同源」の4文字と共に急にスーパーの食品コーナーでも見かけるようになりました。
この言葉、よく「古くから中国では・・・・」の枕詞(まくらことば)と共に用いられ、
古来、人々が生活の中で守ってきた伝統的な食習慣であるかのように言われています。
地産地消運動の思想的根拠のようにも言われています。
★ 本当の所、どうなのか? 興味津々、家に戻って、調べてみますと、
あの「中国では古くから・・」の枕詞。どうやらアヤシイ。
実のところ、「身土不二」と「医食同源」、共に近年になってから、
中国古典にヒントを得て、日本人が翻案した”和製標語”とするのが正しいようです。
★ 確かに中国では、古い医薬書『神農』に「薬食一如」との記録はあるそうです。
しかし、それに似た意味を持たせた「医食同源」が日本に登場したのは、最近になってからのこと。
40年ほど前のことだそうです。
★ 中国科学史が専門の茨城大学教授の真柳誠さんの研究『医食同源の思想-成立と展開』によりますと、「医食同源」は新居裕久さんと言う料理研究家が創造した造語で、香港出身の蔡氏(のち日本に帰化)こと藤井建さんがその著書『医食同源 中国三千年の健康秘法』(1972)で用いたのが最初。なんだそうです。
★ 新居裕久さんは、当時、「新宿クッキングアカデミー」の校長をなさっており、NHK『今日の料理』(1972年9月号)で、中国の「薬食同源」を紹介した折、”薬”では化学薬品と誤解されるので、”薬”を”医”に変え”医食同源”という日本語になじみやすいように造語した、と言うのが真実だ、と言うハナシ。
★ 日本最高の辞書として名高い『広辞苑』が、この「医食同源」を収載したのは第四版(1991)から。
それ以前に「医食同源」を日本語として認知した辞書は皆無、だそうです。
本当に?、エエッ!と叫びたくなる”新事実”ですね。
★ この歴史的意味を持つ『医食同源 中国三千年の健康秘法』は、東京スポーツ新聞社から出版された本なのですが、真柳誠教授は、さらに研究を進めて、この本の編集を担当した川北記者が新居氏の造語を見て、「こちらがいい」と、タイトルに転用した裏話までも突き止め、それを公表しておられます。
面白い秘話ですね。
★ そこで、本来の目的である「身土不二」の由来ですが・・・・
こちらは、そのものズバリ、『身土不二の探究』という名著があります。
著者は、農業作家の誉れ高い山下惣一さん。
この言葉にこだわり、徹底的に追究されたのが、この名著。
★ 今から700年前の1305年のこと。
中国の普度法師が編纂された仏教書『盧山蓮宗宝鑑』を編纂されましたが、この中で、
【「体と土とは一つである」 従って、人間は、自分の足で歩ける身近なところ(三里四方、四里四方)
で育ったものを食べ、生活するのが一番、よい。】
とする考え方を示されました。
★ 本来、仏教の教えで、
【生き物は、その生息している土地、環境とは切っても切れない関係にある】
という意味合い使われた宗教的説諭だったのですね。
★ 盧山蓮宗は、親鸞の開いた浄土真宗の”ルーツ教”です。
だから、日本では浄土真宗の門徒の間では早くから、仏教の説話として知られていた、そうです。
成る程! 言われてみれば納得、「身土不二」は西日本の農村で、広く知られ、用いられていました。
★ それが、科学レベルの”食育”実用論としてで語られるようになったのは、我が国の食物衛生医学の始祖・石塚左玄さん(1850-1909)の功績。
主著『化学的食養長寿法』(1896年刊)の中で述べられた「身土不二の原理」を、弟子・孫弟子が広めた、というのが定説になっています。
★ しかし今、全国で爆発的に起こっている「GI・ダイエット」や「スローフード」に絡ませて「身土不二」が注目されるようになったのは、1980年代に韓国で「身土不二」のスローガンで展開された農民生協運動の成功が日本に逆輸入された、と言う興味深い意見もあります。面白い見方と思いますので、ご紹介しておきましょう。【言葉の旅人:身土不二・普度「盧山蓮宗宝鑑」】
★ うんと昔からあったように言われる「医食同源」や「身土不二」・・・特に「医食同源」の場合、”中国では昔から・・”を受けるのであれば、「薬食一如」でないといけませんね。
この二つ、実は、ビックリするほど新しい”新語”なんですね。
最近、ブームの食改善の話。どんな本を開いても、「古来、中国では・・・」と、必ず持ち出される”権威付け”枕詞ですが、無造作に使われている著作を手にすると、その本の信頼性を疑いたくなります。
◎ 言葉はコワイですね。
いつの間にか、ウソがマコトの衣を纏って、大きな顔してまかり通っています。
【謹告】
誠に残念なことでありますが、また、執拗なブログ荒らしが始まりました。
当分の間、コメント欄を閉鎖致します。
メールや、他のSNS等で頂戴した関係コメントは、こちらの本文下に転載することにいたします。
恐れ入りますが、私宛の通信は、zenimoto@gmail.com へ、メールでお願い致します。
ご不自由をお掛け致しますが、事情、ご賢察の上、ご協力をお願い致します。
(2010年7月21日午後8時30分)
---------- 頂戴したコメント --------------
Commented by SANTOS at 2010-07-21 10:09 x
今日も、随分、勉強になりました。
俚諺やことわざ、言い伝え・・・本当に一歩、踏み込むと、言葉の背景は
深いものですね。慣用句や決まり文句もかなり安易に使っていますが、
ひょっとしたら誤用のまま流通していることが案外、多いのかも・・・・・・
本日の日記を拝見して、そう自戒しました。
ありがとうございました。
Commented by ムーサ at 2010-07-21 13:13 x
「身土不二」
頭をフル回転させて考えました。
”人みな死んだら土に還る”
だと思いました(^^;)
Commented by 雲雀 at 2010-07-21 19:01 x今日は
目から鱗のお話 ありがとうございました
何の疑いもなく「医食同源」 「身土不二」 信じ切っていました
真実を知って なにを 実践出来る それが今の私の食生活です
玄米や雑穀にも 賛否いろいろですが
深く考えないで 口に合っているから 続けている!
だけのこと
それで 何かあったら 自分の責任だと割り切って
でも人に迷惑や 悪いことはしない
忠言は素直に真摯に受け 聞く姿勢は 忘れないように
謙虚でありたいなあーと思っています
最近の 話題に よく先生のお話が のぼってきました
おしゃべりが 弾んでいます
ありがとうございます
Commented by mitsu at 2010-07-21 19:03 x
吉備野様のブログも少しずつよまさせていただいております。
豊富な知識の基に書かれたブログにほとほと関心しております。
今頃になって自分の勉強不足を感じました。
いくつになっても勉強です。
再度勉強を始めました。
豪腕プチリンコ 2010年07月21日 20時07分
最近気がついたのですが、岡山って歴史的建造物がたくさんあるのですねー。
【回答】 吉備野禅三 2010年07月21日 20時26分
豪腕プチリンコ さん
大和朝廷に対抗する一大勢力が吉備王国を形成し、出雲王国と密接な繋がりを持っていた、という歴史的背景があります。現在、その考古学的発掘が進んでいます。
近代に入ってからも開明的な学者や殿様が輩出しており、「後楽園」や庶民教育の「閑谷学校」など多数の歴史的建造物も多くあります。
SANTOS 2010年07月21日 20時55分
本当に不愉快ですね。
先生のブログに攻撃を掛ける人間って、どんなひねくれ者なんでしょう。
どうぞ、頑張ってください。
でも・・・こうしてチェックされたものが、本文の下に直接、紹介して頂くのもいいものですね。
非常に読みやすいです。こちらの方がいいかもしれません。
先生にはご面倒かもしれませんが・・・・
sachiko 2010年07月21日 22時46分
今日の午後、アクセスしたら、かなり露骨なAVサイトが幾つも書き込まれていました。
お知らせしたかったのですが、方法が分からないので、いくつかのページを読ませて頂いておりましたら、消えました。恐らく、禅三先生がお気づきになったのだろう、と安心いたしました。でも、ずっと、これをチェックしているなんてムリですね。 先生宛のメール、登録しました。こちらの方がいいですね。これからメールさせていただきます。
アクア 2010年07月21日 23時10分
「食」という字、ほんとですね~。
初めて気がつきました。
三木祥子 2010年07月21日 21時45分
いつも貴重なコメントを拝見し、なるほどと頷いております。
古来中国では、と冠がつきますと何か有難味がでるのですね。
案外そういう発想で造られた言葉が多いのではないでしょうか。
興味深いことです。四里四方で採れたものを食せよとは昔から聞いておりましたが。
歴史学者の造語などがいつの間にか古来となって転用されることもあるのですか。
面白いと思いました。
毎日が新発見の連続で、夜の授業をうけております。ありがとうございました。
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** ご挨拶 ** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
執拗なブログ荒らし排除にコメント欄を閉鎖しました。
ご面倒をお掛けしますが、通信は、zenimoto@gmail.com へお願い致します。
【過去記事一覧】 は、テーマ別にまとめてございます。
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「いいか、みんな、しっかり覚えろヨ。食という漢字は”人に良い”と書く。
”人に良い”モノだから『食物』 ”人に良い”ものだから『食べる』・・・忘れるな」
日本がアメリカと戦争を始めた昭和16(1941年)の頃の話です。
当時、私は、小学校5年生でした。
★ 70年も前のこと。今更、T先生を責め立てる気は毛頭、ありません。
が、しかし、それらしく、俗受けしそうな、この「食」の解説は、実は全く根拠のない「子どもダマシ」
・・・いや、ちょっと、酷ですね・・・子どもに漢字を覚える興味を持たせるための
「T先生、独特の創案」と、敬意を表しておきましょう。
★ 漢和辞典を引けば、「食」は、
【器に食物を盛って、フタをしたさま。よって”食物”を、 ひいては”たべる”意をあらわす】
となっています。「食」の言葉の含意は漢字の基本をなすもの。
これを部首にした漢字は、飲、飼、饗・・・・と、80種も掲載されています。
★ どうでもいいような事柄ではありますが、年とったセイでしょうか、はたまた、ヒマなのでしょうか。最近、言葉の厳密な意味を問い直すことが多くなりました。この一事でもお分かりの通り、やはり、気がついた時に、きちんと真偽を整理して子・孫に伝える努力をなすべきだ。
それこそ、時間に恵まれた年寄りの役目、という思いが私にはあります。
★ 田舎に住んでいますと、あちこちに「青空市場」があります。
土地の農家が生産・出荷とは関係のない”庭先農園”で自分の家庭用に育てた”余り物”を出しておられるのですが、それぞれ出品者の名前が記されており、値段も安く、安心感もあって、我が家では重宝しています。
★ 最近、目に付くのは「地産地消」のスローガン。
イベント時には、更に「医食同源」も仲間入りして、満艦飾に垂れ幕が並んでいます。
土地で採れた新鮮なものを食べて健康に・・・とのメッセージでしょう。
★ 特に岡山県では、行政と農協が中心になって、早くから全県下で「地産地消」運動を展開しています。
非常に結構なこと。私も大賛成です。隠居の身では何のお役にもたてそうにありませんが、
せめて隣近所に声かけして運動の盛り上げに協力する心構えだけは持っています。
★ 先日、と、ある「青空市場」に立ち寄りました。
「身土不二」の4文字があちこちに貼ってあります。
何でも、ご近所の名刹のお坊さんが書かれたものだ、とか。
実に達筆で、特別、”アカヌケ”しています。
田舎に行くと、その教養の深さを偲ばせる書がさりげなく掲げてありますね。
足を止めてジッと拝見しました。
★ それにしても「身土不二」 懐かしい言葉です。
私は、子どもの頃、広島の田舎に学童疎開していましたが、そこは、浄土真宗の盛んな所。
お坊さんに”シンドフジ”を徹底的に刷り込まれました。
★ それが、最近、「医食同源」の4文字と共に急にスーパーの食品コーナーでも見かけるようになりました。
この言葉、よく「古くから中国では・・・・」の枕詞(まくらことば)と共に用いられ、
古来、人々が生活の中で守ってきた伝統的な食習慣であるかのように言われています。
地産地消運動の思想的根拠のようにも言われています。
★ 本当の所、どうなのか? 興味津々、家に戻って、調べてみますと、
あの「中国では古くから・・」の枕詞。どうやらアヤシイ。
実のところ、「身土不二」と「医食同源」、共に近年になってから、
中国古典にヒントを得て、日本人が翻案した”和製標語”とするのが正しいようです。
★ 確かに中国では、古い医薬書『神農』に「薬食一如」との記録はあるそうです。
しかし、それに似た意味を持たせた「医食同源」が日本に登場したのは、最近になってからのこと。
40年ほど前のことだそうです。
★ 中国科学史が専門の茨城大学教授の真柳誠さんの研究『医食同源の思想-成立と展開』によりますと、「医食同源」は新居裕久さんと言う料理研究家が創造した造語で、香港出身の蔡氏(のち日本に帰化)こと藤井建さんがその著書『医食同源 中国三千年の健康秘法』(1972)で用いたのが最初。なんだそうです。
★ 新居裕久さんは、当時、「新宿クッキングアカデミー」の校長をなさっており、NHK『今日の料理』(1972年9月号)で、中国の「薬食同源」を紹介した折、”薬”では化学薬品と誤解されるので、”薬”を”医”に変え”医食同源”という日本語になじみやすいように造語した、と言うのが真実だ、と言うハナシ。
★ 日本最高の辞書として名高い『広辞苑』が、この「医食同源」を収載したのは第四版(1991)から。
それ以前に「医食同源」を日本語として認知した辞書は皆無、だそうです。
本当に?、エエッ!と叫びたくなる”新事実”ですね。
★ この歴史的意味を持つ『医食同源 中国三千年の健康秘法』は、東京スポーツ新聞社から出版された本なのですが、真柳誠教授は、さらに研究を進めて、この本の編集を担当した川北記者が新居氏の造語を見て、「こちらがいい」と、タイトルに転用した裏話までも突き止め、それを公表しておられます。
面白い秘話ですね。
★ そこで、本来の目的である「身土不二」の由来ですが・・・・
こちらは、そのものズバリ、『身土不二の探究』という名著があります。
著者は、農業作家の誉れ高い山下惣一さん。
この言葉にこだわり、徹底的に追究されたのが、この名著。
★ 今から700年前の1305年のこと。
中国の普度法師が編纂された仏教書『盧山蓮宗宝鑑』を編纂されましたが、この中で、
【「体と土とは一つである」 従って、人間は、自分の足で歩ける身近なところ(三里四方、四里四方)
で育ったものを食べ、生活するのが一番、よい。】
とする考え方を示されました。
★ 本来、仏教の教えで、
【生き物は、その生息している土地、環境とは切っても切れない関係にある】
という意味合い使われた宗教的説諭だったのですね。
★ 盧山蓮宗は、親鸞の開いた浄土真宗の”ルーツ教”です。
だから、日本では浄土真宗の門徒の間では早くから、仏教の説話として知られていた、そうです。
成る程! 言われてみれば納得、「身土不二」は西日本の農村で、広く知られ、用いられていました。
★ それが、科学レベルの”食育”実用論としてで語られるようになったのは、我が国の食物衛生医学の始祖・石塚左玄さん(1850-1909)の功績。
主著『化学的食養長寿法』(1896年刊)の中で述べられた「身土不二の原理」を、弟子・孫弟子が広めた、というのが定説になっています。
★ しかし今、全国で爆発的に起こっている「GI・ダイエット」や「スローフード」に絡ませて「身土不二」が注目されるようになったのは、1980年代に韓国で「身土不二」のスローガンで展開された農民生協運動の成功が日本に逆輸入された、と言う興味深い意見もあります。面白い見方と思いますので、ご紹介しておきましょう。【言葉の旅人:身土不二・普度「盧山蓮宗宝鑑」】
★ うんと昔からあったように言われる「医食同源」や「身土不二」・・・特に「医食同源」の場合、”中国では昔から・・”を受けるのであれば、「薬食一如」でないといけませんね。
この二つ、実は、ビックリするほど新しい”新語”なんですね。
最近、ブームの食改善の話。どんな本を開いても、「古来、中国では・・・」と、必ず持ち出される”権威付け”枕詞ですが、無造作に使われている著作を手にすると、その本の信頼性を疑いたくなります。
◎ 言葉はコワイですね。
いつの間にか、ウソがマコトの衣を纏って、大きな顔してまかり通っています。
【謹告】
誠に残念なことでありますが、また、執拗なブログ荒らしが始まりました。
当分の間、コメント欄を閉鎖致します。
メールや、他のSNS等で頂戴した関係コメントは、こちらの本文下に転載することにいたします。
恐れ入りますが、私宛の通信は、zenimoto@gmail.com へ、メールでお願い致します。
ご不自由をお掛け致しますが、事情、ご賢察の上、ご協力をお願い致します。
(2010年7月21日午後8時30分)
---------- 頂戴したコメント --------------
Commented by SANTOS at 2010-07-21 10:09 x
今日も、随分、勉強になりました。
俚諺やことわざ、言い伝え・・・本当に一歩、踏み込むと、言葉の背景は
深いものですね。慣用句や決まり文句もかなり安易に使っていますが、
ひょっとしたら誤用のまま流通していることが案外、多いのかも・・・・・・
本日の日記を拝見して、そう自戒しました。
ありがとうございました。
Commented by ムーサ at 2010-07-21 13:13 x
「身土不二」
頭をフル回転させて考えました。
”人みな死んだら土に還る”
だと思いました(^^;)
Commented by 雲雀 at 2010-07-21 19:01 x今日は
目から鱗のお話 ありがとうございました
何の疑いもなく「医食同源」 「身土不二」 信じ切っていました
真実を知って なにを 実践出来る それが今の私の食生活です
玄米や雑穀にも 賛否いろいろですが
深く考えないで 口に合っているから 続けている!
だけのこと
それで 何かあったら 自分の責任だと割り切って
でも人に迷惑や 悪いことはしない
忠言は素直に真摯に受け 聞く姿勢は 忘れないように
謙虚でありたいなあーと思っています
最近の 話題に よく先生のお話が のぼってきました
おしゃべりが 弾んでいます
ありがとうございます
Commented by mitsu at 2010-07-21 19:03 x
吉備野様のブログも少しずつよまさせていただいております。
豊富な知識の基に書かれたブログにほとほと関心しております。
今頃になって自分の勉強不足を感じました。
いくつになっても勉強です。
再度勉強を始めました。
豪腕プチリンコ 2010年07月21日 20時07分
最近気がついたのですが、岡山って歴史的建造物がたくさんあるのですねー。
【回答】 吉備野禅三 2010年07月21日 20時26分
豪腕プチリンコ さん
大和朝廷に対抗する一大勢力が吉備王国を形成し、出雲王国と密接な繋がりを持っていた、という歴史的背景があります。現在、その考古学的発掘が進んでいます。
近代に入ってからも開明的な学者や殿様が輩出しており、「後楽園」や庶民教育の「閑谷学校」など多数の歴史的建造物も多くあります。
SANTOS 2010年07月21日 20時55分
本当に不愉快ですね。
先生のブログに攻撃を掛ける人間って、どんなひねくれ者なんでしょう。
どうぞ、頑張ってください。
でも・・・こうしてチェックされたものが、本文の下に直接、紹介して頂くのもいいものですね。
非常に読みやすいです。こちらの方がいいかもしれません。
先生にはご面倒かもしれませんが・・・・
sachiko 2010年07月21日 22時46分
今日の午後、アクセスしたら、かなり露骨なAVサイトが幾つも書き込まれていました。
お知らせしたかったのですが、方法が分からないので、いくつかのページを読ませて頂いておりましたら、消えました。恐らく、禅三先生がお気づきになったのだろう、と安心いたしました。でも、ずっと、これをチェックしているなんてムリですね。 先生宛のメール、登録しました。こちらの方がいいですね。これからメールさせていただきます。
アクア 2010年07月21日 23時10分
「食」という字、ほんとですね~。
初めて気がつきました。
三木祥子 2010年07月21日 21時45分
いつも貴重なコメントを拝見し、なるほどと頷いております。
古来中国では、と冠がつきますと何か有難味がでるのですね。
案外そういう発想で造られた言葉が多いのではないでしょうか。
興味深いことです。四里四方で採れたものを食せよとは昔から聞いておりましたが。
歴史学者の造語などがいつの間にか古来となって転用されることもあるのですか。
面白いと思いました。
毎日が新発見の連続で、夜の授業をうけております。ありがとうございました。
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** ご挨拶 ** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
執拗なブログ荒らし排除にコメント欄を閉鎖しました。
ご面倒をお掛けしますが、通信は、zenimoto@gmail.com へお願い致します。
【過去記事一覧】 は、テーマ別にまとめてございます。
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by zenmz
| 2010-07-21 05:36
| 言霊