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【5157】 朝日新聞の協会賞とモラル・ハザード
▼15日から21日までの1週間は、「新聞週間」です しかし、ことしほどスッキリしない新聞週間はありません。なぜか? 大会を前に協会長である秋山・朝日新聞社長が自社の不祥事の責任をとって会長を辞任すると言う珍事・・・危機に立つ新聞業界、私の印象を綴っておきたいと思います。
▼一般の方々にはあまりなじみがないかもしれませんが、週間中には新聞大会で新聞協会賞が授賞され、大会決議が採択される新聞界にとっては重要なイベントなのです。10月20日は「新聞広告の日」新聞週間中の日曜日は「新聞配達の日」で、それぞれ記念行事が開催されますが、その総てを社団法人「日本新聞協会」が主催します。 ▼この催しで、新聞読者が最も関心を寄せられるのは、「新聞協会賞」です。平成17年度の協会賞は次の7件が選ばれました。 ◎ 【「紀宮さま、婚約内定」の特報】 朝日新聞東京本社 社会部皇室取材班 ◎ 【JR宝塚線脱線事故一連の写真報道】 朝日新聞大阪本社 編集局写真センター ◎ 【10年キャンペーン「守れ いのちを」】 神戸新聞社 「阪神・淡路大震災10年」取材班 ◎ 【企画「沖縄戦新聞」】 琉球新報社 「沖縄戦60年」 ◎ 【新聞用FMスクリーンの実用化】 朝日新聞東京本社製作本部 ◎ 【高位・等品質カラー紙面の自動印刷システム開発と実用化】 読売新聞東京本社制作局 ◎ 【新システム「コスモスⅢ」 NewsMLは組み版の世界へ】 信濃毎日新聞社技術局 ▼ご覧の通り、今年、特に目立つのは朝日新聞の健闘です。7件のうち3件もの授賞。久しぶりの大ヒットです。ところが、皮肉なことに、朝日新聞社は今、創業以来初めてと言われる大スキャンダルと経営危機で社内外大騒動です。 総選挙を前に掲載された特集『追跡・政界流動』の記事中、田中長野県知事と亀井静香・元自民党政調会長の会見記事が「虚偽取材メモ」による虚報、と判明したのです。当然、同社は謝罪記事を掲載し、関係者の処分を発表しましたが、これがキッカケで全社編集局集会が開かれ、「社長辞任要求」が出て、同社は今、大揺れしています。 ▼幹部が次々と処分され、全社挙げての大騒動、と言うのも、不祥事は、この虚報だけではなかったのです。ことし2月にはNHK番組改変に有力政治家の圧力があった、との報道がなされ、名指しされた二人の政治家も、当のNHKもその事実を全面否定、「意図的虚報?」 世論の疑惑に抗し切れず自主調査した検証結果も「裏付けはとれない。が、訂正する必要はない」と突っぱた"NHK事件”がキチンと決着出来ないまま、尾を引いている最中だっただけにショックは大きかった。 その上、悪質高利商法で社会問題化していた「武富士」から5000万円もの”ウラ広告費”を受け取っていた、と言う新聞社にあるまじきモラル・ハザードを引き起こしていたことも発覚しました。この1年、朝日新聞は泥にまみれていました。 ▼そこへ3つの「協会賞受賞」という未曾有の栄光・・・・・ 例年ですと、紙数拡大に大拍車がかかるところですが、すべて帳消し、それに止まらず、”虚偽報道”への抗議続出。止めどなく続く怒れる読者の購読解約。何という皮肉でしょう。最高と最低、天国と地獄、真実と虚偽・・・どう対応しようもなく、右往左往の自信のなさが目立ち、何ともサマになりません。 ▼無借金・健全経営を誇っている同社のことですから、今、直ちに経営危機に直結することは無いでしょうが、秋山社長自身が認めているようにその解約は「”長年の朝日ファン”である本当の固定読者の朝日離れが始まっている」そうです。その影響は、今後、長期にわたることは必定です。 ▼第58回目を迎えた今年の代表標語は、 ◇ 「なぜ」「どうして」もっと知りたい新聞で ◇ 本当になんという皮肉でしょう。泥にまみれた授賞の真意を計りかねる事態に関係者も苦虫をかみつぶした感じで、今年はちょっと盛り上がりに欠けています。 ▼かつて新聞社に身を置いた者にとっては悲しい話ですが、この標語に答えねばならないのは、今年の協会賞最多数受賞者・朝日新聞。新聞のあってはならないモラル・ハザード・・・記事ねつ造とウラ広告金銭授受。間違いを認めないでこね回す詭弁の数々。疑惑はいっぱいです。 ▼「なぜ」 「どうして」 朝日新聞はもっと誠実に国民に答えねばなりません。また、同業各社も自戒をこめた追求報道を怠ってはならないでしょう。他業種のスキャンダルに向ける厳しい目と比較する時、あまりにも同業身内に対する報道姿勢が甘すぎる、との印象を棄て切れません。 ▼新聞週間は、戦後、間もなく昭和23(1948)年に「あなたは自由を守れ新聞はあなたを守る」と言うスローガンを掲げて始まりました。このスローガンは、軍部に振り回されて無批判に軍国覇権主義に突っ走り国民に”八紘一宇”を扇動した新聞の過去を反省し、民主主義国家の木鐸(ぼくたく)として再出発するに当たって、国民に、約束した決意の言葉でした。 ▼しかし、48年後の今日、この言葉も、何とも空虚。耳を素通りして心に響くものがありません。新聞は果たして、自由を求めて立つ個人を守っているでしょうか? むしろ一般市民は”ペンの暴力”を振りかざす驕れる巨像のイメージを抱いているのではないか? 最近のマスコミには”横暴”の言葉が相応しい言動が目立ちますね。 by zenmz | 2005-10-11 00:55 | Comments(0)
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