2005年 11月 01日
【5180】 オカシイゾ! 「自衛軍」「改憲」「原子力空母」「五カ国核保有」 |
【同文縦書】(PDF9Kb)
★政治問題と言えば、「小泉政治劇場」で目先、愉しませてくれる話題続きですが、ちょっと長い目で、冷静に考えると、世の中、本当にちょっとヘンです。日本は世界唯一の被爆国、核廃絶は民族の悲願のはずでした。憲法で国の交戦権も否定する徹底的な平和憲法を誇りにした国でした。
なのに・・・・・・今、それを覆す動きが見過ごされています。国民は、いつ、このように戦争と核に不感症になったのでしょう。
★「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」との非核三原則は、歴代内閣がこれまで堅持してきた日本の国是でした。だからこそ、核兵器不拡散条約(NPT)上の非核兵器国として核兵器の製造や取得等を行わない義務を世界に公約し、国内の原子力活動も「原子力基本法」を制定して平和目的に厳しく限定してきました。
★ところが、突如、米海軍が原子力空母を神奈川県の横須賀基地に常時配備する、と、発表。寝耳に水の神奈川県や横須賀市は官民揃って反対を表明し、住民は大反発していますが、政府は、「日本の平和と安全に寄与する」(町村外相)とケロリ。一体、”持ち込ませず”の原則は、いつ消えたのでしょう。ひと頃、原子力船が入港するだけで暴動寸前の入港阻止闘争が展開されました。あの教訓はどこへ???
★オカシイことは、次々と起こっています。自民党が新憲法草案を決定しました。焦点の9条は戦争放棄を定めた1項の条文を維持するものの、戦力不保持・不使用を定めた2項を全面改定。”自衛隊”を”自衛軍”に格上げして軍隊保持を明記しました。その上、現行憲法が禁じる集団的自衛権の行使を事実上容認しました。だれがみても再軍備への備えです。その理屈は、「現状に合わない」 ??? 憲法に照らして現状が逸脱しているのであれば、正すのが筋。条文の拡張解釈で”憲法に違反する”既成事実を積み上げた挙げ句、「現状に合わない」とは?? 一体、憲法とは何なのか?
★世界の動きもオカシイ。今、最大の関心事は核兵器の拡散防止です。北朝鮮が「核兵器を保有している」と公言したことから、日、米、中、韓、露、北朝鮮の6カ国協議の枠組みで交渉が続いていますね。核兵器の開発や保有を止めさせるはずの話が、いつの間にか、どの国が合法的に核兵器を保有できるか、の確認になっています。
★そもそも、6カ国協議の大義名分は、1970年に成立した「核拡散防止
条約」(NPT)ですね。この条約は、1967年1月1日時点で核兵器を保有していた、米、露、英、仏、中の5カ国と、それ以外の国に分けて、保有5カ国には核兵器の譲渡禁止と、核軍縮の”努力”を要請。その他の(当時の)非保有国には核兵器の製造・保持を禁止しています。
★この核兵器保有5カ国は国連安全保障理事会の常任理事国でもあり、条約に違反する国に対しては、その放棄を迫る圧倒的力を保持しています。そのニラミは、最初の頃は、それなりに有効でした。ところが、条約に加盟していないインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮などが、次々と核武装を完成し、これらの国々に対する有効な手が打てないまま、今日に至っている状態です。
★オカシイのは、数発の核爆弾の保有に目くじらを立てて「平和の敵」と弾劾する5カ国は一体、どうなのか?
その実態は、ほとんど明らかにされません。NPTによれば、この5カ国の核兵器保有は「1967年時点で凍結され、その(譲渡)移動を禁止し、保有している核兵器の”軍縮”をする」ことが求められています。
★だとするなら、だれでも、この5カ国が38年前、それぞれ、どんな核兵器を何発、持っていたのか? その核兵器はこの38年間のうちに何発減らした(あるいは増えた)のか? この38年間に5カ国は、新しい核兵器を開発しなかったのか、開発したのか? まず、NPTが要請している「努力」義務の実際を明らかにすべきでしょう。
★ある調査によると、アメリカは、NPT条約締結当時、8000発の核兵器を保持していたそうです。それが、現在は1万800発だと言います。その他の国々はヒトケタ落ち、二ケタ落ちの保有数ですが、どこの国も締結時よりも数を増やしており、しかも新種の核兵器を開発しているといいます。
★5カ国の核増殖はいいが、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の核保有は、例え一発であってもいけない。この理屈は、どこから出てくるのか? 世界の人々が、核兵器拡散問題について、もう一つ、世論が盛り上がらないのは、この巨大5カ国のエゴが見え見えだからでしょう。
★ともかく、こうして、オカシイ話がまかり通っています。気がついたら、我が子・孫が戦場に・・・・・ 昭和5年生まれの私には、何か、最近の風潮には、何時か来た道が被さります。満州事変から日中戦争、そして太平洋戦争へ、それはアメリカ、英国、中国、オランダによるいわゆる「ABCD包囲網」による兵糧責めを打開する自衛戦であった、と言い聞かされ、私の同年齢以上の男子は戦争に駆り出されました。
★何故、日本は、「自衛軍」を持たねばならないのか? ただ、それだけでもいい。真剣に考えようではありませんか。憲法を変えてから、シマッタ、と思ってももう遅いのです。オカシイことを徹底的に問いつめる問題意識を持ちましょう。
★政治問題と言えば、「小泉政治劇場」で目先、愉しませてくれる話題続きですが、ちょっと長い目で、冷静に考えると、世の中、本当にちょっとヘンです。日本は世界唯一の被爆国、核廃絶は民族の悲願のはずでした。憲法で国の交戦権も否定する徹底的な平和憲法を誇りにした国でした。
なのに・・・・・・今、それを覆す動きが見過ごされています。国民は、いつ、このように戦争と核に不感症になったのでしょう。
★「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」との非核三原則は、歴代内閣がこれまで堅持してきた日本の国是でした。だからこそ、核兵器不拡散条約(NPT)上の非核兵器国として核兵器の製造や取得等を行わない義務を世界に公約し、国内の原子力活動も「原子力基本法」を制定して平和目的に厳しく限定してきました。
★ところが、突如、米海軍が原子力空母を神奈川県の横須賀基地に常時配備する、と、発表。寝耳に水の神奈川県や横須賀市は官民揃って反対を表明し、住民は大反発していますが、政府は、「日本の平和と安全に寄与する」(町村外相)とケロリ。一体、”持ち込ませず”の原則は、いつ消えたのでしょう。ひと頃、原子力船が入港するだけで暴動寸前の入港阻止闘争が展開されました。あの教訓はどこへ???
★オカシイことは、次々と起こっています。自民党が新憲法草案を決定しました。焦点の9条は戦争放棄を定めた1項の条文を維持するものの、戦力不保持・不使用を定めた2項を全面改定。”自衛隊”を”自衛軍”に格上げして軍隊保持を明記しました。その上、現行憲法が禁じる集団的自衛権の行使を事実上容認しました。だれがみても再軍備への備えです。その理屈は、「現状に合わない」 ??? 憲法に照らして現状が逸脱しているのであれば、正すのが筋。条文の拡張解釈で”憲法に違反する”既成事実を積み上げた挙げ句、「現状に合わない」とは?? 一体、憲法とは何なのか?
★世界の動きもオカシイ。今、最大の関心事は核兵器の拡散防止です。北朝鮮が「核兵器を保有している」と公言したことから、日、米、中、韓、露、北朝鮮の6カ国協議の枠組みで交渉が続いていますね。核兵器の開発や保有を止めさせるはずの話が、いつの間にか、どの国が合法的に核兵器を保有できるか、の確認になっています。
★そもそも、6カ国協議の大義名分は、1970年に成立した「核拡散防止
条約」(NPT)ですね。この条約は、1967年1月1日時点で核兵器を保有していた、米、露、英、仏、中の5カ国と、それ以外の国に分けて、保有5カ国には核兵器の譲渡禁止と、核軍縮の”努力”を要請。その他の(当時の)非保有国には核兵器の製造・保持を禁止しています。
★この核兵器保有5カ国は国連安全保障理事会の常任理事国でもあり、条約に違反する国に対しては、その放棄を迫る圧倒的力を保持しています。そのニラミは、最初の頃は、それなりに有効でした。ところが、条約に加盟していないインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮などが、次々と核武装を完成し、これらの国々に対する有効な手が打てないまま、今日に至っている状態です。
★オカシイのは、数発の核爆弾の保有に目くじらを立てて「平和の敵」と弾劾する5カ国は一体、どうなのか?
その実態は、ほとんど明らかにされません。NPTによれば、この5カ国の核兵器保有は「1967年時点で凍結され、その(譲渡)移動を禁止し、保有している核兵器の”軍縮”をする」ことが求められています。
★だとするなら、だれでも、この5カ国が38年前、それぞれ、どんな核兵器を何発、持っていたのか? その核兵器はこの38年間のうちに何発減らした(あるいは増えた)のか? この38年間に5カ国は、新しい核兵器を開発しなかったのか、開発したのか? まず、NPTが要請している「努力」義務の実際を明らかにすべきでしょう。
★ある調査によると、アメリカは、NPT条約締結当時、8000発の核兵器を保持していたそうです。それが、現在は1万800発だと言います。その他の国々はヒトケタ落ち、二ケタ落ちの保有数ですが、どこの国も締結時よりも数を増やしており、しかも新種の核兵器を開発しているといいます。
★5カ国の核増殖はいいが、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の核保有は、例え一発であってもいけない。この理屈は、どこから出てくるのか? 世界の人々が、核兵器拡散問題について、もう一つ、世論が盛り上がらないのは、この巨大5カ国のエゴが見え見えだからでしょう。
★ともかく、こうして、オカシイ話がまかり通っています。気がついたら、我が子・孫が戦場に・・・・・ 昭和5年生まれの私には、何か、最近の風潮には、何時か来た道が被さります。満州事変から日中戦争、そして太平洋戦争へ、それはアメリカ、英国、中国、オランダによるいわゆる「ABCD包囲網」による兵糧責めを打開する自衛戦であった、と言い聞かされ、私の同年齢以上の男子は戦争に駆り出されました。
★何故、日本は、「自衛軍」を持たねばならないのか? ただ、それだけでもいい。真剣に考えようではありませんか。憲法を変えてから、シマッタ、と思ってももう遅いのです。オカシイことを徹底的に問いつめる問題意識を持ちましょう。
by zenmz
| 2005-11-01 00:00