2005年 11月 02日
【5181】 『肥満』・・・誰の責任? 業者 or 自己責任 |
【同文縦書】(PDF9Kb)
★先週のことで少々、旧聞の話の蒸し返しになりますが、例の、アメリカ連邦議会下院が「チーズバーガー法案」を可決した、というお話し。この法案の正式名称は、「食品消費個人責任法」(The Personal Responsibility in Food Consumption Act)だけど一般に分かりよい通称で、こう呼ばれています。
★文字通り、アメリカを代表する食品【ハンバーガー】に深く関わる法案で、これまで「肥満の原因はハンバーガーが原因」と、その責任を問う集団訴訟が相次いで出され、これはタマラン、と、ファスト・フード業界が「食い過ぎは個人責任、健康管理は事故責任で・・・」と、免責を求める法の制定を求めていたのが認められた、と言うわけ。
★未だ上院の審議は終わっていないそうですが、ともかく、州段階では、約半数近い、21州で、消費者の肥満訴訟を認めない同趣旨の業界保護法が成立しており、その州では事実上、提訴しても却下されているそうです。
★有名なギャロップ調査によると、アメリカ人10人のうち9人がハンバーガー大好き、だそうです。チーズや肉をたっぷり挟んだハンバーガーを食い過ぎで肥満になったかも・・・と考えるのも自然かもしれません。だから、それは業界の責任とする短絡さがアメリカ人のアメリカ人たる由縁ですね。
★その原因は、世界に有名な”訴訟社会”の論理構造。何でも他人の責任に転嫁して、ゼニを取る。ダメで元々、とタキツケル弁護士がいっぱいいて、ビックリするような非常識な判決が次々と出て世界を呆れ返させてきました。だからこんな噴飯モノの法律制定が真剣に議論されるのでしょう。
★病めるアメリカの”訴訟社会”を説明するのによく持ち出されるエピソードは、「ステラ・リーベック事件」。もうかれこれ10年ほど前の話ですが、79歳だったステラさんは,自動車を運転してドライブスルーのテイクアウトでコーヒーを買い,自動車の運転席に座ったまま,太股ふとももにコーヒー容器を挟んで蓋ふたを開けようとしたら,容器が倒れてお尻に火傷を負いました。
★日本だと、誰がみても本人の不注意。だが、アメリカでは違っていました。米・ニューメキシコ州裁判所は,1994年9月,ステラさん自身の過失2割としてその分を減額したうえで,店側に64万ドル(当時で6400万円)の賠償額支払いを命じたのです。
★集団訴訟で有名なのは喫煙による肺ガンの責任を追及する訴訟ですね。タバコ業界こぞって免責立法を目指しましたが、こちらはさすがに不発に終わりました。こんどのチーズバーガー法も同工異曲の業者対消費者団体の攻防論議がありますが、連邦政府は「個人の肥満の原因は食品メーカー、販売業者、卸売業者、スポンサーにあるのではない。肥満は個人の食品摂取に起因するものである」との声明を発表。
★一方、消費者団体は、「不見識。個人の訴訟権を政府が剥奪する権利はない」と猛反発して、「食品事故はこの限りではない」との言質を引き出しています。中には民主党の反対派議員のように「州議会が面倒を避けるために定めようとしている法案だ」と意見を述べ、業者肩入れの免責立法に反対する声も多く, 議決は、賛成306、反対120で、予想以上の反対があった、と言われます。
★飢餓に苦しむアフリカ社会と飽食の果てにダメモト訴訟攻防に明け暮れするアメリカ社会。何という悲しい現実でしょう。我が国が、どんどんアメリカ化していく風潮が心配でなりません。
★先週のことで少々、旧聞の話の蒸し返しになりますが、例の、アメリカ連邦議会下院が「チーズバーガー法案」を可決した、というお話し。この法案の正式名称は、「食品消費個人責任法」(The Personal Responsibility in Food Consumption Act)だけど一般に分かりよい通称で、こう呼ばれています。
★文字通り、アメリカを代表する食品【ハンバーガー】に深く関わる法案で、これまで「肥満の原因はハンバーガーが原因」と、その責任を問う集団訴訟が相次いで出され、これはタマラン、と、ファスト・フード業界が「食い過ぎは個人責任、健康管理は事故責任で・・・」と、免責を求める法の制定を求めていたのが認められた、と言うわけ。
★未だ上院の審議は終わっていないそうですが、ともかく、州段階では、約半数近い、21州で、消費者の肥満訴訟を認めない同趣旨の業界保護法が成立しており、その州では事実上、提訴しても却下されているそうです。
★有名なギャロップ調査によると、アメリカ人10人のうち9人がハンバーガー大好き、だそうです。チーズや肉をたっぷり挟んだハンバーガーを食い過ぎで肥満になったかも・・・と考えるのも自然かもしれません。だから、それは業界の責任とする短絡さがアメリカ人のアメリカ人たる由縁ですね。
★その原因は、世界に有名な”訴訟社会”の論理構造。何でも他人の責任に転嫁して、ゼニを取る。ダメで元々、とタキツケル弁護士がいっぱいいて、ビックリするような非常識な判決が次々と出て世界を呆れ返させてきました。だからこんな噴飯モノの法律制定が真剣に議論されるのでしょう。
★病めるアメリカの”訴訟社会”を説明するのによく持ち出されるエピソードは、「ステラ・リーベック事件」。もうかれこれ10年ほど前の話ですが、79歳だったステラさんは,自動車を運転してドライブスルーのテイクアウトでコーヒーを買い,自動車の運転席に座ったまま,太股ふとももにコーヒー容器を挟んで蓋ふたを開けようとしたら,容器が倒れてお尻に火傷を負いました。
★日本だと、誰がみても本人の不注意。だが、アメリカでは違っていました。米・ニューメキシコ州裁判所は,1994年9月,ステラさん自身の過失2割としてその分を減額したうえで,店側に64万ドル(当時で6400万円)の賠償額支払いを命じたのです。
★集団訴訟で有名なのは喫煙による肺ガンの責任を追及する訴訟ですね。タバコ業界こぞって免責立法を目指しましたが、こちらはさすがに不発に終わりました。こんどのチーズバーガー法も同工異曲の業者対消費者団体の攻防論議がありますが、連邦政府は「個人の肥満の原因は食品メーカー、販売業者、卸売業者、スポンサーにあるのではない。肥満は個人の食品摂取に起因するものである」との声明を発表。
★一方、消費者団体は、「不見識。個人の訴訟権を政府が剥奪する権利はない」と猛反発して、「食品事故はこの限りではない」との言質を引き出しています。中には民主党の反対派議員のように「州議会が面倒を避けるために定めようとしている法案だ」と意見を述べ、業者肩入れの免責立法に反対する声も多く, 議決は、賛成306、反対120で、予想以上の反対があった、と言われます。
★飢餓に苦しむアフリカ社会と飽食の果てにダメモト訴訟攻防に明け暮れするアメリカ社会。何という悲しい現実でしょう。我が国が、どんどんアメリカ化していく風潮が心配でなりません。
by zenmz
| 2005-11-02 00:00