2006年 01月 19日
【6019】 新聞の自己反省・・・ある志と史観 |
★ 「昨年夏だったと思いますが、沖縄の新聞が沖縄戦争の模様を60年後のその日の日付で”報道”した新聞を発行している」というお話しを、このブログで拝見しました。探したのですが、見あたりません。生徒たちに読ませたいのですが、どうすれば入手できるでしょうか?」 大阪の高校教師・KMさんからメールが届きました。
★ 確かに沖縄の琉球新報社が終戦60周年記念特別企画として60年前の”その日”の戦争実録を再現した新聞を発行している、是非、ご覧を・・・と紹介する記事をこのブログに書きました。それが何時だったか? 筆者である私自身も、うろ覚えで、直ちに日付を辿ることが出来ません。【追記】 その後、調べましたら7月9日付け本ブログのエントリー【5043】「語り継ぐ戦争体験・・・恒久平和への誓い」でした。
★ 大本営発表だけの戦争報道に身をやつし、結果として国民を破滅に導いた・・・その反省を込めて60年後に後輩記者が真実を明らかにした新聞を当時の日付に忠実に記録し直した。本当にショックを受けた記事でした。
とりあえず、琉球新報社のホームページで検索してみました。問題の記事は、今も、こちらで公開されていました。【沖縄戦新聞】
★ ユニークなその新聞のタイトルは「沖縄戦新聞」 発行趣旨は「今年(2005年)は1945年の沖縄戦終結から60年です。戦後60年報道の一環として「沖縄戦新聞」を企画し、2004年7月に第一号「サイパン陥落」を発行してから、最終14号「降伏文書調印」まで計14回を本紙特集面として発行しました」と説明されています。
★ 沖縄戦を三カ月間の地上戦に限定するのではなく、体験者の証言を中心に軍による住民の根こそぎ動員など、すべての県民が戦争に巻き込まれていく過程も描くことで、沖縄戦の実相に迫った迫力在る新聞になっています。
★ このユニークな新聞発行の発想と、その見事な構成は早くからジャーナリズム界の話題になって折り平成17年度新聞協会賞、早稲田ジャーナリズム大賞を相次いで授賞しました。
★ 2004年7月7日発行の第1号(トップ記事・サイパン陥落)から2005年9月7日発行の第14号(トップ記事・日本守備軍が降伏)までのすべてが60ページ新聞紙に合本され、A4版変形箱入り増刷版(840円)で発売されているそうですが、沖縄新報社のPRページで最後の第14号1面の見本紙(PDFファイル1ページ分)を無料で見ることが出来ます。
★ 当時の新聞は「大本営発表」だけを記事にしました。それは嘘で塗り固められて、真実を全く伝えていませんでした。『沖縄戦新聞』によれば、すでに5月初めに沖縄戦は事実上敗北していたのに捨て石のような持久戦が6月下旬まで続き、巻き添えになっても勝利を信じていた住民は終盤の「解散命令」で見捨てられ、さらに倒れた、と言います。軍人が庶民を見捨てる状況は生々しく記録されています。
★ メールを下さったKMさんは、かつて私が大阪にいた頃、共に学んだ高校問題研究会のお仲間でした。春休みに戦争を考え、継承する勉強会をなさる予定だそうです。いい試みですね。戦争体験を風化させない。それは、教育を通じてしか出来ないことです。志と史観、それが真実を正しく伝える。「沖縄戦新聞」はそれを実証しているように思います。
★ 確かに沖縄の琉球新報社が終戦60周年記念特別企画として60年前の”その日”の戦争実録を再現した新聞を発行している、是非、ご覧を・・・と紹介する記事をこのブログに書きました。それが何時だったか? 筆者である私自身も、うろ覚えで、直ちに日付を辿ることが出来ません。【追記】 その後、調べましたら7月9日付け本ブログのエントリー【5043】「語り継ぐ戦争体験・・・恒久平和への誓い」でした。
★ 大本営発表だけの戦争報道に身をやつし、結果として国民を破滅に導いた・・・その反省を込めて60年後に後輩記者が真実を明らかにした新聞を当時の日付に忠実に記録し直した。本当にショックを受けた記事でした。
とりあえず、琉球新報社のホームページで検索してみました。問題の記事は、今も、こちらで公開されていました。【沖縄戦新聞】
★ ユニークなその新聞のタイトルは「沖縄戦新聞」 発行趣旨は「今年(2005年)は1945年の沖縄戦終結から60年です。戦後60年報道の一環として「沖縄戦新聞」を企画し、2004年7月に第一号「サイパン陥落」を発行してから、最終14号「降伏文書調印」まで計14回を本紙特集面として発行しました」と説明されています。
★ 沖縄戦を三カ月間の地上戦に限定するのではなく、体験者の証言を中心に軍による住民の根こそぎ動員など、すべての県民が戦争に巻き込まれていく過程も描くことで、沖縄戦の実相に迫った迫力在る新聞になっています。
★ このユニークな新聞発行の発想と、その見事な構成は早くからジャーナリズム界の話題になって折り平成17年度新聞協会賞、早稲田ジャーナリズム大賞を相次いで授賞しました。
★ 2004年7月7日発行の第1号(トップ記事・サイパン陥落)から2005年9月7日発行の第14号(トップ記事・日本守備軍が降伏)までのすべてが60ページ新聞紙に合本され、A4版変形箱入り増刷版(840円)で発売されているそうですが、沖縄新報社のPRページで最後の第14号1面の見本紙(PDFファイル1ページ分)を無料で見ることが出来ます。
★ 当時の新聞は「大本営発表」だけを記事にしました。それは嘘で塗り固められて、真実を全く伝えていませんでした。『沖縄戦新聞』によれば、すでに5月初めに沖縄戦は事実上敗北していたのに捨て石のような持久戦が6月下旬まで続き、巻き添えになっても勝利を信じていた住民は終盤の「解散命令」で見捨てられ、さらに倒れた、と言います。軍人が庶民を見捨てる状況は生々しく記録されています。
★ メールを下さったKMさんは、かつて私が大阪にいた頃、共に学んだ高校問題研究会のお仲間でした。春休みに戦争を考え、継承する勉強会をなさる予定だそうです。いい試みですね。戦争体験を風化させない。それは、教育を通じてしか出来ないことです。志と史観、それが真実を正しく伝える。「沖縄戦新聞」はそれを実証しているように思います。
by zenmz
| 2006-01-19 17:34