2006年 02月 05日
【6039】 マラッカでの金婚記念会 |
★ 一夜明けて、未だ、心地よい興奮が醒めません。恐らく、昨夜のような特別に心がこもったパーティを経験出来るのは、この先、そう多くはないでしょう。希有の体験を得られた身の幸せと感動を、今、また噛みしめています。それは、一昨日の昼、このアパートのオーナーであるモリーさんからの電話で始まりました。
★ 「ゼニモトさん、結婚50周年おめでとう。土曜日に親しい友人が私の家に集まって祝賀パーティを開きます」 そして集ってくださったのは、フランス、オランダ、マレーシア、英国、日本、 国籍・人種は人ごとに色とりどり、実に国際色豊かに16人。午後7時、既に用意されていたスペイン料理を早速、いただきました。すごく美味しい、私は二皿、お代わりしたほどです。
★ 「これ・・・どなたが?」 早速、老妻が鍋の底を掻き交ぜながら見事な仕上がりに鍋底の吟味をしています。マラッカに滞在中のジャネットさんが「私とモリー、二人でつくったのよ」と親指を立てました。確かにお見事な腕前。「これは本格的ヤ」 老妻も感嘆の声を繰り返しています。久しぶりに本格的なパエリアをいただきました。
★ ビックリしたのは皆さんの酒豪ぶり。男だけではありません。居並ぶ女性たちも飲むは、飲むは、飲むほどに座は寛ぎ、一言、誰かがしゃべると、その度に大爆笑。笑い声は深夜まで続きました。quick witted conversation 洒脱な会話を楽しむマレーシア風社交術。こちらに来てからずっと、感心し続けているノリに私も釣られて滅多に飲まないワインを少しずつ傾けました。この雰囲気で飲むワイン。本当に美味しかったです。
★ 食事が終わると、ウイリアムさんの提案でゲームが始まりました。テーブル囲んで全員が輪になり、あらかじめ定められた約束事に従って、順番に序数字を唱え、つまずくと、酒を飲み干すオトナのゲーム。ピッチはどんどん上がり放し。飲むは、飲むは。 下戸の私はただ、驚くばかりです。でも感心したのは、なんといい酒。だれ一人、悪酔いの人はいません。飲むほどに桃源郷に浸るばかり・・・そして賑やかにquick witted conversation いい酒ですね。感心しました。
★ 座が最高潮に達した時、「では、そろそろ、真打ちの登場です」
万雷の拍手に迎えられて先ず、前座をつとめたのが、名古屋からマラッカに移り住んだHさん、未だ二十歳をすぎたばかりの若奥様です。習い覚えの手品をご披露。
★ そして、いよいよ本番は、マレーシア随一のマジシャン、ジェイスンさんの登場です。実は、ジェイスンさんはモリーさんの長男。今年27歳になる好青年ですが、昨年、私に、この部屋で、見事な手品を見せて下さいました。今日は「ゼニモトさんの結婚50周年記念のために・・・」と特別出演です。
★ 老妻を自らの横に座らせたジェイスンさんは、先ずボール球を使った手先の妙技を披露。一つの赤玉を見物客に握らせ、気合いを入れると、握ったままの手の内の赤玉が2個に??? アッと驚いていると、その赤玉がジェイスンさんのポケットに入ってしまっています。みんな、ポカン。唖然としています。だが、これは小手調べ。
★ 続いて、始まったトランプ・カードは更に複雑。バラバラの図柄がジェイソンさんの手の内で数回、回転すると、全部、同じ図柄模様になったり、全部、同じ数字に変わったり・・・・手にしたカードはたった4枚だけ。それを数回、転がすだけで綺麗に揃うのです。みんな何とかトリックを見破ろうと目を凝らしますが・・・・そのカラクリ、分かりません。
★ そして一本のヒモを操り、2本を1本に、1本を3本に、結わえた結びを一振りで解く・・・まるで白いヒモが自分で自在変化しているかのような感じ。殆ど、道具立てはありません。しかも、全員の目の前50センチから1.5メートル、老妻などは肩寄せ合った隣にいます。文字通り、目と鼻の先で繰り広げられる神業の数々、恐らく、このように見事なマジックを間近に見るのは、皆さんも初めてなのでしょう。拍手に次ぐ大拍手。
★ 私は、満足そうに息子の妙技を見守っているモリーさんの優しい心遣いを噛みしめていました。実は、昨年12月の中頃、初めてモリーさんに会った時、「何故、マラッカへ」と訊かれて、「結婚50周年。妻を家事から解放するため」と答えたのですが、その時、「金婚式は何時ですか」との質問に「1月18日」と言いました。
★ モリーさんが私たちに寄せてくださる好意が通り一遍のものでないことを知ったのは、その当日の1月18日でした。その日に合わせて祝賀メールが日本に送られてきたのです。その心配りと温まるメッセージの深い内容を思い起こしていました。
★ 「折り紙はちょっと多めに持っていった方がいいかもネ」 日本を出る前の旅装準備につぶやいていた老妻の予感はピッタリ大当たりでした。老若男女、年齢を問わず、ここの皆さんは日本の折り紙が大好きのようです。今夜は、とりわけ同じアパートに住む英国の老婦人、リンさんが「もっと、もっと、もう一回」と大変な入れ込みようです。「すみません。用紙が切れました。後は、アパートに帰ってから、後日、ゆっくりと個別指導しますからね・・・・」 老妻の説明で全員、大爆笑。
★ ふと気づくと、柱時計は12時を指しています。老妻が「そろそろお礼のご挨拶を・・・」と促しました。しかし、私は一人、深い感動に浸っていました。今、口を開くと、目から涙が溢れるでしょう。「ちょっと、待って」 座が落ち着き、そろそろ皆さんが帰宅する気分になられた時、やっと、口を開きました。
★ 「モリーさん、ジェイスンさん、今夜は本当にすばらしい祝賀パーティをありがとう。私はマラッカでこのような光栄を受けるとは思いもしませんでした。そしてご親切にお集まり下さった友人の皆さん。みなさん、お一人お一人が私たちに向けて下さった暖かい友情に感謝します。
★ 私と妻は、結婚以来50年、日本を訪れる異国の人々を我が家に招き、一度、我が家を訪れた人たちを「MZFamInternational」のメンバーとして記憶してきました。MZFI のメンバーは、すでに200人をゆうに超えています。そのメンバーたちに、私たちは常に語りかけています。「あなた達は我が家族。あなたの日本の家はここにあるのを忘れないで・・・私たちは、愛する家族の帰宅を心待ちしています」
★ 皆さん、私たち夫婦は、今、この場所で、MZFI にお招きしたい新しい”家族”に巡り会った思いを深めています。私たちは皆さんお一人お一人を我が家族の一員にお迎えしたいのです。どうぞ、私たちのこの思いを受け入れてください。そして忘れないでください。あなた達の日本の家が岡山にあることを・・・、そこには私たちがあなたの帰郷を待っていることを。 ありがとう。今夜の感動、一生、忘れることはありません」
★ 「ゼニモトさん、結婚50周年おめでとう。土曜日に親しい友人が私の家に集まって祝賀パーティを開きます」 そして集ってくださったのは、フランス、オランダ、マレーシア、英国、日本、 国籍・人種は人ごとに色とりどり、実に国際色豊かに16人。午後7時、既に用意されていたスペイン料理を早速、いただきました。すごく美味しい、私は二皿、お代わりしたほどです。
★ 「これ・・・どなたが?」 早速、老妻が鍋の底を掻き交ぜながら見事な仕上がりに鍋底の吟味をしています。マラッカに滞在中のジャネットさんが「私とモリー、二人でつくったのよ」と親指を立てました。確かにお見事な腕前。「これは本格的ヤ」 老妻も感嘆の声を繰り返しています。久しぶりに本格的なパエリアをいただきました。
★ ビックリしたのは皆さんの酒豪ぶり。男だけではありません。居並ぶ女性たちも飲むは、飲むは、飲むほどに座は寛ぎ、一言、誰かがしゃべると、その度に大爆笑。笑い声は深夜まで続きました。quick witted conversation 洒脱な会話を楽しむマレーシア風社交術。こちらに来てからずっと、感心し続けているノリに私も釣られて滅多に飲まないワインを少しずつ傾けました。この雰囲気で飲むワイン。本当に美味しかったです。
★ 食事が終わると、ウイリアムさんの提案でゲームが始まりました。テーブル囲んで全員が輪になり、あらかじめ定められた約束事に従って、順番に序数字を唱え、つまずくと、酒を飲み干すオトナのゲーム。ピッチはどんどん上がり放し。飲むは、飲むは。 下戸の私はただ、驚くばかりです。でも感心したのは、なんといい酒。だれ一人、悪酔いの人はいません。飲むほどに桃源郷に浸るばかり・・・そして賑やかにquick witted conversation いい酒ですね。感心しました。
★ 座が最高潮に達した時、「では、そろそろ、真打ちの登場です」
万雷の拍手に迎えられて先ず、前座をつとめたのが、名古屋からマラッカに移り住んだHさん、未だ二十歳をすぎたばかりの若奥様です。習い覚えの手品をご披露。
★ そして、いよいよ本番は、マレーシア随一のマジシャン、ジェイスンさんの登場です。実は、ジェイスンさんはモリーさんの長男。今年27歳になる好青年ですが、昨年、私に、この部屋で、見事な手品を見せて下さいました。今日は「ゼニモトさんの結婚50周年記念のために・・・」と特別出演です。
★ 老妻を自らの横に座らせたジェイスンさんは、先ずボール球を使った手先の妙技を披露。一つの赤玉を見物客に握らせ、気合いを入れると、握ったままの手の内の赤玉が2個に??? アッと驚いていると、その赤玉がジェイスンさんのポケットに入ってしまっています。みんな、ポカン。唖然としています。だが、これは小手調べ。
★ 続いて、始まったトランプ・カードは更に複雑。バラバラの図柄がジェイソンさんの手の内で数回、回転すると、全部、同じ図柄模様になったり、全部、同じ数字に変わったり・・・・手にしたカードはたった4枚だけ。それを数回、転がすだけで綺麗に揃うのです。みんな何とかトリックを見破ろうと目を凝らしますが・・・・そのカラクリ、分かりません。
★ そして一本のヒモを操り、2本を1本に、1本を3本に、結わえた結びを一振りで解く・・・まるで白いヒモが自分で自在変化しているかのような感じ。殆ど、道具立てはありません。しかも、全員の目の前50センチから1.5メートル、老妻などは肩寄せ合った隣にいます。文字通り、目と鼻の先で繰り広げられる神業の数々、恐らく、このように見事なマジックを間近に見るのは、皆さんも初めてなのでしょう。拍手に次ぐ大拍手。
★ 私は、満足そうに息子の妙技を見守っているモリーさんの優しい心遣いを噛みしめていました。実は、昨年12月の中頃、初めてモリーさんに会った時、「何故、マラッカへ」と訊かれて、「結婚50周年。妻を家事から解放するため」と答えたのですが、その時、「金婚式は何時ですか」との質問に「1月18日」と言いました。
★ モリーさんが私たちに寄せてくださる好意が通り一遍のものでないことを知ったのは、その当日の1月18日でした。その日に合わせて祝賀メールが日本に送られてきたのです。その心配りと温まるメッセージの深い内容を思い起こしていました。
★ 「折り紙はちょっと多めに持っていった方がいいかもネ」 日本を出る前の旅装準備につぶやいていた老妻の予感はピッタリ大当たりでした。老若男女、年齢を問わず、ここの皆さんは日本の折り紙が大好きのようです。今夜は、とりわけ同じアパートに住む英国の老婦人、リンさんが「もっと、もっと、もう一回」と大変な入れ込みようです。「すみません。用紙が切れました。後は、アパートに帰ってから、後日、ゆっくりと個別指導しますからね・・・・」 老妻の説明で全員、大爆笑。
★ ふと気づくと、柱時計は12時を指しています。老妻が「そろそろお礼のご挨拶を・・・」と促しました。しかし、私は一人、深い感動に浸っていました。今、口を開くと、目から涙が溢れるでしょう。「ちょっと、待って」 座が落ち着き、そろそろ皆さんが帰宅する気分になられた時、やっと、口を開きました。
★ 「モリーさん、ジェイスンさん、今夜は本当にすばらしい祝賀パーティをありがとう。私はマラッカでこのような光栄を受けるとは思いもしませんでした。そしてご親切にお集まり下さった友人の皆さん。みなさん、お一人お一人が私たちに向けて下さった暖かい友情に感謝します。
★ 私と妻は、結婚以来50年、日本を訪れる異国の人々を我が家に招き、一度、我が家を訪れた人たちを「MZFamInternational」のメンバーとして記憶してきました。MZFI のメンバーは、すでに200人をゆうに超えています。そのメンバーたちに、私たちは常に語りかけています。「あなた達は我が家族。あなたの日本の家はここにあるのを忘れないで・・・私たちは、愛する家族の帰宅を心待ちしています」
★ 皆さん、私たち夫婦は、今、この場所で、MZFI にお招きしたい新しい”家族”に巡り会った思いを深めています。私たちは皆さんお一人お一人を我が家族の一員にお迎えしたいのです。どうぞ、私たちのこの思いを受け入れてください。そして忘れないでください。あなた達の日本の家が岡山にあることを・・・、そこには私たちがあなたの帰郷を待っていることを。 ありがとう。今夜の感動、一生、忘れることはありません」
by zenmz
| 2006-02-05 19:06
| マレーシア慕情