2006年 02月 27日
【6061】 Melaka! Awa sudah makan? |
★ 「愉しかった1ヶ月はアッという間に過ぎ、いよいよ明後日にはオカヤマに帰ります。マラッカに来たその夜から今日まで、毎日、毎日、私たち老夫婦を支えて下さってありがとう。おかげで100年をこの地で過ごした想いがします。今日は日本料理でお別れパーティです。ご用意したのはスシ、とテンプラ。日本料理を代表するお料理です」 2月26日の日曜日の夜、我が家でお別れパーティをしました。
★ ご招待したのは、私たちが到着した直後、「金婚祝賀会」を企画して歓迎して下さった皆さん。都合がつかず当日、出席できなかった大家さんの家族、特にその子供たちも招いて総勢25人。マレーシア、インドネシア、英国、オランダ、ベルギー、日本と国籍も多彩。ただ一つ共通するのは皆さん全員が「日本料理は初めて」 午後7時過ぎ、興味津々の眼差しの中へ料理をセッティングして開宴。
★ 実は1週間前に大家さん一族を招いて日本料理パーティをやっており、皆さんのお好みは大体、掴んでいました。今回はその経験を元にウナギの蒲焼きや、鶏のスナズリ、豆腐やエノキダケのテンプラなど数種の新顔をデビューさせましたが、これが特に大好評。台所とテーブルを往復すること10数回。子供たちの席に行くと、「スカ」 「スダ」と言う単語が何回も飛び出します。聞けば「スカは好き。スダは美味しい」とか。皆さん本当に日本料理が”スカ”で”スダ”だったようです。テーブルの上はキレイに無くなりました。
★ 「エッ!」 驚きの大声を上げたのは台所の老妻です。前回は人数も少ないこともあって多少、残り物が出て、皆さんに少しずつお持ち帰りしていただき、それが大好評でした。そこで今回は、別にタコメシを1鍋追加して、その分ぐらいは残るだろうと”多めに”準備したつもりだったのですが・・・鍋満杯のタコメシも、スシも、テンプラも・・・・全部、売り切れ。
老妻に向けられたのは「スダ」 「スダ」の連発。掛け値なしで皆さん、日本料理にご満足でした。食卓には何も残っていませんでした。
★ Awa sudah makan? 今度こそはマレーシア語を・・・と意気込んでいたのですが、便利な英語ばかりで通して、とうとうマレーシア語は習わず終いでした。それでも、この言葉だけは耳に焼き付いています。”アワ・スダ・マカン” 「あなたはもう食事がおすみになりましたか?」と言う意味です。
★ 最初の「アワ」は「あなた」と言う二人称代名詞で屡々、省略されていて、よく耳にするのは「スダマカン?」 「ゴハン食べた?」 「ヤー・スダ・・・うん済んだ」 そんな感じのやりとりです。こちらの人々は日常生活で”食べること”を本当に大切にします。町のあちこちにレストランはいっぱいあって、どこも、いつも、深夜に到るまでにぎわっています。
★ 昨夜のパーティで、子供たちがしきりに言っていたのは「スダ」でした。「スダ」って「美味しいではなかったか?」 気になるのでモリーさんに伺うと、発音は同じでも字が違うそうです。「もう・・・・した?」の意味に使う「sudah」は最後がh。「美味しい」方は「sudap」 最後がpになります。私たちには分からないけど、現地の人々には発音は違って聞こえるのですね。「橋」と「箸」の違いでしょうか?
★ ともかくここでは友情の深めは先ず食にあり。この生活信条は私たち夫妻の生き方そのもの、実にピッタリきます。マレーシアに来て、マラッカの人々と生活リズムの波長が良く合う感じで、居心地がいいのも、案外、こうして台所を開放し合ってお付き合い、の習慣が身に付いているからかもしれません。
★ 結婚生活50年。私たちは、会社の同僚、地域社会の交わり、そして親子・親戚の固め・・・とにかく、会えば食事を共にし、親交を深めてきました。古くからの主婦の心構え・・・主婦業を誇り続けて50年。生活の中で培ってきた老妻の技能の効用。マラッカで改めて確かめました。言葉より強い武器です。
★ しかし、一時しのぎのレンタルアパートでのこと。夫婦二人の生活には事欠くことはありませんが、25人もの客を迎えて本格的な食事パーティを準備するのは大変でした。比較的安い食器類は何とか買いそろえれば済みますが、問題は調理用の鍋釜、テンプラとなると、ガス器具の炎の調整・油の管理も大事になります。
★ 日本料理用となると乏しい材料の仕込みはジャスコへ。前日から調理し保存出来るメニューと即席でないと出せないメニュー、こうしておかねば・・と分かっていても夫婦用の小さな冷蔵庫では貯蔵も大変です。ここはやはり50年のキャリアがモノをいい見事に切り抜けました。50年を共に暮らした糟糠の妻の偉大なノウハウに改めて目を瞠っています。
★ ご招待したのは、私たちが到着した直後、「金婚祝賀会」を企画して歓迎して下さった皆さん。都合がつかず当日、出席できなかった大家さんの家族、特にその子供たちも招いて総勢25人。マレーシア、インドネシア、英国、オランダ、ベルギー、日本と国籍も多彩。ただ一つ共通するのは皆さん全員が「日本料理は初めて」 午後7時過ぎ、興味津々の眼差しの中へ料理をセッティングして開宴。
★ 実は1週間前に大家さん一族を招いて日本料理パーティをやっており、皆さんのお好みは大体、掴んでいました。今回はその経験を元にウナギの蒲焼きや、鶏のスナズリ、豆腐やエノキダケのテンプラなど数種の新顔をデビューさせましたが、これが特に大好評。台所とテーブルを往復すること10数回。子供たちの席に行くと、「スカ」 「スダ」と言う単語が何回も飛び出します。聞けば「スカは好き。スダは美味しい」とか。皆さん本当に日本料理が”スカ”で”スダ”だったようです。テーブルの上はキレイに無くなりました。
★ 「エッ!」 驚きの大声を上げたのは台所の老妻です。前回は人数も少ないこともあって多少、残り物が出て、皆さんに少しずつお持ち帰りしていただき、それが大好評でした。そこで今回は、別にタコメシを1鍋追加して、その分ぐらいは残るだろうと”多めに”準備したつもりだったのですが・・・鍋満杯のタコメシも、スシも、テンプラも・・・・全部、売り切れ。
老妻に向けられたのは「スダ」 「スダ」の連発。掛け値なしで皆さん、日本料理にご満足でした。食卓には何も残っていませんでした。
★ Awa sudah makan? 今度こそはマレーシア語を・・・と意気込んでいたのですが、便利な英語ばかりで通して、とうとうマレーシア語は習わず終いでした。それでも、この言葉だけは耳に焼き付いています。”アワ・スダ・マカン” 「あなたはもう食事がおすみになりましたか?」と言う意味です。
★ 最初の「アワ」は「あなた」と言う二人称代名詞で屡々、省略されていて、よく耳にするのは「スダマカン?」 「ゴハン食べた?」 「ヤー・スダ・・・うん済んだ」 そんな感じのやりとりです。こちらの人々は日常生活で”食べること”を本当に大切にします。町のあちこちにレストランはいっぱいあって、どこも、いつも、深夜に到るまでにぎわっています。
★ 昨夜のパーティで、子供たちがしきりに言っていたのは「スダ」でした。「スダ」って「美味しいではなかったか?」 気になるのでモリーさんに伺うと、発音は同じでも字が違うそうです。「もう・・・・した?」の意味に使う「sudah」は最後がh。「美味しい」方は「sudap」 最後がpになります。私たちには分からないけど、現地の人々には発音は違って聞こえるのですね。「橋」と「箸」の違いでしょうか?
★ ともかくここでは友情の深めは先ず食にあり。この生活信条は私たち夫妻の生き方そのもの、実にピッタリきます。マレーシアに来て、マラッカの人々と生活リズムの波長が良く合う感じで、居心地がいいのも、案外、こうして台所を開放し合ってお付き合い、の習慣が身に付いているからかもしれません。
★ 結婚生活50年。私たちは、会社の同僚、地域社会の交わり、そして親子・親戚の固め・・・とにかく、会えば食事を共にし、親交を深めてきました。古くからの主婦の心構え・・・主婦業を誇り続けて50年。生活の中で培ってきた老妻の技能の効用。マラッカで改めて確かめました。言葉より強い武器です。
★ しかし、一時しのぎのレンタルアパートでのこと。夫婦二人の生活には事欠くことはありませんが、25人もの客を迎えて本格的な食事パーティを準備するのは大変でした。比較的安い食器類は何とか買いそろえれば済みますが、問題は調理用の鍋釜、テンプラとなると、ガス器具の炎の調整・油の管理も大事になります。
★ 日本料理用となると乏しい材料の仕込みはジャスコへ。前日から調理し保存出来るメニューと即席でないと出せないメニュー、こうしておかねば・・と分かっていても夫婦用の小さな冷蔵庫では貯蔵も大変です。ここはやはり50年のキャリアがモノをいい見事に切り抜けました。50年を共に暮らした糟糠の妻の偉大なノウハウに改めて目を瞠っています。
by zenmz
| 2006-02-27 23:07