2006年 03月 26日
【6072】 問われる政治家の見識 |
★ さすがに見識ある大政治家の対処、と感心しました。3月24日に行われた衆院懲罰委員会での永田寿康議員に対する質疑。最後に登場した綿貫民輔前衆院議長(国民新党)は、質問に先立ち・・・と前置きして政治家が不祥事に対処する心構えを孫に教えるようにコンコンと説かれました。【発言内容】 (カレンダーの3月24日をクリックすると、選べます)
★ 12分間にわたった演説は、「憲法で国会が国権の最高機関とより高い位置づけられるゆえんは議会の権威、品格は自らが責任をもって守るとの考えだからである」とし、政治家・永田寿康議員が冒した過ちは、偽メールを振りかざして「言論の府において言論をもてあそび、その結果、言論の府への信頼を大きく失墜させた」と断罪しました。
★ そして、それが全く偽物であったことが判明した後に同議員が記者会見で武部自民党幹事長らに謝罪したことに関連して、「本来、だれに謝るべきだったか、より広い視野に立てば、議会の権威、品位を貶めたのだから、そもそも発言をした場である予算委員会の予算委員長、議院の代表である衆議院議長に謝罪するべきだった」と、政治家としての不明を指摘しました。
★ 次いで所属政党である民主党・前原代表の曖昧な態度についても「大きく品位を汚された議院に正式に謝罪したのか。物事の本質をとらえず、小手先の謝罪で糊塗しようとするのは議会人の姿勢として認めることはできない」と言い切り、更にその鋭い舌鋒は与野党全体に向けられます。
★ 「動議が付託されすでに22日間。与党は情報仲介者を証人喚問しろと主張しているが、新聞報道によれば懲罰委員会の審査を引き延ばすだけのように見える。民主党も調査が遅れ、懲罰審査を積極的にやろうとしていない。党内事情や与野党の駆け引きで懲罰審査が進まないとしたら、懲罰制度自体が議会の品位を傷つけ、懲罰委員会がかえって議会の信頼を失わさせる」と、各政党の処理能力も問題に取り上げます。
★ その通り!と、思わずヤジを飛ばしたくなったのは小泉首相を叱りつけた場面。「小泉総理が永田議員の除名は厳しすぎると発言したという。憲法で定められた議会の自律権に行政府の長が容喙(ようかい)するのは越権行為であり、立法府と行政府の垣根がわかっていないと疑う。他人の家に土足で踏み込むような発言だ」
★ 「議会がこれを無批判に受け止め聞き流しているのでは、議会の権威を大きく損ねる。議会が鈍感になっていて自律ができていないという意味だといってよいだろう」
軽佻浮薄の首相を頂いた現政権に対する長老の嘆きが痛いほど伝わって来ます。国会が自浄作用を失い、大統領を気取る行政府の長が出て来ると、議会制民主主義は終わります。
★ 「信頼を失った野党は政府を追及できない。野党が機能しない議会は存在意義を失う。 その信頼を喪失させた責任は大きい。これ以上、生き恥をさらすことなく、自ら出処進退を決断すべきである」
長い前置きの後、たった一つの質問を永田議員に向けました。
★ しかし、この若い議員は「大変高い見識のご意見」とコメントしただけ。その言葉と裏腹に、シラっとした表情。本当に目を疑う一瞬でした。無表情な、虚ろな目は何も寄せ付けないふてぶてしさを感じさせます。
★ 国権の最高機関の場で、大政治家の大見識を聞かされながら、自らの出処進退は明らかにせず、テレビの前で政治家として最大の生き恥をさらしました。偽情報に躍らされ、国会を混迷に陥れた欠陥議員がここまで開き直って居座る。
★ 国民の一人として願うのは、国会が一刻も早く、除名処分の結論を出すことだ、と強く感じました。まあしかし、綿貫大長老も、郵政民営化騒動で「反小泉」の旗幟を鮮明にし、国民新党を結成したばかり、政権から遠のくと、このように透徹して目で、鮮明にモノが言えるのですね。別な感慨です。
★ 12分間にわたった演説は、「憲法で国会が国権の最高機関とより高い位置づけられるゆえんは議会の権威、品格は自らが責任をもって守るとの考えだからである」とし、政治家・永田寿康議員が冒した過ちは、偽メールを振りかざして「言論の府において言論をもてあそび、その結果、言論の府への信頼を大きく失墜させた」と断罪しました。
★ そして、それが全く偽物であったことが判明した後に同議員が記者会見で武部自民党幹事長らに謝罪したことに関連して、「本来、だれに謝るべきだったか、より広い視野に立てば、議会の権威、品位を貶めたのだから、そもそも発言をした場である予算委員会の予算委員長、議院の代表である衆議院議長に謝罪するべきだった」と、政治家としての不明を指摘しました。
★ 次いで所属政党である民主党・前原代表の曖昧な態度についても「大きく品位を汚された議院に正式に謝罪したのか。物事の本質をとらえず、小手先の謝罪で糊塗しようとするのは議会人の姿勢として認めることはできない」と言い切り、更にその鋭い舌鋒は与野党全体に向けられます。
★ 「動議が付託されすでに22日間。与党は情報仲介者を証人喚問しろと主張しているが、新聞報道によれば懲罰委員会の審査を引き延ばすだけのように見える。民主党も調査が遅れ、懲罰審査を積極的にやろうとしていない。党内事情や与野党の駆け引きで懲罰審査が進まないとしたら、懲罰制度自体が議会の品位を傷つけ、懲罰委員会がかえって議会の信頼を失わさせる」と、各政党の処理能力も問題に取り上げます。
★ その通り!と、思わずヤジを飛ばしたくなったのは小泉首相を叱りつけた場面。「小泉総理が永田議員の除名は厳しすぎると発言したという。憲法で定められた議会の自律権に行政府の長が容喙(ようかい)するのは越権行為であり、立法府と行政府の垣根がわかっていないと疑う。他人の家に土足で踏み込むような発言だ」
★ 「議会がこれを無批判に受け止め聞き流しているのでは、議会の権威を大きく損ねる。議会が鈍感になっていて自律ができていないという意味だといってよいだろう」
軽佻浮薄の首相を頂いた現政権に対する長老の嘆きが痛いほど伝わって来ます。国会が自浄作用を失い、大統領を気取る行政府の長が出て来ると、議会制民主主義は終わります。
★ 「信頼を失った野党は政府を追及できない。野党が機能しない議会は存在意義を失う。 その信頼を喪失させた責任は大きい。これ以上、生き恥をさらすことなく、自ら出処進退を決断すべきである」
長い前置きの後、たった一つの質問を永田議員に向けました。
★ しかし、この若い議員は「大変高い見識のご意見」とコメントしただけ。その言葉と裏腹に、シラっとした表情。本当に目を疑う一瞬でした。無表情な、虚ろな目は何も寄せ付けないふてぶてしさを感じさせます。
★ 国権の最高機関の場で、大政治家の大見識を聞かされながら、自らの出処進退は明らかにせず、テレビの前で政治家として最大の生き恥をさらしました。偽情報に躍らされ、国会を混迷に陥れた欠陥議員がここまで開き直って居座る。
★ 国民の一人として願うのは、国会が一刻も早く、除名処分の結論を出すことだ、と強く感じました。まあしかし、綿貫大長老も、郵政民営化騒動で「反小泉」の旗幟を鮮明にし、国民新党を結成したばかり、政権から遠のくと、このように透徹して目で、鮮明にモノが言えるのですね。別な感慨です。
by zenmz
| 2006-03-26 18:39