2006年 04月 24日
【6099】 メディア業界のビッグ・バーン |
★ ブログ、SNS の爆発的な普及で、この1年、ネット社会は大変貌を遂げつつあります。正に一億国民総出版者へなだれ込む様相です。これは、きっと、新聞、雑誌、単行本など既存のオールド・メディアの出版元に深刻な”黒船の来襲”になるでしょう。すでに情報製品の流通はネットに牛耳られ、本屋さんがどんどん潰れています。一大革命勃発の前駆症状とみていいように思います。
★ 特に新聞業界は深刻だと思います。私は、新聞記者で育った人間です。新聞こそは欠かせぬ生活の糧と信じて来ました。
その者が、紙の新聞を殆ど読まなくなりました。毎日、朝食前後に開くのはパソコン。全国紙6紙と、有力海外紙は、すべてネットでチェックし、"最新ニュース”を読みます。宅配されている『毎日新聞』を読むのは、その後。感じとしては、かなり”旧聞”です。過去の情報がどのように整理されているか? それを確かめるために読んでいるのが実情です。
★ この事実は、深刻です。よく「ネットがどれだけ進歩しても新聞はなくならない」とする主張を耳にします。果たして、そうか? 現在、あるままの状態で考えてみましょう。私がパソコンを開いて見る「各社@com」は放送並みに新しい情報をほぼリアルタイムに伝えます。各社競争ですから一所懸命です。鮮度は抜群。しかも、内外各紙すべてタダ。
★ 一方、紙に印刷されたこれまで通りの新聞は、例えば、私の住む吉備高原都市の場合、岡山市内の「中四国地方向け印刷会社」で印刷・発行されたものです。中・四国の各家庭に配られる新聞は、すべてここからトラックで配送されます。一端、各地にある新聞販売店に降ろし、そこで配達人に区分けして、手配りです。
★ 全国津々浦々に、「出勤前」に届ける”物流ネットワーク”。想像して見て下さい。東京、大阪、札幌、で印刷された新聞は、列車・トラックで運び、各家庭に配達するのです。それを維持するコストは大変なものです。
★ どの新聞も購読料以上の経費をこの配送システム維持に向けています。では「なぜ新聞経営が出来るのか?」 ご不審はもっともですが、広告で稼いでいるのです。購読料は焼け石に水。
★ さらに新聞販売店の経営も大変。膨らむ一方の経費は販売手数料ではカバーできません。今、新聞販売店の経営を支えているのはチラシ。これが亡くなると、販売店経営は成り立たないのが実情です。"亡くなる” 誤植ではありません。チラシもネット上に移り、お亡くなりになるでしょう。
★ データーベースを整えてネットに上げれば、読者は、自分で必要な機器機材を買いそろえて読む。この”必要機材を自分で”買ってくれるところがミソです。情報を届けるコストは読者自身が環境整備します。ところが新聞を作る設備投資から製品(新聞)配送システムを構築、それを動かす輸送、配達のコスト・・・・膨大な経費はすべて新聞社が調達しなければなりません。テレビとネットを相手に新聞が苦境に立つのは、このためです。
★ その頼みの広告もネットに移りつつあります。従来は、これまでの経緯もあり、活字出版物に広告の比重が高かったのですが、今は完全に逆転しました。放送・通信が広告の主流になり、その放送・通信部門でも、ネットの躍進が目立ってきています。明らかにこの1年、広告主の関心はインターネットに向かいました。
★ ある日、突然、新聞が消えた・・・・
既にアメリカ、韓国で、その実例が出ています。私は、きっと近いうちに日本でもそれが起こる、と思っています。「ネットがどれだけ進歩しても新聞はなくならない」ような楽観的な情勢ではありません。現に・・・・・皆さん、ご自身、毎日、新聞をお読みですか? 何となく漫然と、昔からとっているから・・・・新聞は毎朝、玄関に届くものになってはいますが、果たして、何人がじっくり読んでいるでしょう。
★ いろんな調査がありますが、一般家庭で、一番、よく読まれているのは、テレビ番組欄、と言うのがトップです。そのテレビ番組も、インターネットで簡単にチェック出来ます。しかもこちらは、番組の簡単な内容から出演者名までかなり詳細です。パソコンもモバイル主流になりつつあります。こうなると、勝負ははっきりします。
★ ネット新聞有料化の試みも、いろいろと取りざたされてはいます。しかし、もう遅い。ネット配信による有料新聞は恐らく読者の支持を得ないでしょう。”タダで得られる情報”に慣れてしまった一般大衆は、もうニュースはテレビで十分。それを確かめたければインターネットで調べれば必要な情報は山ほどあります。すべてタダ。
★ 新聞は自分たちで作ろう。市民全部が新聞記者・・・・という試みも、既存の新聞に対抗する能力を身に着けつつあります。最大手の市民新聞『JAN JAN』では著名人のビデオ評論も定番に登場し、放送・通信・新聞の統合化の試みを始めています。今は、堺屋太一氏の「ビデオ・コラム」がウリ。私は、毎週、楽しみに拝聴し、ユニークなモノの考え方を学んでいます。新聞社説などよりウンと上等です。しかもタダ。
★ 一大変革はすでに起こりつつあります。この1年、ひょっとしたら・・・・と思われる起爆剤の一つがSNS. ブログで抜群の”物書き能力”を磨き上げたブロガーたちが、ここを場に結びあい、新しい「メディア・コラボレーション」の模索を始めています。次々と構築される「コミュニティ」 既存メディア依存から脱却し、自ら求める情報を自ら集め、発信する新しいコミュニケーションが台頭しつつあります。メディアのビッグ・バーンは必ず起こる。と、信じます。
★ 特に新聞業界は深刻だと思います。私は、新聞記者で育った人間です。新聞こそは欠かせぬ生活の糧と信じて来ました。
その者が、紙の新聞を殆ど読まなくなりました。毎日、朝食前後に開くのはパソコン。全国紙6紙と、有力海外紙は、すべてネットでチェックし、"最新ニュース”を読みます。宅配されている『毎日新聞』を読むのは、その後。感じとしては、かなり”旧聞”です。過去の情報がどのように整理されているか? それを確かめるために読んでいるのが実情です。
★ この事実は、深刻です。よく「ネットがどれだけ進歩しても新聞はなくならない」とする主張を耳にします。果たして、そうか? 現在、あるままの状態で考えてみましょう。私がパソコンを開いて見る「各社@com」は放送並みに新しい情報をほぼリアルタイムに伝えます。各社競争ですから一所懸命です。鮮度は抜群。しかも、内外各紙すべてタダ。
★ 一方、紙に印刷されたこれまで通りの新聞は、例えば、私の住む吉備高原都市の場合、岡山市内の「中四国地方向け印刷会社」で印刷・発行されたものです。中・四国の各家庭に配られる新聞は、すべてここからトラックで配送されます。一端、各地にある新聞販売店に降ろし、そこで配達人に区分けして、手配りです。
★ 全国津々浦々に、「出勤前」に届ける”物流ネットワーク”。想像して見て下さい。東京、大阪、札幌、で印刷された新聞は、列車・トラックで運び、各家庭に配達するのです。それを維持するコストは大変なものです。
★ どの新聞も購読料以上の経費をこの配送システム維持に向けています。では「なぜ新聞経営が出来るのか?」 ご不審はもっともですが、広告で稼いでいるのです。購読料は焼け石に水。
★ さらに新聞販売店の経営も大変。膨らむ一方の経費は販売手数料ではカバーできません。今、新聞販売店の経営を支えているのはチラシ。これが亡くなると、販売店経営は成り立たないのが実情です。"亡くなる” 誤植ではありません。チラシもネット上に移り、お亡くなりになるでしょう。
★ データーベースを整えてネットに上げれば、読者は、自分で必要な機器機材を買いそろえて読む。この”必要機材を自分で”買ってくれるところがミソです。情報を届けるコストは読者自身が環境整備します。ところが新聞を作る設備投資から製品(新聞)配送システムを構築、それを動かす輸送、配達のコスト・・・・膨大な経費はすべて新聞社が調達しなければなりません。テレビとネットを相手に新聞が苦境に立つのは、このためです。
★ その頼みの広告もネットに移りつつあります。従来は、これまでの経緯もあり、活字出版物に広告の比重が高かったのですが、今は完全に逆転しました。放送・通信が広告の主流になり、その放送・通信部門でも、ネットの躍進が目立ってきています。明らかにこの1年、広告主の関心はインターネットに向かいました。
★ ある日、突然、新聞が消えた・・・・
既にアメリカ、韓国で、その実例が出ています。私は、きっと近いうちに日本でもそれが起こる、と思っています。「ネットがどれだけ進歩しても新聞はなくならない」ような楽観的な情勢ではありません。現に・・・・・皆さん、ご自身、毎日、新聞をお読みですか? 何となく漫然と、昔からとっているから・・・・新聞は毎朝、玄関に届くものになってはいますが、果たして、何人がじっくり読んでいるでしょう。
★ いろんな調査がありますが、一般家庭で、一番、よく読まれているのは、テレビ番組欄、と言うのがトップです。そのテレビ番組も、インターネットで簡単にチェック出来ます。しかもこちらは、番組の簡単な内容から出演者名までかなり詳細です。パソコンもモバイル主流になりつつあります。こうなると、勝負ははっきりします。
★ ネット新聞有料化の試みも、いろいろと取りざたされてはいます。しかし、もう遅い。ネット配信による有料新聞は恐らく読者の支持を得ないでしょう。”タダで得られる情報”に慣れてしまった一般大衆は、もうニュースはテレビで十分。それを確かめたければインターネットで調べれば必要な情報は山ほどあります。すべてタダ。
★ 新聞は自分たちで作ろう。市民全部が新聞記者・・・・という試みも、既存の新聞に対抗する能力を身に着けつつあります。最大手の市民新聞『JAN JAN』では著名人のビデオ評論も定番に登場し、放送・通信・新聞の統合化の試みを始めています。今は、堺屋太一氏の「ビデオ・コラム」がウリ。私は、毎週、楽しみに拝聴し、ユニークなモノの考え方を学んでいます。新聞社説などよりウンと上等です。しかもタダ。
★ 一大変革はすでに起こりつつあります。この1年、ひょっとしたら・・・・と思われる起爆剤の一つがSNS. ブログで抜群の”物書き能力”を磨き上げたブロガーたちが、ここを場に結びあい、新しい「メディア・コラボレーション」の模索を始めています。次々と構築される「コミュニティ」 既存メディア依存から脱却し、自ら求める情報を自ら集め、発信する新しいコミュニケーションが台頭しつつあります。メディアのビッグ・バーンは必ず起こる。と、信じます。
by zenmz
| 2006-04-24 09:20
| 現代社会論