2006年 05月 24日
【6139】 世界制覇のGoogle ・・・その光と影 |
★ 今、時代の寵児にのし上がったインターネットの検索エンジン、Google について、利用者の立場から、少々、現況をまとめておこうと思います。
直接の執筆動機は、そのGoogle が新たに始め、今、爆発的に広がっているメール・ソフトのGmailがどうやら、利用者数の制限を始めたようだ、との風説を耳にしたことです。
★ Gmail は凄いメール・ソフトです。利用はすべて無料。ただ一つ、条件があります。現にGmail アカウントを開いて利用している人の紹介が必要です。すでに利用者である私はその資格があり、招待状を持っており、ご希望の方にお送りしていますが、残り少なくなりました。私の割り当て分は、 残り45人分しかありません。そこへ新規利用者招待抑制か、の風説が流れています。ウソか真か、確認のしようもありませんが、ともかく・・・・・・
★ この機会に、未だ、Gmail をお持ちでない友人には、是非、お試しになるよう、お薦めしたい。と言うのが、今日、敢えてGoogle を登場させた理由です。ご希望の方は是非、出来るだけ早く、私のメールアドレス [ zenimoto@gmail.com ]に、招待状発送先のアドレスをお知らせ下さい。直ちに発送致します。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
★ さて、利用者の立場から見たGoogle のメールソフト、Gmail は、何がいいのか? その体験記をご披露しましょう。
★ 先ず、割り当てられるボックス容量です。私が以前、使っていた複数の国内プロバイダーの割り当ては、5~10メガでした。ところがGmail は、2ギガというジャイアント・スペースです。一気に400倍の巨大さ。毎日、不要メールを消す必要はもはや、ありません。原則、”消さなくてもいい”という夢のようなボックスです。
★ 送受信メールは、すべて自動的に分類、整理して保存されます。例えば、特定人とのメール交換記録は、その人の名前を検索に入れるだけで過去、すべての送受信記録一覧が表示され、それによって、求める項目を確認し、やりとりの内容文書を全部、読むことができます。
★ 最もありがたいのは、迷惑メールのシャットアウト機能。1回、「迷惑メール」とクリックするだけで次からは完全に廃棄ボックスへ入れてくれます。万一、誤って処理した場合の救済に暫く、別ボックスで保存されますが、2ヶ月後にはすべて自動消去されます。私はGmail 一本に絞って利用していますが、もう半年以上になるのに迷惑メールで煩わされることは全くありません。それまで使っていた、Outlook Express にも迷惑メール排除装置はあるのですが、効き目のないことは皆さんもご存じの通りです。その都度、いちいち、手仕事で消さねばなりません。それの煩わしさが全くなくなりました。
★ 最近はデジカメの写真も大型サイズになりました。これまでですと、メールに写真を貼付するとなると、ファイル・サイズを小さくし、1メガ以内にしないとトラブル続発でした。しかし、Gmail は、1ファイル10メガまで平気です。これで、動画も、また最近、多くなったPDFファイルも自由に添付できます。活字本10冊分を同時添付しても平気なのです。本当に凄い!です。
★ 更に、どうしても使い慣れた 通信ソフト Outlook Explorer で使いたい、と言うのであればPOP・SMTPなどで設定(実に簡単です) これまで通りと全く同じ感じで使えます。また、Google デスクトップを使うと、Googleが提供している多種・多様のサービスをメールと連動させることも可能です。これを使いこなすと、メールに盛り込む情報が幾何級数的に増大します。
^^^^^^^^^^^^^ Google について ^^^^^^^^^^^^^^
★ Googleは、インターネット上での検索エンジン。多分、多くの方が毎日、お使いになっていると思います。孫正義氏率いるヤフーが圧倒的優位を誇る日本では、Googleがあまり話題にならないのですが、アメリカではGoogle が第一位でシェアは48%。欧州各国ともアメリカ並みでいずれも過半数。中でも英国は80%という驚異的シェアをもっています。私も、海外に出てみて初めて、その威力に目覚めました。
★ その実力・・・英語圏では、今や、Googleは、「ウェブページを検索する」意味の動詞に使われ、百科事典 Wikipedia(英語版)にも(en:Google (verb))と出ています。日本でも、若い人々の間では「ググる」という新語が一般化してきました。両方とも、検索エンジン Googleから来た派生語です。面白いですね。
★ ことほど左様に、本当に驚きです。これが始まったのは僅か7年前。それが今や世界を制覇しました。
米スタンフォード大学大学院ドクター・コースで勉強していたラリー・ページとセルゲイ・ブリンの二人が「Google ツールバー」というツールを開発したのが、7年前の1998年のこと。カリフォルニア州に会社を設立して2002年には世界で最も人気のあるサーチエンジンになり、今では世界20カ国に拠点を持ち、時価総額16兆円という巨大企業に成長しました。
★ 中でも有名なのは、社員数5680人の殆どが技術者。しかも工学博士号所持者がゴロゴロしていて平均給与は年収1500万円。世界中の有名工科大学の学生たちがこぞって就職を希望している世界一の人気会社がGoogleです。
大学院生がゼロから始めてたった7年でここま急成長したこと自体、ネットによる大革命時代の到来を思わせます。描く夢も壮大です。『世界政府』の樹立。今、その世界戦略がアメリカ、インド、中国などの主要大国とぶつかり、国際政治レベルの物議を醸し始めているほどの影響力です。
★ 技術的なことは難しすぎて何も分かりませんが、ともかく、Googleが矢継ぎ早に提供してくれるサービスは本当に目を瞠るばかりです。先ほどのご紹介した、いきなり2ギガもの膨大な容量をポイと無料で開放してくれるGmail、これだけでもビックリですが、更に他の検索エンジンには真似の出来ない多彩なサービスを展開しています。
◎ 言葉だけ入れると、ネット上にある関連画像が見つかる「イメージ検索」
◎ 日本は勿論、世界中の地図が検索できる「Google マップ」
◎ 100カ国語以上の外国語を自動翻訳する「言語ツール」
◎ 学術論文検索に特化した「Google スカラー」
◎ 全国の新聞から最新ニュースを収集し掲載する「Google ニュース」
◎ 衛星写真からズームアップで世界中のどの地点も見える「Google アース」
◎ 自動記事作成装置による無料のブログBloggerや、ホームページGoogle Page Creator
◎ Picasa デジタル写真管理ソフトです。パソコンにあるすべての画像をサムネイル一覧表で表示します。
★ 昨年7月からは、GoogleマップとGoogleローカルの連携サービスが始まっています。Googleマップではゼンリンと提携した地図情報とサテライト衛星写真を連動して表示できるようになっています。現在のところ東京都や横浜市などと言った大都市のみ解像度が高く他の地域などは低解像度の表示しかできがかなり広範に使えます。(このことについては、去る3月にご紹介したことがあります。《【6068】 トシ老いた地図マニアの感動》)
★ またGoogleローカルでは目的の場所を検索し、結果をGoogleマップのデータ上に目的の場所を赤ピンで刺して出力してくれる。近くの病院や薬局、スーパーなども表示し、恐らく10万円以上もするカーナビよりも利用範囲が広いでしょう。今では、iモードなど携帯電話でも利用可能になっています。
★ 私自身が、実際に利用しているサービスは、上に掲げた数種類だけですが、未だ使いこなせない諸サービスを数えてみると、全部で40ほどあります。私は全く関心がないので気持ちが向かないのですが、Googleの収入源である広告領域では「アドワーズ」と「アドセンス」という二つの革命的なシステムがあります。
★ 「アドワーズ」は、サイト運営者向けのアフィリエイトプログラムで、検索連動型広告とでもいうのでしょうか。検索である単語を入力すると、その検索結果のような感じで広告が表示されるシステムです。これは既に広く商用に用いられていて、契約すると、検索結果の上位にその会社や商品名が並ぶ仕組みになっており、企業の新しい広告として注目を集めています。もう日本でも、これを使ってネット・ビジネスを興して大成功している例が、ビジネス雑誌にどんどん紹介されています。
★ 「アドセンス」と言うのは、例えば、私が自分のウエブページに登録しておくと、私が書いた記事に関係のある広告が記事の画面に自動的に掲示され、その掲示回数によって謝礼が支払われる仕組みです。掲示に対する謝礼だけではなく、もし、読者がクリックしてくれれば、その回数に従って謝礼が支払われる仕組みです。
★ これを旨く利用してお金を稼いでいる人々が随分、いるようです。ブログやSNSの参加者には、とにかくクリック数をかせぐためにページを開設してやたらと、新刊本やグッズ商品、グルメ、化粧品等など・・・興味をそそる短評を書き添えて人寄せする工夫を凝らしている人々を見かけますが、この新しいシステムを利用した新商売とみていいでしょう。バカになりません。月収50万~100万を稼ぐ人もいるそうです。
★ 私が最も重宝しているのは、【Google デスクトップ】です。パソコン内にある、すべてのファイルをCPUに負荷を掛けず、時間も掛からずにすぐ検索出来るます。このソフトウェアはファイルへのアクセスを非常に容易にする利点があるのですが、この便利さが逆に大きな危険もはらんでいます。ガードをキチンとしませんと、簡単にパソコンの個人情報が垂れ流しに流失します。Googleに慣れてから、ご使用になるようお薦めします。。
★ 最後に、今なお、次々と繰り出されているいくつかの新しいサービスをまとめてみましょう。これらは、ただGoogleの宣伝をまとめただけで、私はいずれにも未だ手を染めていません。
◎ Google Video
昨年1月から始まった動画検索と配信サービスです。当初はアメリカのテレビ番組のみを配信するサービスだったが、後にユーザーが投稿した動画も掲載されるようになり、様々な動画が配信されています。、Macromedia Flash Playerをインストールしていれば動画が再生できるようになっています。
◎ Google Video Store
今年年1月から始まった有料の動画配信サービスです。再生にはWindows専用のプレイヤー「Google Video Player」をインストールする必要があり、コンテンツの購入はアメリカ在住者に限られており、未だ日本語版は出来ていません。
◎ Google Talk
メッセンジャーです。日本語でのメッセージ送受信も可能。利用するにはGmailのアカウントが必要。
ーーーー 光と影 ーーーーー
★ しかし、一つ、おことわりしておかなければなりません。Gmail の光の部分は前述の通りです。でも、これを利用するに当たっては、未だ未解明の、不気味な影の部分があることを承知しておかねばならないと思います。
★ これだけの急成長を遂げると、当然、風当たりも強いようです。一番、問題視されているのが検索システムの全体構成です。万能であるだけに、その将来性に大きな危機感を抱く人が多いようです。
Google は、現にそのシステムを使って地球上に存在する全ウェブデータを収集し、それを組み合わせることで全く新しい広告ビジネスを主業務としている会社です。
★ それは、こういう仕組みだ・・・と、メカに詳しい人は解説します。「例えば、知人から焼き肉しない、と、メールが届きますね。すると、メールの横に、その地域の焼き肉やがずらりと表示され、めぼしい店をクリックすると、Google マップが立ち上がり、その店が地図上に赤マークで示される」 「分かりますか? そのメールに掲載される順位は、Googleが焼き肉屋から指定順位の広告料を取って上位に表示されるような新しい広告ビジネスなのです」
★ どうして、そんなことが出来るのか? 情報集めの検索システムは完全にロボット化されています。「クローラー」と呼ばれているロボットは24時間365日、休むことなく全世界のウエブサーバーに入り込んでそこにあるデータ、画像を根こそぎ集めてサーバーに収納します。それを「インデクサ」というプログラムが索引化し、最後に「ページランク」が重要度ランキングを表示する、という仕組みだそうです。
★ しかし、これは、ごく初歩的段階の実用例だそうです。現実はもっと高い次元で市民生活のあらゆる局面で諸行動の選択誘導を行うような仕組みが次々とできあがっているそうです。善意でみれば、その技術が、新しいビジネスを次々と生み出しているのですね。しかし、逆の疑いの目を向ければ、これほど怖いものはありません。
★ 凄い機能を備えたGmail サービス・・・一体、このような高度技術を、私たちは、どうしてタダで利用出来るのか? いつも疑問に思っていたことがこれで分かったような気がします。こうして世界中の個人の生活万端が、Googleによって支配される。何とも不気味な話です。が、しかし、考えてみれば、Hotmail もYahooも、全く同じことをやっているわけです。Google だけが、”批判されるべき”特別のことをやっているわけではありません。やはりマイナーなうちは目を瞑っても、あまりにも巨大化して初めて気づいた不気味さと、危険と言うべきでしょう。個人情報云々と言いますが、メールがすべて丸裸にされているとなると、これまでの住所・氏名・年齢・性別などの「古典的情報管理」は、全く意味を持たなくなります。
★ 一体、ネット社会は、この先、どう動くのか? Googleが極めて無邪気に提起した「世界政府」樹立は、ひょっとしたら近未来に来るべき社会を考える現実的なキー・ワードであるのかもしれません。Googleは、既に、国家主権に関わる情報管理問題にからんでインド、中国と深刻な政治問題を引き起こしています。きっと近未来社会創造に向かう過程で、ネットは国家と激突するのではないか? と、思います。
★ 毎日、自由に交換しているメールですが、実は、Google を頂点とする Hotmail Yahooのトライアングルと、その下に末広がりになっている検索エンジン網によって、がっちり情報を抜き取られ、各社それぞれ、別のサーバーに蓄積されたデータは、目的別に再加工されて利用されていることは確実です。
★ どこが、何をしているかは、誰も分かりません。それは、私たちの生活に「プラス効果」をもたらすのか。あるいは「マイナス効果」になるのか? 限りなく反社会的に情報操作が行われる可能性も含めて、やはり利用には、それなりに勉強を怠ってはなるまい、と自戒しているところです。便利になればなるほど・・・また、タダはタダなりの危険を承知すべきでしょう。まあ、しかし、不気味な得体の知れないツールだナァ、と言うのが正直な感想です。
★ 以上、Google とは何か? 私の知る範囲のことをご紹介しました。ご参考になれば、と願います。
【参考情報】
先ほど(2006-05-25 13:25) 〈けんけんさん〉から非常に啓発的なコメントをいただきました。重要部分をご紹介します。詳しくは下のコメント欄をご覧下さい。
「Googleは知に含まれる人の好みや行動を把握することにより、現在のビジネスを展開しています。すでにご存知かもしれませんが、以下は、GoogleとAmazonがGooglezonという名前で一緒になり新しいビジネスをしていくだろうという内容のサイトです。新聞社vs. Googlezonという話です。
【お願い】
(素人の利用例です。思わぬ間違いを冒しているかも知れません。お気づきの点は是非、ご一報下さいますようお願い申し上げます。本欄で、加筆・訂正致します)
直接の執筆動機は、そのGoogle が新たに始め、今、爆発的に広がっているメール・ソフトのGmailがどうやら、利用者数の制限を始めたようだ、との風説を耳にしたことです。
★ Gmail は凄いメール・ソフトです。利用はすべて無料。ただ一つ、条件があります。現にGmail アカウントを開いて利用している人の紹介が必要です。すでに利用者である私はその資格があり、招待状を持っており、ご希望の方にお送りしていますが、残り少なくなりました。私の割り当て分は、 残り45人分しかありません。そこへ新規利用者招待抑制か、の風説が流れています。ウソか真か、確認のしようもありませんが、ともかく・・・・・・
★ この機会に、未だ、Gmail をお持ちでない友人には、是非、お試しになるよう、お薦めしたい。と言うのが、今日、敢えてGoogle を登場させた理由です。ご希望の方は是非、出来るだけ早く、私のメールアドレス [ zenimoto@gmail.com ]に、招待状発送先のアドレスをお知らせ下さい。直ちに発送致します。
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★ さて、利用者の立場から見たGoogle のメールソフト、Gmail は、何がいいのか? その体験記をご披露しましょう。
★ 先ず、割り当てられるボックス容量です。私が以前、使っていた複数の国内プロバイダーの割り当ては、5~10メガでした。ところがGmail は、2ギガというジャイアント・スペースです。一気に400倍の巨大さ。毎日、不要メールを消す必要はもはや、ありません。原則、”消さなくてもいい”という夢のようなボックスです。
★ 送受信メールは、すべて自動的に分類、整理して保存されます。例えば、特定人とのメール交換記録は、その人の名前を検索に入れるだけで過去、すべての送受信記録一覧が表示され、それによって、求める項目を確認し、やりとりの内容文書を全部、読むことができます。
★ 最もありがたいのは、迷惑メールのシャットアウト機能。1回、「迷惑メール」とクリックするだけで次からは完全に廃棄ボックスへ入れてくれます。万一、誤って処理した場合の救済に暫く、別ボックスで保存されますが、2ヶ月後にはすべて自動消去されます。私はGmail 一本に絞って利用していますが、もう半年以上になるのに迷惑メールで煩わされることは全くありません。それまで使っていた、Outlook Express にも迷惑メール排除装置はあるのですが、効き目のないことは皆さんもご存じの通りです。その都度、いちいち、手仕事で消さねばなりません。それの煩わしさが全くなくなりました。
★ 最近はデジカメの写真も大型サイズになりました。これまでですと、メールに写真を貼付するとなると、ファイル・サイズを小さくし、1メガ以内にしないとトラブル続発でした。しかし、Gmail は、1ファイル10メガまで平気です。これで、動画も、また最近、多くなったPDFファイルも自由に添付できます。活字本10冊分を同時添付しても平気なのです。本当に凄い!です。
★ 更に、どうしても使い慣れた 通信ソフト Outlook Explorer で使いたい、と言うのであればPOP・SMTPなどで設定(実に簡単です) これまで通りと全く同じ感じで使えます。また、Google デスクトップを使うと、Googleが提供している多種・多様のサービスをメールと連動させることも可能です。これを使いこなすと、メールに盛り込む情報が幾何級数的に増大します。
^^^^^^^^^^^^^ Google について ^^^^^^^^^^^^^^
★ Googleは、インターネット上での検索エンジン。多分、多くの方が毎日、お使いになっていると思います。孫正義氏率いるヤフーが圧倒的優位を誇る日本では、Googleがあまり話題にならないのですが、アメリカではGoogle が第一位でシェアは48%。欧州各国ともアメリカ並みでいずれも過半数。中でも英国は80%という驚異的シェアをもっています。私も、海外に出てみて初めて、その威力に目覚めました。
★ その実力・・・英語圏では、今や、Googleは、「ウェブページを検索する」意味の動詞に使われ、百科事典 Wikipedia(英語版)にも(en:Google (verb))と出ています。日本でも、若い人々の間では「ググる」という新語が一般化してきました。両方とも、検索エンジン Googleから来た派生語です。面白いですね。
★ ことほど左様に、本当に驚きです。これが始まったのは僅か7年前。それが今や世界を制覇しました。
米スタンフォード大学大学院ドクター・コースで勉強していたラリー・ページとセルゲイ・ブリンの二人が「Google ツールバー」というツールを開発したのが、7年前の1998年のこと。カリフォルニア州に会社を設立して2002年には世界で最も人気のあるサーチエンジンになり、今では世界20カ国に拠点を持ち、時価総額16兆円という巨大企業に成長しました。
★ 中でも有名なのは、社員数5680人の殆どが技術者。しかも工学博士号所持者がゴロゴロしていて平均給与は年収1500万円。世界中の有名工科大学の学生たちがこぞって就職を希望している世界一の人気会社がGoogleです。
大学院生がゼロから始めてたった7年でここま急成長したこと自体、ネットによる大革命時代の到来を思わせます。描く夢も壮大です。『世界政府』の樹立。今、その世界戦略がアメリカ、インド、中国などの主要大国とぶつかり、国際政治レベルの物議を醸し始めているほどの影響力です。
★ 技術的なことは難しすぎて何も分かりませんが、ともかく、Googleが矢継ぎ早に提供してくれるサービスは本当に目を瞠るばかりです。先ほどのご紹介した、いきなり2ギガもの膨大な容量をポイと無料で開放してくれるGmail、これだけでもビックリですが、更に他の検索エンジンには真似の出来ない多彩なサービスを展開しています。
◎ 言葉だけ入れると、ネット上にある関連画像が見つかる「イメージ検索」
◎ 日本は勿論、世界中の地図が検索できる「Google マップ」
◎ 100カ国語以上の外国語を自動翻訳する「言語ツール」
◎ 学術論文検索に特化した「Google スカラー」
◎ 全国の新聞から最新ニュースを収集し掲載する「Google ニュース」
◎ 衛星写真からズームアップで世界中のどの地点も見える「Google アース」
◎ 自動記事作成装置による無料のブログBloggerや、ホームページGoogle Page Creator
◎ Picasa デジタル写真管理ソフトです。パソコンにあるすべての画像をサムネイル一覧表で表示します。
★ 昨年7月からは、GoogleマップとGoogleローカルの連携サービスが始まっています。Googleマップではゼンリンと提携した地図情報とサテライト衛星写真を連動して表示できるようになっています。現在のところ東京都や横浜市などと言った大都市のみ解像度が高く他の地域などは低解像度の表示しかできがかなり広範に使えます。(このことについては、去る3月にご紹介したことがあります。《【6068】 トシ老いた地図マニアの感動》)
★ またGoogleローカルでは目的の場所を検索し、結果をGoogleマップのデータ上に目的の場所を赤ピンで刺して出力してくれる。近くの病院や薬局、スーパーなども表示し、恐らく10万円以上もするカーナビよりも利用範囲が広いでしょう。今では、iモードなど携帯電話でも利用可能になっています。
★ 私自身が、実際に利用しているサービスは、上に掲げた数種類だけですが、未だ使いこなせない諸サービスを数えてみると、全部で40ほどあります。私は全く関心がないので気持ちが向かないのですが、Googleの収入源である広告領域では「アドワーズ」と「アドセンス」という二つの革命的なシステムがあります。
★ 「アドワーズ」は、サイト運営者向けのアフィリエイトプログラムで、検索連動型広告とでもいうのでしょうか。検索である単語を入力すると、その検索結果のような感じで広告が表示されるシステムです。これは既に広く商用に用いられていて、契約すると、検索結果の上位にその会社や商品名が並ぶ仕組みになっており、企業の新しい広告として注目を集めています。もう日本でも、これを使ってネット・ビジネスを興して大成功している例が、ビジネス雑誌にどんどん紹介されています。
★ 「アドセンス」と言うのは、例えば、私が自分のウエブページに登録しておくと、私が書いた記事に関係のある広告が記事の画面に自動的に掲示され、その掲示回数によって謝礼が支払われる仕組みです。掲示に対する謝礼だけではなく、もし、読者がクリックしてくれれば、その回数に従って謝礼が支払われる仕組みです。
★ これを旨く利用してお金を稼いでいる人々が随分、いるようです。ブログやSNSの参加者には、とにかくクリック数をかせぐためにページを開設してやたらと、新刊本やグッズ商品、グルメ、化粧品等など・・・興味をそそる短評を書き添えて人寄せする工夫を凝らしている人々を見かけますが、この新しいシステムを利用した新商売とみていいでしょう。バカになりません。月収50万~100万を稼ぐ人もいるそうです。
★ 私が最も重宝しているのは、【Google デスクトップ】です。パソコン内にある、すべてのファイルをCPUに負荷を掛けず、時間も掛からずにすぐ検索出来るます。このソフトウェアはファイルへのアクセスを非常に容易にする利点があるのですが、この便利さが逆に大きな危険もはらんでいます。ガードをキチンとしませんと、簡単にパソコンの個人情報が垂れ流しに流失します。Googleに慣れてから、ご使用になるようお薦めします。。
★ 最後に、今なお、次々と繰り出されているいくつかの新しいサービスをまとめてみましょう。これらは、ただGoogleの宣伝をまとめただけで、私はいずれにも未だ手を染めていません。
◎ Google Video
昨年1月から始まった動画検索と配信サービスです。当初はアメリカのテレビ番組のみを配信するサービスだったが、後にユーザーが投稿した動画も掲載されるようになり、様々な動画が配信されています。、Macromedia Flash Playerをインストールしていれば動画が再生できるようになっています。
◎ Google Video Store
今年年1月から始まった有料の動画配信サービスです。再生にはWindows専用のプレイヤー「Google Video Player」をインストールする必要があり、コンテンツの購入はアメリカ在住者に限られており、未だ日本語版は出来ていません。
◎ Google Talk
メッセンジャーです。日本語でのメッセージ送受信も可能。利用するにはGmailのアカウントが必要。
ーーーー 光と影 ーーーーー
★ しかし、一つ、おことわりしておかなければなりません。Gmail の光の部分は前述の通りです。でも、これを利用するに当たっては、未だ未解明の、不気味な影の部分があることを承知しておかねばならないと思います。
★ これだけの急成長を遂げると、当然、風当たりも強いようです。一番、問題視されているのが検索システムの全体構成です。万能であるだけに、その将来性に大きな危機感を抱く人が多いようです。
Google は、現にそのシステムを使って地球上に存在する全ウェブデータを収集し、それを組み合わせることで全く新しい広告ビジネスを主業務としている会社です。
★ それは、こういう仕組みだ・・・と、メカに詳しい人は解説します。「例えば、知人から焼き肉しない、と、メールが届きますね。すると、メールの横に、その地域の焼き肉やがずらりと表示され、めぼしい店をクリックすると、Google マップが立ち上がり、その店が地図上に赤マークで示される」 「分かりますか? そのメールに掲載される順位は、Googleが焼き肉屋から指定順位の広告料を取って上位に表示されるような新しい広告ビジネスなのです」
★ どうして、そんなことが出来るのか? 情報集めの検索システムは完全にロボット化されています。「クローラー」と呼ばれているロボットは24時間365日、休むことなく全世界のウエブサーバーに入り込んでそこにあるデータ、画像を根こそぎ集めてサーバーに収納します。それを「インデクサ」というプログラムが索引化し、最後に「ページランク」が重要度ランキングを表示する、という仕組みだそうです。
★ しかし、これは、ごく初歩的段階の実用例だそうです。現実はもっと高い次元で市民生活のあらゆる局面で諸行動の選択誘導を行うような仕組みが次々とできあがっているそうです。善意でみれば、その技術が、新しいビジネスを次々と生み出しているのですね。しかし、逆の疑いの目を向ければ、これほど怖いものはありません。
★ 凄い機能を備えたGmail サービス・・・一体、このような高度技術を、私たちは、どうしてタダで利用出来るのか? いつも疑問に思っていたことがこれで分かったような気がします。こうして世界中の個人の生活万端が、Googleによって支配される。何とも不気味な話です。が、しかし、考えてみれば、Hotmail もYahooも、全く同じことをやっているわけです。Google だけが、”批判されるべき”特別のことをやっているわけではありません。やはりマイナーなうちは目を瞑っても、あまりにも巨大化して初めて気づいた不気味さと、危険と言うべきでしょう。個人情報云々と言いますが、メールがすべて丸裸にされているとなると、これまでの住所・氏名・年齢・性別などの「古典的情報管理」は、全く意味を持たなくなります。
★ 一体、ネット社会は、この先、どう動くのか? Googleが極めて無邪気に提起した「世界政府」樹立は、ひょっとしたら近未来に来るべき社会を考える現実的なキー・ワードであるのかもしれません。Googleは、既に、国家主権に関わる情報管理問題にからんでインド、中国と深刻な政治問題を引き起こしています。きっと近未来社会創造に向かう過程で、ネットは国家と激突するのではないか? と、思います。
★ 毎日、自由に交換しているメールですが、実は、Google を頂点とする Hotmail Yahooのトライアングルと、その下に末広がりになっている検索エンジン網によって、がっちり情報を抜き取られ、各社それぞれ、別のサーバーに蓄積されたデータは、目的別に再加工されて利用されていることは確実です。
★ どこが、何をしているかは、誰も分かりません。それは、私たちの生活に「プラス効果」をもたらすのか。あるいは「マイナス効果」になるのか? 限りなく反社会的に情報操作が行われる可能性も含めて、やはり利用には、それなりに勉強を怠ってはなるまい、と自戒しているところです。便利になればなるほど・・・また、タダはタダなりの危険を承知すべきでしょう。まあ、しかし、不気味な得体の知れないツールだナァ、と言うのが正直な感想です。
★ 以上、Google とは何か? 私の知る範囲のことをご紹介しました。ご参考になれば、と願います。
【参考情報】
先ほど(2006-05-25 13:25) 〈けんけんさん〉から非常に啓発的なコメントをいただきました。重要部分をご紹介します。詳しくは下のコメント欄をご覧下さい。
「Googleは知に含まれる人の好みや行動を把握することにより、現在のビジネスを展開しています。すでにご存知かもしれませんが、以下は、GoogleとAmazonがGooglezonという名前で一緒になり新しいビジネスをしていくだろうという内容のサイトです。新聞社vs. Googlezonという話です。
【お願い】
(素人の利用例です。思わぬ間違いを冒しているかも知れません。お気づきの点は是非、ご一報下さいますようお願い申し上げます。本欄で、加筆・訂正致します)
by zenmz
| 2006-05-24 00:10
| ネット考現学