2006年 06月 06日
【6151】 電脳怪物”Googlezon”の恐怖 |
★ 昨夜、非常に怖い夢を見ました。
真夜中に玄関のドアを蹴破って武装した憲兵が数人、あっという間に寝室に飛び込んできて、私に手錠をはめました。
「誰だ? なんでこんなことをする?」
大声で抗議した私に、ヒトラーの再来のような風貌の隊長がこう言い渡しました。
「国家機密漏洩に関与した嫌疑により逮捕する」
眼前に差し出した大きな手帳には「世界政府情報本部隊長」の刻印が押してありました。
★ 「国家機密漏洩???」
私には全く身に覚えはありません。私も既に83歳。足腰が不自由になり、滅多に外に出ることがありません。毎日、書斎に隠って、インターネットで3食の出前を頼み、趣味の自分史を書いて毎日を過ごしています。必要なデータは、Googleで検索して間に合わせ、それでも見つからない時には、新しく開発された検索エンジン「エエだろう」を使っている。国家の機密情報などにアクセスした覚えなど全くありません。
★ 「ともかく情報本部へ同行を。そこで言い分は聞いてやる。そのノート・パソコンは証拠品だから持参して。CD-RやDVDも押収する」
「一体、何をした、と言うのだ。横暴な!」
「このところ、毎日、検索エンジン”エエだろう”を使って何をしているのだ。”エエだろう”が危険エンジンとして国家が使用を禁じているのは知っているだろう。このバカ!」
小銃の台座でアゴを殴られ・・・・目が覚めました。
★ なぜ、このような夢を見たのか? このところ私は、Google の亡霊に取り憑かれています。 これまで考えてもみなかった【EPIC 2015】のシミュレーション・・・ 2015年に”Googlezon”の【Google Grid計画】が世界を一変させる。Googleの大ホラと一笑に付されていた【世界政府】樹立も可能か?? 動き始めたマンモス亡霊の不気味さと、その猛威に現実的な恐怖感を抱き始めています。
★ コトの始まりは、10日ほど前に書いた《【6139】世界制覇のGoogle ・・・その光と影》へのコメントでした。私のブログの読者である「けんけん」さんが次のコメントを寄せて下さいました。
【以下はGoogleとAmazonがGooglezonという名前で一緒になり新しいビジネスをしていくだろうという内容のサイト;新聞社vs. Googlezon、という話です。ご興味がございましたら・・・】
★ ビックリしました。一読、驚嘆! あまりにも重要な情報と思いましたので日本語版の説明を全部、書き写して吟味して読みました。 読めば、読むほどスゴイです。これからネット社会はどう動くのか? それを予見させる重要なシミュレーションと、それを起こさせる生活基盤の地殻変動を見事に解き明かしています。
★ すなわち、これまでのネット・サービスは、IBMやSun Microsystemsが先導したGridの最終コアが、あくまでもコンピュータで企業向けであったのが、Googleが目指すGridの最終コアは、コンピュータ、ケイタイによって人間個人個人向けに大変貌を遂げる、と言うのです。
★ [Grid]と言うのは専門的には非常に複雑な技術ですが、電力供給網を例にすると分かりよい。それが現在の我々の生活基盤になっているように、ネット社会では、分散コンピューティング技術を活用して地球規模で問題解決を図る共同作業で P2P(人対人)環境を構築する情報供給網を指すようです。
★ 【EPIC2014】は、GoogleとAmazonが合併して誕生する ”Googlezon” がこれまでに無い最高の検索エンジンとレコメンデーション(推奨)情報創出機能を組み合わせたシステム、つまり、電気やガス、水道に続く、新たな生活に欠かせない[P2P(人対人)情報供給網Grid]サービスとして登場し、個々人の生活の隅々に浸透し、ちょうど、産業革命当時に登場した当時の[”動力供給網”Grid]と同じような役割を演じて未来世界を大きく変える、と予測しているのです。
★ そこでは、「マス」(大衆)を想定した画一的な情報を”上意下達”していたマスコミは必要とされず、一人一人異なった個人の属性、趣味、行動履歴、人間関係などの情報をもとに、インターネット上で交換されたすべての情報を加工・再構築して準備される「レコメンデーション」(推奨)情報が、生活のあらゆるレベルで提案され、人々は、それに誘導されて行動選択し、結果として、新登場の「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC=Evolving Personalized Information Construct)に依存せざるを得なくなる・・という怖い話を描きます。
★ 個々人の日常生活における消費傾向、趣味や関心内容、社会的ネットワーク関係などはすべて巨大な”Googlezon”のデータ・ベースに収集・保存され、個々人向けにカスタマイズされた情報が提供されます。そこではもはや新聞・書籍など必要とされず、静止画、動画を含めたあらゆる情報は、クリック一つするだけでウエブ上に簡単に呼び出すことができるようになる。その結果、これまでの新聞は姿を消すか、大きく変貌せざるを得ない、と断言するのです。
★ この予言は実に不気味です。インターネットがどんなに進化しても、書籍や新聞など活字メディアは消滅しない、という論者は多いのですが、それは疑問です。なぜならば、”Googlezon” の登場は、これまでの広告業態を全く変えてしまうからです。「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)が情報世界を支配すると、新聞・雑誌への広告はすべて無くなります。そのことによって新聞・雑誌は経営が立ちゆかず、息の根を止められるのです。
★ それが、最も強烈に働くのは、「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)で個々人に提供される「レコメンデーション」(推奨)情報は、すべてタダ。生存に絶対に必要な情報でありながらタダ、つまり空気と同じになるのです。情報取材から編集、印刷、配達の膨大なコストを調達せざるを得ない新聞社や雑誌社、そのコストを料金負担で分担せざるを得ない読者、共にタダとの競争には勝てません。こうしてマスメディアは消える運命にあります。
★ 多分、代わって登場するのは、個々人のニーズに合わせた「カスタム・インフォーメーション」(読者誘導型情報)でしょう。既に登場し、活動を始めている【市民新聞JANJAN】などがその先魁(さきがけ)かもしれません。この種の無料電子新聞が続々と登場するでしょう。発信者も読者も市民。「進化型パーソナライズ情報構築網」が完成した時、生き残るのは、恐らくこのような市民自身が記事を書く「市民参加型ジャーナリズム」でしょう。こちらもタダ、が特徴。つまり、これからの「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)社会で生き残れる最低条件はタダであること。
★ 怪物”Googlezon” は、個々人にとって最も良質である情報をタダで提供する仕組みをつくりあげようとしています。それを可能にしている秘密は、検索連動型広告。これについては、先に書きました《【6139】 世界制覇のGoogle ・・・その光と影 》の後半部分と重複しますのでそちらをご参照ください。
★ ただ、最後に触れておきたいのは、Googleが、常に公言する「ネットによる”世界政府”樹立」のことです。国連が提唱した国際会議「世界情報社会サミット」が2003年と2005年の2回、開かれましたが、その時、問題になったのは、アメリカによる”ルートA根幹サーバー”の独占管理と中国政府のネット検閲問題でした。Googleは、その両方に、既に深く関わっています
★ その中でGoogleが中国政府に迎合して中国向け検閲システムを構築したことが大きな問題になりました。インターネットは本来、ネットーワーク外部性を拡大することで自由な情報発信が保障されているにも関わらず、特定政治勢力によってそれに制約を設けることへの疑問です。
★ 発言し、ものを書く、ウェブの命は自由です。だけども、「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)が完成すると、Google 検索にひっかからないものは存在しないものと同然です。勢い、発信者は Google検索に引っかかりやすいキーワードを使う工夫をします。それを逆手に検索で出てこないように細工したら・・・・どうなるか? システム設計者が思うように情報社会を動かすことになります。Googleは、対中国政府との交渉でその危険な選択をしました。
★ これまでの政治権力は「こうしなさい」という規範型でした。ネット社会を律するネット支配権力は「ひそかにさせない」型の陰険な政策をとるのではないか。そんな疑惑を感じさせます。例えれば、「このウェブを見なさい。こちらは見てはいけない」というのが従来の政治権力。利用者が気づかないように情報をフィルタにかけて”こっそり”見させない工夫を仕組むのが新たなネット支配権力。と、言うことが出来るでしょう。
★ 国民、国土、主権という三要素が近代国家の成立基盤です。未来社会の基盤「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)は、簡単に、この三要素を超えてしまいます。早い話、個人間のネット通商は国家主権が及ばず、対策は後手後手。素知らぬ顔でそれを動かすマンモス”Googlezon”は、それを尻目に着々と、それに代わる”電脳世界政府”の新秩序を構築し、世界の個々人の生活行動を誘導し、ひいては社会全体を牛耳ろうとしています。
★ 恐るべし、”Googlezon”
私は、この10日間、繰り返して【EPIC2015】を読み直し、そのことを考え続けていました。病膏肓、遂に悪夢を見た次第です。バーチャル(架空)な世界が、リアルの世界に取って代わることはあるまい・・・・そうは思いもするのですが、ネット社会では既にバーチャルとリアルの境が無くなって来ています。これからのネット生活。少し、勉強もしなければ・・・・最近、つくづく、そう考えるようになりました。
真夜中に玄関のドアを蹴破って武装した憲兵が数人、あっという間に寝室に飛び込んできて、私に手錠をはめました。
「誰だ? なんでこんなことをする?」
大声で抗議した私に、ヒトラーの再来のような風貌の隊長がこう言い渡しました。
「国家機密漏洩に関与した嫌疑により逮捕する」
眼前に差し出した大きな手帳には「世界政府情報本部隊長」の刻印が押してありました。
★ 「国家機密漏洩???」
私には全く身に覚えはありません。私も既に83歳。足腰が不自由になり、滅多に外に出ることがありません。毎日、書斎に隠って、インターネットで3食の出前を頼み、趣味の自分史を書いて毎日を過ごしています。必要なデータは、Googleで検索して間に合わせ、それでも見つからない時には、新しく開発された検索エンジン「エエだろう」を使っている。国家の機密情報などにアクセスした覚えなど全くありません。
★ 「ともかく情報本部へ同行を。そこで言い分は聞いてやる。そのノート・パソコンは証拠品だから持参して。CD-RやDVDも押収する」
「一体、何をした、と言うのだ。横暴な!」
「このところ、毎日、検索エンジン”エエだろう”を使って何をしているのだ。”エエだろう”が危険エンジンとして国家が使用を禁じているのは知っているだろう。このバカ!」
小銃の台座でアゴを殴られ・・・・目が覚めました。
★ なぜ、このような夢を見たのか? このところ私は、Google の亡霊に取り憑かれています。 これまで考えてもみなかった【EPIC 2015】のシミュレーション・・・ 2015年に”Googlezon”の【Google Grid計画】が世界を一変させる。Googleの大ホラと一笑に付されていた【世界政府】樹立も可能か?? 動き始めたマンモス亡霊の不気味さと、その猛威に現実的な恐怖感を抱き始めています。
★ コトの始まりは、10日ほど前に書いた《【6139】世界制覇のGoogle ・・・その光と影》へのコメントでした。私のブログの読者である「けんけん」さんが次のコメントを寄せて下さいました。
【以下はGoogleとAmazonがGooglezonという名前で一緒になり新しいビジネスをしていくだろうという内容のサイト;新聞社vs. Googlezon、という話です。ご興味がございましたら・・・】
★ ビックリしました。一読、驚嘆! あまりにも重要な情報と思いましたので日本語版の説明を全部、書き写して吟味して読みました。 読めば、読むほどスゴイです。これからネット社会はどう動くのか? それを予見させる重要なシミュレーションと、それを起こさせる生活基盤の地殻変動を見事に解き明かしています。
★ すなわち、これまでのネット・サービスは、IBMやSun Microsystemsが先導したGridの最終コアが、あくまでもコンピュータで企業向けであったのが、Googleが目指すGridの最終コアは、コンピュータ、ケイタイによって人間個人個人向けに大変貌を遂げる、と言うのです。
★ [Grid]と言うのは専門的には非常に複雑な技術ですが、電力供給網を例にすると分かりよい。それが現在の我々の生活基盤になっているように、ネット社会では、分散コンピューティング技術を活用して地球規模で問題解決を図る共同作業で P2P(人対人)環境を構築する情報供給網を指すようです。
★ 【EPIC2014】は、GoogleとAmazonが合併して誕生する ”Googlezon” がこれまでに無い最高の検索エンジンとレコメンデーション(推奨)情報創出機能を組み合わせたシステム、つまり、電気やガス、水道に続く、新たな生活に欠かせない[P2P(人対人)情報供給網Grid]サービスとして登場し、個々人の生活の隅々に浸透し、ちょうど、産業革命当時に登場した当時の[”動力供給網”Grid]と同じような役割を演じて未来世界を大きく変える、と予測しているのです。
★ そこでは、「マス」(大衆)を想定した画一的な情報を”上意下達”していたマスコミは必要とされず、一人一人異なった個人の属性、趣味、行動履歴、人間関係などの情報をもとに、インターネット上で交換されたすべての情報を加工・再構築して準備される「レコメンデーション」(推奨)情報が、生活のあらゆるレベルで提案され、人々は、それに誘導されて行動選択し、結果として、新登場の「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC=Evolving Personalized Information Construct)に依存せざるを得なくなる・・という怖い話を描きます。
★ 個々人の日常生活における消費傾向、趣味や関心内容、社会的ネットワーク関係などはすべて巨大な”Googlezon”のデータ・ベースに収集・保存され、個々人向けにカスタマイズされた情報が提供されます。そこではもはや新聞・書籍など必要とされず、静止画、動画を含めたあらゆる情報は、クリック一つするだけでウエブ上に簡単に呼び出すことができるようになる。その結果、これまでの新聞は姿を消すか、大きく変貌せざるを得ない、と断言するのです。
★ この予言は実に不気味です。インターネットがどんなに進化しても、書籍や新聞など活字メディアは消滅しない、という論者は多いのですが、それは疑問です。なぜならば、”Googlezon” の登場は、これまでの広告業態を全く変えてしまうからです。「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)が情報世界を支配すると、新聞・雑誌への広告はすべて無くなります。そのことによって新聞・雑誌は経営が立ちゆかず、息の根を止められるのです。
★ それが、最も強烈に働くのは、「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)で個々人に提供される「レコメンデーション」(推奨)情報は、すべてタダ。生存に絶対に必要な情報でありながらタダ、つまり空気と同じになるのです。情報取材から編集、印刷、配達の膨大なコストを調達せざるを得ない新聞社や雑誌社、そのコストを料金負担で分担せざるを得ない読者、共にタダとの競争には勝てません。こうしてマスメディアは消える運命にあります。
★ 多分、代わって登場するのは、個々人のニーズに合わせた「カスタム・インフォーメーション」(読者誘導型情報)でしょう。既に登場し、活動を始めている【市民新聞JANJAN】などがその先魁(さきがけ)かもしれません。この種の無料電子新聞が続々と登場するでしょう。発信者も読者も市民。「進化型パーソナライズ情報構築網」が完成した時、生き残るのは、恐らくこのような市民自身が記事を書く「市民参加型ジャーナリズム」でしょう。こちらもタダ、が特徴。つまり、これからの「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)社会で生き残れる最低条件はタダであること。
★ 怪物”Googlezon” は、個々人にとって最も良質である情報をタダで提供する仕組みをつくりあげようとしています。それを可能にしている秘密は、検索連動型広告。これについては、先に書きました《【6139】 世界制覇のGoogle ・・・その光と影 》の後半部分と重複しますのでそちらをご参照ください。
★ ただ、最後に触れておきたいのは、Googleが、常に公言する「ネットによる”世界政府”樹立」のことです。国連が提唱した国際会議「世界情報社会サミット」が2003年と2005年の2回、開かれましたが、その時、問題になったのは、アメリカによる”ルートA根幹サーバー”の独占管理と中国政府のネット検閲問題でした。Googleは、その両方に、既に深く関わっています
★ その中でGoogleが中国政府に迎合して中国向け検閲システムを構築したことが大きな問題になりました。インターネットは本来、ネットーワーク外部性を拡大することで自由な情報発信が保障されているにも関わらず、特定政治勢力によってそれに制約を設けることへの疑問です。
★ 発言し、ものを書く、ウェブの命は自由です。だけども、「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)が完成すると、Google 検索にひっかからないものは存在しないものと同然です。勢い、発信者は Google検索に引っかかりやすいキーワードを使う工夫をします。それを逆手に検索で出てこないように細工したら・・・・どうなるか? システム設計者が思うように情報社会を動かすことになります。Googleは、対中国政府との交渉でその危険な選択をしました。
★ これまでの政治権力は「こうしなさい」という規範型でした。ネット社会を律するネット支配権力は「ひそかにさせない」型の陰険な政策をとるのではないか。そんな疑惑を感じさせます。例えれば、「このウェブを見なさい。こちらは見てはいけない」というのが従来の政治権力。利用者が気づかないように情報をフィルタにかけて”こっそり”見させない工夫を仕組むのが新たなネット支配権力。と、言うことが出来るでしょう。
★ 国民、国土、主権という三要素が近代国家の成立基盤です。未来社会の基盤「進化型パーソナライズ情報構築網」(EPIC)は、簡単に、この三要素を超えてしまいます。早い話、個人間のネット通商は国家主権が及ばず、対策は後手後手。素知らぬ顔でそれを動かすマンモス”Googlezon”は、それを尻目に着々と、それに代わる”電脳世界政府”の新秩序を構築し、世界の個々人の生活行動を誘導し、ひいては社会全体を牛耳ろうとしています。
★ 恐るべし、”Googlezon”
私は、この10日間、繰り返して【EPIC2015】を読み直し、そのことを考え続けていました。病膏肓、遂に悪夢を見た次第です。バーチャル(架空)な世界が、リアルの世界に取って代わることはあるまい・・・・そうは思いもするのですが、ネット社会では既にバーチャルとリアルの境が無くなって来ています。これからのネット生活。少し、勉強もしなければ・・・・最近、つくづく、そう考えるようになりました。
by zenmz
| 2006-06-06 02:00
| ネット考現学