2006年 06月 08日
【6153】 世界の飢餓を救う「植物医師」の養成を |
★ 世の中、どんどん変わりますね。変化の早さ、まったくついていけません。それも、ちょっと茶の間に登場する軽い話題。 予想外のことが次々と出てきます。 しかし、それ、何?・・・一歩、踏み込むと、皮相だけでは分からない深い深刻な問題が横たわっていることに気づかされます。今日、取り上げたいテーマ「植物医師」は、そんなお話。
★ 東京大と法政大が「植物医師」の養成を始めるそうです。数日前、公表された計画では、まず2、3年後に東大にモデル病院を設置して、指導者を育成する。これにあわせて法政大が来年度に新設予定の「植物医科学科」(定員約100人)で医師を養成に着手し、5年以内に法政大にも病院を開設する。のだそうです。(毎日新聞6月5日付け朝刊)
★ 動物病院の獣医さんがいるのだから、園芸ブームの今、「植物病院」を作り、専門の「植物医」がいても不思議はありません。そうと言われてみれば、なぜ、これまでなかったのか? そのことをむしろ問題視すべきかもしれません。それにしても・・・園芸ブームだからといって「植物医師」はちょっと大げさでは???
★ 公表された構想によると、「植物病院」は、持ち込まれた植物について、ウイルスや細菌、害虫、汚染物質など原因を特定(診断)し。病気を広めないための予防薬の処方や炎症部位の切除、健康な部分を利用した組織培養などを行う(治療・予防処方)そうです。
★ たしかに先進工業国では家庭園芸が爆発的ブームになり、家庭レベルでも植物の病気の診断や治療への需要は増えていることも背景にある、病害で荒れ放題の植物病の臨床現場で活躍する人材を育てるのが目的と、言えば一般受けしそうです。
★ しかし、計画の中心になっている東大教授の難波成任先生(植物病理学)の説明によりますと、話は、そんなみみっちいことではなく、「世界の農作物は毎年、約12%が病気で収穫できない状況があるのに、放置されたままで約8億人分の食糧が失われている」そうで、この問題を解決するのがより本質的な目的だといいます。
★ 驚きました。その説明を裏付ける実践は、既に始まってもいるのです。
大学の正規学部・学科の認可はいわば形式的な手続きのこと。東京大学大学院農学生命科学研究科ではすでに指導者の教育を始めているのです。バイオテクニックの専門会社「池田理化」の寄付講座は、一部、啓蒙講義として一般にも、公開されていました。
★ 既に本年度から東京大学農学部には「”植物医科学”研究室」が開設され、難波先生、直々に指導者の養成を開始されているのです。その意味は非常に重要だと思います。
難波先生は、学問的には「ファイトプラズマ研究世界一」の大御所として広く知られた学者です。「植物病院」という新構想の背景には、その学問業績の知見があります。
ファイトプラズマは、昆虫が媒介する微生物で、感染した植物の成長を抑制し、生殖器官(花)を変異(葉化)させるなどの作用があって、農作物に大きな被害をもたらしす大敵だそうです。
★ しかしファイトプラズマは最も小さな生命体のひとつで非常に小さく、その上、培養が困難であったため、その解明はこれまで誰も成功しなかったのですが、ファイトプラズマは究極まで遺伝子を捨て去った「最少遺伝子の生物」であることを突き止め、その全ゲノム情報の解読に成功されたのが難波教授。さらに植物ウイルスについてもたった一塩基の違いで植物に生じる病徴を全く変えてしまうメカニズムも解明し、共に世界初の大発見。
★ 難波先生の「植物医師」構想は、その研究の中で確信されたもの、と言われています。その所論には、世界の人々が耳を傾けるべきでしょう。
「世界中の食糧の12%が毎年このウイルス性病気で失われている。その損失はちょうど世界中で現在、飢餓に苦しむ人口8億人分の食糧に相当する。この損失を防ぐために、植物の病気を診断・治療し予防法を広める「植物病院」を世界に広めるのが急務。専門の『植物医師』を養成し、世界に『植物病院』ネットワークを構想しなければならない」
★ この遠大な構想・・・・勿論、世界で初めて。また一つ、若者たちに大きな夢を描かせる素晴らしアイディアが日本の学者によって提案されました。是非、実現させ、早急に世界に広めたいですね。
★ 東京大と法政大が「植物医師」の養成を始めるそうです。数日前、公表された計画では、まず2、3年後に東大にモデル病院を設置して、指導者を育成する。これにあわせて法政大が来年度に新設予定の「植物医科学科」(定員約100人)で医師を養成に着手し、5年以内に法政大にも病院を開設する。のだそうです。(毎日新聞6月5日付け朝刊)
★ 動物病院の獣医さんがいるのだから、園芸ブームの今、「植物病院」を作り、専門の「植物医」がいても不思議はありません。そうと言われてみれば、なぜ、これまでなかったのか? そのことをむしろ問題視すべきかもしれません。それにしても・・・園芸ブームだからといって「植物医師」はちょっと大げさでは???
★ 公表された構想によると、「植物病院」は、持ち込まれた植物について、ウイルスや細菌、害虫、汚染物質など原因を特定(診断)し。病気を広めないための予防薬の処方や炎症部位の切除、健康な部分を利用した組織培養などを行う(治療・予防処方)そうです。
★ たしかに先進工業国では家庭園芸が爆発的ブームになり、家庭レベルでも植物の病気の診断や治療への需要は増えていることも背景にある、病害で荒れ放題の植物病の臨床現場で活躍する人材を育てるのが目的と、言えば一般受けしそうです。
★ しかし、計画の中心になっている東大教授の難波成任先生(植物病理学)の説明によりますと、話は、そんなみみっちいことではなく、「世界の農作物は毎年、約12%が病気で収穫できない状況があるのに、放置されたままで約8億人分の食糧が失われている」そうで、この問題を解決するのがより本質的な目的だといいます。
★ 驚きました。その説明を裏付ける実践は、既に始まってもいるのです。
大学の正規学部・学科の認可はいわば形式的な手続きのこと。東京大学大学院農学生命科学研究科ではすでに指導者の教育を始めているのです。バイオテクニックの専門会社「池田理化」の寄付講座は、一部、啓蒙講義として一般にも、公開されていました。
★ 既に本年度から東京大学農学部には「”植物医科学”研究室」が開設され、難波先生、直々に指導者の養成を開始されているのです。その意味は非常に重要だと思います。
難波先生は、学問的には「ファイトプラズマ研究世界一」の大御所として広く知られた学者です。「植物病院」という新構想の背景には、その学問業績の知見があります。
ファイトプラズマは、昆虫が媒介する微生物で、感染した植物の成長を抑制し、生殖器官(花)を変異(葉化)させるなどの作用があって、農作物に大きな被害をもたらしす大敵だそうです。
★ しかしファイトプラズマは最も小さな生命体のひとつで非常に小さく、その上、培養が困難であったため、その解明はこれまで誰も成功しなかったのですが、ファイトプラズマは究極まで遺伝子を捨て去った「最少遺伝子の生物」であることを突き止め、その全ゲノム情報の解読に成功されたのが難波教授。さらに植物ウイルスについてもたった一塩基の違いで植物に生じる病徴を全く変えてしまうメカニズムも解明し、共に世界初の大発見。
★ 難波先生の「植物医師」構想は、その研究の中で確信されたもの、と言われています。その所論には、世界の人々が耳を傾けるべきでしょう。
「世界中の食糧の12%が毎年このウイルス性病気で失われている。その損失はちょうど世界中で現在、飢餓に苦しむ人口8億人分の食糧に相当する。この損失を防ぐために、植物の病気を診断・治療し予防法を広める「植物病院」を世界に広めるのが急務。専門の『植物医師』を養成し、世界に『植物病院』ネットワークを構想しなければならない」
★ この遠大な構想・・・・勿論、世界で初めて。また一つ、若者たちに大きな夢を描かせる素晴らしアイディアが日本の学者によって提案されました。是非、実現させ、早急に世界に広めたいですね。
by zenmz
| 2006-06-08 00:00