2006年 06月 17日
【6162】 小泉首相の功罪・・・私の採点 |
★ 国会がおわりました。どうなるか? と、ヒヤヒヤしながら見守ってきた「教育基本法改正案」や「憲法改正の手続きを定める国民投票法案」 「防衛庁の”省”への昇格法案」 「共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正案」などの悪法は、とりあえず、生煮えのまま、次期国会に先送りされました。ああ、良かった。と言うのが私の実感。
★ 昨秋の総選挙の結果、衆院で与党が3分の2以上を占める中、小泉内閣の仕上げ法案として持ち出されたこの4法案、とりわけ教育基本法と憲法改正国民投票法。これだけは安易に成立させてはいけません。幸い、国会終盤で急に小泉首相がシラケ始めて、あの最初の押せ押せムードは消え、はやばやと国会延長を拒否してくれて良かったですね。小泉首相の頭にあるのは、次の訪米とサミット外交を花道にご退場です。
★ まあ、郵政民営化を実現されたのは立派。しかし、医療制度改革関連法案を強行採決はいけません。ちょうど1ヶ月前の強行採決の時、私は、これは危ない、と心配しました。衆院議席の3分の2を占める巨大与党が、勢いに乗って、「共謀罪」創設法案、さらに憲法改正の手続きを定める国民投票法案を出す構えを見せたからです。
★ 意外なことに急に小泉首相がシラケ、政界は 「ポスト小泉」と来夏の参院選に関心が逸れてしまいました。正直なところホッとしました。少なくとも重要4法案は首相交代後の秋の国会までペンディング。未だ国民がじっくり考える時間が与えられました。この4法案、どれも急ぐ必要はありません。それどころかもっと、もっと議論を詰めて国民の合意を取り付けねばならぬ重要法案です。
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★ ところで・・・・
小泉さん、最後にやってくれましたね。医療制度改革関連法の強行採決。正に70歳以上の高齢者狙い撃ち。私は、持病の治療のため、毎月、2~3回、内科、歯科などに通っています。早くも影響が出始めています。そんなことなど考えもしなかった「保健適用外」治療の説明がいろいろとなされるようになりました。「で、ですね。後は患者さまのご選択で」と言われても、これまで受けていた治療を打ち切って、という患者は少ないでしょう。「分かりませんので先生のお薦めくださるように・・・」と答える以外ないのです。
★ 医療費自己負担は確実に増え、更に保険適用外の”外し”で新たな医療費負担が増えそうです。小泉医療改革の狙いが膨張する医療費圧縮にあることを痛いほど感じました。強行採決までして”改革”した小泉首相の置きみやげとは何であるのか? この際、キチンと頭にたたき込んでおきたいと思います。
★ 改革要点がなかなか掴みにくいです。体系的にまとまらないので、項目列記したみましょう。
★ この結果、70歳以上の高齢者の具体的負担は次のようになるようです。
(!) 医療保険から費用が支払われる医療型(25万床)
(2) 介護保険から支払われる介護型(13万床)があります。
★ 厚労省の調査によりますと、両型とも「医療がほとんど必要なし」の”患者”は5割に達しているのだそうです。
医療ではなく、生活支援が主で、「社会的入院」と呼ばれてきました。問題は、在院日数が長引き医療費をかさ上げする矛盾をはらんでいました。
改正法では今後6年かけて介護型を全廃、医療型は15万床に削減する。消える23万床分は老人保健施設や有料老人ホーム、在宅へ移行してもらおうという計画。
★ このような大がかりな政策誘導は、当然、医療現場に混乱を引き起こします。特に連動して7月から診療報酬が改定され、病状の軽い人の入院料が大幅に引き下げられることが決まり、将来経営が立ち行かなくなるのを見越した病院側では、早々と閉院したり、病状の重い患者だけを集めようという動きも出ているようです。私が、「保険適用外になりました。全額自己負担になりますが・・・どうします?」といわれたのと同じ状況が出ているのです。
★ 困るのは、突然の閉院などでベッドから追い出される高齢者たちです。介護の現場では、行き場所が見つからず右往左往する人も現れ、異動先を探し求めて介護職員はヘトヘトです。一番、助けを必要とする人を、このように切り捨てる”改革”とは何か? 一体、福祉はどこへいったのか? いや、福祉の息の根を止めたのは誰か?
★ 私は、ズバリ、小泉首相だ、と断言します。
皆さん、思い起こして下さい。2000年まで、つまり、「介護保険制度」が出来るまで、老人介護は「社会福祉」制度の枠組みで政府の直接責任で行われて来ていました。介護の必要がある老人に問われたのは、ただ二つ。一つは、心身の状況が介護を必要とする状態にあるか、どうか、の確認。もう一つは、ある、と判断された時、家族にそれを担当出来る人を得られるか、どうか? もし得られなければ、市町村の責任で老人養護施設、もしくは特別養護老人施設に”行政措置”しました。つまり、必要経費はすべて税金で賄い、老人に負担は求めなかったのです。
★ ところが・・・小泉内閣と共に成立した「介護保険制度」は、40歳以上のすべての国民に新たに”介護”を目的とした社会保険制度を設けました。つまり税金とは別に保険料を課して介護に必要な財源を準備したのです。その結果、老人たちが介護の必要を生じた時、何が要求されるようになったか? 「あなたは保険に入っていますか? キチンと保険料を払っていますか?」 その関門を通って始めて介護手続きがうけられるように変わりました。
★ これは、大きな制度矛盾です。保険料を払える人は比較的恵まれた老人。生活費にもコト欠き、貧窮状態のある老人ほど病弱で要介護に陥りやすいです。保険料をはらう前にそのオカネで栄養をつけねばならぬ人々に「保険に入っていますか? 保険料をキチンと納めていますか? 介護が必要なら、それを先にしておいてね」 それは、ビジネスです。人が困って助けを求めると、ビジネス・チャンスと考える「ケアマネジャー」の実態を直視してください。このように福祉の心を失わせた「福祉・医療改革」を強引に推し進め、最後に強行採決までして、このような悪制度を残したのは、小泉首相でした。功罪相半ばする長期政権でしたね。
…・・・・・・・ 吉備高原便り(7) ・・・・・・・・・・
【新企画】 我が家、我が町 の 日々の寸描を掲載します。
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ビックリ! 半年、1000倍の生産性とは!?
★ 私は梅雨時の田圃を散策するのが大好きです。私の住んでいる所は、今こそ近代的なニュータウンですが、土地の字は「山之田」 中国山脈のなだらかな南丘陵の松茸山の合間には棚田が山頂まで這い上がっていました。未だニュータウンの直ぐ側には、その名残が残っています。今日も犬を連れて、畦を伝って岡の上まで散歩しました。正に耕して天に到る感じそのものの棚田。美しいです。
★ 今日は、顔なじみにお百姓さんと、出会い、畦に腰降ろしてひとときを楽しみました。
「zensan, 半年で1000倍になる投資ってあるかノー」 日銀総裁の株投資や、村上ファンドの資金転がしの話など「困ったもんじゃノー。エライ人が・・・」と一息入れた後、こう質問しました。何がいいたいのか? 不審顔を向けると・・・
★ 「いやね。米の話。稲作はノー。エエもんじゃ。早春に1粒の籾(もみ)を蒔いて、5月連休頃にその早苗を植えると、秋には1000粒の籾を付ける。金融の世界に確実に1000倍になる、というような芸当は10年、20年、いや、人間一生、かけても無理じゃろーノー」 ウーン、驚きました。この老人、稲作は確実に半年で1000倍になる産業だというのです。
★ 「大きな茶碗だと1椀が約1合。1合の籾(もみ)で育てた早苗を植えると、収穫時には1石になる。1石と言えば、人間一人、1年間、食っていける量・・・・」 それは、昭和ヒトケタの私には、分かる。聞きながら古来、日本人が、この祖国を「豊葦原水穂国(とよあしはらのみずほのくに)と呼び、天孫を「番能邇邇芸命(ほのににぎのみこと)」とあがめた意味が甦ってきました。
★ 「それにノー。稲ほど作りやすいものはない。第一、連作出来る農作物など、他にそうあるもんじゃ無いんジャ。ウチの田圃、もう100年、毎年、毎年、稲を育ててきた。稲を育てれば、育てるだけいい田圃になる。それにジャノー国は減反で貴重な田圃を潰してしもうた。米作りならワシが日本一と自慢の爺さまは、この村にもいっぱいたが、『小遣いやるから米作り辞めろ』と、百姓の魂まで抜いてしもうた」
★ 「それに米作りをする若者など、この村にはいなくなった。これをどうするか。ワシもトシだ。婆さんも腰痛でもう来年は田植えはでけん。誰か本気で百姓、やってくれるモンおらんかノー。「半年で1000倍の生産性」 若者を呼び寄せ、それがホンマと実感できる「農業立国政策」の知恵はないもかノー」
★ 昨秋の総選挙の結果、衆院で与党が3分の2以上を占める中、小泉内閣の仕上げ法案として持ち出されたこの4法案、とりわけ教育基本法と憲法改正国民投票法。これだけは安易に成立させてはいけません。幸い、国会終盤で急に小泉首相がシラケ始めて、あの最初の押せ押せムードは消え、はやばやと国会延長を拒否してくれて良かったですね。小泉首相の頭にあるのは、次の訪米とサミット外交を花道にご退場です。
★ まあ、郵政民営化を実現されたのは立派。しかし、医療制度改革関連法案を強行採決はいけません。ちょうど1ヶ月前の強行採決の時、私は、これは危ない、と心配しました。衆院議席の3分の2を占める巨大与党が、勢いに乗って、「共謀罪」創設法案、さらに憲法改正の手続きを定める国民投票法案を出す構えを見せたからです。
★ 意外なことに急に小泉首相がシラケ、政界は 「ポスト小泉」と来夏の参院選に関心が逸れてしまいました。正直なところホッとしました。少なくとも重要4法案は首相交代後の秋の国会までペンディング。未だ国民がじっくり考える時間が与えられました。この4法案、どれも急ぐ必要はありません。それどころかもっと、もっと議論を詰めて国民の合意を取り付けねばならぬ重要法案です。
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★ ところで・・・・
小泉さん、最後にやってくれましたね。医療制度改革関連法の強行採決。正に70歳以上の高齢者狙い撃ち。私は、持病の治療のため、毎月、2~3回、内科、歯科などに通っています。早くも影響が出始めています。そんなことなど考えもしなかった「保健適用外」治療の説明がいろいろとなされるようになりました。「で、ですね。後は患者さまのご選択で」と言われても、これまで受けていた治療を打ち切って、という患者は少ないでしょう。「分かりませんので先生のお薦めくださるように・・・」と答える以外ないのです。
★ 医療費自己負担は確実に増え、更に保険適用外の”外し”で新たな医療費負担が増えそうです。小泉医療改革の狙いが膨張する医療費圧縮にあることを痛いほど感じました。強行採決までして”改革”した小泉首相の置きみやげとは何であるのか? この際、キチンと頭にたたき込んでおきたいと思います。
★ 改革要点がなかなか掴みにくいです。体系的にまとまらないので、項目列記したみましょう。
◎ 70歳以上で現役並みに所得のある人(夫婦世帯で年収520万円以上、単身世帯で380万円以上)の医療費の窓口負担は、今年10月から現行の2割が3割に増額。
◎ 70~74歳の人の負担割合は08年4月から、1割から2割へアップ
◎ これまでの老人保健制度を廃止し、08年4月から75歳以上の人すべてが加入する高齢者医療制度を創設。当初の保険料(平均の試算)は1人当たり年6万1000円程度
★ この結果、70歳以上の高齢者の具体的負担は次のようになるようです。
【窓口負担関係】★ なかなかややこしいです。いくら読んでも分からないのが、今度の医療制度改正の柱と言われている「療養病床」(慢性の病気で長期療養が必要な高齢者が入院)の取り扱いです。これまで「老人病院」と言われていた「療養病床」の経費支払いは、
● 今年10月から70歳以上の「現役並み所得者」(夫婦世帯年収約620万円以上)は現行2割負担が3割にアップ(対象者120万人)
● ただし税制改正により今年8月から「現役並み所得」の年収基準は(夫婦世帯年収約520万円以上)まで繰り下がり下がり、対象者は約80万人増加。新しい対象者は、現行1割負担が8月に2割、10月になると3割と3段飛びアップ。。
● 08年4月以降、所得が現役並みには届かない70~74歳は、現行1割負担が2割に倍増。骨折のケースで1万3000円も増える。
● 08年4月以降も、窓口負担が変わらないのは、75歳以上の高齢者だけ。
● 自己負担に限度額を設けた「高額療養費制度」の限度額を10月から引き上げ。
【例示】
胃がんで1カ月入院したら、医療費は150万円ほど。
70~74歳の高齢者の場合、現行約4万円の負担。 10月からは4万4000円、08年4月以降は6万2000円程度にアップ。
【入院食住費】
● 長期入院患者向けの療養病床に入院中の70歳以上高齢者は、10月から食費、光熱費、水道代を全額自己負担(現行一部負担) 08年4月からは65~69歳の人にも対象拡大。
【例示】
相部屋入院の70歳高齢者は、標準的ケースで現行月額約6万4000円が10月から3万円増えて9万4000円に。08年4月からは65~69歳で13万4000円、70~74歳で11万4000円にアップ。
【保険料】
● 「後期高齢者医療制度」の創設
08年4月から、新たに75歳以上全員が加入する「後期高齢者医療制度」が発足。全員が保険料負担に(現行被扶養者は無料) ただし平均年間保険料は08年度、6万1000円程度に。
● 新制度の保険料は都道府県ごとに異なる。
厚生年金を年間208万円受給している人で月額約6200円。
基礎年金(79万円)のみの人なら900円程度。
子どもに扶養され、収入が基礎年金だけの人なら3100円ほど。
扶養を受けている人は、制度加入時から2年間保険料を半額に据え置。
(!) 医療保険から費用が支払われる医療型(25万床)
(2) 介護保険から支払われる介護型(13万床)があります。
★ 厚労省の調査によりますと、両型とも「医療がほとんど必要なし」の”患者”は5割に達しているのだそうです。
医療ではなく、生活支援が主で、「社会的入院」と呼ばれてきました。問題は、在院日数が長引き医療費をかさ上げする矛盾をはらんでいました。
改正法では今後6年かけて介護型を全廃、医療型は15万床に削減する。消える23万床分は老人保健施設や有料老人ホーム、在宅へ移行してもらおうという計画。
★ このような大がかりな政策誘導は、当然、医療現場に混乱を引き起こします。特に連動して7月から診療報酬が改定され、病状の軽い人の入院料が大幅に引き下げられることが決まり、将来経営が立ち行かなくなるのを見越した病院側では、早々と閉院したり、病状の重い患者だけを集めようという動きも出ているようです。私が、「保険適用外になりました。全額自己負担になりますが・・・どうします?」といわれたのと同じ状況が出ているのです。
★ 困るのは、突然の閉院などでベッドから追い出される高齢者たちです。介護の現場では、行き場所が見つからず右往左往する人も現れ、異動先を探し求めて介護職員はヘトヘトです。一番、助けを必要とする人を、このように切り捨てる”改革”とは何か? 一体、福祉はどこへいったのか? いや、福祉の息の根を止めたのは誰か?
★ 私は、ズバリ、小泉首相だ、と断言します。
皆さん、思い起こして下さい。2000年まで、つまり、「介護保険制度」が出来るまで、老人介護は「社会福祉」制度の枠組みで政府の直接責任で行われて来ていました。介護の必要がある老人に問われたのは、ただ二つ。一つは、心身の状況が介護を必要とする状態にあるか、どうか、の確認。もう一つは、ある、と判断された時、家族にそれを担当出来る人を得られるか、どうか? もし得られなければ、市町村の責任で老人養護施設、もしくは特別養護老人施設に”行政措置”しました。つまり、必要経費はすべて税金で賄い、老人に負担は求めなかったのです。
★ ところが・・・小泉内閣と共に成立した「介護保険制度」は、40歳以上のすべての国民に新たに”介護”を目的とした社会保険制度を設けました。つまり税金とは別に保険料を課して介護に必要な財源を準備したのです。その結果、老人たちが介護の必要を生じた時、何が要求されるようになったか? 「あなたは保険に入っていますか? キチンと保険料を払っていますか?」 その関門を通って始めて介護手続きがうけられるように変わりました。
★ これは、大きな制度矛盾です。保険料を払える人は比較的恵まれた老人。生活費にもコト欠き、貧窮状態のある老人ほど病弱で要介護に陥りやすいです。保険料をはらう前にそのオカネで栄養をつけねばならぬ人々に「保険に入っていますか? 保険料をキチンと納めていますか? 介護が必要なら、それを先にしておいてね」 それは、ビジネスです。人が困って助けを求めると、ビジネス・チャンスと考える「ケアマネジャー」の実態を直視してください。このように福祉の心を失わせた「福祉・医療改革」を強引に推し進め、最後に強行採決までして、このような悪制度を残したのは、小泉首相でした。功罪相半ばする長期政権でしたね。
…・・・・・・・ 吉備高原便り(7) ・・・・・・・・・・
【新企画】 我が家、我が町 の 日々の寸描を掲載します。
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ビックリ! 半年、1000倍の生産性とは!?
★ 私は梅雨時の田圃を散策するのが大好きです。私の住んでいる所は、今こそ近代的なニュータウンですが、土地の字は「山之田」 中国山脈のなだらかな南丘陵の松茸山の合間には棚田が山頂まで這い上がっていました。未だニュータウンの直ぐ側には、その名残が残っています。今日も犬を連れて、畦を伝って岡の上まで散歩しました。正に耕して天に到る感じそのものの棚田。美しいです。
「zensan, 半年で1000倍になる投資ってあるかノー」 日銀総裁の株投資や、村上ファンドの資金転がしの話など「困ったもんじゃノー。エライ人が・・・」と一息入れた後、こう質問しました。何がいいたいのか? 不審顔を向けると・・・
★ 「いやね。米の話。稲作はノー。エエもんじゃ。早春に1粒の籾(もみ)を蒔いて、5月連休頃にその早苗を植えると、秋には1000粒の籾を付ける。金融の世界に確実に1000倍になる、というような芸当は10年、20年、いや、人間一生、かけても無理じゃろーノー」 ウーン、驚きました。この老人、稲作は確実に半年で1000倍になる産業だというのです。
★ 「大きな茶碗だと1椀が約1合。1合の籾(もみ)で育てた早苗を植えると、収穫時には1石になる。1石と言えば、人間一人、1年間、食っていける量・・・・」 それは、昭和ヒトケタの私には、分かる。聞きながら古来、日本人が、この祖国を「豊葦原水穂国(とよあしはらのみずほのくに)と呼び、天孫を「番能邇邇芸命(ほのににぎのみこと)」とあがめた意味が甦ってきました。
★ 「それにノー。稲ほど作りやすいものはない。第一、連作出来る農作物など、他にそうあるもんじゃ無いんジャ。ウチの田圃、もう100年、毎年、毎年、稲を育ててきた。稲を育てれば、育てるだけいい田圃になる。それにジャノー国は減反で貴重な田圃を潰してしもうた。米作りならワシが日本一と自慢の爺さまは、この村にもいっぱいたが、『小遣いやるから米作り辞めろ』と、百姓の魂まで抜いてしもうた」
★ 「それに米作りをする若者など、この村にはいなくなった。これをどうするか。ワシもトシだ。婆さんも腰痛でもう来年は田植えはでけん。誰か本気で百姓、やってくれるモンおらんかノー。「半年で1000倍の生産性」 若者を呼び寄せ、それがホンマと実感できる「農業立国政策」の知恵はないもかノー」
by zenmz
| 2006-06-17 00:00
| 現代社会論