2006年 06月 22日
【6168】 まな板の鯉の嘆き |
★ 他のことはともかく、小泉首相が私たち夫婦のために残してくれた最悪の置きみやげは、新たな公的医療保険「後期高齢者医療制度」です。2年後の2008年4月に新発足するといいますから、私たち夫婦は、揃ってここに連れ込まれます。でも、一体、どんな制度なのか? 私自身、よく分からないのです。断片的に与えられる情報は、医療費自己負担の増額、それも年を追うごとに毎年、増える話・・・まさに人生の末路に立って、「まな板の鯉」の心境です。
★ そもそも、75歳以上の高齢者を別建ての医療制度にするのは、急増する医療費を押さえ込むことから始まっています。だから、今より良くなる、とは思ってはいません。「全国市長会」も昨年秋、「天下の悪法」と猛反対しました。ナイーブな私は、行政の一番、市民近い人々が高齢者の現状を分かっていてくれての反対とばかり思っていましたが・・・今、改めて詳細に「反対理由」を見ると、ビックリしました。
★ 後期高齢者に特定した社会保険等は必要ない、とは言っていないのです。逆にそれは必要。作るのはいいが、「既に国保と介護保険の2つの保険者を担ている市町村が更に後期高齢者まで抱え込んだのでは財政がもたない」だから反対だ、というのですね。あんレェ、マア!です。リスクの高い年寄りの医療行政のような仕事は他に回して!と、言っているのです。アタマに来ますね。
★ 迂闊でした。私は、「後期高齢者医療制度」の創設されて、再来年から75歳以上の高齢者の医療は、そちらの制度で賄うことになった。これまで子どもの被扶養者で保険料が無料だった人々も、被扶養者は認められなくなり、75歳全員が一律に保険料を負担することになる、と、単純な理解をしていました。
だけど、改めて成立した法律をみると、何と、なんと! その事務は、「都道府県ごとに全市町村でつくる広域連合で運営」となっています。
★ 平成の市町村大合併で、今、地方公共団体はどこも未曾有の人余りです。私の町でも人口は1万3千人程度で246人もの職員がいます。同規模の町ですと、120人ぐらいが適正でしょう。そんな町村が全国に沢山あります。平成の大合併で起こったこと。一度、お宅の市町村役場を見渡してみて下さい。新たに部長制や局長制を設けて組織肥大化。ポスト不足を補うための補佐職制の乱立、殆どの課で”課長補佐”ばかり。それでも足らず、「部長心得」 「課長待遇」 何処を見渡してもヒラがいません。
★ なのに・・・仕事が増えるのはイヤだ、とは!? 皆さん、ここは、しっかり市民監視の目を光らせねばなりません。この度の法整備で「全国市長会」が持ち出した”ごね得”を絶対に許してはならないと思います。ことの本質は、国と地方の業務整理、新たな役所を作るならば、今こそ、もてあましている余剰人員を振り向けて仕事をさせればいいのです。
★ 法律を通すために身内の市町村の反対を和らげる姑息さ・・・新しいお役所を作ることで、手打ちして法律を通したのですね。”広域連合”という新しいお役所が保険料の設定や医療費の給付を行うのだそうです。勝手に望みもしない役所を作って・・・その管理事務コストは、誰が負担するのか? それをメシのタネにする人間が増え、雇用促進にもなるのかもしれませんが、そのコスト、誰が被るのか? 心配になりました。
★ この新しい【広域連合】構想、また奇妙な怪物です。各都道府県ごとに、全市町村が加わって結成されるのだそうです。新憲法が始まり、行政組織法が整備されて半世紀以上。未だかつて、こんなお役所、出来たことはありません。都道府県を2階建てにして、別の首長に相当する広域連合の長はどなたがなられるのか? 議会議員、一般職員まで誰が務め、どの程度の規模にするのか、役所をどこに設けるのか、など具体像は全くみえていません。そもそも、そんなものが誕生すると、理解している国民はどれだけいるのでしょう。
★ 国民には未だ、何も知らさぬママに、都道府県は、準備委員会を設置。規約づくりや長・議員選挙を行い、本年度中に組織の設立まで成し遂げる仕事を抱えています。公務員の友人に訊ねてみたら、「何も分からない。今は国がモデルを示すのを待っているところ」と言います。もの凄く不安になりました。
★ このまま、役所任せにしておくと、必ず、管理優先の制度になります。つまり役人のしたい放題になってしまう。ここは、どうしても当事者である後期高齢者のはめ込みが必要です。でも・・・・法律の何処にも後期高齢者を運営・審議委員に登用する義務規定はないようです。それは、これからお役人さまがなさることになるとか。
★ とりあえず、勉強しなくっちゃ、というわけで、今日一日、調べまくりました。加入者は何人、見込んでいるのか? 保険料はどうなるのか? 厚労省のホームページをクリックしまくり調べてみると、先ず、国が補足している後期高齢者の平均的な老齢厚生年金(年額208万円)の受給者の場合、新保険の保険料は創設時(2008年)に月額6200円程度で国保の保険料とほぼ同じ水準のようです。
★ しかし、問題は、その後。 保険料は、急カーブで上昇し、七年後の2015年度には、40%程度増える見込み、となっています。生きておれば私は85歳。だから語呂合わせで保険料月額8500円なのでしょうか。漫才のネタなら面白いが、国はここまで具体的な構想を固めているのです。
★ しかも、各広域連合は、来年度中に制度創設時の保険料を決めることになっています。住む場所によって保険料が違うのです。これまたアタマの痛い話。どんどん知力が衰える年齢になって、納得するのは困難です。いやひょっとすると、そこがねらわれているのかも。イマドキのお役人さん、よく口にしますね。超高齢化時代、痴呆が問題だ、と。よくご存じで。うまくご利用です。
【広域連合】・・・なにか、干からびた老人から寄って集って搾り取るマンモス吸血鬼が登場したような不気味さを覚えます。
…・・・・・・・ 吉備高原便り(13) ・・・・・・・・・・
【新企画】 我が家、我が町 の 日々の寸描を掲載します。
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梅雨が育む我が庭のユリ仲間
★ この梅雨で、我が家の庭に、今、タカサゴユリがどんどん伸びています。石垣の間や草むらの中、ツツジが落ちた後の茂みの合間など、所構わず数十カ所。あちこちに点在して背丈を競い始めました。最初、ここに来た時は、全く知らなかったものですから、「庭にヤマユリが!」とみんな、大歓声をあげて喜びました。
ところが・・・・「どれどれ」と、見にこられた土地の方が、「これはタカサゴユリ。この辺りの道端や荒地には、ウバユリ、オニユリ、 カノコユリが多いが、純粋な日本種のヤマユリは、もう少し北の奥へ行かないと・・・」と説明して下さって輸入種が繁茂したもの、と分かりました。南側の茂みには、ちょっと違ったテッポウユリもあります。
★ ★ 花の形だけ見ると、テッポウユリと同じに見えますが、タカサゴユリは葉が細いので区別がつきます。草丈は約1メートル。花弁は外に弧を描きながら広がって、1度に数個、次々と花を咲かせます。大正時代に台湾から渡来した帰化植物だそうです。花筒が細く,花びらに赤いすじがあるのが特徴。繁殖力が強く、何の手入れも要りません。赤いスジがないのは、どうやらウバユリ。確認して下さる方もいないので、自分でそのように納得しています。と、いう次第で、我が庭に見られるのは3種。
★ 残念ながら、この近辺にはヤマユリは見かけませんが、数㌔奥地に行きますと、自生したヤマユリがみられます。直径20センチ以上の大輪。数多あるユリ科植物の女王です。甘く濃厚な香りと、その華麗な風貌は見事です。ともかく、私は、8月中旬、我が家を真っ白のユリで囲んでくれるタカサゴユリが大好きです。また、開いた時にお目にかけましょう。
★ そもそも、75歳以上の高齢者を別建ての医療制度にするのは、急増する医療費を押さえ込むことから始まっています。だから、今より良くなる、とは思ってはいません。「全国市長会」も昨年秋、「天下の悪法」と猛反対しました。ナイーブな私は、行政の一番、市民近い人々が高齢者の現状を分かっていてくれての反対とばかり思っていましたが・・・今、改めて詳細に「反対理由」を見ると、ビックリしました。
★ 後期高齢者に特定した社会保険等は必要ない、とは言っていないのです。逆にそれは必要。作るのはいいが、「既に国保と介護保険の2つの保険者を担ている市町村が更に後期高齢者まで抱え込んだのでは財政がもたない」だから反対だ、というのですね。あんレェ、マア!です。リスクの高い年寄りの医療行政のような仕事は他に回して!と、言っているのです。アタマに来ますね。
★ 迂闊でした。私は、「後期高齢者医療制度」の創設されて、再来年から75歳以上の高齢者の医療は、そちらの制度で賄うことになった。これまで子どもの被扶養者で保険料が無料だった人々も、被扶養者は認められなくなり、75歳全員が一律に保険料を負担することになる、と、単純な理解をしていました。
だけど、改めて成立した法律をみると、何と、なんと! その事務は、「都道府県ごとに全市町村でつくる広域連合で運営」となっています。
★ 平成の市町村大合併で、今、地方公共団体はどこも未曾有の人余りです。私の町でも人口は1万3千人程度で246人もの職員がいます。同規模の町ですと、120人ぐらいが適正でしょう。そんな町村が全国に沢山あります。平成の大合併で起こったこと。一度、お宅の市町村役場を見渡してみて下さい。新たに部長制や局長制を設けて組織肥大化。ポスト不足を補うための補佐職制の乱立、殆どの課で”課長補佐”ばかり。それでも足らず、「部長心得」 「課長待遇」 何処を見渡してもヒラがいません。
★ なのに・・・仕事が増えるのはイヤだ、とは!? 皆さん、ここは、しっかり市民監視の目を光らせねばなりません。この度の法整備で「全国市長会」が持ち出した”ごね得”を絶対に許してはならないと思います。ことの本質は、国と地方の業務整理、新たな役所を作るならば、今こそ、もてあましている余剰人員を振り向けて仕事をさせればいいのです。
★ 法律を通すために身内の市町村の反対を和らげる姑息さ・・・新しいお役所を作ることで、手打ちして法律を通したのですね。”広域連合”という新しいお役所が保険料の設定や医療費の給付を行うのだそうです。勝手に望みもしない役所を作って・・・その管理事務コストは、誰が負担するのか? それをメシのタネにする人間が増え、雇用促進にもなるのかもしれませんが、そのコスト、誰が被るのか? 心配になりました。
★ この新しい【広域連合】構想、また奇妙な怪物です。各都道府県ごとに、全市町村が加わって結成されるのだそうです。新憲法が始まり、行政組織法が整備されて半世紀以上。未だかつて、こんなお役所、出来たことはありません。都道府県を2階建てにして、別の首長に相当する広域連合の長はどなたがなられるのか? 議会議員、一般職員まで誰が務め、どの程度の規模にするのか、役所をどこに設けるのか、など具体像は全くみえていません。そもそも、そんなものが誕生すると、理解している国民はどれだけいるのでしょう。
★ 国民には未だ、何も知らさぬママに、都道府県は、準備委員会を設置。規約づくりや長・議員選挙を行い、本年度中に組織の設立まで成し遂げる仕事を抱えています。公務員の友人に訊ねてみたら、「何も分からない。今は国がモデルを示すのを待っているところ」と言います。もの凄く不安になりました。
★ このまま、役所任せにしておくと、必ず、管理優先の制度になります。つまり役人のしたい放題になってしまう。ここは、どうしても当事者である後期高齢者のはめ込みが必要です。でも・・・・法律の何処にも後期高齢者を運営・審議委員に登用する義務規定はないようです。それは、これからお役人さまがなさることになるとか。
★ とりあえず、勉強しなくっちゃ、というわけで、今日一日、調べまくりました。加入者は何人、見込んでいるのか? 保険料はどうなるのか? 厚労省のホームページをクリックしまくり調べてみると、先ず、国が補足している後期高齢者の平均的な老齢厚生年金(年額208万円)の受給者の場合、新保険の保険料は創設時(2008年)に月額6200円程度で国保の保険料とほぼ同じ水準のようです。
★ しかし、問題は、その後。 保険料は、急カーブで上昇し、七年後の2015年度には、40%程度増える見込み、となっています。生きておれば私は85歳。だから語呂合わせで保険料月額8500円なのでしょうか。漫才のネタなら面白いが、国はここまで具体的な構想を固めているのです。
★ しかも、各広域連合は、来年度中に制度創設時の保険料を決めることになっています。住む場所によって保険料が違うのです。これまたアタマの痛い話。どんどん知力が衰える年齢になって、納得するのは困難です。いやひょっとすると、そこがねらわれているのかも。イマドキのお役人さん、よく口にしますね。超高齢化時代、痴呆が問題だ、と。よくご存じで。うまくご利用です。
【広域連合】・・・なにか、干からびた老人から寄って集って搾り取るマンモス吸血鬼が登場したような不気味さを覚えます。
…・・・・・・・ 吉備高原便り(13) ・・・・・・・・・・
【新企画】 我が家、我が町 の 日々の寸描を掲載します。
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梅雨が育む我が庭のユリ仲間
★ この梅雨で、我が家の庭に、今、タカサゴユリがどんどん伸びています。石垣の間や草むらの中、ツツジが落ちた後の茂みの合間など、所構わず数十カ所。あちこちに点在して背丈を競い始めました。最初、ここに来た時は、全く知らなかったものですから、「庭にヤマユリが!」とみんな、大歓声をあげて喜びました。
ところが・・・・「どれどれ」と、見にこられた土地の方が、「これはタカサゴユリ。この辺りの道端や荒地には、ウバユリ、オニユリ、 カノコユリが多いが、純粋な日本種のヤマユリは、もう少し北の奥へ行かないと・・・」と説明して下さって輸入種が繁茂したもの、と分かりました。南側の茂みには、ちょっと違ったテッポウユリもあります。
★ ★ 花の形だけ見ると、テッポウユリと同じに見えますが、タカサゴユリは葉が細いので区別がつきます。草丈は約1メートル。花弁は外に弧を描きながら広がって、1度に数個、次々と花を咲かせます。大正時代に台湾から渡来した帰化植物だそうです。花筒が細く,花びらに赤いすじがあるのが特徴。繁殖力が強く、何の手入れも要りません。赤いスジがないのは、どうやらウバユリ。確認して下さる方もいないので、自分でそのように納得しています。と、いう次第で、我が庭に見られるのは3種。
★ 残念ながら、この近辺にはヤマユリは見かけませんが、数㌔奥地に行きますと、自生したヤマユリがみられます。直径20センチ以上の大輪。数多あるユリ科植物の女王です。甘く濃厚な香りと、その華麗な風貌は見事です。ともかく、私は、8月中旬、我が家を真っ白のユリで囲んでくれるタカサゴユリが大好きです。また、開いた時にお目にかけましょう。
by zenmz
| 2006-06-22 21:18
| 現代社会論