2006年 07月 09日
【6187】 車が人間の食品を食う時代 |
★ 原油価格が値上がりすると、必ず砂糖価格が上がる。それで全国のお菓子屋さんが困っている、という話を聞きました。ホンマか? 早速、調べてみますと・・・・本当でした。東京粗糖価格は、昨年の今頃が近年の底値の37500円が年末まで6ヶ月続いていましたが、今年になって急上昇し、6月9日には43180 円。昨日7月7日には45500円に跳ね上がっています。(トン当たり)
★ 商品取引の、この専門会社の解説によりますと、
★ 驚きましたね。先ほど、老妻が「お茶ヨ」と呼んでくれました。私は砂糖を入れます。コーヒーに添えられていたスティックシュガーが何とも細くなっています。
「最近、みんなそうよ。以前は、一袋10グラム入りだったけど、今は3グラムが標準みたい。ダイエットでカロリーカットにいいんじゃない」
と言います。ピンと来ましたね。これは業者の知恵です。値段を上げないで量で調整しているのですね。
★ しかし、世界の砂糖主産国のブラジルが、サトウキビから食品を作るのではなく、ガソリン代替のエタノールの生産にシフトしているとは驚きでした。もうブラジルでは、ガソリンとエタノールの混合燃料を使うフレックス車が普通になっているそうです。
★ どんどん興味がふくらんで、さらにあちこち調べまくりますと、「原油価格が1バレル60ドルを超えると、農産物はバイオ燃料にした方がもうかる」という試算が出てきました。昨夜遅くのテレビニュースは、「NY原油、最高値更新」を大々的に報道していました。確かめてみますと、「1バレル75.42ドル」 もう、米国でもトウモロコシもエタノール生産に向けられているとか!。小麦やビート、菜種も”食品より燃料”に振り向けられるのは”必至”というじょうきょうです。車がないと暮らせないアメリカ。ここでは、”人間の食料を車が横取りして食う”時代になりつつあります。
★ 昨日の原油価格高騰は、北朝鮮のミサイル発射で、国際緊張が高まり原油供給への不安感が原因だそうですが、産油国がひしめく中東情勢はさらに不安定。恐らく原油高騰は、この先、続くでしょう。その影響は計り知れないものがあります。何よりも世界を動かすのは、
「原油価格が1バレル60ドルを超えると、農産物はバイオ燃料にした方がもうかる」
食材を燃料に変える新しい経済原理。これは、怖いですね。「小麦を車が食う」時代の到来とは!
★ しかし、話をここで止めると、危機感を煽り立てるだけで終わってしまいます。
今日一日かけて、いろいろと調べておりましたら、実は、日本でも既に食品工場から出された廃食用油を使って代替ガソリン「BDF」(バイオ・ディーゼル燃料)が大活躍しており、公害のないクリーン燃料として注目されていることも分かりました。
★ 例えば、富山市のごみ収集車は、スーパーや給食センターで廃棄された食用油を代替ガソリンに加工して使用しています。この発想に立てば、スーパーや給食センターだけでなく、各家庭から排出される使用済み食用油も立派な”原油”です。なにも中近東まで行かなくても、町中に”油田”がある理屈です。
★ 廃棄食用油の他に「バイオ・マス」という、「動植物から生まれた有機性の資源」をバイオ技術で燃料や新物質に変えることも盛んに行われています。家畜排泄物 食品廃棄物 製材工場残材 黒液(パルプ工場廃液) 廃棄た紙 下水汚泥 し尿系汚泥 資源農作物(稲わら、もみ殻等) 林地残材(間伐材、被害木等) でんぷん系作物等・・・現在の技術を用いると、これらは、全部、エネルギーに変えることが出来るのですね。
★ バイオ・マスの取り組みは、2酸化炭素の削減のため始まったものですが、一番の難点は、コスト高。ガソリンと比較して価格競争出来る水準に、なかなか達しません。再利用される資源が雑多で、これを使って燃料化する設備も多種・多様になり、設備自体がコスト高になる宿命を担っています。
★ その点、サトウキビは簡単明瞭・・・
「原油価格が1バレル60ドルを超えると、農産物はバイオ燃料にした方がもうかる」
75.42ドルになった今、「どうする?」 迷いなく砂糖からエタノールへシフトするのは当然でしょうね。
★ それにしても・・・廃棄食品や、産廃木材を有効りようするのは、誠に結構な話ですが、小麦などデンプン系食料やサトウキビが石油代わりに加工されるとは!?? 石油価格が高騰を続ける限り、アメリカで始まった、”車が人間の食品をどんどん食う”状況は、世界に広がっていきそうです。
★ それだけではありません。最近は、庶民が手広く、株投資をしているそうですが、ひょっとしたら、投機的な商品相場や穀物相場に巨大な資金が流れ込み、それをさらに加速させるかもしれません。怖い時代になりました。
・・・・・・・・・・・・ 吉備高原便り(17) ・・・・・・・・・・
【新企画】 我が家、我が町 の 日々の寸描を掲載します。
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幼稚園の七夕祭り
★ 今日の夕方、吉備高原幼稚園では、園児たちの七夕祭りが行われました。色紙代わりに用意された七色の色紙にみんな思い思いの願い事を書き、ササ竹に結わえ、祈りました。しかし、最近は、若いお母さんたちも、『紙縒り(こより)』が作れない人も多く、急遽、老人会のおばあさんたちが裏方支援に出動。
★ 今年は、初めて、地域にすっかり溶け込んだベトナム娘たちも姿を見せて、おばあさんたちの指導を受けながら「こより増産」に励んでいました。
こよりというのはね。細く切った和紙を撚って糸や紐のようにしたものなの。日本では、もう1000年以上も前から、
紙や麻の繊維、かうぞなどをひねって、いろんな糸や、ヒモを作ったのョ。そして女の人は、長い髪の毛を、そのこよりで結んだ。ベトナムの娘さん、みんな、髪の毛長いね。こよりで結んだら、似合うワヨ」
★ 思いもかけぬ深い日本文化に接して、ベトナム娘も大喜びしていました。幼稚園の先生たちも、「今年のタナバタさんは、素晴らしい国際交流で盛り上がりました。子どもたちも大喜び。ありがとう」とお礼を述べておられました。
★ 商品取引の、この専門会社の解説によりますと、
甘しゃ糖の年間生産量は1億1000万トン強ですが、主要生産国はブラジル(約2600万トン)とインド(約1700万トン) しかし、インドはほとんど自国で消費するため、価格に影響するのは、ブラジルの生産・輸出動向です。そのブラジルではサトウキビの約半分が(自動車燃料としてガソリンに混入される)アルコール燃料(エタノール)に加工されており、石油価格が上昇すると、原料がそちらに回るので品不足になります。
★ 驚きましたね。先ほど、老妻が「お茶ヨ」と呼んでくれました。私は砂糖を入れます。コーヒーに添えられていたスティックシュガーが何とも細くなっています。
「最近、みんなそうよ。以前は、一袋10グラム入りだったけど、今は3グラムが標準みたい。ダイエットでカロリーカットにいいんじゃない」
と言います。ピンと来ましたね。これは業者の知恵です。値段を上げないで量で調整しているのですね。
★ しかし、世界の砂糖主産国のブラジルが、サトウキビから食品を作るのではなく、ガソリン代替のエタノールの生産にシフトしているとは驚きでした。もうブラジルでは、ガソリンとエタノールの混合燃料を使うフレックス車が普通になっているそうです。
★ どんどん興味がふくらんで、さらにあちこち調べまくりますと、「原油価格が1バレル60ドルを超えると、農産物はバイオ燃料にした方がもうかる」という試算が出てきました。昨夜遅くのテレビニュースは、「NY原油、最高値更新」を大々的に報道していました。確かめてみますと、「1バレル75.42ドル」 もう、米国でもトウモロコシもエタノール生産に向けられているとか!。小麦やビート、菜種も”食品より燃料”に振り向けられるのは”必至”というじょうきょうです。車がないと暮らせないアメリカ。ここでは、”人間の食料を車が横取りして食う”時代になりつつあります。
★ 昨日の原油価格高騰は、北朝鮮のミサイル発射で、国際緊張が高まり原油供給への不安感が原因だそうですが、産油国がひしめく中東情勢はさらに不安定。恐らく原油高騰は、この先、続くでしょう。その影響は計り知れないものがあります。何よりも世界を動かすのは、
「原油価格が1バレル60ドルを超えると、農産物はバイオ燃料にした方がもうかる」
食材を燃料に変える新しい経済原理。これは、怖いですね。「小麦を車が食う」時代の到来とは!
★ しかし、話をここで止めると、危機感を煽り立てるだけで終わってしまいます。
今日一日かけて、いろいろと調べておりましたら、実は、日本でも既に食品工場から出された廃食用油を使って代替ガソリン「BDF」(バイオ・ディーゼル燃料)が大活躍しており、公害のないクリーン燃料として注目されていることも分かりました。
★ 例えば、富山市のごみ収集車は、スーパーや給食センターで廃棄された食用油を代替ガソリンに加工して使用しています。この発想に立てば、スーパーや給食センターだけでなく、各家庭から排出される使用済み食用油も立派な”原油”です。なにも中近東まで行かなくても、町中に”油田”がある理屈です。
★ 廃棄食用油の他に「バイオ・マス」という、「動植物から生まれた有機性の資源」をバイオ技術で燃料や新物質に変えることも盛んに行われています。家畜排泄物 食品廃棄物 製材工場残材 黒液(パルプ工場廃液) 廃棄た紙 下水汚泥 し尿系汚泥 資源農作物(稲わら、もみ殻等) 林地残材(間伐材、被害木等) でんぷん系作物等・・・現在の技術を用いると、これらは、全部、エネルギーに変えることが出来るのですね。
★ バイオ・マスの取り組みは、2酸化炭素の削減のため始まったものですが、一番の難点は、コスト高。ガソリンと比較して価格競争出来る水準に、なかなか達しません。再利用される資源が雑多で、これを使って燃料化する設備も多種・多様になり、設備自体がコスト高になる宿命を担っています。
★ その点、サトウキビは簡単明瞭・・・
「原油価格が1バレル60ドルを超えると、農産物はバイオ燃料にした方がもうかる」
75.42ドルになった今、「どうする?」 迷いなく砂糖からエタノールへシフトするのは当然でしょうね。
★ それにしても・・・廃棄食品や、産廃木材を有効りようするのは、誠に結構な話ですが、小麦などデンプン系食料やサトウキビが石油代わりに加工されるとは!?? 石油価格が高騰を続ける限り、アメリカで始まった、”車が人間の食品をどんどん食う”状況は、世界に広がっていきそうです。
★ それだけではありません。最近は、庶民が手広く、株投資をしているそうですが、ひょっとしたら、投機的な商品相場や穀物相場に巨大な資金が流れ込み、それをさらに加速させるかもしれません。怖い時代になりました。
・・・・・・・・・・・・ 吉備高原便り(17) ・・・・・・・・・・
【新企画】 我が家、我が町 の 日々の寸描を掲載します。
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幼稚園の七夕祭り
★ 今日の夕方、吉備高原幼稚園では、園児たちの七夕祭りが行われました。色紙代わりに用意された七色の色紙にみんな思い思いの願い事を書き、ササ竹に結わえ、祈りました。しかし、最近は、若いお母さんたちも、『紙縒り(こより)』が作れない人も多く、急遽、老人会のおばあさんたちが裏方支援に出動。
★ 今年は、初めて、地域にすっかり溶け込んだベトナム娘たちも姿を見せて、おばあさんたちの指導を受けながら「こより増産」に励んでいました。
こよりというのはね。細く切った和紙を撚って糸や紐のようにしたものなの。日本では、もう1000年以上も前から、
紙や麻の繊維、かうぞなどをひねって、いろんな糸や、ヒモを作ったのョ。そして女の人は、長い髪の毛を、そのこよりで結んだ。ベトナムの娘さん、みんな、髪の毛長いね。こよりで結んだら、似合うワヨ」
★ 思いもかけぬ深い日本文化に接して、ベトナム娘も大喜びしていました。幼稚園の先生たちも、「今年のタナバタさんは、素晴らしい国際交流で盛り上がりました。子どもたちも大喜び。ありがとう」とお礼を述べておられました。
by zenmz
| 2006-07-09 00:00
| 現代社会論