2006年 07月 12日
【6190】 ”弔い”の真(まこと)を刻む葬儀 |
★ 奇妙な言い方ですが、やはりトシでしょうかね。人が死ぬことと弔うこと、遺族の処し方が気になるようになりました。フト、そのことに思いが至ったのは、故橋本龍太郎元首相の内閣・自民党合同葬が8月8日午後2時から東京・日本武道館で、小泉純一郎首相が葬儀委員長で行うこが決まった、との小さい新聞記事を見たからです。
★ これは、言ってみれば、歴代首相経験者を弔う「形式葬」のこと。岸信介、福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸、小渕恵三の各氏の葬儀はすべて、内閣・自民党合同葬で行われてきましたから、内閣として当然の礼と言えましょう。
★ 私が、気になったのは、だれが死んでも、行われる”普通の葬儀”の方です。橋本龍太郎さんは岡山の人。その選挙区も隣でした。私の知り合いの方の多くは政治的支持者でした。これまでのお付き合いを見聞きして知っていますから、当然、このような一大事にご遺族へのお見舞いなど大変、忙しかったろう、と想像します。
★ ところが、地元は、実に冷静。静かすぎるほど静かです。地元新聞の報道をみると、亡くなられたのは1日、葬儀・告別式は、岡山の自宅ではなく、二日後の3日に東京・高輪の高野山東京別院で営まれたそうです。日時や場所は公表せず、近親者だけで行われ、報道関係者の取材もお断り、だったとか。
★ それでも500人が駆けつけたそうですが、式場に入ったのは親族数十人だけでしめやかに執り行われた、といいます。有力な自民党幹部らも式場外の焼香台で手を合わせるにとどまったそうです。橋本さん自身の遺志か、遺族の方針だったのか、とにかく、ご立派、と、心から感服しました。
★ 最近は、このように家族や親族、友人だけの「身内葬」が増えてきているそうです。しかし、やはり大企業の幹部や、政治家、地方の有力者などには従来型を希望する人も根強く、今のところ、都会(身内葬) vs. 地方(従来型)がちょうど半々の状態だそうです。
★ 大きな本屋さんの冠婚葬祭棚をみると、「家族葬」 「身内葬」 「友人葬」などを解説する本が、所狭しと並んでいて、傍らには、「北村香織著「小さなお葬式」(小学館)は、近く増刷」と、お薦めセールもありました。こうした新しい葬儀に関するノウハウものが売れるのは、多くの日本人が、心のこもらない従来型の葬儀に疑問を抱いて、おのおのが自分らしい死に方、弔われ方を模索し始めている証かもしれません。
★ 私は、橋本さんのご遺族による”身内だけ”葬儀に強い共感を抱いています。人生最後の別れと、その弔いこそ、余人を交えず、家族だけで行うのが、葬儀そのものの本義に沿うと信じます。
★ よく、「そんな簡素なことで済ませるワケにはいきません」と、密葬と告別式を分けたり、更には公的な社葬など、社会的必要から「形式葬」の必要を強調する人が出てくる。こうした、”もののありよう”を説きまくるしたり顔人間が必ず出てきます。まあ、しかし、次のことを十分、考えて頂きたいですね。遺族のご迷惑も斟酌してほしいです。
★ それは、すべて”義理”葬です。好む、好まざるに拘わらず、駆り出されて礼を尽くさねばならぬ遺族の心労・・・・遺族の対応に関心を抱く参列者の好奇心、何時も気になります。読経の間にも笑顔の葬式外交をしている風景も後を絶ちません。著名人葬式を有効利用している群像は多いものです。全くシラケた気分になります。
★ 私は、こうしたことが大嫌い。”弔い”は、身内だけ葬で十分です。だけど、遺族は、こうした”ありがた迷惑”に抗しきれないです。ここは、やはり逝く者のの責任として遺言にキチンと、書き残すのが重要なのだろう、と思います。
★ 新聞を見ていると、首相としての橋本さんは評価が分かれますね。
しかし、小泉さんの財政構造改革のタネを蒔いたのは間違いなく橋本さんでした。タネ蒔きアイディア・マン・・・・ひょとしたら、これからの世の中、
「葬儀のありようも、かくあるべし」
と、タネをもう一つ、蒔かれたのかも知れませんね。そう、語りかけながら、ご冥福をお祈りしております。
★ これは、言ってみれば、歴代首相経験者を弔う「形式葬」のこと。岸信介、福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸、小渕恵三の各氏の葬儀はすべて、内閣・自民党合同葬で行われてきましたから、内閣として当然の礼と言えましょう。
★ 私が、気になったのは、だれが死んでも、行われる”普通の葬儀”の方です。橋本龍太郎さんは岡山の人。その選挙区も隣でした。私の知り合いの方の多くは政治的支持者でした。これまでのお付き合いを見聞きして知っていますから、当然、このような一大事にご遺族へのお見舞いなど大変、忙しかったろう、と想像します。
★ ところが、地元は、実に冷静。静かすぎるほど静かです。地元新聞の報道をみると、亡くなられたのは1日、葬儀・告別式は、岡山の自宅ではなく、二日後の3日に東京・高輪の高野山東京別院で営まれたそうです。日時や場所は公表せず、近親者だけで行われ、報道関係者の取材もお断り、だったとか。
★ それでも500人が駆けつけたそうですが、式場に入ったのは親族数十人だけでしめやかに執り行われた、といいます。有力な自民党幹部らも式場外の焼香台で手を合わせるにとどまったそうです。橋本さん自身の遺志か、遺族の方針だったのか、とにかく、ご立派、と、心から感服しました。
★ 最近は、このように家族や親族、友人だけの「身内葬」が増えてきているそうです。しかし、やはり大企業の幹部や、政治家、地方の有力者などには従来型を希望する人も根強く、今のところ、都会(身内葬) vs. 地方(従来型)がちょうど半々の状態だそうです。
★ 大きな本屋さんの冠婚葬祭棚をみると、「家族葬」 「身内葬」 「友人葬」などを解説する本が、所狭しと並んでいて、傍らには、「北村香織著「小さなお葬式」(小学館)は、近く増刷」と、お薦めセールもありました。こうした新しい葬儀に関するノウハウものが売れるのは、多くの日本人が、心のこもらない従来型の葬儀に疑問を抱いて、おのおのが自分らしい死に方、弔われ方を模索し始めている証かもしれません。
★ 私は、橋本さんのご遺族による”身内だけ”葬儀に強い共感を抱いています。人生最後の別れと、その弔いこそ、余人を交えず、家族だけで行うのが、葬儀そのものの本義に沿うと信じます。
★ よく、「そんな簡素なことで済ませるワケにはいきません」と、密葬と告別式を分けたり、更には公的な社葬など、社会的必要から「形式葬」の必要を強調する人が出てくる。こうした、”もののありよう”を説きまくるしたり顔人間が必ず出てきます。まあ、しかし、次のことを十分、考えて頂きたいですね。遺族のご迷惑も斟酌してほしいです。
★ それは、すべて”義理”葬です。好む、好まざるに拘わらず、駆り出されて礼を尽くさねばならぬ遺族の心労・・・・遺族の対応に関心を抱く参列者の好奇心、何時も気になります。読経の間にも笑顔の葬式外交をしている風景も後を絶ちません。著名人葬式を有効利用している群像は多いものです。全くシラケた気分になります。
★ 私は、こうしたことが大嫌い。”弔い”は、身内だけ葬で十分です。だけど、遺族は、こうした”ありがた迷惑”に抗しきれないです。ここは、やはり逝く者のの責任として遺言にキチンと、書き残すのが重要なのだろう、と思います。
★ 新聞を見ていると、首相としての橋本さんは評価が分かれますね。
しかし、小泉さんの財政構造改革のタネを蒔いたのは間違いなく橋本さんでした。タネ蒔きアイディア・マン・・・・ひょとしたら、これからの世の中、
「葬儀のありようも、かくあるべし」
と、タネをもう一つ、蒔かれたのかも知れませんね。そう、語りかけながら、ご冥福をお祈りしております。
by zenmz
| 2006-07-12 00:00
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