2006年 10月 14日
【6279】 ”スローライフ”も立場が違うと・・・ |
★ あまり気が進まないのですが、今朝、朝食を摂りながら、老妻が、昨日のブログ日記について「訂正・追加」を求めました。かなり強硬、しかも熱弁を揮います。まあ、言われることも一理ある。訂正というより、「追加」をしておきます。
★ アンタ! 佐藤春夫の「秋刀魚の歌」、知ってるヤロ。
いきなり、詩人の登場です。
その、さんま、仕入れて来るのも、塩振って下ごしらえするのも、庭に運んで準備するのも、全部、私ヤ。
焼け具合見て、皿に盛りつけ、スダチ絞るまで、私ヤ。アンタはええわナ。満天の星見ながら、スローライフで・・・
★ 恨み節が延々と続きます。
「ファーストフード、あれ、ええデェ。座ったら、即座に出てくる。男女同権理想食ヤ。ちゃんと、そこを押さえんと。
アンタな、ええカッコ言うて悦に入ってハルけどな、おつゆの浮かし一つ、取り上げても、種蒔いて、水やって、育てて、料理の合間に摘み取って、香り高いスープをつくる。これ、全部、私ヤ。 スローライフ、女は忙しいデ。身を粉にして動き回る。空に星などあったか、どうか? 確かめるヒマもない。そこをチャンと書かんかいな」
★ 昔、文学少女を妻に持つと、物事の発想がずれて困ります。夫婦生活50年、コミュニケーションの行き違いがよく起こりますが、ズレの大きな原因の一つが文学的素養。私は、小説類は若い頃から馴染まず、情感に乏しい欠点を持っています。佐藤春夫の歌など知りません。
そこで
「どんな詩ヤ? 全然、知らん、スジ、教えて」
★ 「詩にスジなんかあるかいな」
何と! あまり高くもない鼻がせせら笑っています。そして朗々と、歌いあげました。
★ 「何も、スローライフ、支えてる女のイメージなんか、あらへんヤンカ。何が言いたいノンヤ?」
「ブログ書いて、天下にモノを言う時は、肝心なトコと書き落としたらアカンのとチャウ。元新聞記者なら、それぐらい分かるヤロ」
成る程、それを言われると、「ヘエ、すんまへん」としか言い返しようもありません。確かに私は、満天の星だけ眺めてましたね。
《もっとも前、見ると・・・・・》
★ ところで、どうも、ブログに、私たち老夫婦を登場させると、老妻は不愉快に思うようです。
「自分ばかりいいカッコしてる」
だから、強いて無視を装っています。でも、やはり、読んでいるのですね。先日もビックリ。あのアンドロギュノスの話。私は、老妻74歳の誕生日の砌(みぎり) 子よ、孫よ、聞け!我らが始まりは・・と、50年前に遡って【我が青春の譜】を語り聞かせよう、と”渾身の筆”をとったつもりですが・・・・・
★ 「暇な 爺が つまらん事を 一杯書いて 世間に 恥を さらしてる。昭和30年頃 は まだまだ 貧しい 時代だった。 私の実家は みんなも知っての通り、食べ物一番の家。そこに出入りし始めたひもじい、青びょうたんの若者を 餌で 釣った、のが真相。一番、大事なポイントを明らかにしてない欠陥作文やネ。勉強も大事だけど、男に与える餌の作り方を お母さんに チャンとご伝授 してお貰い。鯨が釣れるよ。私は、雑魚だったけどね」
★ 我が家の門外不出の家族掲示板。そこでも・・・暴露が。たった一人の孫娘に、こんなコメントを書き送っています。
確かに、ウソはない。「喫茶オリオンズ」のオッチャンに「これか?」と、小指を立てられても実感がなかった。
けど、やがて
「美味しいおつけモン、毎日、食べさしたげたい」
でコロリ・・イチコロやったナ。
20歳を超えたばかりの女子大学生は、私のブログ【6276】(今、”夫婦”の不思議を想う)と、このコメント。どのように読み砕くでしょうか?
★ 同じ場所で、同じ生活、それも50年も続けながら・・・
主観的には”一心同体”などとロマンチックに思っておりましたが。
実は・・・立場が、違うと・・・それも、男、女と違うと・・・
とどのつまりは、こうなるんですね。
★ 男の夢と理想、そして育んだロマンは、常に現実に戻る時、破れます。
★ アンタ! 佐藤春夫の「秋刀魚の歌」、知ってるヤロ。
いきなり、詩人の登場です。
さんま、さんま、そが上に青き蜜柑みかんの酸すを したたらせて・・・・
その、さんま、仕入れて来るのも、塩振って下ごしらえするのも、庭に運んで準備するのも、全部、私ヤ。
焼け具合見て、皿に盛りつけ、スダチ絞るまで、私ヤ。アンタはええわナ。満天の星見ながら、スローライフで・・・
★ 恨み節が延々と続きます。
「ファーストフード、あれ、ええデェ。座ったら、即座に出てくる。男女同権理想食ヤ。ちゃんと、そこを押さえんと。
アンタな、ええカッコ言うて悦に入ってハルけどな、おつゆの浮かし一つ、取り上げても、種蒔いて、水やって、育てて、料理の合間に摘み取って、香り高いスープをつくる。これ、全部、私ヤ。 スローライフ、女は忙しいデ。身を粉にして動き回る。空に星などあったか、どうか? 確かめるヒマもない。そこをチャンと書かんかいな」
★ 昔、文学少女を妻に持つと、物事の発想がずれて困ります。夫婦生活50年、コミュニケーションの行き違いがよく起こりますが、ズレの大きな原因の一つが文学的素養。私は、小説類は若い頃から馴染まず、情感に乏しい欠点を持っています。佐藤春夫の歌など知りません。
そこで
「どんな詩ヤ? 全然、知らん、スジ、教えて」
★ 「詩にスジなんかあるかいな」
何と! あまり高くもない鼻がせせら笑っています。そして朗々と、歌いあげました。
あはれ 秋風よ 情こころあらば 伝へてよ
――男ありて 今日の夕餉ゆうげに ひとりさんまを食くらひて 思ひにふけると。 さんま、さんま、
そが上に青き蜜柑みかんの酸すを したたらせて さんまを食ふはその男がふる里の ならひなり。
(長いので、間を間引きます。まあ、よくも覚えているもんだ)
―男ありて 今日の夕げに ひとり さんまを食ひて 涙をながす と。 さんま、さんま、
さんま苦いか 塩つぱいか。 そが上に熱き涙をしたたらせて さんまを食ふは
いづこの里のならひぞや。 あはれ げにそは 問はまほしくをかし。
★ 「何も、スローライフ、支えてる女のイメージなんか、あらへんヤンカ。何が言いたいノンヤ?」
「ブログ書いて、天下にモノを言う時は、肝心なトコと書き落としたらアカンのとチャウ。元新聞記者なら、それぐらい分かるヤロ」
成る程、それを言われると、「ヘエ、すんまへん」としか言い返しようもありません。確かに私は、満天の星だけ眺めてましたね。
《もっとも前、見ると・・・・・》
★ ところで、どうも、ブログに、私たち老夫婦を登場させると、老妻は不愉快に思うようです。
「自分ばかりいいカッコしてる」
だから、強いて無視を装っています。でも、やはり、読んでいるのですね。先日もビックリ。あのアンドロギュノスの話。私は、老妻74歳の誕生日の砌(みぎり) 子よ、孫よ、聞け!我らが始まりは・・と、50年前に遡って【我が青春の譜】を語り聞かせよう、と”渾身の筆”をとったつもりですが・・・・・
★ 「暇な 爺が つまらん事を 一杯書いて 世間に 恥を さらしてる。昭和30年頃 は まだまだ 貧しい 時代だった。 私の実家は みんなも知っての通り、食べ物一番の家。そこに出入りし始めたひもじい、青びょうたんの若者を 餌で 釣った、のが真相。一番、大事なポイントを明らかにしてない欠陥作文やネ。勉強も大事だけど、男に与える餌の作り方を お母さんに チャンとご伝授 してお貰い。鯨が釣れるよ。私は、雑魚だったけどね」
★ 我が家の門外不出の家族掲示板。そこでも・・・暴露が。たった一人の孫娘に、こんなコメントを書き送っています。
確かに、ウソはない。「喫茶オリオンズ」のオッチャンに「これか?」と、小指を立てられても実感がなかった。
けど、やがて
「美味しいおつけモン、毎日、食べさしたげたい」
でコロリ・・イチコロやったナ。
20歳を超えたばかりの女子大学生は、私のブログ【6276】(今、”夫婦”の不思議を想う)と、このコメント。どのように読み砕くでしょうか?
★ 同じ場所で、同じ生活、それも50年も続けながら・・・
主観的には”一心同体”などとロマンチックに思っておりましたが。
実は・・・立場が、違うと・・・それも、男、女と違うと・・・
とどのつまりは、こうなるんですね。
★ 男の夢と理想、そして育んだロマンは、常に現実に戻る時、破れます。
by zenmz
| 2006-10-14 10:57
| 現代社会論