2007年 02月 15日
【7099】 喜寿で死んだ国家への鎮魂 |
★ 私は、昭和5年生まれ。馬齢を重ねて77歳になりました。喜寿。一つの人生、まあ、この辺りから長寿を生きた証でしょう。老妻も「もう何があってもトシに不足はないワネ」(多分、ココロは私の”みまかる”日を皮算用しているのでしょう) 「そうヤナ」 素直に同意します。とりたてて反論することもない。我が人生は、それほどに軽いものですが・・77年・・私にとっては、特別の意味と感慨がこもる別の”喜寿”があります。
★ それは、一つの国家が生まれ滅亡したあまりにも短い歴史でした。そして私は、その最後の15年間をその国家で生き、歴史の証人になる資格を得ました。
明治維新(1868)で近代国家として生まれ変わった日本は敗戦(1945)で一旦、消滅したのです。大日本帝国は僅か77年で終焉しました。
★ 明治憲法は「国家権力の3権分立」を規定し近代国家の形をキチンと整えていました。なのに何故、軍部専横の軍国主義国家になったのか? それは不可侵の現人神である天皇を担ぎ、超法規的「統帥権」を”捏造”(ねつぞう)した結果であることはすでに各界の学者が明らかにしています。軍部専横を許した禍根はここにありました。
★ ともかく、そのために起こった侵略15年戦争の全期間を私は”軍国少年”で育ちました。沖縄が占領されて、東京、大阪が大空襲に遭っても「神国ニッポン、必ず神風が吹く」と叩き込ま
れていましたが、疎開先の広島で原爆にあい、多くの旧友を失いました。そして国家壊滅。それまでのすべては否定され、一億国民虚脱の数年が続きました。
★ 国家再建の新理念・新しい国創りの夢は「新憲法」に表現されました。それは「先ず国家・社会ありき」から「国家・社会は一人の国民のために」へと国家原理は180度の転換をしました。地球より重い一人の命。新しい国の形は、そのように表現されました。
★ そして、その国は「恒久の平和を祈願し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段として、永久にこれを放棄する。陸海空軍そのたの兵力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と決意しました。現行憲法第9条定めです。
★憲法発布の年、私は17歳、多感な青年になっておりました。胸とどろかせて、この憲法を学び、「永久にこれを保持する」決意を固めました。それからちょうど60年。私は、新しく生まれ変わった「日本国」再建に参加し、今ある国の姿・・・「軍備なき福祉国家」に生きて老齢期を迎えました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◎ 古い国家は壊滅。新しい民主主義国家に生まれ変わって、僅か60年。終戦の年に生まれた世代が還暦を迎えたばかりというのに、奇妙なことが起こりつつあります。当時は未だこの世に生まてもいなかった人たちが「今の憲法はアメリカ占領という異常な状況の中で押し付けられたもの。それに現状に合わない。いまこそ国民の自由な自主的憲法にすべき・・・」と声をあげ始め、憲法改正の大号令をかける若い総理大臣が登場しました
▼ 「普通の国にする」とか、「自主憲法に」だとか、語っている話を聞くと、今の憲法はアメリカ制、アメリカの都合のいいように作られたもの。そろそろ自主憲法をつくるべきだ。先ず手足を縛っている憲法第9条を・・・弁舌さわやかな顔を見るとみんな戦後生まれ。戦争のことなど誰も知りません。現行憲法の魂とも言うべき第9条を変える? 冗談じゃない。少しは日本語勉強しろ。この条の定めは「永久に」とある。辞書で引いて、しっかりアタマに叩き込め。「永久とは60年じゃないぞ!」 何か、物の怪につかれたようなイケイケ・ムード。奇妙な現象です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◎ 国の運命を担う安倍内閣総理大臣に、この際、喜寿老人は、一言、申し上げたい。
▼あなたは、現行憲法はアメリカから押し付けられ、それに抗する余地のない状況で成立した、と仰るが、未だ生まれてもいないのに、なぜ、そう断言できるのか?
まず、現に、その時代に生き、それを受け入れた父の世代の意見に耳を傾けよ。
それもしないで、勝手に決め付けるのはやめてもらいたい。
▼我々、当時の苦難の時代を生きた国民は、軍国主義国家の侵略戦争について一億総ざんげし、平和の原理として国の交戦権を否定し、それを担保するため永久に軍備を保持しない決意をした。別に他から押し付けられたものではない。
▼どの家庭も、親や夫、愛し子を戦場に狩り出されており、その多くが戦死し、銃後の守りにと国家総動員で女も子どもも軍需工場に狩り出され、国土は日夜を問わぬ爆撃で焦土と化し、ついにとどめの原子爆弾を2発、広島、長崎に落とされたあの悲惨。そのすべての尊い犠牲の上に誓った。
「どうか安らかに・・・もう2度と過ちは繰り返しませんから」
▼安倍さん、広島の原爆慰霊碑に詣でてください。そこに当時の国民の決意の原点が刻まれています。憲法第9条の決意をさせた当時の国民の涙の誓いが記されています。先ず、その場に立って、第9条の背後にある決意の深さを知ってください。
◎ 安倍さん、あなたは、憲法を読んだことがありますか?
それを変える。憲法改正まず、ありき、の元気な進軍ラッパを吹きならす前に是非、じっくりと読んでください。あなたは内閣総理大臣です。憲法を読まねばなりません。憲法は、何にも先んじて、あなたに、次のように命じています。
憲法論議をするならば、先ず、ここから出発してください。
◆あなたは、どのように憲法を今、尊重しなければならない政治課題を抱えていますか?
◆担わされている憲法擁護の義務遂行上、憲法のどこを変える必要があるのですか?
先ず、それを教えてください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「今こそ、知憲を」・・・・喜寿老人が一人で始めたキャンペーンです。お知り合いの皆様にもご紹介いただければ真に幸甚に存じます。よろしくご協力の程、お願い申し上げます。
★ それは、一つの国家が生まれ滅亡したあまりにも短い歴史でした。そして私は、その最後の15年間をその国家で生き、歴史の証人になる資格を得ました。
明治維新(1868)で近代国家として生まれ変わった日本は敗戦(1945)で一旦、消滅したのです。大日本帝国は僅か77年で終焉しました。
★ 明治憲法は「国家権力の3権分立」を規定し近代国家の形をキチンと整えていました。なのに何故、軍部専横の軍国主義国家になったのか? それは不可侵の現人神である天皇を担ぎ、超法規的「統帥権」を”捏造”(ねつぞう)した結果であることはすでに各界の学者が明らかにしています。軍部専横を許した禍根はここにありました。
★ ともかく、そのために起こった侵略15年戦争の全期間を私は”軍国少年”で育ちました。沖縄が占領されて、東京、大阪が大空襲に遭っても「神国ニッポン、必ず神風が吹く」と叩き込ま
れていましたが、疎開先の広島で原爆にあい、多くの旧友を失いました。そして国家壊滅。それまでのすべては否定され、一億国民虚脱の数年が続きました。
★ 国家再建の新理念・新しい国創りの夢は「新憲法」に表現されました。それは「先ず国家・社会ありき」から「国家・社会は一人の国民のために」へと国家原理は180度の転換をしました。地球より重い一人の命。新しい国の形は、そのように表現されました。
★ そして、その国は「恒久の平和を祈願し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段として、永久にこれを放棄する。陸海空軍そのたの兵力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と決意しました。現行憲法第9条定めです。
★憲法発布の年、私は17歳、多感な青年になっておりました。胸とどろかせて、この憲法を学び、「永久にこれを保持する」決意を固めました。それからちょうど60年。私は、新しく生まれ変わった「日本国」再建に参加し、今ある国の姿・・・「軍備なき福祉国家」に生きて老齢期を迎えました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◎ 古い国家は壊滅。新しい民主主義国家に生まれ変わって、僅か60年。終戦の年に生まれた世代が還暦を迎えたばかりというのに、奇妙なことが起こりつつあります。当時は未だこの世に生まてもいなかった人たちが「今の憲法はアメリカ占領という異常な状況の中で押し付けられたもの。それに現状に合わない。いまこそ国民の自由な自主的憲法にすべき・・・」と声をあげ始め、憲法改正の大号令をかける若い総理大臣が登場しました
▼ 「普通の国にする」とか、「自主憲法に」だとか、語っている話を聞くと、今の憲法はアメリカ制、アメリカの都合のいいように作られたもの。そろそろ自主憲法をつくるべきだ。先ず手足を縛っている憲法第9条を・・・弁舌さわやかな顔を見るとみんな戦後生まれ。戦争のことなど誰も知りません。現行憲法の魂とも言うべき第9条を変える? 冗談じゃない。少しは日本語勉強しろ。この条の定めは「永久に」とある。辞書で引いて、しっかりアタマに叩き込め。「永久とは60年じゃないぞ!」 何か、物の怪につかれたようなイケイケ・ムード。奇妙な現象です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◎ 国の運命を担う安倍内閣総理大臣に、この際、喜寿老人は、一言、申し上げたい。
▼あなたは、現行憲法はアメリカから押し付けられ、それに抗する余地のない状況で成立した、と仰るが、未だ生まれてもいないのに、なぜ、そう断言できるのか?
まず、現に、その時代に生き、それを受け入れた父の世代の意見に耳を傾けよ。
それもしないで、勝手に決め付けるのはやめてもらいたい。
▼我々、当時の苦難の時代を生きた国民は、軍国主義国家の侵略戦争について一億総ざんげし、平和の原理として国の交戦権を否定し、それを担保するため永久に軍備を保持しない決意をした。別に他から押し付けられたものではない。
▼どの家庭も、親や夫、愛し子を戦場に狩り出されており、その多くが戦死し、銃後の守りにと国家総動員で女も子どもも軍需工場に狩り出され、国土は日夜を問わぬ爆撃で焦土と化し、ついにとどめの原子爆弾を2発、広島、長崎に落とされたあの悲惨。そのすべての尊い犠牲の上に誓った。
「どうか安らかに・・・もう2度と過ちは繰り返しませんから」
▼安倍さん、広島の原爆慰霊碑に詣でてください。そこに当時の国民の決意の原点が刻まれています。憲法第9条の決意をさせた当時の国民の涙の誓いが記されています。先ず、その場に立って、第9条の背後にある決意の深さを知ってください。
◎ 安倍さん、あなたは、憲法を読んだことがありますか?
それを変える。憲法改正まず、ありき、の元気な進軍ラッパを吹きならす前に是非、じっくりと読んでください。あなたは内閣総理大臣です。憲法を読まねばなりません。憲法は、何にも先んじて、あなたに、次のように命じています。
第99条(憲法尊重擁護の義務)第10章で、憲法は、国民の基本的人権を侵すことの出来ない永久の権利として信託されたものである、ことを謳い、それは国の最高法規であることを明確に定めた後に、天皇以下の公務にある者に「尊重と擁護」を義務付けたものです。お分かりですか?
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し、擁護する義務を負ふ
憲法論議をするならば、先ず、ここから出発してください。
◆あなたは、どのように憲法を今、尊重しなければならない政治課題を抱えていますか?
◆担わされている憲法擁護の義務遂行上、憲法のどこを変える必要があるのですか?
先ず、それを教えてください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
====== 喜寿老人のアピール ======
私は、先に「東京新聞」が起こしました一大キャンペーン「知憲」運動に共鳴しております。
【憲法読んだこと、ありますか】・・・・ギクっとするような問いかけで始まったこのキャンペーン。安倍内閣は、この先、最大の政治課題として憲法改正を掲げています。本当に、今、私たちは改めて憲法を読み直す必要があると思います。是非、一度、こちらをご訪問くださいますようお願い申し上げます。《”知憲”・・自分への問いかけ》
「今こそ、知憲を」・・・・喜寿老人が一人で始めたキャンペーンです。お知り合いの皆様にもご紹介いただければ真に幸甚に存じます。よろしくご協力の程、お願い申し上げます。
by zenmz
| 2007-02-15 18:25
| 戦争秘話:平和への戒め