2007年 02月 18日
【7106】 防衛省という名の”アメリカの走狗” |
★ アメリカとなると平伏低頭のニッポン・・・全く「アメリカの走狗」と言われても仕方がない。と、いうより、そのものズバリの情けない姿をさらけ出したのが防衛省。先ほど衣を脱いで内なる鎧を見せると、陸海空三軍、25万人兵力を擁していた(非公認)軍隊です。
ところで、お話したい今日の話題。
★ ドキッとするような強烈な印象を受けた読売新聞のスクープ記事でしたね。これが報道されたのは、もう2年も前の2005年5月のことでした。忘れた頃になって突然、今、この記事が、”防衛秘密の漏洩”と問題化し、その”秘密”を漏らしたと疑われた防衛省情報本部所属の課長級職員である一等空佐(49)が警務隊(憲兵隊)から事情聴取や自宅の捜索を受けました。
このニュース、一昨日のテレビで大々的に放映され、昨日の新聞各紙に大きく報道されました。
★ 南シナ海で中国海軍の潜水艦が事故を起こして立ち往生・・・・これが、何故、【日本の防衛機密の漏洩】になるのか? 先ず、そのこと自体、さっぱり分かりませんが、それは、一応、脇に置いて、何よりもオカシイのは、何故、今、2年も経って? こんなことが?? でしょう。
★ たまたま閣議後に記者団に取り囲まれた久間章生防衛相が”理由”を語っているのをテレビでナマに見ました。
「非常に大事なこと、機微に触れることは漏らしてはいけないという一般論としてきちんとしようということだ。そうでないと日本に機微に触れる資材を提供できないとか、情報は漏らせないとなったら国益に反する」
・・・つまり、これには、《米国からもたらされた》【機密情報】が含まれていたのだ、というのです。
★ ハァー?? 読売新聞がこのニュースを取り上げたのは、中国の潜水艦がわが国の周辺近くまで来て何らかの活動をしており事故を起こした。海軍の潜水艦です。当然、軍事的行動・・・国民にとってもっとも大きな関心事。そのことに《米国からもたらされた》【機密情報】が含まれていた。従って、その情報を知っている自衛官が新聞に漏らすのはいけない。・・・でも、何故、2年後にイケナクなったの???
★ また、久間防衛相はご丁寧に
「漏らした方(自衛官)を罰する仕組みだ。通常の取材を(した記者)を罰する法律ではない」
と、強調しています。新聞記者相手に、報道管制する意図は全くない、と、その点を強調したいのでしょう。
しかし、今回のような中国海軍の潜水艦が日本周辺の公海上で軍事的行動を展開しており、しかも何らかの事故を起こした、という情報は国民にとって極めて重要です。このような場合、何のために、何故? 政府が国民に説明をし、抗議する事例か、あるいは冷静に静観すべきか、状況説明と共に当然、政府見解を出すべきケースです。
★ ところが、久間防衛相は、読売新聞報道の何が国民に知られてはならぬ防衛秘密に抵触するのか、を説明もしません。聞いていると、「政府が秘密にすべきだと判断すれば、防衛秘密になる」といわんばかりの口調です。一罰百戒、それをすれば自衛隊内部の軍規が締まる。こうすれば自衛官たちが記者の取材に対して自己規制を一段と強めるだろう・・・そうした思惑勘定がアリアリと見え見えです。お気の毒に・・・槍玉にあげられた1等空佐殿には同情を禁じえません。
★ でも・・・・一体、何故、こんな、クダラヌことが今?
考えられるのは二つ。最大の原因はアメリカからの横槍があったのでは? との疑惑です。想像ですから断言はできません。でも久間防衛相の会見談話にそれが滲み出ています。
「きちんとしようということだ。そうでないと(アメリカから)日本に機微に触れる資材を提供できないとか、情報は漏らせないとなったら国益に反する」
つまりアメリカから頂戴する情報はすべて機密扱いにするというアメリカ向け気遣いなのですね。
★ 一昔前、中谷元氏が防衛庁長官だった頃、この「機密」概念が問題になったことがあります。国会審議を通じて、当時の中谷長官は「機密」「極秘」「秘」が計約13万5千件もあることを明確に答弁しました。その上で、「この中から防衛上特に秘匿することが必要なものを選び、防衛秘密に指定する」と説明しました。
★ 中谷答弁はその後、国会で、”防衛秘密”の概念をめぐって特別の審議が行われ、かなり詳細にその意味・内容が吟味されましたが、久間防衛相は、新解釈の「アメリカがらみはすべて”防衛秘密”」と言ってるみたいですね。
★ もう一つ、私は、防衛省昇格に伴う情報管理をめぐる官僚の抗争があるように思います。今回のケースを見れば、誰でも感じ取れることですが、秘密そのものより『米側の危惧』を匂わせ勢力が強力な発言をし始めているのではないでしょうか? 外務省と防衛省との情報をめぐるつばぜりあいが表面化したように思います。
★ 読売報道について言えば、多分、日本近海で中国海軍の潜水艦活動の意味を日本の防衛上の重要問題と認識した自衛官が記者その意味を語ったのでしょう。記者が専門家を訪ねて話を聞く、ごくありふれた取材です。ところがアメリカのお先棒担ぎのような外務官僚にとっては、少しでも対米外交上の支障をきたすようなことは困る。そこでチェックを入れた、という筋書き。
★ 年初から防衛庁から防衛省へ・・・名前が変わっただけではありません。”防衛”職員は政策官庁”官僚”に大抜擢されたのです。気負いが余って久間防衛相も沖縄問題でアメリカ批判も始めた、そこで一つ”お灸”。 アメリカ側の意向を受けた外務省筋のやりそうなことですね。まあ、そんなところじゃなかろうか。ちょっとボケが始まった年寄りの言うことだから間違っていたらゴメンネ。
★ でも、これは、国民の側からすれば大問題。本当に大切な「知る権利」に関わる報道規制です。事の本質は、日米安保条約堅持。伝統的アメリカ追随軍事・外交線上を逸脱しないための”一罰百戒”です。ここは是非、マスコミ各社に戦ってもらって跳ね返さねばなりません。久間防衛相はちょっと、誤用しているようですが、我々国民は正しい国語で報道の自由の保障を求めます。国民のための“国益”を守るために。
ところで、お話したい今日の話題。
《中国海軍の潜水艦が南シナ海で事故を起こし立ち往生している》
★ ドキッとするような強烈な印象を受けた読売新聞のスクープ記事でしたね。これが報道されたのは、もう2年も前の2005年5月のことでした。忘れた頃になって突然、今、この記事が、”防衛秘密の漏洩”と問題化し、その”秘密”を漏らしたと疑われた防衛省情報本部所属の課長級職員である一等空佐(49)が警務隊(憲兵隊)から事情聴取や自宅の捜索を受けました。
このニュース、一昨日のテレビで大々的に放映され、昨日の新聞各紙に大きく報道されました。
★ 南シナ海で中国海軍の潜水艦が事故を起こして立ち往生・・・・これが、何故、【日本の防衛機密の漏洩】になるのか? 先ず、そのこと自体、さっぱり分かりませんが、それは、一応、脇に置いて、何よりもオカシイのは、何故、今、2年も経って? こんなことが?? でしょう。
★ たまたま閣議後に記者団に取り囲まれた久間章生防衛相が”理由”を語っているのをテレビでナマに見ました。
「非常に大事なこと、機微に触れることは漏らしてはいけないという一般論としてきちんとしようということだ。そうでないと日本に機微に触れる資材を提供できないとか、情報は漏らせないとなったら国益に反する」
・・・つまり、これには、《米国からもたらされた》【機密情報】が含まれていたのだ、というのです。
★ ハァー?? 読売新聞がこのニュースを取り上げたのは、中国の潜水艦がわが国の周辺近くまで来て何らかの活動をしており事故を起こした。海軍の潜水艦です。当然、軍事的行動・・・国民にとってもっとも大きな関心事。そのことに《米国からもたらされた》【機密情報】が含まれていた。従って、その情報を知っている自衛官が新聞に漏らすのはいけない。・・・でも、何故、2年後にイケナクなったの???
★ また、久間防衛相はご丁寧に
「漏らした方(自衛官)を罰する仕組みだ。通常の取材を(した記者)を罰する法律ではない」
と、強調しています。新聞記者相手に、報道管制する意図は全くない、と、その点を強調したいのでしょう。
しかし、今回のような中国海軍の潜水艦が日本周辺の公海上で軍事的行動を展開しており、しかも何らかの事故を起こした、という情報は国民にとって極めて重要です。このような場合、何のために、何故? 政府が国民に説明をし、抗議する事例か、あるいは冷静に静観すべきか、状況説明と共に当然、政府見解を出すべきケースです。
★ ところが、久間防衛相は、読売新聞報道の何が国民に知られてはならぬ防衛秘密に抵触するのか、を説明もしません。聞いていると、「政府が秘密にすべきだと判断すれば、防衛秘密になる」といわんばかりの口調です。一罰百戒、それをすれば自衛隊内部の軍規が締まる。こうすれば自衛官たちが記者の取材に対して自己規制を一段と強めるだろう・・・そうした思惑勘定がアリアリと見え見えです。お気の毒に・・・槍玉にあげられた1等空佐殿には同情を禁じえません。
★ でも・・・・一体、何故、こんな、クダラヌことが今?
考えられるのは二つ。最大の原因はアメリカからの横槍があったのでは? との疑惑です。想像ですから断言はできません。でも久間防衛相の会見談話にそれが滲み出ています。
「きちんとしようということだ。そうでないと(アメリカから)日本に機微に触れる資材を提供できないとか、情報は漏らせないとなったら国益に反する」
つまりアメリカから頂戴する情報はすべて機密扱いにするというアメリカ向け気遣いなのですね。
★ 一昔前、中谷元氏が防衛庁長官だった頃、この「機密」概念が問題になったことがあります。国会審議を通じて、当時の中谷長官は「機密」「極秘」「秘」が計約13万5千件もあることを明確に答弁しました。その上で、「この中から防衛上特に秘匿することが必要なものを選び、防衛秘密に指定する」と説明しました。
★ 中谷答弁はその後、国会で、”防衛秘密”の概念をめぐって特別の審議が行われ、かなり詳細にその意味・内容が吟味されましたが、久間防衛相は、新解釈の「アメリカがらみはすべて”防衛秘密”」と言ってるみたいですね。
★ もう一つ、私は、防衛省昇格に伴う情報管理をめぐる官僚の抗争があるように思います。今回のケースを見れば、誰でも感じ取れることですが、秘密そのものより『米側の危惧』を匂わせ勢力が強力な発言をし始めているのではないでしょうか? 外務省と防衛省との情報をめぐるつばぜりあいが表面化したように思います。
★ 読売報道について言えば、多分、日本近海で中国海軍の潜水艦活動の意味を日本の防衛上の重要問題と認識した自衛官が記者その意味を語ったのでしょう。記者が専門家を訪ねて話を聞く、ごくありふれた取材です。ところがアメリカのお先棒担ぎのような外務官僚にとっては、少しでも対米外交上の支障をきたすようなことは困る。そこでチェックを入れた、という筋書き。
★ 年初から防衛庁から防衛省へ・・・名前が変わっただけではありません。”防衛”職員は政策官庁”官僚”に大抜擢されたのです。気負いが余って久間防衛相も沖縄問題でアメリカ批判も始めた、そこで一つ”お灸”。 アメリカ側の意向を受けた外務省筋のやりそうなことですね。まあ、そんなところじゃなかろうか。ちょっとボケが始まった年寄りの言うことだから間違っていたらゴメンネ。
★ でも、これは、国民の側からすれば大問題。本当に大切な「知る権利」に関わる報道規制です。事の本質は、日米安保条約堅持。伝統的アメリカ追随軍事・外交線上を逸脱しないための”一罰百戒”です。ここは是非、マスコミ各社に戦ってもらって跳ね返さねばなりません。久間防衛相はちょっと、誤用しているようですが、我々国民は正しい国語で報道の自由の保障を求めます。国民のための“国益”を守るために。
by zenmz
| 2007-02-18 18:12
| 現代社会論