2007年 03月 11日
【7153】 コメントへの追録 |
【マスコミ見聞録】の”吉備談語”で、2日にわたり掲載した「政治家の不用意発言の波紋」と「忘れまじ、東京大空襲の教訓」には多くの皆様のコメントを頂戴し、真にありがとうございました。熱心に隅々までご精読いただき、実に重要なポイントについてご意見を頂戴しました。コメント欄での回答では意を尽くせないものもあり、ここにまとめて追録をさせていただきます。
==== 慰安婦問題関連(追録) ====
★ 先ず、「政治家の不用意発言の波紋」に関するコメントについて申し上げたいと思います。 連邦議会下院が旧日本軍が調達したという従軍慰安婦を取り上げ日本政府に陳謝を要求する決議案が審議されている問題に関して、「けんこw/LOVE☆ 」様から
「どの国も日本だけ攻め立てますが、果たしてどれだけの違いがあるのかと考えるとおかしいのでは?と思います」
とのご意見がありました。
★ 正直、ちょっと戸惑い、最初は理解出来ませんでした。しかし、「 ttfuji 」様からも、相次いで、
「日本ばかりがなぜ?と言う人は私のまわりにも結構います」
とのご指摘を受け、戦後の連合軍兵士を思い起しました。敗戦後の日本占領時代に若い米兵の性対策に米軍部が深く関与していることは既に多くの研究がなされて、広く日本人の間でも知られています。
「けんこw/LOVE☆ 」様や「 ttfuji 」様のご指摘は、失念していたこの問題について、私の記憶を呼び覚ましました。 確かに、もう少し、丁寧にこの問題も取り上げて、比較対照すべき重要事例だ、と思います。
★ 幸い、感情論を抜きにし、かなり冷静な実証的研究がございます。さしあたり、この論文を手がかりに改めて勉強させていただきたいと思います。念のため有益と思う論文をご紹介いたします。
林博史氏著 「アメリカ軍の性対策の歴史―1950年代まで」 (『女性・戦争・人権』 第7号、2005年3月 「女性・戦争・人権」学会刊) また「慰安婦」問題に関する息の長い研究集積は『季刊 戦争責任研究』(日本の戦争責任資料センター)がございます。あわせてもう少し勉強させていただきます。
重要な視座・視点をご指摘くださいました「けんこw/LOVE☆ 」様や「 ttfuji 」様に心からお礼を申し上げます。
★ 米カリフォルニア州サンノゼにお住まいの「みい」様からは、
「この議案を上げたのは、日系人収容所の補償も扱った、日系人のマイク本田議員と聞いています。」
とのコメントを頂戴いたしました。一連の議会対策ロビー活動は韓国系米人だとばかり思っておりました。特にあの著名な日系議員・マイク本田が主役を演じていた、とは初耳です。早速、情報収集し、その事実を確認しました。
★ 同決議案はこれまで下院に4回提出されており、今回は既に2月に元慰安婦らの公聴会も開かれており、「過去の日本の首相の謝罪表明は、誠実で、明確な謝罪ではない。謝罪は過去の贖罪にとって重要なステップだ」と主張したのが実は、マイク本田議員であった、事実も確認いたしました。
★ 本日(3月11日)の毎日新聞朝刊は、安倍首相の(陳謝しない)発言を取り上げ、6日付け「サンノゼ・マーキュリー」紙に掲載されたスタンフォード大学のマーク・ピーティ教授の「これはホロコースト(ユダヤ人虐殺)はなかった、と否定しているのと同じ。この発言は決議案採決に向けて大きな弾みになるだろう」とコメントしています。
★ サンノゼは、マイク本田議員のお膝元でしたね。
この報道をした毎日新聞は、《同議員は「今月中に本会議採決に持ち込む」と非常に張り切っているが、実は、地元の選挙区事情が深く関わっている。と、次のような解説をしています。すなわち、下院同州15区は20パーセントがアジア系で、本土で最高の人口比率。特に韓国人人種団体などが活発な運動を展開し本田議員が呼応している、とか。
★ ともかく、「みい」様のご指摘を受け、事態が更によく理解出来ました。ありがとうございました。本当に凄いですね。この24時間で、私の日記も実に豊富な材料を新たに盛り込み、事態の理解を深めていただきました。MIXI GREEの威力に改めて感動いたします。
==== 戦略爆撃と宗教の責任(追録) ====
★ 「忘れまじ、東京大空襲の教訓」で、私は、太平洋戦争中に米軍によって行われた日本列島戦略爆撃を非戦闘員である一般市民を無差別殺傷した蛮行と断じ、それを招いた旧日本政府の責任を明白にし、国民に対して政府が正式に陳謝し、民間人犠牲者遺族、被災者への補償をすべきだ、と主張しました。
★ その中で、キリスト教従軍牧師の戦争翼賛行動への疑問を提起しました。私は広島原爆の被災者です。広島への原爆投下にテニアン基地を出発する兵士たちに従軍牧師は祝福を与えました。アメリカ軍は軍隊と共に移動する教会と牧師を軍務に組み込んでいます。今の戦争は、兵士と兵士が戦場で戦うのではありません。武装兵士が非武装市民が居住する地を「ゲリラの巣」として戦略爆撃する、新しいタイプの戦いです。
★ この疑問について、「プー」様は、
「家に戻れば、家族を愛し、”汝、隣人を愛せよ。”などと、すまし顔で聖書や経典をよんだり、お仏壇に手を合わせているはずなのに、もう一方では、どうして平気で戦争を始められるのかと・・・。
国家の仕組みや、複雑な世界情勢を無視した、大変幼稚な疑問だとは思いますが、やっぱり、不思議でなりません。戦争の「真の唯一」の問題は、「命が奪われる」という事ですのに・・・・・。これは、ほんとに不思議です」
と、コメントを寄せてくださいました。本当に共感しました。私も全く同じ思いです。
★ 戦略爆撃・・・その原型は、60年前の日本列島攻略作戦でした。その軍事戦略は、ベトナム、アフガニスタン、パキスタン、そしてイラクと続いたアメリカの外国侵攻に抵抗する民族運動制圧に引き継がれ、残忍な非武装市民の居住地への無差別大量殺戮作戦・・・・そのすべての出動にキリスト教牧師は祝福を与えます。神の名において何を祈るのか?
★ この問いかけに対し、キリスト教徒である「求道士」様から、
「戦争と宗教を問題にすると、旧日本軍の侵略戦争と神道の問題がございますね。こちらの方はどうお考えでございましょうか? 八紘一宇は現人神が支配する神権政治国家を目指した正義の聖戦と唱導された、と記憶いたします」
との、非常に的を射たご質問がありました。全くその通り、私も同意いたします。私たちは大きな過ちをしました。
★ 旧日本軍は天皇陛下を現人神と担ぎ、国家神道をイデオロギーに天皇親政の八紘一宇をアジアに広げる荒唐無稽の野望を抱きました。そして破れ、天皇自ら人間宣言し、一億国民は、総懺悔して、己に目覚めて亡霊から解放されました。ただ一部に、靖国神社を奉戴し、復古調勢力も残存してはいます。しかし、もう日本国民は2度と天皇陛下を現人神に神格化することはないでしょう。それはもう卒業した、と思います。
★ しかし、アメリカ国家とキリスト教の現にある姿は、いかがでしょうか? 難しい政治論や宗教論を申し上げるつもりはありません。単純な質問を繰り返すことをお許しください。あなたの神は「殺してはならぬ」を根本義と教えられました。しかしアメリカのキリスト教は、世界の異国に向かう軍隊に教会と牧師を従軍させ、出撃の若者に祝福を与えます。何を祈るのですか?
★ 抽象的な議論はしたくありません。私は15歳の時、広島で米軍の戦略爆撃で原爆被災を経験しました。学友の多くが即死しました。あなたの「唯一無二の全知全能の神」は、それを義となさいますか? 即死した私の幼い友は何をして、その報いとして死を賜ったのですか? 私は、それを、今も問い続けています。しかし、全知全能の神は沈黙したままです。多分、その神は既に死んだのでしょう。でも、私の手には、その遺言は残っています。「あなたは殺してはならない」
★ どうか、キリスト教の教会と聖職にある人々は答えてください。「神の義」ではなく、人間の良心でお答えください。非武装の無辜(むこ)の女性、こども、老人が生活する場に若い兵士たちが向かう折、あなたたちは何を祈り、何を祝福するのですか? 銃口の先にいる標的は何ですか? 日本の教会・牧師も、日本政府同様に、アメリカのキリスト教会に追随するのでしょうか?
★ 私は、教会と聖職者の皆様に、今なお悩み、苦しむ魂の慟哭をぶっつけます。
私自身は、既に信仰心は失っています。ただ切実に人の命が失われることが受け入れられないです。それが神の名において行われ、その祝福が与えられるのは、何故か? 分からない。
聖職者の皆様から人間の良心のこだまが返って来ることを願っています。ここに至る、私の内面の葛藤は、恐れ入りますが、こちらをご参照いただきたくお願い申し上げます。
【6163】 ”魂の慟哭” 60年後の現在
==== 慰安婦問題関連(追録) ====
★ 先ず、「政治家の不用意発言の波紋」に関するコメントについて申し上げたいと思います。 連邦議会下院が旧日本軍が調達したという従軍慰安婦を取り上げ日本政府に陳謝を要求する決議案が審議されている問題に関して、「けんこw/LOVE☆ 」様から
「どの国も日本だけ攻め立てますが、果たしてどれだけの違いがあるのかと考えるとおかしいのでは?と思います」
とのご意見がありました。
★ 正直、ちょっと戸惑い、最初は理解出来ませんでした。しかし、「 ttfuji 」様からも、相次いで、
「日本ばかりがなぜ?と言う人は私のまわりにも結構います」
とのご指摘を受け、戦後の連合軍兵士を思い起しました。敗戦後の日本占領時代に若い米兵の性対策に米軍部が深く関与していることは既に多くの研究がなされて、広く日本人の間でも知られています。
「けんこw/LOVE☆ 」様や「 ttfuji 」様のご指摘は、失念していたこの問題について、私の記憶を呼び覚ましました。 確かに、もう少し、丁寧にこの問題も取り上げて、比較対照すべき重要事例だ、と思います。
★ 幸い、感情論を抜きにし、かなり冷静な実証的研究がございます。さしあたり、この論文を手がかりに改めて勉強させていただきたいと思います。念のため有益と思う論文をご紹介いたします。
林博史氏著 「アメリカ軍の性対策の歴史―1950年代まで」 (『女性・戦争・人権』 第7号、2005年3月 「女性・戦争・人権」学会刊) また「慰安婦」問題に関する息の長い研究集積は『季刊 戦争責任研究』(日本の戦争責任資料センター)がございます。あわせてもう少し勉強させていただきます。
重要な視座・視点をご指摘くださいました「けんこw/LOVE☆ 」様や「 ttfuji 」様に心からお礼を申し上げます。
★ 米カリフォルニア州サンノゼにお住まいの「みい」様からは、
「この議案を上げたのは、日系人収容所の補償も扱った、日系人のマイク本田議員と聞いています。」
とのコメントを頂戴いたしました。一連の議会対策ロビー活動は韓国系米人だとばかり思っておりました。特にあの著名な日系議員・マイク本田が主役を演じていた、とは初耳です。早速、情報収集し、その事実を確認しました。
★ 同決議案はこれまで下院に4回提出されており、今回は既に2月に元慰安婦らの公聴会も開かれており、「過去の日本の首相の謝罪表明は、誠実で、明確な謝罪ではない。謝罪は過去の贖罪にとって重要なステップだ」と主張したのが実は、マイク本田議員であった、事実も確認いたしました。
★ 本日(3月11日)の毎日新聞朝刊は、安倍首相の(陳謝しない)発言を取り上げ、6日付け「サンノゼ・マーキュリー」紙に掲載されたスタンフォード大学のマーク・ピーティ教授の「これはホロコースト(ユダヤ人虐殺)はなかった、と否定しているのと同じ。この発言は決議案採決に向けて大きな弾みになるだろう」とコメントしています。
★ サンノゼは、マイク本田議員のお膝元でしたね。
この報道をした毎日新聞は、《同議員は「今月中に本会議採決に持ち込む」と非常に張り切っているが、実は、地元の選挙区事情が深く関わっている。と、次のような解説をしています。すなわち、下院同州15区は20パーセントがアジア系で、本土で最高の人口比率。特に韓国人人種団体などが活発な運動を展開し本田議員が呼応している、とか。
★ ともかく、「みい」様のご指摘を受け、事態が更によく理解出来ました。ありがとうございました。本当に凄いですね。この24時間で、私の日記も実に豊富な材料を新たに盛り込み、事態の理解を深めていただきました。MIXI GREEの威力に改めて感動いたします。
==== 戦略爆撃と宗教の責任(追録) ====
(ここでは私は、キリスト教を弾劾しております。この先の論述についてご理解いただきたいのは、私は、どなたの信仰も傷つける気持ちはありません。弾劾しているのは政治権力に盲従し、その横暴な権力行使、とりわけ戦争を大義として是認し、若者たちを戦闘に駆り立てている従軍教会、従軍牧師の行為です。
「あなたは殺してはならない」は聖書の根本義。戦争を止めさせるのが”神の御心”のはずです。なのに、何故、従軍し兵士を鼓舞し、祝福を与えるのか? また、何をその兵士のために祈るのか? 銃口の先にいる人間に思いを致すことがあるのか? 15歳のとき、米軍の原爆に遭い、多くの友を一瞬に失った魂の慟哭を叫ばせてください。
信仰者の方々には、どうか、お許しを。そして、ご一緒にお考え下さるご寛恕をお願い申し上げます)
★ 「忘れまじ、東京大空襲の教訓」で、私は、太平洋戦争中に米軍によって行われた日本列島戦略爆撃を非戦闘員である一般市民を無差別殺傷した蛮行と断じ、それを招いた旧日本政府の責任を明白にし、国民に対して政府が正式に陳謝し、民間人犠牲者遺族、被災者への補償をすべきだ、と主張しました。
★ その中で、キリスト教従軍牧師の戦争翼賛行動への疑問を提起しました。私は広島原爆の被災者です。広島への原爆投下にテニアン基地を出発する兵士たちに従軍牧師は祝福を与えました。アメリカ軍は軍隊と共に移動する教会と牧師を軍務に組み込んでいます。今の戦争は、兵士と兵士が戦場で戦うのではありません。武装兵士が非武装市民が居住する地を「ゲリラの巣」として戦略爆撃する、新しいタイプの戦いです。
★ この疑問について、「プー」様は、
「家に戻れば、家族を愛し、”汝、隣人を愛せよ。”などと、すまし顔で聖書や経典をよんだり、お仏壇に手を合わせているはずなのに、もう一方では、どうして平気で戦争を始められるのかと・・・。
国家の仕組みや、複雑な世界情勢を無視した、大変幼稚な疑問だとは思いますが、やっぱり、不思議でなりません。戦争の「真の唯一」の問題は、「命が奪われる」という事ですのに・・・・・。これは、ほんとに不思議です」
と、コメントを寄せてくださいました。本当に共感しました。私も全く同じ思いです。
★ 戦略爆撃・・・その原型は、60年前の日本列島攻略作戦でした。その軍事戦略は、ベトナム、アフガニスタン、パキスタン、そしてイラクと続いたアメリカの外国侵攻に抵抗する民族運動制圧に引き継がれ、残忍な非武装市民の居住地への無差別大量殺戮作戦・・・・そのすべての出動にキリスト教牧師は祝福を与えます。神の名において何を祈るのか?
★ この問いかけに対し、キリスト教徒である「求道士」様から、
「戦争と宗教を問題にすると、旧日本軍の侵略戦争と神道の問題がございますね。こちらの方はどうお考えでございましょうか? 八紘一宇は現人神が支配する神権政治国家を目指した正義の聖戦と唱導された、と記憶いたします」
との、非常に的を射たご質問がありました。全くその通り、私も同意いたします。私たちは大きな過ちをしました。
★ 旧日本軍は天皇陛下を現人神と担ぎ、国家神道をイデオロギーに天皇親政の八紘一宇をアジアに広げる荒唐無稽の野望を抱きました。そして破れ、天皇自ら人間宣言し、一億国民は、総懺悔して、己に目覚めて亡霊から解放されました。ただ一部に、靖国神社を奉戴し、復古調勢力も残存してはいます。しかし、もう日本国民は2度と天皇陛下を現人神に神格化することはないでしょう。それはもう卒業した、と思います。
★ しかし、アメリカ国家とキリスト教の現にある姿は、いかがでしょうか? 難しい政治論や宗教論を申し上げるつもりはありません。単純な質問を繰り返すことをお許しください。あなたの神は「殺してはならぬ」を根本義と教えられました。しかしアメリカのキリスト教は、世界の異国に向かう軍隊に教会と牧師を従軍させ、出撃の若者に祝福を与えます。何を祈るのですか?
★ 抽象的な議論はしたくありません。私は15歳の時、広島で米軍の戦略爆撃で原爆被災を経験しました。学友の多くが即死しました。あなたの「唯一無二の全知全能の神」は、それを義となさいますか? 即死した私の幼い友は何をして、その報いとして死を賜ったのですか? 私は、それを、今も問い続けています。しかし、全知全能の神は沈黙したままです。多分、その神は既に死んだのでしょう。でも、私の手には、その遺言は残っています。「あなたは殺してはならない」
★ どうか、キリスト教の教会と聖職にある人々は答えてください。「神の義」ではなく、人間の良心でお答えください。非武装の無辜(むこ)の女性、こども、老人が生活する場に若い兵士たちが向かう折、あなたたちは何を祈り、何を祝福するのですか? 銃口の先にいる標的は何ですか? 日本の教会・牧師も、日本政府同様に、アメリカのキリスト教会に追随するのでしょうか?
★ 私は、教会と聖職者の皆様に、今なお悩み、苦しむ魂の慟哭をぶっつけます。
私自身は、既に信仰心は失っています。ただ切実に人の命が失われることが受け入れられないです。それが神の名において行われ、その祝福が与えられるのは、何故か? 分からない。
聖職者の皆様から人間の良心のこだまが返って来ることを願っています。ここに至る、私の内面の葛藤は、恐れ入りますが、こちらをご参照いただきたくお願い申し上げます。
【6163】 ”魂の慟哭” 60年後の現在
by zenmz
| 2007-03-11 18:44