2007年 06月 20日
【7267】 《麦飯食べたら脚気にならぬ》 |
★ 子どもの頃にいつも口やかましいほどに耳にした教訓が、グルメの過食時代に再び、唱えられています。美食追及で偏食が多くなり、その警告だそうです。一つには、学校で「食育教育」が始まったセイでしょうか。昔懐かしい”格言”が再びマスコミをに登場しています。
★ 私が幼い頃には脚気が非常に問題にされていたように思います。江戸時代、将軍や豪商など富裕階級に突如、大流行したことから「江戸患い」と言われ、以来、「結核」と並ぶ、日本独特の国民病のように言われていて、贅沢病のように言われたものですが、私たちの体験では、それは、食糧不足による栄養失調が原因だったように思います。
★ ところで・・・この《麦飯食べたら脚気にならぬ》 これは比較的新しい格言なんですね。流行らせたのは旧日本軍。旧日本軍兵士の間で脚気が多く、原因が分からぬまま、「日本独特の風土病」のように言われていたのを
【脚気が「ビタミンB1が不足しておこる栄養不足の病気】
と立証し、「兵士には麦飯を」と提唱したのが著名な農芸化学者・鈴木梅太郎博士。
★ 鈴木博士は、明治43年(1910)に米の糠から抗脚気因子として世界初のビタミンであるアベリ酸(のちにオリザニンと改名=ビタミンB1)を発見し、世界に誇る学問的偉業を成し遂げた。、それが「脚気には麦飯」のスローガンを生んだ始まりだったのです。
★ 脚気はですね。金持ちも、貧乏人も関係ない。飢餓、過食も関係ない。ただ偏食によって、ビタミン摂取が欠落すると、起こる病気だ、と、はっきり原因が掴めました。過食の現代、脚気罹患が一番、多いのがアルコール依存者。体内に取り込まれた多量のアルコール分解にどんどんビタミンB1が消費されて、慢性的なビタミン不足の”栄養失調症状”になっているのだそうです。何故、食糧十分の今でも脚気が無くならないのか? その原因もこうした”生活習慣”と密接な相関性があります。
《脚気に麦飯》
★ もう100年も前に日本人の優れた化学者・鈴木博士の大発見を、私たちは、日常の生活にどう活かせばいいのか?
お馴染み、辻啓介先生は、次のように提案しておられます。
★ 良質のタンパク質が豊富でビタミンB1の供給源に最適なのは、豚肉。ビタミンB1が多い、と言われる牛の内臓、特に「ハツ」(心臓)や「マメ」(腎臓)がいいとも言われるが、豚にはかなわない。豚肉には牛の約10倍のビタミンB1が含まれており、供給源としては最適な肉類と言える、というのです。沖縄で長寿が多いのは、豚肉とコンブなどを多く食べられているから、という説も有力です。
★ 因みにビタミンB1は、1日あたり男性で、1.3~1.4mg 女性で1.0~1.1mg が必要だそうです。食育教材には、お薦め食材がいっぱい並んでいますが、一番の正解は、玄米食を常食にすること。ウチは家庭用精米器で玄米を七分搗きしていますので先ず、一安心です。
【注】
SNSからの転載です。
初出は、(火)・【私の食生活・今日の一戒」(16)】
(「日経WagaMaga」2007年05月29日)
★ 私が幼い頃には脚気が非常に問題にされていたように思います。江戸時代、将軍や豪商など富裕階級に突如、大流行したことから「江戸患い」と言われ、以来、「結核」と並ぶ、日本独特の国民病のように言われていて、贅沢病のように言われたものですが、私たちの体験では、それは、食糧不足による栄養失調が原因だったように思います。
★ ところで・・・この《麦飯食べたら脚気にならぬ》 これは比較的新しい格言なんですね。流行らせたのは旧日本軍。旧日本軍兵士の間で脚気が多く、原因が分からぬまま、「日本独特の風土病」のように言われていたのを
【脚気が「ビタミンB1が不足しておこる栄養不足の病気】
と立証し、「兵士には麦飯を」と提唱したのが著名な農芸化学者・鈴木梅太郎博士。
★ 鈴木博士は、明治43年(1910)に米の糠から抗脚気因子として世界初のビタミンであるアベリ酸(のちにオリザニンと改名=ビタミンB1)を発見し、世界に誇る学問的偉業を成し遂げた。、それが「脚気には麦飯」のスローガンを生んだ始まりだったのです。
★ 脚気はですね。金持ちも、貧乏人も関係ない。飢餓、過食も関係ない。ただ偏食によって、ビタミン摂取が欠落すると、起こる病気だ、と、はっきり原因が掴めました。過食の現代、脚気罹患が一番、多いのがアルコール依存者。体内に取り込まれた多量のアルコール分解にどんどんビタミンB1が消費されて、慢性的なビタミン不足の”栄養失調症状”になっているのだそうです。何故、食糧十分の今でも脚気が無くならないのか? その原因もこうした”生活習慣”と密接な相関性があります。
《脚気に麦飯》
★ もう100年も前に日本人の優れた化学者・鈴木博士の大発見を、私たちは、日常の生活にどう活かせばいいのか?
お馴染み、辻啓介先生は、次のように提案しておられます。
○ 今どき脚気などと笑う人もいるだろうが、血液のB1が不足している「脚気予備軍」は意外に多い。足がだるいときには、先ず脚気を疑うべきだろう。なぜなら、偏食が脚気の原因だからである。
○ 玄米や胚芽(はいが)米を常食しておれば、脚気は防げる。大麦、小麦は白米よりB1が多い。麦飯は脚気を防ぐのに有効である。麦飯に豚肉を添えると脚気予防には最強のコンビとなる。
★ 良質のタンパク質が豊富でビタミンB1の供給源に最適なのは、豚肉。ビタミンB1が多い、と言われる牛の内臓、特に「ハツ」(心臓)や「マメ」(腎臓)がいいとも言われるが、豚にはかなわない。豚肉には牛の約10倍のビタミンB1が含まれており、供給源としては最適な肉類と言える、というのです。沖縄で長寿が多いのは、豚肉とコンブなどを多く食べられているから、という説も有力です。
★ 因みにビタミンB1は、1日あたり男性で、1.3~1.4mg 女性で1.0~1.1mg が必要だそうです。食育教材には、お薦め食材がいっぱい並んでいますが、一番の正解は、玄米食を常食にすること。ウチは家庭用精米器で玄米を七分搗きしていますので先ず、一安心です。
【注】
SNSからの転載です。
初出は、(火)・【私の食生活・今日の一戒」(16)】
(「日経WagaMaga」2007年05月29日)
by zenmz
| 2007-06-20 07:46
| 食生活:今日の一戒