2007年 06月 22日
【7282】 田舎で農業でも・・・の”第二の人生”? |
★ 田植えが済み、梅雨を迎えた田圃は、急に勢い付いてきます。私の散歩道にある棚田は、もう水面が見えないほどに早苗が生長しています。そろそろ草取りが始まります。農家は、この先、秋の収穫まで水の確保や病害虫や台風の発生を心配する日が続きます。最近は特に、地球温暖化による生育への影響に気が気でない感じ。それがヒシと伝わります。
★ ネット生活をしていると、国民各層の人々が心の奥底に秘めている想念を窺い知ることが出来ますね。何しろ仮面の世界。かなりモロにその思いが吐き出されているものです。一番、気になるのは定年を前にした都会のサラリーマンの吐露。
「田舎にすっこんで、百姓でも、やって、ノンビリくらす・・・・・」
この類の書き込みを見ると、カチンと来ます。
ちょっと聞き捨てならぬ、と、思う気持ちがつのります。
★ これほど、田舎と、農家を愚弄する言葉はありません。
長年、イスに腰掛け、電話一本で、モノを動かし、カネを転がす。それが”高度な仕事”と思いこみ、それしか出来ない人間に命を育てる農業など出来るはずはありません。
農に生きる人々へ向けて、これほど失礼な言葉はないでしょう。
事実、定年後、ちょうど、そんな思いを懐いて来るのでしょう。そして、農業に手を出した人に成功者を見たことはありません。
ここに来て19年を思い返せば、そうした人々は高邁な空理空論だけ残して、どこかへ姿を消しました。
★ 当たり前ですが、庭の家庭菜園で、見よう見まねの自給自足をするのは”農業”とは言いません。
その真似事では農業は経営出来ないです。
何よりも、農業は、命がけです。これに関連し気になるデータを直視して欲しい。田植えの時期になると、悲惨な農作業中の 死亡事故があとを絶たたず、岡山県下だけで毎年、10人前後が犠牲になっています。
★ 60歳以上の高齢者が約8割を占め、事故のケースもほとんど判で押したようにトラクター・農用運搬車の転落・転倒。 ハウスでの高所からの墜落・転落 中には野焼き中に火に取り囲まれ大やけどを負う例もある。
農繁期の農作業は、工場作業よりも危険なのです。
とても「ノンビリと・・」やっておれるような作業ではありません。
★ こう言うと、中には、それは岡山だけの特異例でしょう、と、反論する人があるかもしれませんね。
念のため、もう一つ、重要な資料をご紹介しておきましょう。
こちらをご覧ください。昨年末、12月8日付で農林水産省 生産局がマスコミに公表した「平成17年度農作業事故調査」(死亡調査)です。
★ これによると、平成16年に発生した農作業による死亡事故は、413件と前年より15件(3.8%)も増加し、その内訳は、農業機械作業によるものが295件(71%)、ハウスなど農業用施設内での作業によるものが24件(6%)、機械・施設以外の作業によるものが94件(23%)にも上るのです。犠牲者の年齢では、65歳以上の高齢者による事故が297件で死亡者の72%を占めて2/3以上になっています。
★ 死亡事故の詳しい分析は、公表されたプレスリリースで確かめて欲しいのですが、これを見ても、農業は、とても定年後に相応しい仕事とは言えません。
定年を前にした皆さんに、一言、申し上げたいと思います。
「田舎にすっこんで、百姓でも、やって、ノンビリくらす・・・・・」と、言うような安易な言葉を口になさらず、先ず、この厳しい現実を直視し、その先に、現に命をかけて農に生きておられる方々へに対して畏敬の念を持って頂きたい。
★ 私は、定年後の就農に反対する者ではありません。逆に、その志を持っておられる方々と、理想を共有する者です。土に戻る生活。これこそ人間、本来の生き方と信じております。しかし、そのためには就農訓練を受けるべきです。農の心を身につけねばならない。
★ 岡山県は、そうした希望者に就農応援研修を行っています。
自分の想い込みだけで、 「田舎にすっこんで、百姓でも、やって、ノンビリくらす・・・・・」ような心得違いの人生設計をするのではなく、自然破壊の工業社会に決別する「贖罪」の念を込め、土地に戻って根付く、そのような就農・・・そうであって欲しいです。
それを実現させるために体を使って1年間、365日の営農作業を体験されるのが一番、いいと、思います。
★ 田舎に住む人や、農家の人々を逆撫でするような言葉で、定年後人生を田舎で・・・などとは言わないで頂きたいですね。多分、そのような方は、田舎生活には向いていません。きっと挫折するでしょう。
どうか、お聴きください。19年間、それを見続けてきた喜寿老人の苦言です。
★ ネット生活をしていると、国民各層の人々が心の奥底に秘めている想念を窺い知ることが出来ますね。何しろ仮面の世界。かなりモロにその思いが吐き出されているものです。一番、気になるのは定年を前にした都会のサラリーマンの吐露。
「田舎にすっこんで、百姓でも、やって、ノンビリくらす・・・・・」
この類の書き込みを見ると、カチンと来ます。
ちょっと聞き捨てならぬ、と、思う気持ちがつのります。
★ これほど、田舎と、農家を愚弄する言葉はありません。
長年、イスに腰掛け、電話一本で、モノを動かし、カネを転がす。それが”高度な仕事”と思いこみ、それしか出来ない人間に命を育てる農業など出来るはずはありません。
農に生きる人々へ向けて、これほど失礼な言葉はないでしょう。
事実、定年後、ちょうど、そんな思いを懐いて来るのでしょう。そして、農業に手を出した人に成功者を見たことはありません。
ここに来て19年を思い返せば、そうした人々は高邁な空理空論だけ残して、どこかへ姿を消しました。
★ 当たり前ですが、庭の家庭菜園で、見よう見まねの自給自足をするのは”農業”とは言いません。
その真似事では農業は経営出来ないです。
何よりも、農業は、命がけです。これに関連し気になるデータを直視して欲しい。田植えの時期になると、悲惨な農作業中の 死亡事故があとを絶たたず、岡山県下だけで毎年、10人前後が犠牲になっています。
★ 60歳以上の高齢者が約8割を占め、事故のケースもほとんど判で押したようにトラクター・農用運搬車の転落・転倒。 ハウスでの高所からの墜落・転落 中には野焼き中に火に取り囲まれ大やけどを負う例もある。
農繁期の農作業は、工場作業よりも危険なのです。
とても「ノンビリと・・」やっておれるような作業ではありません。
★ こう言うと、中には、それは岡山だけの特異例でしょう、と、反論する人があるかもしれませんね。
念のため、もう一つ、重要な資料をご紹介しておきましょう。
こちらをご覧ください。昨年末、12月8日付で農林水産省 生産局がマスコミに公表した「平成17年度農作業事故調査」(死亡調査)です。
★ これによると、平成16年に発生した農作業による死亡事故は、413件と前年より15件(3.8%)も増加し、その内訳は、農業機械作業によるものが295件(71%)、ハウスなど農業用施設内での作業によるものが24件(6%)、機械・施設以外の作業によるものが94件(23%)にも上るのです。犠牲者の年齢では、65歳以上の高齢者による事故が297件で死亡者の72%を占めて2/3以上になっています。
★ 死亡事故の詳しい分析は、公表されたプレスリリースで確かめて欲しいのですが、これを見ても、農業は、とても定年後に相応しい仕事とは言えません。
定年を前にした皆さんに、一言、申し上げたいと思います。
「田舎にすっこんで、百姓でも、やって、ノンビリくらす・・・・・」と、言うような安易な言葉を口になさらず、先ず、この厳しい現実を直視し、その先に、現に命をかけて農に生きておられる方々へに対して畏敬の念を持って頂きたい。
★ 私は、定年後の就農に反対する者ではありません。逆に、その志を持っておられる方々と、理想を共有する者です。土に戻る生活。これこそ人間、本来の生き方と信じております。しかし、そのためには就農訓練を受けるべきです。農の心を身につけねばならない。
★ 岡山県は、そうした希望者に就農応援研修を行っています。
自分の想い込みだけで、 「田舎にすっこんで、百姓でも、やって、ノンビリくらす・・・・・」ような心得違いの人生設計をするのではなく、自然破壊の工業社会に決別する「贖罪」の念を込め、土地に戻って根付く、そのような就農・・・そうであって欲しいです。
それを実現させるために体を使って1年間、365日の営農作業を体験されるのが一番、いいと、思います。
★ 田舎に住む人や、農家の人々を逆撫でするような言葉で、定年後人生を田舎で・・・などとは言わないで頂きたいですね。多分、そのような方は、田舎生活には向いていません。きっと挫折するでしょう。
どうか、お聴きください。19年間、それを見続けてきた喜寿老人の苦言です。
by zenmz
| 2007-06-22 18:40
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