2007年 06月 30日
【7297】 ポイントに込める想い |
★ 結婚して間もなく、長男、次男と相次いで生まれ、幼稚園に通い出して、子育て本番に入った頃、家族総出で、貴重品のように集めたのがベルマークでした。父兄や子どもたちが学校に持ち寄り、学校は、1点1円でしたでしょうか、ともかく、集まった相当額の教育備品をベルマークで購入できる仕組みでした。最近、すっかり姿を消しています。
★ あれほど「無いか、無いか?」と、気にしていたベルマーク。もう終わったのでしょうか。急に気になって調べてみますと、ありました、ありました。大丈夫、健在です。最近では、小中高の学校だけでなく大学や公民館なども参加し、国際的な支援運動にも手を伸ばしています。
★ その運用現況は、ホームページで確認できました。
ひと頃、随分、世間の注目を集め、盛り上がっていた「ベルマーク運動」でしたが、やはり、少子化の危機をモロに受けて、参加者が激減しているようです。ピーク時の1988年にはPTA参加家庭が1290万世帯もあったのに、今や300万世帯も減少。大学や公民館などの学習団体にも門戸を広げたのも、実は、運動維持のため昨年から採用した苦肉の策のようですね。
★ とは言え、今年で47年目を迎えたベルマーク運動。累計額209億7800万円が全国の学校の教育備品に生まれ変わり、へき地や災害被災地、発展途上国などにも同じく37億円を援助しました。
1点1円。小さな善意も積もり積もって巨大な社会貢献を果たしました。
★ 実を言うと、ベル運動の発想は、今からちょうど、50年前にさかのぼります。福島県の僻地教育に携わっていた教師が「へき地にも全国平等の教育環境を」と訴え、折から創立80周年を迎えた朝日新聞が、その記念事業として、教育助成を目的とした「ベルマーク運動」を始めたのでした。協賛企業を募集し、その商品の包装紙に付けられたマークを切り取り、蒐集した点数に応じて、集めた学校の設備購入費として使えるシステムを作り上げたのでした。
★ 1960年のこと。未だ「ボランティア」という言葉も登場しなかった時代の話です。ちょうど同じ頃、同じ発想の「余暇の時間を社会奉仕に・・その時間を預託して、将来、自分が助けを必要としたときに引き出す」善意銀行が発足したのを思い出します。
★ 面白いことに、その後、スーパーなど小売業者の間で販売促進・顧客獲得のためのポイント商法が生まれ、更に銀行・金融機関のキャッシュ・カード利用点数、ついにはホテル・航空会社のマイレージなどにも拡大し、今や、「ポイント」は物品・サービス購入で実質的に「キャッシュバック」機能もたせての激烈な販売競争の仕掛けになっています。
★ 小さな善意を発掘し社会貢献へ人を動かす装置として始まった「ポイント利用」も、商売利用となると、欲望の拡大に変化しますね。「ベルマークの衰退」と「ポイント商法の拡大」 この半世紀を振り返ってみると、やはり、アタマに甦るのは、経済学で言うグレシャムの法則です。
「悪貨は良貨を駆逐する」
★ 「ベル・マーク運動」に込められたポイント集めの精神は、小さな善意を集めての社会貢献。ポイントには「他者を助ける」思いがこもっています。ポイント商法の付け目は、「自分が得する」個々人の欲根性。現代の世相に照らして「グレシャムの法則」を言い換えるなら
「悪ポイントは、良ポイントを駆逐する」
そう言い換えて眺め直すと、ピッタリの感じもします。
★ ネット通販時代を迎え、更に猛威を揮いつつある”キャッシュ・バック”用ポイント・・・・これが経済全体に及ぼしつつある悪影響を心配する声が急速に高まっています。
「悪貨は良貨を駆逐する」
これ、真実です。現金を駆逐するポイントの猛威。直視しましょう。
自業自得の結果に追い込まれぬ先に、良識を取り戻す時期でありましょう。世捨て人の目にも、狂乱の現況、そのように映ります。ともかく「ベルマーク運動」はもう少し元気になって欲しいです。
***** 初めてご来訪の方にお願い *****
このブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】の公開趣旨をご一読ください。
★ あれほど「無いか、無いか?」と、気にしていたベルマーク。もう終わったのでしょうか。急に気になって調べてみますと、ありました、ありました。大丈夫、健在です。最近では、小中高の学校だけでなく大学や公民館なども参加し、国際的な支援運動にも手を伸ばしています。
★ その運用現況は、ホームページで確認できました。
ひと頃、随分、世間の注目を集め、盛り上がっていた「ベルマーク運動」でしたが、やはり、少子化の危機をモロに受けて、参加者が激減しているようです。ピーク時の1988年にはPTA参加家庭が1290万世帯もあったのに、今や300万世帯も減少。大学や公民館などの学習団体にも門戸を広げたのも、実は、運動維持のため昨年から採用した苦肉の策のようですね。
★ とは言え、今年で47年目を迎えたベルマーク運動。累計額209億7800万円が全国の学校の教育備品に生まれ変わり、へき地や災害被災地、発展途上国などにも同じく37億円を援助しました。
1点1円。小さな善意も積もり積もって巨大な社会貢献を果たしました。
★ 実を言うと、ベル運動の発想は、今からちょうど、50年前にさかのぼります。福島県の僻地教育に携わっていた教師が「へき地にも全国平等の教育環境を」と訴え、折から創立80周年を迎えた朝日新聞が、その記念事業として、教育助成を目的とした「ベルマーク運動」を始めたのでした。協賛企業を募集し、その商品の包装紙に付けられたマークを切り取り、蒐集した点数に応じて、集めた学校の設備購入費として使えるシステムを作り上げたのでした。
★ 1960年のこと。未だ「ボランティア」という言葉も登場しなかった時代の話です。ちょうど同じ頃、同じ発想の「余暇の時間を社会奉仕に・・その時間を預託して、将来、自分が助けを必要としたときに引き出す」善意銀行が発足したのを思い出します。
★ 面白いことに、その後、スーパーなど小売業者の間で販売促進・顧客獲得のためのポイント商法が生まれ、更に銀行・金融機関のキャッシュ・カード利用点数、ついにはホテル・航空会社のマイレージなどにも拡大し、今や、「ポイント」は物品・サービス購入で実質的に「キャッシュバック」機能もたせての激烈な販売競争の仕掛けになっています。
★ 小さな善意を発掘し社会貢献へ人を動かす装置として始まった「ポイント利用」も、商売利用となると、欲望の拡大に変化しますね。「ベルマークの衰退」と「ポイント商法の拡大」 この半世紀を振り返ってみると、やはり、アタマに甦るのは、経済学で言うグレシャムの法則です。
「悪貨は良貨を駆逐する」
★ 「ベル・マーク運動」に込められたポイント集めの精神は、小さな善意を集めての社会貢献。ポイントには「他者を助ける」思いがこもっています。ポイント商法の付け目は、「自分が得する」個々人の欲根性。現代の世相に照らして「グレシャムの法則」を言い換えるなら
「悪ポイントは、良ポイントを駆逐する」
そう言い換えて眺め直すと、ピッタリの感じもします。
★ ネット通販時代を迎え、更に猛威を揮いつつある”キャッシュ・バック”用ポイント・・・・これが経済全体に及ぼしつつある悪影響を心配する声が急速に高まっています。
「悪貨は良貨を駆逐する」
これ、真実です。現金を駆逐するポイントの猛威。直視しましょう。
自業自得の結果に追い込まれぬ先に、良識を取り戻す時期でありましょう。世捨て人の目にも、狂乱の現況、そのように映ります。ともかく「ベルマーク運動」はもう少し元気になって欲しいです。
***** 初めてご来訪の方にお願い *****
このブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】の公開趣旨をご一読ください。
by zenmz
| 2007-06-30 11:10
| 現代社会論