2007年 07月 22日
【7338】 夢を育む大地 |
★ 現代は、夢が描けぬ閉塞の時代なのでしょうか。若者と語り合っても、「なるようにしかならぬ」といった諦観を聞くことが多いです。ニートに限りない共感を寄せる若者たちに、私は、励ましの声かけをしたい想いを募らせています。
「元気を出しなさい。今の世の中、決して捨てたものではない。田舎へ行こう。宝を掘り起こそう」
★ 他の若者たちより、私が口酸っぱく、そのことを我が5人の孫に強調しています。
私が、この岡山の山奥で、語り合う若者たちは生き生きしています。
10年ほど前、高校を出たもののサラリーマンに馴染まず、オートバイで全国各地を走り回っていた一人の青年。吉備高原にやって来てすっかり気に入り、立ち寄ったガソリン・スタンドでアルバイト生活をはじめ、やがて農地を借りて野菜や果樹の栽培を始め、土地の女性と結婚して、今では地元の若者たちを引っ張っている農業指導者になりました。
フト、周りを見回すと、優れた若者が随分、いるではないか。田舎を訪れ、この青年たちと交われ!
★ 本当に田舎には素晴らしい人物がいます。それも、奇想天外な夢を描く人々・・・
都会の人々は、あまりご存知ありませんが、私が以前、勤めていた「毎日新聞」は、戦後復興時代に、政府が農業国から工業国へと国の政策を大転換した頃に、「農業経営面・生活面で、高い収益と快適な生活を実現し、地域に大きな影響を与えている農業者の育成」を掲げ、「農業コンクール」を始めました。そして昭和27年(1952)から全国各地を回って入賞者を表彰する「農業コンクール全国大会」を開いて、新時代の農業振興を呼びかけてきました。
★ 回を重ねて今年の愛知県豊橋大会は「56回目」 中でも、注目を集めたのが、”奇想天外”な新農業を開発した京都府南山城村の西窪武さんの「牧草ビジネス」。これには、農業のベテランたちもアッと驚いたようです。日本でたった一つのユニークな農業ビジネス。これは確かに目を瞠るものがあります。ばら色の夢を日本列島に広げてくれる物語です。
★ 「牧草ビジネス」?? ちょっと農業と結びつかないかんじですが、”お客さん”は全国13の動物園やサーカス団にいる草食動物たち。《農業と飼料》といえば、酪農や畜産、養鶏を思い浮かべるのが普通でしょうが、、西窪さんは、動物園やサーカスの動物の食料確保に目をつけました。従来の畜産農家ではちょっと思いつかない、”発想の大転換”
★ 渡米し、アメリカの大規模酪農で13カ月間、研修しているうちに、日本で飼料作物を栽培したいという夢を抱くようになりました。しかし、飼料作物を栽培してみても輸入飼料に太刀打ちできるか、どうか? お客がつかないと構想倒れです。悶々としていた時に、京都市動物園が飼料の調達先を探しているという話が耳に入った。
★ 京都の冬の底冷えは有名です。動物園では冬場の飼料調達が難題で、その打開策を模索中でした。そこで、「冬でも飼料を作れる」と売り込み初めて3カ月分の契約に成功しました。
★ 23年前の1984年のこと。そこにいる動物たちに必要な成分、含まれてはいけない成分を飼育係から徹底的に教わり、自らも研究の没頭。しかし要求される多量の飼料は、自作牧場だけではとても賄いきれるものではありません。栽培不可能なレッサーパンダ用の竹を耕作放棄地や里山に探しに行く。
★ 農薬や機械は使わず、カマで飼料を刈り取る。多種・多様の動物に合わせた多品種少量生産。これまでの大型指向農業の発展とは全く逆の農業経営です。自分が供給した飼料で動物の体調を崩してはオシマイ。強い責任感で「24時間365日25年間、緊張の毎日だった」と西窪さんは述懐しておられます。
★ しかし、見よ!
ここに完成した新農業。西窪さんが開発したその新しい”牧草ビジネス”は、動物園やサーカスの動物たちの食料安定供給を100パーセント自給率の理想を実現したのでした。なんという偉業!
★ 「研究室も夏休み、明日、帰郷します。2,3日すれば、岡山へ遊びに行くのでお楽しみに・・・」
都会の大学、大学院に学ぶ孫たちも、月末には孫たちもここに集うようです。
またヒト講釈してやらねばなりません。
★ 一くさり、孫にモノ申すにも説得力が必要です。
裏付けのネタ集めに忙しい今日このごろです。
でも、夢を求めれば、老いた身も若返りますね。
このようなことを言っておれば実に意気に感じる、今日の一日です。
日本列島、その目で確かめれば、人材豊富、夢いっぱいの人々がいっぱいいますよ。
次々と展開する夢物語が我が老骨に生気を広げます。
「元気を出しなさい。今の世の中、決して捨てたものではない。田舎へ行こう。宝を掘り起こそう」
★ 他の若者たちより、私が口酸っぱく、そのことを我が5人の孫に強調しています。
私が、この岡山の山奥で、語り合う若者たちは生き生きしています。
10年ほど前、高校を出たもののサラリーマンに馴染まず、オートバイで全国各地を走り回っていた一人の青年。吉備高原にやって来てすっかり気に入り、立ち寄ったガソリン・スタンドでアルバイト生活をはじめ、やがて農地を借りて野菜や果樹の栽培を始め、土地の女性と結婚して、今では地元の若者たちを引っ張っている農業指導者になりました。
フト、周りを見回すと、優れた若者が随分、いるではないか。田舎を訪れ、この青年たちと交われ!
★ 本当に田舎には素晴らしい人物がいます。それも、奇想天外な夢を描く人々・・・
都会の人々は、あまりご存知ありませんが、私が以前、勤めていた「毎日新聞」は、戦後復興時代に、政府が農業国から工業国へと国の政策を大転換した頃に、「農業経営面・生活面で、高い収益と快適な生活を実現し、地域に大きな影響を与えている農業者の育成」を掲げ、「農業コンクール」を始めました。そして昭和27年(1952)から全国各地を回って入賞者を表彰する「農業コンクール全国大会」を開いて、新時代の農業振興を呼びかけてきました。
★ 回を重ねて今年の愛知県豊橋大会は「56回目」 中でも、注目を集めたのが、”奇想天外”な新農業を開発した京都府南山城村の西窪武さんの「牧草ビジネス」。これには、農業のベテランたちもアッと驚いたようです。日本でたった一つのユニークな農業ビジネス。これは確かに目を瞠るものがあります。ばら色の夢を日本列島に広げてくれる物語です。
★ 「牧草ビジネス」?? ちょっと農業と結びつかないかんじですが、”お客さん”は全国13の動物園やサーカス団にいる草食動物たち。《農業と飼料》といえば、酪農や畜産、養鶏を思い浮かべるのが普通でしょうが、、西窪さんは、動物園やサーカスの動物の食料確保に目をつけました。従来の畜産農家ではちょっと思いつかない、”発想の大転換”
★ 渡米し、アメリカの大規模酪農で13カ月間、研修しているうちに、日本で飼料作物を栽培したいという夢を抱くようになりました。しかし、飼料作物を栽培してみても輸入飼料に太刀打ちできるか、どうか? お客がつかないと構想倒れです。悶々としていた時に、京都市動物園が飼料の調達先を探しているという話が耳に入った。
★ 京都の冬の底冷えは有名です。動物園では冬場の飼料調達が難題で、その打開策を模索中でした。そこで、「冬でも飼料を作れる」と売り込み初めて3カ月分の契約に成功しました。
★ 23年前の1984年のこと。そこにいる動物たちに必要な成分、含まれてはいけない成分を飼育係から徹底的に教わり、自らも研究の没頭。しかし要求される多量の飼料は、自作牧場だけではとても賄いきれるものではありません。栽培不可能なレッサーパンダ用の竹を耕作放棄地や里山に探しに行く。
★ 農薬や機械は使わず、カマで飼料を刈り取る。多種・多様の動物に合わせた多品種少量生産。これまでの大型指向農業の発展とは全く逆の農業経営です。自分が供給した飼料で動物の体調を崩してはオシマイ。強い責任感で「24時間365日25年間、緊張の毎日だった」と西窪さんは述懐しておられます。
★ しかし、見よ!
ここに完成した新農業。西窪さんが開発したその新しい”牧草ビジネス”は、動物園やサーカスの動物たちの食料安定供給を100パーセント自給率の理想を実現したのでした。なんという偉業!
★ 「研究室も夏休み、明日、帰郷します。2,3日すれば、岡山へ遊びに行くのでお楽しみに・・・」
都会の大学、大学院に学ぶ孫たちも、月末には孫たちもここに集うようです。
またヒト講釈してやらねばなりません。
★ 「いいか、これからの環境循環型社会・・・都会の学校で学んだ知識をアタマに貯めるだけではダメだ。2500年前に孔子も仰った。”学びて時に習う。愉しからずや” 学んだことは、書斎にこもって温めるな。田畑・山林・海に出て考えろ。フィールドにはホンモノがいっぱいある。」
◎ いいかね。しっかり聴いておくれ。これは、爺ちゃんの遺言だ。
★ 本だけ開いて得た生半可な知識で、ワケシリ顔で生きてはならぬ。若い者が、安楽いすに腰掛け、スナックつまみながら、鼻持ちならぬ概念転がしで「世の中なるようにしかならぬ」などとほざくな。
”ワケ知り顔”にトリスマシた20歳台のシラケ若年寄り・・・・
それに向かって、広がるばら色の夢を、熱っぽく語り続ける77歳万年青年・・・・
分かるかネ? この哀愁の風景の珍。 分からねば、一考を。
★ 一くさり、孫にモノ申すにも説得力が必要です。
裏付けのネタ集めに忙しい今日このごろです。
でも、夢を求めれば、老いた身も若返りますね。
このようなことを言っておれば実に意気に感じる、今日の一日です。
日本列島、その目で確かめれば、人材豊富、夢いっぱいの人々がいっぱいいますよ。
次々と展開する夢物語が我が老骨に生気を広げます。
by zenmz
| 2007-07-22 13:12
| 奴雁の目