2007年 07月 31日
【7351】 《食は医薬に勝る》 |
★ 動植物・人間、すべて「生物」と言いますね。つまり「いのち」あるものの総称です。それらすべてに共通する「いのち」とは何か? それを想うことが多くなったのも、喜寿を迎えたトシなのでしょうか。それは決して、「人間とは何か?」といった実存の意味を問うような哲学的なものではありません。
★ 思いの行き着くところは、実に単純です。「自ら動くもの」。「いのち」誕生は神秘に包まれ、私の想いが踏み込める世界ではありませんが、一旦、この世に「いのち」が誕生すると、不思議な力が「自らを動かし」ます。それは、一つの細胞から天体の大宇宙まで貫く自然の摂理・・・「万物流転」によって生育します。
★ 一つの生体の中で始まるのが代謝(たいしゃ) 体外から取り込んだ物質をエネルギーにして動き、それによって数多くのを必要な他の物質を獲得し、それを合成しつつ、古いものを新しいものに次々と入れ替えて行きます。これがいわゆる「新陳代謝」 代謝の道筋は実に複雑。生物学は「解糖系、β酸化、TCA回路、電子伝達系などがある」と解説しています。
★ 生化学の本をみれば、細胞内の物質変換の複雑な機構は、呼吸、発酵、光合成の3つの作用で、それぞれの生体が必要とするすべての新物質を合成し、供給する・・・誠に舌を巻くばかりです。中でも、外部の無機物を取り込み、有機物に構築して、最終的には生体高分子さらには増殖を行なう過程・・・更に炭素、窒素、硫黄は豊富に存在している水と化合し、生体高分子の単量体であるヌクレオチド、アミノ酸、糖などの有機物を生合成する。
★ 食生化学は、その形成過程を、化学チャートで解析し、それを顕微鏡で確認しながら細かく解明していく学問なのですね。それを理解するには、かなり高度の化学知識が必要で、とても歯が立ちませんが、説明を見るだけで、「いのち」創造を見る感動さえ覚えます。
★ しかし、私たちは、毎日、いっときも呼吸を欠かさず、渇きと飢えを満たす。食欲が促すままに口にする水に始まる食物のすべては、この「いのちの造化」に関わります。体内を巡る「万物流転」 そして始まる絶妙の「新陳代謝」 食生化学は、その壮大なドラマを解明して見せます。辻啓介博士は、その第一人者。
★ 俗に「医食同源」などと言いますが、生化学から見れば、「薬物」は「生体外物質」。 多くの場合、不要のものとして分解・排泄する代謝が働いているのですね。だから、”正常な”食物こそが重要。”薬”は、「毒をもって毒を制する」荒療治でしか無いのですね。
今朝の述懐の背景には、その重厚な研究業績のあることを想います。
【お断り】
辻啓介博士が、4月1日から「毎日新聞」朝刊に連載してこられた【200字Health随想】は、本日で完結しました
私の連載【食生活・今日の一戒】は、毎朝、辻随想を拝見して、自分の食生活を点検し、心に浮かぶよしなきことを書き綴ってきました。
辻博士の連載終了に伴い、明日からは、構想を改めて、【食生活・今日の一戒】を継続いたします。ご了承ください。
★ 思いの行き着くところは、実に単純です。「自ら動くもの」。「いのち」誕生は神秘に包まれ、私の想いが踏み込める世界ではありませんが、一旦、この世に「いのち」が誕生すると、不思議な力が「自らを動かし」ます。それは、一つの細胞から天体の大宇宙まで貫く自然の摂理・・・「万物流転」によって生育します。
★ 一つの生体の中で始まるのが代謝(たいしゃ) 体外から取り込んだ物質をエネルギーにして動き、それによって数多くのを必要な他の物質を獲得し、それを合成しつつ、古いものを新しいものに次々と入れ替えて行きます。これがいわゆる「新陳代謝」 代謝の道筋は実に複雑。生物学は「解糖系、β酸化、TCA回路、電子伝達系などがある」と解説しています。
★ 生化学の本をみれば、細胞内の物質変換の複雑な機構は、呼吸、発酵、光合成の3つの作用で、それぞれの生体が必要とするすべての新物質を合成し、供給する・・・誠に舌を巻くばかりです。中でも、外部の無機物を取り込み、有機物に構築して、最終的には生体高分子さらには増殖を行なう過程・・・更に炭素、窒素、硫黄は豊富に存在している水と化合し、生体高分子の単量体であるヌクレオチド、アミノ酸、糖などの有機物を生合成する。
★ 食生化学は、その形成過程を、化学チャートで解析し、それを顕微鏡で確認しながら細かく解明していく学問なのですね。それを理解するには、かなり高度の化学知識が必要で、とても歯が立ちませんが、説明を見るだけで、「いのち」創造を見る感動さえ覚えます。
★ しかし、私たちは、毎日、いっときも呼吸を欠かさず、渇きと飢えを満たす。食欲が促すままに口にする水に始まる食物のすべては、この「いのちの造化」に関わります。体内を巡る「万物流転」 そして始まる絶妙の「新陳代謝」 食生化学は、その壮大なドラマを解明して見せます。辻啓介博士は、その第一人者。
★ 俗に「医食同源」などと言いますが、生化学から見れば、「薬物」は「生体外物質」。 多くの場合、不要のものとして分解・排泄する代謝が働いているのですね。だから、”正常な”食物こそが重要。”薬”は、「毒をもって毒を制する」荒療治でしか無いのですね。
今朝の述懐の背景には、その重厚な研究業績のあることを想います。
《食は医薬に勝る》
○ 私(辻啓介博士)の「いきいき今日の一言」は、「医は食にあり」(4月1日)で始まり、1日も休まず続けて4ヶ月。改めて、食の重要性を感じている。
○ 毎日の食事で、私たちのからだは徐々に更新されている。その更新や代謝がうまくいかないと、病気になり、医薬に頼るようになる。
○ 食の効用には予防的な意義がある。
○ 例えば、ビタミンをとらないと、ある種の病気になる。食べているうちは、その病気が防げる。
○ 元気で、健康であるために、食は、最も重要な生活因子である、と確信している。
【お断り】
辻啓介博士が、4月1日から「毎日新聞」朝刊に連載してこられた【200字Health随想】は、本日で完結しました
私の連載【食生活・今日の一戒】は、毎朝、辻随想を拝見して、自分の食生活を点検し、心に浮かぶよしなきことを書き綴ってきました。
辻博士の連載終了に伴い、明日からは、構想を改めて、【食生活・今日の一戒】を継続いたします。ご了承ください。
by zenmz
| 2007-07-31 08:53
| 食生活:今日の一戒