2008年 06月 22日
【8089】 大阪再生・・・子どもが笑う街 |
★ 今日も、アホ談義を続けます。
それと、言うのも、日本語を教えているアメリカ娘が、「大阪へ行った」と言うので、「どこへ行ったの?」と訊ねましたら、何と、何と! 「ツウテンカク。面白かったデース」
たったの一泊旅行で、すっかり大阪ファンになっていました。
★ 「それは大正解だったね」 ・・・ 私は、雄弁に我が「オオサカ慕情」を語り聞かせました。ことのついでですから、それもここに記録し、ご披露します。 関西弁とそれが織りなす人間関係。それを知るには、”ナニワのオバハン”と実際に会うのが、一番、分かりよいです。
★ 何しろ名物《ヨシモト”笑売”》サポーター鉱脈の中で突出しているのがこの女性軍です。その天王山が、大阪ミナミ・浪速の新世界に立つ通天閣。 この界隈で一日過ごせば、寄席よりリアルな純ナマのナニワ弁文化に浸れます。
★ 出会う人は、だれもが、タテマエ抜きのホンネ丸出し。先ず、着ている衣装、お化粧はそれぞれにユニーク、全然、人目など気にしないで自由に装われた完璧な自己主張型です。
★ このオバハンたちに、ちょっと構えたモノ言いをしようものなら、「ヘェー、何と、コーヘー(公平)ナ!」と軽くいなされます。続く「タテマエばかり並べて、何、ゴタゴタ、ヌかしトルネン」が省略されているのですが、大阪の人ならその含意、誰でも分かります。
★ そこへ行くと、本当に気易い気分になる・・・自然に醸し出されるその雰囲気が、国境超えて人々を惹きつけるのでしょうか。心斎橋-四つ橋-天王寺-日本橋と巡るミナミ一帯の裏町は今、外国人のコミューンになっています。
★ 表通りは気取った大都会ですが、ちょっと裏通りに入ると、外国語が氾濫するゴチャ街。ただ大阪弁がしっかり支配しています。 「オモロイヤンカ!」 「オモロイデ!」 お互いタテマエ抜きのホンネを確認しあうと、異常なまでに盛り上がります。
★ 「ちょっと下品な笑いが取り持つ人間関係」 ・・・・ 哲学者カントが喝破し、話術の天才、桂枝雀が絶賛した”笑いの緊緩作用”はここで確実に確認出来ます。見知らぬ者同士が、冷やかしあい、からかいあいしながらハラを立てることなく笑いあって人間の絆を結ぶ。大阪・ミナミはそんな所です。
◎ 「ワカル、ワカります、オオサカの人、みんな、オープン、良いです。大好き。見て下さい、ワタシ、友達とプリグラ、撮りました」 何と、オオサカ土産は、通天閣で、同伴したオーストラリア娘と二人並んで撮ったプリグラ・ツーショットでした。
「アメリカに無いです。両親に送って、手紙を書きます。オオサカ大好き!」だ、とか!?
**********
★ 「笑いの風土が何を生み出すか? 本当に知らねばならぬのは、そのことだね」
実は、このアメリカ娘はテレビのバカ番組に批判的です。それと、ナニワの笑い文化を同一視されてはかなわない。それを懸念して、私は、少し、真面目に“ナニワ文化”を語りました。
★ 「大阪の笑いは地方文化のエスプリ。それは何を生み出しつつあるのか? 例えば、今、大阪の大学では・・・・」
ついつい講義調になりましたが、その話の概要を、以下にまとめておきます。
★ 関西大学は、日本で初めて「笑い」をテーマにした正規授業を始めた大学です。落語家・桂文珍さんを講師に始まった”落語的学問”は笑いをテーマにした実演入りで教室は満員となりました。
★ もうかれこれ20年も前の話ですが、その講義をまとめた著作は、「文珍流・落語への招待」 「 落語的学問のすすめ」「落語的学問のすすめPARTⅡ」 「日本の大学―この国の若者は、こんなんでっせ」として次々と公刊され、大変、注目されました。笑いが学問の対象として登場したのは、これが最初です。
★ その門戸を開いたこの大学の笑いへの取り組みは今も続いています。代表的な二つの話題をご紹介しましょう。関西大学は、既に、「笑いの総合科学をめざして」と題する新しい講義(テーマ・スタディ)を全学の学生向けに開設しています。全学挙げて笑い研究に関心を持つようにカリキュラムを組んでいる大学は未だ他にはありません。
★ 2年前の秋に「笑いの総合的解明をめざす科学研究プロジェクト」発足を記念して、公開シンポジウム『笑い講の儀』を行い、世間をアッといわせました。そのメイン・テーマは「ヒトはなぜ笑うのか ――笑いの総合科学をめざして―― 」
本気で取り組む、と、世界の学会に向けての決意表明メッセージでもありました。
★ そして、今年の春。「コミュニケーション論」の木村洋二教授が「アッハ(aH)」という”笑い”を数値で表した実証的研究を公開し、世間をアッといわせました。”笑い”という得体のしれない行為を、(aH)という単位で計る「笑い測定機」を開発して、公開して見せたのです。
それは、笑いの構造解明とも言うべき、ユニークなもので、誰もが驚きました。
★ 木村教授によると、”学問レベル”で解明できた決め手は横隔膜の動きだそうです。横隔膜は、声や表情で”みつくろい”の笑いを装っても絶対に振動しないで、本当に笑った時にだけ、毎秒2~5個の極めて特徴的な振動波を発生させる、のだそうです。そのことを、初めて突き止めた木村教授の研究グループは、この振動波を識別、抽出して独特の単位(aH)を考案しました。
★ そして1年間をかけて、この振動波の動きで笑いの種類とその量を判断する測定装置を開発した、というワケです。その研究の結果概要を一覧表にすると、こうなります。
★ 木村教授のグループは、笑いの量を手軽に計測することで、笑いと免疫機能に関する研究に役立つ、と、その学問的意味づけをしています。笑いの効用は、ただ単に人間関係を良くするだけではありません。健康上、優れた効用があることは医学界でも定説です。
★ 笑いによって自律神経の頻繁な切り替えが起り、ストレスが解消される。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)が活性化しガンの予防と治療の効果がある。神経ペプチド(免疫機能活性化ホルモン)が全身に分泌される。血液中の酸素を増し、さらに心臓によい影響を与え、循環器疾患の治療に応用されている・・・等など。が、しかし、それは、表向きのオハナシ。
★ この”珍”学問、ホンマに笑えるのは・・・・同時に明らかにされたホンネの部分。この研究には、“笑いの殿堂”吉本興業が大乗気で全面的な協力体制もすでに構築済みとか。「お笑いオオサカ」再活性化の基盤整備に・・・押さえる所はキチンと抑えてあります。
★ 更に「子供が笑う街」を、と訴える橋下徹大阪府知事とのコラボを視野に入れて、この機械を一般向けに売り出す計画。もう特許申請を終えて、商品化へ・・・地盤沈下で意気消沈の大阪浮上の仕掛けもちゃんと計算されている、のです。
★ 学問しながら、そろばん片手にパチパチと・・・笑いがこみ上げて来ますね。ナニワの大学と、そこの学者、さすがですねぇー。でも、すばらしい発想です。笑いは大阪のイノチですから。
エライやっチャ! エライやっチャ ヨイヨイヨイヨイ!
こんなのを見ると、関西人には太閤さんを称えたお囃子が自然と聞こえて来ます。
パチパチ。私も中国山脈の山奥から両手を叩いて、敬意を込めたささやかな拍手を送ります。
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** ご挨拶 **
ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
それと、言うのも、日本語を教えているアメリカ娘が、「大阪へ行った」と言うので、「どこへ行ったの?」と訊ねましたら、何と、何と! 「ツウテンカク。面白かったデース」
たったの一泊旅行で、すっかり大阪ファンになっていました。
★ 「それは大正解だったね」 ・・・ 私は、雄弁に我が「オオサカ慕情」を語り聞かせました。ことのついでですから、それもここに記録し、ご披露します。 関西弁とそれが織りなす人間関係。それを知るには、”ナニワのオバハン”と実際に会うのが、一番、分かりよいです。
★ 何しろ名物《ヨシモト”笑売”》サポーター鉱脈の中で突出しているのがこの女性軍です。その天王山が、大阪ミナミ・浪速の新世界に立つ通天閣。 この界隈で一日過ごせば、寄席よりリアルな純ナマのナニワ弁文化に浸れます。
★ 出会う人は、だれもが、タテマエ抜きのホンネ丸出し。先ず、着ている衣装、お化粧はそれぞれにユニーク、全然、人目など気にしないで自由に装われた完璧な自己主張型です。
★ このオバハンたちに、ちょっと構えたモノ言いをしようものなら、「ヘェー、何と、コーヘー(公平)ナ!」と軽くいなされます。続く「タテマエばかり並べて、何、ゴタゴタ、ヌかしトルネン」が省略されているのですが、大阪の人ならその含意、誰でも分かります。
★ そこへ行くと、本当に気易い気分になる・・・自然に醸し出されるその雰囲気が、国境超えて人々を惹きつけるのでしょうか。心斎橋-四つ橋-天王寺-日本橋と巡るミナミ一帯の裏町は今、外国人のコミューンになっています。
★ 表通りは気取った大都会ですが、ちょっと裏通りに入ると、外国語が氾濫するゴチャ街。ただ大阪弁がしっかり支配しています。 「オモロイヤンカ!」 「オモロイデ!」 お互いタテマエ抜きのホンネを確認しあうと、異常なまでに盛り上がります。
★ 「ちょっと下品な笑いが取り持つ人間関係」 ・・・・ 哲学者カントが喝破し、話術の天才、桂枝雀が絶賛した”笑いの緊緩作用”はここで確実に確認出来ます。見知らぬ者同士が、冷やかしあい、からかいあいしながらハラを立てることなく笑いあって人間の絆を結ぶ。大阪・ミナミはそんな所です。
◎ 「ワカル、ワカります、オオサカの人、みんな、オープン、良いです。大好き。見て下さい、ワタシ、友達とプリグラ、撮りました」 何と、オオサカ土産は、通天閣で、同伴したオーストラリア娘と二人並んで撮ったプリグラ・ツーショットでした。
「アメリカに無いです。両親に送って、手紙を書きます。オオサカ大好き!」だ、とか!?
**********
★ 「笑いの風土が何を生み出すか? 本当に知らねばならぬのは、そのことだね」
実は、このアメリカ娘はテレビのバカ番組に批判的です。それと、ナニワの笑い文化を同一視されてはかなわない。それを懸念して、私は、少し、真面目に“ナニワ文化”を語りました。
★ 「大阪の笑いは地方文化のエスプリ。それは何を生み出しつつあるのか? 例えば、今、大阪の大学では・・・・」
ついつい講義調になりましたが、その話の概要を、以下にまとめておきます。
★ 関西大学は、日本で初めて「笑い」をテーマにした正規授業を始めた大学です。落語家・桂文珍さんを講師に始まった”落語的学問”は笑いをテーマにした実演入りで教室は満員となりました。
★ もうかれこれ20年も前の話ですが、その講義をまとめた著作は、「文珍流・落語への招待」 「 落語的学問のすすめ」「落語的学問のすすめPARTⅡ」 「日本の大学―この国の若者は、こんなんでっせ」として次々と公刊され、大変、注目されました。笑いが学問の対象として登場したのは、これが最初です。
★ その門戸を開いたこの大学の笑いへの取り組みは今も続いています。代表的な二つの話題をご紹介しましょう。関西大学は、既に、「笑いの総合科学をめざして」と題する新しい講義(テーマ・スタディ)を全学の学生向けに開設しています。全学挙げて笑い研究に関心を持つようにカリキュラムを組んでいる大学は未だ他にはありません。
★ 2年前の秋に「笑いの総合的解明をめざす科学研究プロジェクト」発足を記念して、公開シンポジウム『笑い講の儀』を行い、世間をアッといわせました。そのメイン・テーマは「ヒトはなぜ笑うのか ――笑いの総合科学をめざして―― 」
本気で取り組む、と、世界の学会に向けての決意表明メッセージでもありました。
★ そして、今年の春。「コミュニケーション論」の木村洋二教授が「アッハ(aH)」という”笑い”を数値で表した実証的研究を公開し、世間をアッといわせました。”笑い”という得体のしれない行為を、(aH)という単位で計る「笑い測定機」を開発して、公開して見せたのです。
それは、笑いの構造解明とも言うべき、ユニークなもので、誰もが驚きました。
★ 木村教授によると、”学問レベル”で解明できた決め手は横隔膜の動きだそうです。横隔膜は、声や表情で”みつくろい”の笑いを装っても絶対に振動しないで、本当に笑った時にだけ、毎秒2~5個の極めて特徴的な振動波を発生させる、のだそうです。そのことを、初めて突き止めた木村教授の研究グループは、この振動波を識別、抽出して独特の単位(aH)を考案しました。
★ そして1年間をかけて、この振動波の動きで笑いの種類とその量を判断する測定装置を開発した、というワケです。その研究の結果概要を一覧表にすると、こうなります。
大笑い(わっはっは) 振動場所は、横隔膜 大頬骨筋 腹筋
含み笑い(くすくす) 振動場所は、横隔膜 大頬骨筋
こらえ笑い(くっくっくっく) 振動場所は、横隔膜 腹筋
吹き出し笑い(ぷっ) 振動場所は、横隔膜
作り笑い(がッハッハッハ) 振動場所は 大頬骨筋 腹筋
愛想笑い(にやにや) 振動場所は、大頬骨筋
から笑い(かっかっか) 振動場所は、腹筋
★ 木村教授のグループは、笑いの量を手軽に計測することで、笑いと免疫機能に関する研究に役立つ、と、その学問的意味づけをしています。笑いの効用は、ただ単に人間関係を良くするだけではありません。健康上、優れた効用があることは医学界でも定説です。
★ 笑いによって自律神経の頻繁な切り替えが起り、ストレスが解消される。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)が活性化しガンの予防と治療の効果がある。神経ペプチド(免疫機能活性化ホルモン)が全身に分泌される。血液中の酸素を増し、さらに心臓によい影響を与え、循環器疾患の治療に応用されている・・・等など。が、しかし、それは、表向きのオハナシ。
★ この”珍”学問、ホンマに笑えるのは・・・・同時に明らかにされたホンネの部分。この研究には、“笑いの殿堂”吉本興業が大乗気で全面的な協力体制もすでに構築済みとか。「お笑いオオサカ」再活性化の基盤整備に・・・押さえる所はキチンと抑えてあります。
★ 更に「子供が笑う街」を、と訴える橋下徹大阪府知事とのコラボを視野に入れて、この機械を一般向けに売り出す計画。もう特許申請を終えて、商品化へ・・・地盤沈下で意気消沈の大阪浮上の仕掛けもちゃんと計算されている、のです。
★ 学問しながら、そろばん片手にパチパチと・・・笑いがこみ上げて来ますね。ナニワの大学と、そこの学者、さすがですねぇー。でも、すばらしい発想です。笑いは大阪のイノチですから。
エライやっチャ! エライやっチャ ヨイヨイヨイヨイ!
こんなのを見ると、関西人には太閤さんを称えたお囃子が自然と聞こえて来ます。
パチパチ。私も中国山脈の山奥から両手を叩いて、敬意を込めたささやかな拍手を送ります。
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** ご挨拶 **
ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
by zenmz
| 2008-06-22 00:00
| 言霊