2008年 06月 29日
【8096】 いま再び、「まぼろしの邪馬台国」 |
★ 評判だったNHKのTVドラマ「バッテリー」、毎週木曜日になると、見入ってきました。ヒロイン役で初登場の14歳の女優、宮崎香蓮さんを見るためです。未だ中学生の素人がいきなりNHKのゴールデン・アワーでデビューした、その話題性のためではありません。
★ 実は、長崎県島原市の盲目の作家・故宮崎康平さんのお孫さん、と知って、俄然、興味がわいたのです。城山三郎さんの名著『盲人重役』のモデルであり、自らも「まぼろしの邪馬台国」を著して、全国に「邪馬台国ブーム」を巻き起こした有名人です。今、還暦以上の年配の方ならどなたもご存じでしょう。
★ 大和朝廷成立以前に日本に”邪馬台国”という国があった、ということは学者の間では知られていましたが、「それは九州・島原にあった」という新説を打ち出したのが『まぼろしの邪馬台国』でした。たちまち注目を集めて新設されたばかりの「吉川英治文化賞」を受賞しました。40年前の昭和42年(1967)のことです。
★ 実は、その後、一度だけ、宮崎さんとお会いし、どうして邪馬台国が島原と言えるのか? その確信を得るに至った経緯のお話を取材したことがあります。当時、私は、毎日新聞が発行している全盲者向けの点字新聞の編集長に就任したばかりでした。
★ 私は、盲目の方が古文書も読めないであろうに、このような奇抜なアイディアを持ち出し、世の中に一大旋風を巻き起こしていることを怪しんでいました。そこでお訪ねして、率直にその事をお訊ねしたのです。
★ 宮崎さんのお答えは、実に明快でした。
★ 新聞記者の仕事は、書いた原稿の量よりも、使った名刺の量、つまり会った人の数で訓練されます。現場を踏んで、関係者に会う。俗に言う「記事は足で書く」のが基本。ですから人に会うのが商売ですが、実を申しまして、いつまでも感動と共に記憶している方は案外、少ないものです。私の場合、その少ないお一人が宮崎康平さんでした。
★ その孫娘が、今、売り出し中の宮崎香蓮さん。しかも、宮崎さん夫妻の愛と苦闘の旅路を描いた映画「まぼろしの邪馬台国」が現在、制作中だと知りました。宮崎さんを演ずるのは竹中直人さん、妻・和子さんを吉永小百合さん、そして、和子さんの少女時代を宮崎香蓮さんが演ずる、と言うのです。
★ 映画は東映の制作で、監督:堤幸彦、脚本:大石静 キャストは、吉永、竹中、両氏に加えて江守徹、風間トオルなど豪華メンバーをそろえています。封切りも今年11月1日だ、と知りました。地元島原では、市長以下、市民各層挙って支援グループも出来て、撮影は着々と進んでいるようですが、何よりも、私にとってうれしい朗報は、和子夫人が今も健在で、映画の完成を楽しみにしておられることでした。
★ 宮崎香蓮さんをテレビで見ながら、和子夫人と宮崎さんの面影を思い浮かべ、私は、今は亡き盲目作家のたぎる情熱と、それを支えきった妻の愛情の二重奏が蘇らせた日本古代史の歴史のロマンを再び思い起こして、感動を新たにしています。映画の封切りが待ち遠しいです。
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** ご挨拶 **
ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
★ 実は、長崎県島原市の盲目の作家・故宮崎康平さんのお孫さん、と知って、俄然、興味がわいたのです。城山三郎さんの名著『盲人重役』のモデルであり、自らも「まぼろしの邪馬台国」を著して、全国に「邪馬台国ブーム」を巻き起こした有名人です。今、還暦以上の年配の方ならどなたもご存じでしょう。
★ 大和朝廷成立以前に日本に”邪馬台国”という国があった、ということは学者の間では知られていましたが、「それは九州・島原にあった」という新説を打ち出したのが『まぼろしの邪馬台国』でした。たちまち注目を集めて新設されたばかりの「吉川英治文化賞」を受賞しました。40年前の昭和42年(1967)のことです。
★ 実は、その後、一度だけ、宮崎さんとお会いし、どうして邪馬台国が島原と言えるのか? その確信を得るに至った経緯のお話を取材したことがあります。当時、私は、毎日新聞が発行している全盲者向けの点字新聞の編集長に就任したばかりでした。
★ 私は、盲目の方が古文書も読めないであろうに、このような奇抜なアイディアを持ち出し、世の中に一大旋風を巻き起こしていることを怪しんでいました。そこでお訪ねして、率直にその事をお訊ねしたのです。
★ 宮崎さんのお答えは、実に明快でした。
「学者の古代史研究は、文字に拘り過ぎている。古代史に出てくる地名はもともとすべて当て字。それに惑わされ混迷に陥っている。古代史を読み解く正しい方法は、残された古文書の一つ一つの音の意味と、その関連性を探ることだ。私の結論は、そのようにして出てきた」★ そして、驚いたのは、根気よく、宮崎さんの疑問解きに文献資料の検索と、その音読を続けたのが脇に同席しておられた和子夫人だったのです。夫妻は、九州各地を旅して遺跡や出土品を実際に手に触れて吟味し、文字通り”手探り”の実証を積み重ねて「邪馬台国は島原にあった」という推論に達したのでした。
★ 新聞記者の仕事は、書いた原稿の量よりも、使った名刺の量、つまり会った人の数で訓練されます。現場を踏んで、関係者に会う。俗に言う「記事は足で書く」のが基本。ですから人に会うのが商売ですが、実を申しまして、いつまでも感動と共に記憶している方は案外、少ないものです。私の場合、その少ないお一人が宮崎康平さんでした。
★ その孫娘が、今、売り出し中の宮崎香蓮さん。しかも、宮崎さん夫妻の愛と苦闘の旅路を描いた映画「まぼろしの邪馬台国」が現在、制作中だと知りました。宮崎さんを演ずるのは竹中直人さん、妻・和子さんを吉永小百合さん、そして、和子さんの少女時代を宮崎香蓮さんが演ずる、と言うのです。
★ 映画は東映の制作で、監督:堤幸彦、脚本:大石静 キャストは、吉永、竹中、両氏に加えて江守徹、風間トオルなど豪華メンバーをそろえています。封切りも今年11月1日だ、と知りました。地元島原では、市長以下、市民各層挙って支援グループも出来て、撮影は着々と進んでいるようですが、何よりも、私にとってうれしい朗報は、和子夫人が今も健在で、映画の完成を楽しみにしておられることでした。
★ 宮崎香蓮さんをテレビで見ながら、和子夫人と宮崎さんの面影を思い浮かべ、私は、今は亡き盲目作家のたぎる情熱と、それを支えきった妻の愛情の二重奏が蘇らせた日本古代史の歴史のロマンを再び思い起こして、感動を新たにしています。映画の封切りが待ち遠しいです。
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** ご挨拶 **
ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
by zenmz
| 2008-06-29 11:01
| 一期一会