2008年 08月 13日
【8141】 ある天才の夭折--R・パウシュ教授逝く |
★ 3Dアニメーションの天才・ランディー・パウシュさんが亡くなられた!
迂闊でした。先ほど、溜まった新聞の整理をしていて初めて知りました。米カーネギーメロン大学コンピューターサイエンス学部の教授。と言うより、3Dアニメーションの作成システム「Alice」の開発者として世界に知られています。アニメ好きな若い人ならだれでも知っているでしょう。
★ 慌てて、同教授のホームページを開いてみました。詳細な闘病記が公開されています。そして・・・最新日記のページ:
★ ランディー・パウシュの名を全米に知らしめたのは、同教授が、自分の終焉を見つめて、2007年9月にカーネギーメロン大学で行った”Last Lecture”(最後の授業)と題した名講義のためでした。
★ 「私は、この最後の講義で、死に打ち勝つ、というような話をする積もりはありません」
との前言葉で始まるこの講義は、インターネットを通じて世界に公開され、淡々とした語り口が国境を越えて世界の人々の心を捉えました。
「ガンに冒され余命僅か。それが現実。現実は変えられない。だから現実の受け止め方を変えます」
★ 副題に「子供の頃の夢を本気で実現すること」と題されたその講義の中で パウシュ教授は、もともとプロのアメフト選手になりたかった、無重力を体験し、ウォルトディスニー遊園地の乗り物を仮想現実で作りたい・・・自分自身の子供時代の夢を実現するために行ったさまざまな努力をユーモアたっぷりに語り始めます。
★ プレゼンテーションの最初には、自身をむしばむ巨大な腫瘍を示すPET画像を映し出し、自分が人生の終焉にある冷酷な事実を見せます。水をうったように静まりかえった聴衆・・・と、その時、「だがこの通り元気」と、腕立て伏せのかなり過激な運動をやって見せ、聴衆をヤンヤ沸かせます。
★ 新しい挑戦に次々と立ちはだかる障害物。どんな困難にあっても夢を追い続ける明るい人柄。深刻な話題も笑いが絶えない。コンピュータ・サイエンスの博士号を持ちながらも、当初は、どこの大学からも相手にされなかった苦悩を述べながら、その障害を乗り越え、新しい学問の道を切り開いた道筋をユーモアたっぷりに語っています。
★ バーチャル(仮想現実)研究の先駆者であり、アーティストと技術者と研究者を融合した「Entertainment Technology Center」(大学院大学)の創設者。3DソフトAliceの開発者として輝かしい未来を約束された、その頂点で、宣告されたガン。 その時、自らの終焉を見つめて、このように積極的、前向きに自分を語れる人は、そうありません。
★ この名講義は、後に続く若い学徒に向けた貴重な遺訓となりました。
その価値を発見したのは、Wall Street Journal紙の著名なコラムニス、トJeff Zaslow氏。出版を薦めで著者が存命中に出版され、全米でベストセラーになりました。
★ 日本語にも翻訳され、「最後の授業 ぼくの命があるうちに」 というタイトルで講談社から出版されていますので、私は、若い友人に「ゼヒ読んで」とお薦めしてきました。
逝去! 3週間近くも遅れて知ったショッキングなニュース。今日は、改めて、ネット上の情報を整理して見ました。
★ ビックリしました。何と、僥倖なことでしょう。74分の講義が日本語訳付きで見ることが出来ます。また、原語テキストもダウンロード出来ます。是非、こちらでナマに聴いて見て下さい。
★ そのように、しばしばまどろむ私の「真夏の夜の夢」は、熱夜の寝苦しさと共に混濁の中に迷い込んでしまいます。そんな私には、とりわけR・パウシュ教授のこの名講義は眩しいです。「”終焉の床でガン征圧”のバイブル」と評判が高い理由もよく分かります。
偉大な天才の遺訓・・・皆様にも是非、ご覧いただき、味わい深いお言葉を噛み締めながら、ご一緒にご冥福をお祈りしていただけたら、と願います。
** ご挨拶 **
ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
迂闊でした。先ほど、溜まった新聞の整理をしていて初めて知りました。米カーネギーメロン大学コンピューターサイエンス学部の教授。と言うより、3Dアニメーションの作成システム「Alice」の開発者として世界に知られています。アニメ好きな若い人ならだれでも知っているでしょう。
★ 慌てて、同教授のホームページを開いてみました。詳細な闘病記が公開されています。そして・・・最新日記のページ:
July 25th, 2008★ 2006年秋に膵臓ガンが見つかり、余命は数ヶ月、と宣告されていました。バージニア州の自宅で死去されたそうです。享年47歳。妻と幼い3児が残されました。誠に惜しまれる天才の夭折と言わねばなりません。
Randy died this morning of complications from pancreatic cancer. The CMU news story is here
《7月25日朝、膵臓がんに伴う合併症により死亡。詳細はThe CMU news storyで》
★ ランディー・パウシュの名を全米に知らしめたのは、同教授が、自分の終焉を見つめて、2007年9月にカーネギーメロン大学で行った”Last Lecture”(最後の授業)と題した名講義のためでした。
★ 「私は、この最後の講義で、死に打ち勝つ、というような話をする積もりはありません」
との前言葉で始まるこの講義は、インターネットを通じて世界に公開され、淡々とした語り口が国境を越えて世界の人々の心を捉えました。
「ガンに冒され余命僅か。それが現実。現実は変えられない。だから現実の受け止め方を変えます」
★ 副題に「子供の頃の夢を本気で実現すること」と題されたその講義の中で パウシュ教授は、もともとプロのアメフト選手になりたかった、無重力を体験し、ウォルトディスニー遊園地の乗り物を仮想現実で作りたい・・・自分自身の子供時代の夢を実現するために行ったさまざまな努力をユーモアたっぷりに語り始めます。
★ プレゼンテーションの最初には、自身をむしばむ巨大な腫瘍を示すPET画像を映し出し、自分が人生の終焉にある冷酷な事実を見せます。水をうったように静まりかえった聴衆・・・と、その時、「だがこの通り元気」と、腕立て伏せのかなり過激な運動をやって見せ、聴衆をヤンヤ沸かせます。
★ 新しい挑戦に次々と立ちはだかる障害物。どんな困難にあっても夢を追い続ける明るい人柄。深刻な話題も笑いが絶えない。コンピュータ・サイエンスの博士号を持ちながらも、当初は、どこの大学からも相手にされなかった苦悩を述べながら、その障害を乗り越え、新しい学問の道を切り開いた道筋をユーモアたっぷりに語っています。
★ バーチャル(仮想現実)研究の先駆者であり、アーティストと技術者と研究者を融合した「Entertainment Technology Center」(大学院大学)の創設者。3DソフトAliceの開発者として輝かしい未来を約束された、その頂点で、宣告されたガン。 その時、自らの終焉を見つめて、このように積極的、前向きに自分を語れる人は、そうありません。
★ この名講義は、後に続く若い学徒に向けた貴重な遺訓となりました。
その価値を発見したのは、Wall Street Journal紙の著名なコラムニス、トJeff Zaslow氏。出版を薦めで著者が存命中に出版され、全米でベストセラーになりました。
★ 日本語にも翻訳され、「最後の授業 ぼくの命があるうちに」 というタイトルで講談社から出版されていますので、私は、若い友人に「ゼヒ読んで」とお薦めしてきました。
逝去! 3週間近くも遅れて知ったショッキングなニュース。今日は、改めて、ネット上の情報を整理して見ました。
★ ビックリしました。何と、僥倖なことでしょう。74分の講義が日本語訳付きで見ることが出来ます。また、原語テキストもダウンロード出来ます。是非、こちらでナマに聴いて見て下さい。
日本語訳付き講義 英語テキスト(PDF版)★ トシを重ねますと、時々、自分が、この世にあった意味を問い直したくなる時があります。深夜、フト、目が覚めて、まどろみながら思うのは、もし”今”、人生最後の時となれば、子・孫に何を残すのか?
★ そのように、しばしばまどろむ私の「真夏の夜の夢」は、熱夜の寝苦しさと共に混濁の中に迷い込んでしまいます。そんな私には、とりわけR・パウシュ教授のこの名講義は眩しいです。「”終焉の床でガン征圧”のバイブル」と評判が高い理由もよく分かります。
偉大な天才の遺訓・・・皆様にも是非、ご覧いただき、味わい深いお言葉を噛み締めながら、ご一緒にご冥福をお祈りしていただけたら、と願います。
** ご挨拶 **
ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
by zenmz
| 2008-08-13 14:34
| ネット考現学