2008年 12月 21日
【8271】 人間の海鼠になりて冬籠る |
★ 今日は「冬至」 いよいよ本格的な冬籠(ふゆごもり)のシーズンです。節季ごとに古い習慣を生活の中に持ち続けているウチの老妻は、この日、必ず湯船にユズの実を浮かべます。ちょっと刺激臭のある芳香。それが鼻腔を広げて全身を温めます。
★ 昨夜も湯船に浸りながら、直前にテレビが映し出していた解雇され社宅を追い出された非正規雇用者の群れを今年の「冬至」の日に被せていました。暗いイメージが広がり、脳裏の片隅から出てきたのが、次の一句。
人間の海鼠(なまこ)になりて冬籠(ふゆこも)る 寅日子
★ 若い頃、私は、伝説の巨人として憧れた物理学者、寺田寅彦先生の随筆集に傾倒していた時期があります。著名な随筆の名文家でもありました。本名・吉村冬彦さん。旧制高校時代に夏目漱石から英語と俳句を学び、東大入学後は「子規庵句会」の常連として、俳号「寅日子」と称する俳人として一家を成したマルチ・タレントでありました。
★ この一句は、昭和の初めに世界経済大恐慌の時に謳われた名句です。正に今、我々がその恐怖の前に立ち竦んでいる世相そのままであった時代に謳われたもの。俳句歳時記には、季語「冬籠」の代表句として紹介されていますが、この一句が今年ほどピッタリ来る年はかつてなかったでしょう。
★ だが・・・イギリスの詩人、シェリーは、こうも言っています。
If winter comes, can spring be far behind?
「冬来たりなば、春遠からじ」
確かに! 「冬至」を境に、日脚は再び伸び始める。いわば今日がどん底。これより日一日、暗いどん底の暗闇から上昇に転じるターニングポイントでもあります。
陰がきわまって陽がまた戻ってくる転機・・・・・「”冬至”は一陽来復なり」とも言いますネ。
★ 思えば、今日が、1年のうちで暗い夜が一番、長い日。明日からは「一陽来復」 陰から陽へ・・主役は「陽」に移る。それが天の摂理。その転換点が「冬至」 そうとも言えるのではないか。ものは考えようで、悲観論を楽観論に変えることも出来よう・・・。
★ そうは言ってみても、実際に体感する気候は、これから厳寒に向かいます。実際に”春”を想うのは節分の頃。奈良 東大寺二月堂のお水取りまでは、じっと我慢の海底の”なまこ”のままかもしれませんね。
でも、谷深ければ山高し。2009年に希望の新年を念じましょう。
★ 政治も、経済も、動かすのは大衆の気分、ムードです。みんなが念じ、信じれば、「陽転」が加速するに違いありません。 ”動意”ムードを高めるのは金融庁や銀行ではない。食べる人、飲む人、動く人、働く人・・・人以外にありません。
==== いただいたコメント ====
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** ご挨拶 ** ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
私のネット生活に寄せる想いです。ご理解賜りたくご一読をお願い申し上げます。
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★ 昨夜も湯船に浸りながら、直前にテレビが映し出していた解雇され社宅を追い出された非正規雇用者の群れを今年の「冬至」の日に被せていました。暗いイメージが広がり、脳裏の片隅から出てきたのが、次の一句。
人間の海鼠(なまこ)になりて冬籠(ふゆこも)る 寅日子
★ 若い頃、私は、伝説の巨人として憧れた物理学者、寺田寅彦先生の随筆集に傾倒していた時期があります。著名な随筆の名文家でもありました。本名・吉村冬彦さん。旧制高校時代に夏目漱石から英語と俳句を学び、東大入学後は「子規庵句会」の常連として、俳号「寅日子」と称する俳人として一家を成したマルチ・タレントでありました。
★ この一句は、昭和の初めに世界経済大恐慌の時に謳われた名句です。正に今、我々がその恐怖の前に立ち竦んでいる世相そのままであった時代に謳われたもの。俳句歳時記には、季語「冬籠」の代表句として紹介されていますが、この一句が今年ほどピッタリ来る年はかつてなかったでしょう。
★ だが・・・イギリスの詩人、シェリーは、こうも言っています。
If winter comes, can spring be far behind?
「冬来たりなば、春遠からじ」
確かに! 「冬至」を境に、日脚は再び伸び始める。いわば今日がどん底。これより日一日、暗いどん底の暗闇から上昇に転じるターニングポイントでもあります。
陰がきわまって陽がまた戻ってくる転機・・・・・「”冬至”は一陽来復なり」とも言いますネ。
★ 思えば、今日が、1年のうちで暗い夜が一番、長い日。明日からは「一陽来復」 陰から陽へ・・主役は「陽」に移る。それが天の摂理。その転換点が「冬至」 そうとも言えるのではないか。ものは考えようで、悲観論を楽観論に変えることも出来よう・・・。
★ そうは言ってみても、実際に体感する気候は、これから厳寒に向かいます。実際に”春”を想うのは節分の頃。奈良 東大寺二月堂のお水取りまでは、じっと我慢の海底の”なまこ”のままかもしれませんね。
でも、谷深ければ山高し。2009年に希望の新年を念じましょう。
★ 政治も、経済も、動かすのは大衆の気分、ムードです。みんなが念じ、信じれば、「陽転」が加速するに違いありません。 ”動意”ムードを高めるのは金融庁や銀行ではない。食べる人、飲む人、動く人、働く人・・・人以外にありません。
冬来たりなば、春遠からじ、見よ! 太陽は、今日より「一陽来復」「冬至」を迎える今日は、ひとつ、楽しい受け止め方をして新年を夢みてみましょう。
==== いただいたコメント ====
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** ご挨拶 ** ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
私のネット生活に寄せる想いです。ご理解賜りたくご一読をお願い申し上げます。
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by zenmz
| 2008-12-21 00:00
| 現代社会論