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81歳老人の問わず語りです
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【8278】  幼子に詠唱して聞かせよう、美しき日本の言葉を
★ 今日は、昨日の日記の続きを語りたいと思います。
昨日の日記の最後に、私は、こう申しました。
押し被さる英語亡霊に苦しむ子どもたちを前に、
私は言ってやりたいです。
「英語はいいから美しい日本語を学びなさい」 と。


★ 今、年をとってから、このようなことを言うと、懐古趣味だ、国粋的だ、と批判を浴びそうな気もするのですが、私自身は、最近、何と日本語は美しい言語ではないか!、と、しみじみ感じ入ることが多くなりました。日本語を使うと、「コトバはイノチ」を実感します。

★ 最近、一層と、声高になってきた”英語至上主義”の教育的風潮。
 これには、もうガマンがなりません。何か、この二つ、裏表の関係で私の心を掻きたてているのかもしれませんね。ともかく、身についていない英語には全く興味なく、美しい日本語への思い入れが強まって来ています。

★ 私が強調したい「日本語の凄さ」は、コトバの根元を成す基層にあります。
 例えば、こどもが学ぶ、基本的な「仮名字母」 つまり、[あ]、[い]、[う]、[え]、[お]、の、一音、いちおん、一文字、一文字のことです。日本語の「あいうえお」は、欧米語の[A] [B] [C] [D] [E] とは全く異なるものです。世界中にこれほど優れた”字母”を持つ国があるだろうか、と思っているのです。その理由を述べます。

★ 我々が慣れ親しんでいる欧米の言語習得は、例外なく、アルファベットの学習で始まります。英国で、小学校1年生の教室を覗いて見たことがありますが、"A,B C・・・・”  ただ機能的な”符合”である字母配列を繰り返して暗唱し、続いて、”a for apple" "b for book" と、一つ一つの文字の単語の綴り字使用例を学ぶのですね。

★ 日本語ではちょっと違います。今の教育ではどうなのか、よく分かりませんが、私たち昭和ヒトケタは、『読本』という国語教科書で、単語や、例文を教わり、その後、必ず、「いろは歌」の暗唱と、「五十音図」を学びました。分からぬママに全員で一斉暗唱したものです。

★ ちょっと脇道に逸れますが、私は長ずるに従って英語。続いて大学でフランス語、ドイツ語、ギリシャ語を学ぶようになってから、勝手に「五十音図」は、日本の庶民が外国語を学ぶようになって、英語と比較・対象するために整理された"明治以降に現れた”「国語アルファベット一覧」とばかり思っていました。

★ しかし、それは、大間違い。そのことを教わったのは、ずっと、ずっと、後のこと。
今から十年ほど前に出版された馬渕和夫氏著『五十音図の話』(大修館書店)で、日本語五十音の原型は、もう一千年も前に高野山や比叡山で真言宗や天台宗の学僧によって完成された純粋に日本人の創案による国語整理であったことを知りました。

★ 私たちの祖先は、もう千年も前に日本語の「五十音図」を現在の形で完成していたのです。現存の欧米語は、その当時、歴史の中に登場すらしていなかったのです。60歳を超える頃になって、初めて知った真実! ビックリしましたね。言葉を考える場合、この事実は、実に重要だと思います。

★ ともかく本題に戻りますが、私が述べたい”美しい日本語の凄さ”は、実は、もう一つの字母整理である「いろは歌」なのです。 私たちの年齢の者は誰でも知っていますが、残念ながら、最近の若い人は、ほとんど知りません。
いろはにほへとちりぬるを
わかよたれそつねならむ
うゐのおくやまけふこえて
あさきゆめみしゑひもせす
★ 口ずさむと、七五調四句の歌になります。 私たち昭和ヒトケタ人間が子どもの頃には、これに漢字を配当すると、こうなる、と教わりました。
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢みじ 酔ひもせず
★ 私たちの先祖は、ことば、文字の手習いに異なった仮名字母を覚えるため、日本語の基本的な音節に相当する仮名を全て集めて、それを意味ある歌にしました。 日本語の基本字母をそれぞれ一度だけ、しかも余すことなく全部を使って並べて出来上がったのを見ると、立派な詩になりました。

★ それは、結果として、見事に般若心経の四句の偈(げ)を表徴するのだそうです。
諸行無常
是生滅法
生滅滅己
寂滅為楽
j★ 奇しくも、日本語の「いろは歌」は、仏教の根本義の真意を顕していたのです。誠に日本語仮名字母の一つ一つは、”一つのことばの細胞”のように共通の血潮が流れて一つの魂を形成していたのです。

★ これは、誠に「摩訶不思議」と言わざるを得ません。日本語五十音のたったの一音を欠いても、この美しい詩偈は成り立たないのです。一音、一音に魂がこもっているのですね。口ずさめば口ずさむほどに、心に染みわたります。
 果たして、これは、音節組み合わせの偶然の一致と言えるのでしょうか? 

★ 俗説として、この歌は、弘法大師・空海の作、とされ、その意味は・・・入涅槃時に釈尊が語り残した最後のことば、を意味する、と、言われて来ました。
比丘(びく)(出家の修行者)たちよ、諸行は無常なり。
汝らは、不放逸にして精進せよ。この世に、最後まで頼りになるものは
何ひとつないと、覚悟せよ。
ただ、如来の説いた真実のことばを除いては。
それを求めそれを聞く。
人生の一大事はここにある、と。
 ★ 平凡社刊の『百科辞典』によりますと、これまで確認されている『いろは歌』の最も古い文書は、万葉仮名で書かれている『金光明最勝王経音義』(こんこうみょうさいしょうおうぎょうおんぎ)だそうです。承暦三年(1079年)の日付です。こちらも千年前ですね。

★ 何という美しい言語を私たちは持っていることでしょう。
 これに似た伝承を秘めた言葉としてはアラビア語が知れれています。アラビア語は、教祖・マホメットが詠唱したコーランだけで自己完結的に完成した言語です。私も、今、ペルシャ語、アラビア語の初歩をカジっていますが、本当に素晴らしい言葉です。

★ 言霊の国の言葉・・・
 私たちの日本語は、このように精緻に完成された言葉なのです。改めて誇らしい気になります。この美しい言語には、親から子へ、子からまごへと、千年の歳月をかけて吹き込んで来た民族の魂が籠もっています。だから「言霊」 口にした言葉そのものが現実になる・・・日本人は、そうと信じて自ら発する言葉を慎みました。それが、長い、長い、民族の伝統でありました。

★ それを破壊したのは、文明開化後のカタカナ言葉の氾濫、とくに戦後のアメリカニズム(アメリカ風)の影響であることは明らかです。その金力と腕力に屈した日本人は、「言霊」と礼節を失いました。同時に母国語への畏敬の念を棄てました。

★ 皆さん、今こそ、私たちは子供達に詠唱して聞かせましょう。この魅惑に満ちた『いろは歌』を。若いお母さんにお願いします。あなたの幼子が、あなたの唇を見て、ことばに眼を輝かせ始めたら、その眼に母なる美しい日本語の詩偈(げ)を詠唱してあげて下さい。
いろはにほへと、ちりぬるおわか・・・・・

★ 若いお母さんにお願いします。あなた自身の内なる母国語に「言霊」を呼び戻し、言葉を清めて、愛しい幼子の魂に美しい日本語の息吹を吹き込みましょう。清らかな幼子の心に人間の魂が宿り、健やかに育つよう、祈りを込めて・・・いろはにほへと、と。
それは、目先の欲得に毒された打算の言語の習得を超えた、民族の最も大切な魂の伝達です。

【注】 もし、言葉にご関心がおありでしたら、次の一文もご披見いただければ幸甚にぞんじます。  【母なることばのふるさとを想う】

         ==== いただいたコメント  ====

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** ご挨拶 **  ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって 
私のネット生活に寄せる想いです。ご理解賜りたくご一読をお願い申し上げます。
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by zenmz | 2008-12-28 00:01 | 言霊 | Comments(0)
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