2009年 03月 02日
【9061】 新コラム「週刊漢字」に想うあれこれ |
★ 我が家は「毎日新聞」を購読しています。自分が記者として31年間、関わり合った新聞ですから特別の愛着があります。それだけではない。父の時代からずっと「ダイマイ」(大阪毎日新聞) しかも、こどもの頃には「ショウマイ」(小学生新聞)の読者でしたから「毎日新聞」が私を育ててくれた、と言っても過言ではありません。
★ 毎週月曜日に先ず、目を通すのが、24面(社会面)の「週刊漢字」 これは、いわゆる「校閲記者」が執筆している”漢字・時事エッセー”です。毎週、時、折々の”時事漢字”を三つ、取りあげて、生きのいい漢字を料理して、楽しませてくれます。
★ 例えば、今日。右最上段に、(1)「菱餅」 (2)「月餅」 (3)「画餅に帰す」をあげて「読めますか?」と、問いかけています。 そして左最下段に、その答え。著作権の問題もあるので、全部は引用できません。
★ とりあえず、最初のひとつだけ引用します。「答え」の最初に「新常用漢字表のひとつ”餅”あれこれ」と、この三つの漢字を取りあげた趣旨を述べ(1)「菱餅」をこう説明しています。
★ この新聞が、文字専門記者による「週刊漢字」欄を設けて、毎週月曜日の朝刊に掲載し始めたのは昨年秋でした。 「文字・活字文化振興法」(平成17年)で、《十月二十七日を「文字・活字文化の日」とする》と定められたのを記念して始めたものであった、と記憶します。
★ インターネット時代。テレビも、ラジオも、新聞も・・・コト、ニュース速報にかけてはもう勝負あり、です。インターネットに敵うものではありません。その中で、新聞の存在意味が問われています。インターネットがどんなにあがいても、新聞に勝てない弱点が一つあります。それは、品質です。
★ もはや敵無し、情報産業のトップに躍り出た「インターネット」ですが、泣き所は、”玉石混淆”で品質保証のないこと。ブログやSNS運用者は「悪用されるから実名はダメ」と、自らのサイトを「悪所」と規定し、責任逃れに汲々としているのが現実です。とにかく信頼性を問うならば、無政府状態のインターネットは最低ですね。「便所の落書き」と近寄らない人も随分、います。
★ 新聞斜陽の危機が叫ばれているのですが、そんな中でもマスコミの信頼度で言えば、新聞は、ダントツの座を保持しています。それは、情報の品質・・・提供される情報には説明できる根拠がある、という信頼ですね。その品質保証をつかさどっている要が”縁の下”の校閲記者グループです。
★ これまで、校閲記者は、内輪向けに新聞用語・用字のチェック・リストを随時、参考資料として各部に配布し、記者の修練にアドバイスする役割を担って来ましたが、表に出ることはありませんでした。「文字・活字文化の日」制定を機に、校閲記者が表に出て、新聞の”文字・活字”に新しい息吹をあたえ始めたことに、私は目を瞠ったものです。
★ それからもはや4ヶ月。毎週、楽しく読み、それを切り抜いて整理・保存し、時折、何度も、読み返していますが、通してみてもなかなか面白い。いい出来映えです。1年もすれば160文字を扱うことになりましょうが、そうなると、立派な本に出来そうですね。
★ 新聞社における校閲記者の存在は、実に地味です。でも、ここには、新聞の命である「生きた文字・活字」の解剖学者が揃っています。アノ大文豪・松本清張氏は、朝日新聞西部本社の校閲記者だったことは有名ですね。
★ 国民の文字・言語生活で、マスコミが果たした役割は、大きかった、と思います。
日本語の統一標準語の確立は、明治維新後の近代国家「日本」の最大重要課題でした。学校教育でもなかなか実現できなかったのを一挙に解決したのはNHKラジオの登場でした。
★ その後、民間ラジオ、テレビが”雨後の竹の子”状態に開局し、言論の自由を競って、今日に至っていますが、コト、”品質”となると、やはりNHKに及ぶものではありません。なぜか? その秘密は、情報品質に常に目を光らせている「考査室」の存在にあります。
★ NHK考査室は、アナウンサーのことばや番組内容を常時チェックし、内部資料を出して警告しているのです。民放にも、それなりの装置はありますが、それが機能しているか、どうか。論より証拠、誰でも、見れば、分かります。最近は、NHK考査室も弱体化が目立って来ましたが・・・。残念なことです。
★ こうした中で、「毎日新聞」の試みは、非常にユニークだと思います。ご存じない方は、是非一度、職場や、学校、図書館などで、バックナンバーをご覧になってみて下さい。毎週月曜日の朝刊社会面に掲載されています。
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** ご挨拶 ** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
私のネット生活に寄せる想いです。ご理解賜りたくご一読をお願い申し上げます。
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★ 毎週月曜日に先ず、目を通すのが、24面(社会面)の「週刊漢字」 これは、いわゆる「校閲記者」が執筆している”漢字・時事エッセー”です。毎週、時、折々の”時事漢字”を三つ、取りあげて、生きのいい漢字を料理して、楽しませてくれます。
★ 例えば、今日。右最上段に、(1)「菱餅」 (2)「月餅」 (3)「画餅に帰す」をあげて「読めますか?」と、問いかけています。 そして左最下段に、その答え。著作権の問題もあるので、全部は引用できません。
★ とりあえず、最初のひとつだけ引用します。「答え」の最初に「新常用漢字表のひとつ”餅”あれこれ」と、この三つの漢字を取りあげた趣旨を述べ(1)「菱餅」をこう説明しています。
ひしもち。ひな祭りに飾るひし形のもち。普通、紅・白・緑のさん3色を重ねる。それぞれの色は桃の花・雪・大地を表しているともいわれる。餅の字は「もち」「ヘイ」の音訓が新常用漢字表に。菱は不採用。
★ この新聞が、文字専門記者による「週刊漢字」欄を設けて、毎週月曜日の朝刊に掲載し始めたのは昨年秋でした。 「文字・活字文化振興法」(平成17年)で、《十月二十七日を「文字・活字文化の日」とする》と定められたのを記念して始めたものであった、と記憶します。
★ インターネット時代。テレビも、ラジオも、新聞も・・・コト、ニュース速報にかけてはもう勝負あり、です。インターネットに敵うものではありません。その中で、新聞の存在意味が問われています。インターネットがどんなにあがいても、新聞に勝てない弱点が一つあります。それは、品質です。
★ もはや敵無し、情報産業のトップに躍り出た「インターネット」ですが、泣き所は、”玉石混淆”で品質保証のないこと。ブログやSNS運用者は「悪用されるから実名はダメ」と、自らのサイトを「悪所」と規定し、責任逃れに汲々としているのが現実です。とにかく信頼性を問うならば、無政府状態のインターネットは最低ですね。「便所の落書き」と近寄らない人も随分、います。
★ 新聞斜陽の危機が叫ばれているのですが、そんな中でもマスコミの信頼度で言えば、新聞は、ダントツの座を保持しています。それは、情報の品質・・・提供される情報には説明できる根拠がある、という信頼ですね。その品質保証をつかさどっている要が”縁の下”の校閲記者グループです。
★ これまで、校閲記者は、内輪向けに新聞用語・用字のチェック・リストを随時、参考資料として各部に配布し、記者の修練にアドバイスする役割を担って来ましたが、表に出ることはありませんでした。「文字・活字文化の日」制定を機に、校閲記者が表に出て、新聞の”文字・活字”に新しい息吹をあたえ始めたことに、私は目を瞠ったものです。
★ それからもはや4ヶ月。毎週、楽しく読み、それを切り抜いて整理・保存し、時折、何度も、読み返していますが、通してみてもなかなか面白い。いい出来映えです。1年もすれば160文字を扱うことになりましょうが、そうなると、立派な本に出来そうですね。
★ 新聞社における校閲記者の存在は、実に地味です。でも、ここには、新聞の命である「生きた文字・活字」の解剖学者が揃っています。アノ大文豪・松本清張氏は、朝日新聞西部本社の校閲記者だったことは有名ですね。
★ 国民の文字・言語生活で、マスコミが果たした役割は、大きかった、と思います。
日本語の統一標準語の確立は、明治維新後の近代国家「日本」の最大重要課題でした。学校教育でもなかなか実現できなかったのを一挙に解決したのはNHKラジオの登場でした。
★ その後、民間ラジオ、テレビが”雨後の竹の子”状態に開局し、言論の自由を競って、今日に至っていますが、コト、”品質”となると、やはりNHKに及ぶものではありません。なぜか? その秘密は、情報品質に常に目を光らせている「考査室」の存在にあります。
★ NHK考査室は、アナウンサーのことばや番組内容を常時チェックし、内部資料を出して警告しているのです。民放にも、それなりの装置はありますが、それが機能しているか、どうか。論より証拠、誰でも、見れば、分かります。最近は、NHK考査室も弱体化が目立って来ましたが・・・。残念なことです。
★ こうした中で、「毎日新聞」の試みは、非常にユニークだと思います。ご存じない方は、是非一度、職場や、学校、図書館などで、バックナンバーをご覧になってみて下さい。毎週月曜日の朝刊社会面に掲載されています。
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** ご挨拶 ** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
私のネット生活に寄せる想いです。ご理解賜りたくご一読をお願い申し上げます。
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by zenmz
| 2009-03-02 10:50
| 現代社会論