2009年 05月 05日
【9120】 傘寿男の「食後の食器手洗い」 |
★ この連休、我が家は、親しい人々が入れ替わり、立ち替わり、切れ目ない訪問者で賑わっています。肉親縁者や娘の旧友が家族連れでお泊まりで、3度の食事を共にしながら旧交を温めています。話題の一つが、私の「食後の食器手洗い」
★ なにしろ私は、娘の友人達の間では”ゼニのオトン”というあだ名で通っています。それには「亭主関白で、いささかガンメイ・モコ」 一昔前の典型的日本の男性像のイメージが乗っています。その「オトン」が今、眼前で「キッチンに立ち皿洗い」・・・”事件”です!
★ ドレドレと、みんな寄って集って台所に押しかけて、まるで「人間が犬を噛んだ」ニュースを見聞するかのような眼差しを私に向けて嬌声あげながら愉しんでいます。
「いいかね。皿洗いは水を流せばいい、と言うモンじゃない。ミガク、それがコツ」
★ いずれも高校生から大学生の頃の面影を残す顔・顔・顔ですが・・・今は、四十路を迎え一家の主婦。怪訝顔しながらも面白がっているその表情は20年前も変わりません。
★ そこで、私も話の輪に仲間入りし、説明しました。
★ 「皿洗い」をしながら、「やはり時代だ」と、しみじみ思うことがあります。
「男子、厨房に入らず」で育った戦前っ子。
「台所なんかへ来たらアカンェ。男の子が、こんなトコ、うろちょろシテタラ、出世セェヘンエ!」
★ 男の子にとって台所は立身出世の妨げになる場所・・・それが家庭教育の教材にされていた時代があった! (デモ・・・? オバアチャンが言う通り、絶対に台所へナンカ絶対に入らなんだ。そヤノニ・・・僕、出世してヘン! 今、そこでお皿洗テマス! 何ともヘンな話ヤネ?)
★ もう一つのショッキングな経験。今を去る52年もの昔、1957年のこと。初めて外国へ行ったオーストラリアで見て、カルチャーショックで呆然とした風景・・・泊めてもらった家庭では皿洗いは男の仕事でした。男が皿洗いする!?
★ 私が書いた「世にも奇妙なオハナシ」“オーストラリアン・ハズバンド”見聞記は日本の新聞の大きな見出し記事になりました。
★ 女性にとって皿洗いは、かなり鬱陶しい仕事のようですね。滅多に私をホメルことなどない老妻ですが、「皿洗いだけはホンマに助かる」と、だれかれなく述懐しています。ホンネなのでしょうね。でも、やってる本人はかなり楽しんでいます。何より私はキレイ好き。食器だけではありません。書斎も、居間も掃除、片づけ大好きです。
★ 一つ、未だに解けないナゾがあります。「男子厨房に入らず」 これは長い間、日本社会の風習して当然視されて来ました。しかし同時にプロの料理人や名を成した料理長は例外なく男性。世に出た料理人に女性を見ることはありません。コレ如何に?
★ 実のところ、「男子厨房に入らず」教育を”いいこと”にヌクヌク育った昭和ヒトケタ男が今、その報いを受けているような、ある種の悲壮感を持ち続けています。生存の基本にどっかり座っている食生活。コレすべて妻依存。それを想えば・・・・
手洗い食器洗浄は、贖罪の気持ちの表現と、言えなくもありません。
★ 話題に乏しい無骨人の私ではありますが、「食器の手荒い哲学」を聞いて下さるなら話題は尽きません。まあ、それを言い出すと、止めどないハナシの大展開になりますので、今日はこの辺りで・・・・。
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** ご挨拶 ** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
私のネット生活に寄せる想いです。ご理解賜りたくご一読をお願い申し上げます。
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★ なにしろ私は、娘の友人達の間では”ゼニのオトン”というあだ名で通っています。それには「亭主関白で、いささかガンメイ・モコ」 一昔前の典型的日本の男性像のイメージが乗っています。その「オトン」が今、眼前で「キッチンに立ち皿洗い」・・・”事件”です!
★ ドレドレと、みんな寄って集って台所に押しかけて、まるで「人間が犬を噛んだ」ニュースを見聞するかのような眼差しを私に向けて嬌声あげながら愉しんでいます。
「いいかね。皿洗いは水を流せばいい、と言うモンじゃない。ミガク、それがコツ」
★ いずれも高校生から大学生の頃の面影を残す顔・顔・顔ですが・・・今は、四十路を迎え一家の主婦。怪訝顔しながらも面白がっているその表情は20年前も変わりません。
★ そこで、私も話の輪に仲間入りし、説明しました。
実は、この皿洗い、キッチンにビルトインしてあった自動食器洗浄機がくたばった。1ヶ月前のこと。ちょうど20年前、この家を新築した時に”最新鋭”のふれ込みで色んな電化製品をキッチンにもビルトインした。★ そして1ヶ月、3度の食事の後は、食器だけではありません。鍋・釜・包丁、あらゆる保存食用の瓶、容器に至るまで、この両手で”磨き上げ”洗浄を行っています。おかげでキッチンはピカピカに光っています。機械の”自動洗浄”はこうはなりません。
電気オーブンや自動食器洗浄機、電磁調理器等々・・・それが今、老朽化し、一斉に取り替え時期に来て次々とトラブルを起こす。妻や娘は早速、取り替えの検討を始めたが、私は当初から”自動洗浄”には大きな不満を持ち続けて来た。
妻や娘は来客が多い。コレは是非モノ、と言うのだが、やはり機械のこと。機械的動作には”死角”はつきもの。どうしても仕上がりにムラが出る。「雑に過ぎる。こんな機械で手抜きするから食器が汚くなる」
最初、それに気付いたのは、湯飲みやカップにこびり付いた口紅や茶渋のアクでした。洗いが十分、出来ていないままに高熱で乾燥させるから食器に”焼き付いて”いる。いつの間にか、食事の度に食器を点検するクセが私に付いたほど・・・
「一事が万事。心のない機械の”自動洗浄”など信用してはダメ。食器洗いはボクが担当するから任せろ」 まあ、どうしても買い替えたいと言うなら買っていい。ただ、3人だけの日常生活では、毎食後、私が食器を手洗いする、そう宣言した。という次第。
★ 「皿洗い」をしながら、「やはり時代だ」と、しみじみ思うことがあります。
「男子、厨房に入らず」で育った戦前っ子。
「台所なんかへ来たらアカンェ。男の子が、こんなトコ、うろちょろシテタラ、出世セェヘンエ!」
★ 男の子にとって台所は立身出世の妨げになる場所・・・それが家庭教育の教材にされていた時代があった! (デモ・・・? オバアチャンが言う通り、絶対に台所へナンカ絶対に入らなんだ。そヤノニ・・・僕、出世してヘン! 今、そこでお皿洗テマス! 何ともヘンな話ヤネ?)
★ もう一つのショッキングな経験。今を去る52年もの昔、1957年のこと。初めて外国へ行ったオーストラリアで見て、カルチャーショックで呆然とした風景・・・泊めてもらった家庭では皿洗いは男の仕事でした。男が皿洗いする!?
★ 私が書いた「世にも奇妙なオハナシ」“オーストラリアン・ハズバンド”見聞記は日本の新聞の大きな見出し記事になりました。
★ 女性にとって皿洗いは、かなり鬱陶しい仕事のようですね。滅多に私をホメルことなどない老妻ですが、「皿洗いだけはホンマに助かる」と、だれかれなく述懐しています。ホンネなのでしょうね。でも、やってる本人はかなり楽しんでいます。何より私はキレイ好き。食器だけではありません。書斎も、居間も掃除、片づけ大好きです。
★ 一つ、未だに解けないナゾがあります。「男子厨房に入らず」 これは長い間、日本社会の風習して当然視されて来ました。しかし同時にプロの料理人や名を成した料理長は例外なく男性。世に出た料理人に女性を見ることはありません。コレ如何に?
★ 実のところ、「男子厨房に入らず」教育を”いいこと”にヌクヌク育った昭和ヒトケタ男が今、その報いを受けているような、ある種の悲壮感を持ち続けています。生存の基本にどっかり座っている食生活。コレすべて妻依存。それを想えば・・・・
手洗い食器洗浄は、贖罪の気持ちの表現と、言えなくもありません。
★ 話題に乏しい無骨人の私ではありますが、「食器の手荒い哲学」を聞いて下さるなら話題は尽きません。まあ、それを言い出すと、止めどないハナシの大展開になりますので、今日はこの辺りで・・・・。
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** ご挨拶 ** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
私のネット生活に寄せる想いです。ご理解賜りたくご一読をお願い申し上げます。
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by zenmz
| 2009-05-05 11:32
| 食生活:今日の一戒