2010年 09月 23日
【10134】 都会にも現代的”隣組”の復活を |
★ 「世界一の長寿国・ニッポン」を誇ったはずのこの国で、こともあろうに「敬老の日」を前に全国各地で、高齢者の所在不明が数多く発覚し、その看板は大きく傾きました。 20日の新聞各紙の社説は、この問題を取りあげ、異口同音の提案を掲げています。
★ 「隣組」を持ち出すと、必ず、大反発の声が上がります。70年前に当時の”大日本帝国”が銃後の守りを固めるために作ったのが「隣組」制度。それは国威昂揚・思想統制などにも悪用された苦い経験があるからです。戦後、連合国軍総司令部も、軍国主義組織として、真っ先に解体しました。
★ 昭和15年から20年までの5年間に限って言えば、それは、指摘される通りに戦争翼賛装置として機能しました。しかし、その基盤となった”向こう三軒両隣”の相互扶助は、それこそ、この国が古代国家として誕生した当時から民衆の生きる知恵としてありました。
★ 例えば、この岡山・吉備高原都市。ここは、岡山県のど真ん中、典型的な中山間地です。広大な山林を切り開いて造成された人工都市が30年前に誕生しました。そして全国各地から移住して来たお互い見知らぬ人々が、自然発生的に生みだした自治組織が、「班」という”隣組”でありました。この「班」では、♪ とんとんとからりと隣組 ♪ の文句そのままの日常が生きています。
★ それ、と、気が付くと、近隣の市町村の多くでは、名称は異なっていても、”隣組”は、健全に生き続けています。深刻な新しい社会問題としての社会的弱者への虐待や高齢者の孤独死なども、ここに住んでいると切実感は乏しいです。多分、それは問題が集中している都市部固有の社会病理なのかもしれません。
★ それは、家族と地域の支え合い機能を失った都市の状況が生み出していることを直視すべきでありましょう。これまでのように 《相互不干渉を尊ぶ》 のではなく、何よりも先ず、《助け合い、支え合う組織作り》 に着手する。それが急務と言わねばなりません。一番、手っ取り早く、有効なのは現代的「隣組」の復活です。都会に住む人々に是非、ご一考を、と、お願いしたいですね。
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**** ご挨拶 **** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
**** お願い **** 【傘寿の知憲運動】 是非、一度、ご披見ください
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◎ 「支えた人が、後で支えられる」関係を社会全体でつくれてこそ、「敬老の心」は再生産され、社会全体の活力も維持されるのではないか。 (朝日新聞)★ これを読んで、すぐアタマに甦ったのは、私が子どもの頃に大流行した「とんとんとんからりと隣組」の国民歌謡です。戦時体制下の昭和15年に銃後の守りを固めるために作られた「隣組制度」を普及するため、漫画家の岡本一平さんが作詞、大ヒットしたものです。もう著作権が切れていますから、全歌詞を転載してみましょう。
◎ 家族の大切さを再確認するだけでなく、それを補完する様々な形の「縁」を築くことが求められよう。行政と地域が、ある程度は高齢者の個人情報を多角的に共有すべきである。 (読売新聞)
◎ 家族や隣近所による助け合い、お年寄りが地域社会で自らの役割を担いながら豊かな人間関係を築いていくことの大切さをもう一度かみしめたい。(毎日新聞)
1 とんとんとんからりと隣組 格子を 開ければ 顔なじみ★ ズバリ、如何でしょう。全国紙の社説が筆を揃えて提案している「家族や隣近所による助け合い」の具体的な実像が浮かぶではありませんか。実を申しますと、私の住んでいる岡山・吉備高原都市では、この詩の文句がそのままの姿で今も生きています。
廻して 頂戴 回覧板 知らせられたり 知らせたり
2 とんとんとんからりと隣組 あれこれ面倒 味噌 醤油
ご飯の 炊き方 垣根越し 教えられたり 教えたり
3 とんとんとんからりと隣組 地震や 雷 火事 どろぼう
互いに 役立つ 用心棒 助けられたり 助けたり
4 とんとんとんからりと隣組 何軒 あろうと 一所帯(ひとじょたい)
こころは 一つの 屋根の月 纏(まと)められたり 纏めたり
★ 「隣組」を持ち出すと、必ず、大反発の声が上がります。70年前に当時の”大日本帝国”が銃後の守りを固めるために作ったのが「隣組」制度。それは国威昂揚・思想統制などにも悪用された苦い経験があるからです。戦後、連合国軍総司令部も、軍国主義組織として、真っ先に解体しました。
★ 昭和15年から20年までの5年間に限って言えば、それは、指摘される通りに戦争翼賛装置として機能しました。しかし、その基盤となった”向こう三軒両隣”の相互扶助は、それこそ、この国が古代国家として誕生した当時から民衆の生きる知恵としてありました。
★ 例えば、この岡山・吉備高原都市。ここは、岡山県のど真ん中、典型的な中山間地です。広大な山林を切り開いて造成された人工都市が30年前に誕生しました。そして全国各地から移住して来たお互い見知らぬ人々が、自然発生的に生みだした自治組織が、「班」という”隣組”でありました。この「班」では、♪ とんとんとからりと隣組 ♪ の文句そのままの日常が生きています。
★ それ、と、気が付くと、近隣の市町村の多くでは、名称は異なっていても、”隣組”は、健全に生き続けています。深刻な新しい社会問題としての社会的弱者への虐待や高齢者の孤独死なども、ここに住んでいると切実感は乏しいです。多分、それは問題が集中している都市部固有の社会病理なのかもしれません。
★ それは、家族と地域の支え合い機能を失った都市の状況が生み出していることを直視すべきでありましょう。これまでのように 《相互不干渉を尊ぶ》 のではなく、何よりも先ず、《助け合い、支え合う組織作り》 に着手する。それが急務と言わねばなりません。一番、手っ取り早く、有効なのは現代的「隣組」の復活です。都会に住む人々に是非、ご一考を、と、お願いしたいですね。
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**** ご挨拶 **** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
**** お願い **** 【傘寿の知憲運動】 是非、一度、ご披見ください
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by zenmz
| 2010-09-23 00:01
| 現代社会論
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