2010年 10月 27日
【10169】 ”出雲オロチ”の誘い |
★ 新蕎麦(そば)のシーズンがやって来ました。それを想うだけで、出雲へ行きたい、気持ちが高まります。出雲には次男一家が住んでいます。私は、出雲の人と土地、その古い伝統文化が大好きですが、ここの食文化の筆頭は、出雲そば。
★ 大阪に住んでいた頃は、そばと言えば、信州そばでした。その名を冠したそば処を愛用していたので、それしか知らなかったのです。現地へ行って確かめた味ではありません。実際に、その地に足を運んで”名物”の味を確かめ、納得したのは二つだけ。
★ 「出雲そば」と「越前そば」 もう何年か前になりますが、娘の陶芸師匠のお宅にお招きを受け、「この味だけは是非」と、福井・武生のそば処まで足を伸ばしてご案内して下さった「越前そば」は、本当に絶品でした。いただいたのは、素朴なおろしそば。
★ そのお店の品書きの横に、《蕎麦大根は君臣佐使の付合》 と書いてありました。「聞けば、「そばと大根おろしは君主と臣下の関係」と言う意味。福井県では、「そば」と言えば、越前そば=おろしそば。「越前おろしそば」が定番、とか。
★ 《蕎麦大根は君臣佐使の付合》・・・・福井県には、そのような言い伝えがあったのですね。でも、これは名言。 出雲そばと言えば三段の丸い漆器にそばを盛って出す「割子(わりご)そば」が定番ですが、海苔、ネギ、おろし大根は必ず付いています。
★ そう言えば、「信州そば」も、おろしそばでした。どこの名物そばでも、とどのつまりは「”おろし”そば」、ということなのでしょうか。有名な、松尾芭蕉の句にも、こうあります。
調べてみると、蕎麦の栽培は「続日本紀」に奈良時代の記録があるそうです。当初は雑炊やそばがきとして食されていました。 今の手打ちそばが登場したのは江戸時代になってから。大根との相性もお江戸で育まれたもののようです。
★ ところで・・・出雲では、新しい”出雲オロチそば”が誕生しました。私の”辛み味”のコダワリは、こちらです。これが開発されたのは、つい2,3年前のこと。 最初は戸惑っていた出雲人も、今では馴染み、そば専門店でも「出雲オロチそば」の名で広まってきています。
★ 実は、この新”おろし大根”は、宍道湖畔に自生している”野大根”を島根大学生物資源科学部の小林伸雄准教授が品種改良し、商品化した出雲原産の「辛味大根」です。出雲そば愛好会の顧問もしている小林先生渾身の作。
★ 昨年、出雲を訪れた際、次男の嫁が地元のスーパーで、その「出雲オロチ大根」を買い求めて来て料理してくれました。
ヒゲ根が多く、一見、朝鮮人参に似ています。それが出雲神話の「ヤマタノオロチ」を思わせるのでしょうか。「オロシ(チ)」にすると独特の辛みがあるのでその名も「出雲おろち大根」、と命名されたのだそうです。
★ 食べてみました。水分が非常に少なくて、おろしてもサラサラ。ソバつゆが薄まらないので薬味にピッタリ。味はその名の通り、劇的に辛い。その辛さ、瞬間、ワサビを想わせます。しかし、違った独特の味と刺激。 その味は、芳醇な大根の香りと甘みを保持しています。 まさに「出雲おろちそば」 辛み大好き人間には、おいしかったです。
★ 新そばの季節、あの独特の芳醇な大根の香りが甦って来て、出雲が、盛んに私を誘います。この寒気が去って、小春日和になれば、出かけてみましょう。 秋の楽しみ、また一つ、増えました。
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**** ご挨拶 **** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
**** お願い **** 【傘寿の知憲運動】 是非、一度、ご披見ください
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★ 大阪に住んでいた頃は、そばと言えば、信州そばでした。その名を冠したそば処を愛用していたので、それしか知らなかったのです。現地へ行って確かめた味ではありません。実際に、その地に足を運んで”名物”の味を確かめ、納得したのは二つだけ。
★ 「出雲そば」と「越前そば」 もう何年か前になりますが、娘の陶芸師匠のお宅にお招きを受け、「この味だけは是非」と、福井・武生のそば処まで足を伸ばしてご案内して下さった「越前そば」は、本当に絶品でした。いただいたのは、素朴なおろしそば。
★ そのお店の品書きの横に、《蕎麦大根は君臣佐使の付合》 と書いてありました。「聞けば、「そばと大根おろしは君主と臣下の関係」と言う意味。福井県では、「そば」と言えば、越前そば=おろしそば。「越前おろしそば」が定番、とか。
★ 《蕎麦大根は君臣佐使の付合》・・・・福井県には、そのような言い伝えがあったのですね。でも、これは名言。 出雲そばと言えば三段の丸い漆器にそばを盛って出す「割子(わりご)そば」が定番ですが、海苔、ネギ、おろし大根は必ず付いています。
★ そう言えば、「信州そば」も、おろしそばでした。どこの名物そばでも、とどのつまりは「”おろし”そば」、ということなのでしょうか。有名な、松尾芭蕉の句にも、こうあります。
身にしみて大根辛し秋の風★ 大根の辛み・・・これがそばに合う。遠く、江戸時代でもそうだったのですね。
調べてみると、蕎麦の栽培は「続日本紀」に奈良時代の記録があるそうです。当初は雑炊やそばがきとして食されていました。 今の手打ちそばが登場したのは江戸時代になってから。大根との相性もお江戸で育まれたもののようです。
★ ところで・・・出雲では、新しい”出雲オロチそば”が誕生しました。私の”辛み味”のコダワリは、こちらです。これが開発されたのは、つい2,3年前のこと。 最初は戸惑っていた出雲人も、今では馴染み、そば専門店でも「出雲オロチそば」の名で広まってきています。
★ 実は、この新”おろし大根”は、宍道湖畔に自生している”野大根”を島根大学生物資源科学部の小林伸雄准教授が品種改良し、商品化した出雲原産の「辛味大根」です。出雲そば愛好会の顧問もしている小林先生渾身の作。
★ 昨年、出雲を訪れた際、次男の嫁が地元のスーパーで、その「出雲オロチ大根」を買い求めて来て料理してくれました。
ヒゲ根が多く、一見、朝鮮人参に似ています。それが出雲神話の「ヤマタノオロチ」を思わせるのでしょうか。「オロシ(チ)」にすると独特の辛みがあるのでその名も「出雲おろち大根」、と命名されたのだそうです。
★ 食べてみました。水分が非常に少なくて、おろしてもサラサラ。ソバつゆが薄まらないので薬味にピッタリ。味はその名の通り、劇的に辛い。その辛さ、瞬間、ワサビを想わせます。しかし、違った独特の味と刺激。 その味は、芳醇な大根の香りと甘みを保持しています。 まさに「出雲おろちそば」 辛み大好き人間には、おいしかったです。
★ 新そばの季節、あの独特の芳醇な大根の香りが甦って来て、出雲が、盛んに私を誘います。この寒気が去って、小春日和になれば、出かけてみましょう。 秋の楽しみ、また一つ、増えました。
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**** ご挨拶 **** ブログ【傘寿を生きるロマン日記】公開に当たって
**** お願い **** 【傘寿の知憲運動】 是非、一度、ご披見ください
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by zenmz
| 2010-10-27 10:19
| 出雲神話の郷