2006年 01月 24日
【6024】 ライブドアの虚と実 |
★ 何という慌ただしい一日だったことでしょう。ライブドアの関連会社が虚偽の企業買収情報を公表したなどとされる事件。いよいよ堀江社長ら幹部役員4人がが東京地検特捜部に出頭し、事情聴取が始まった、と言う昼過ぎのニュースが「間もなく逮捕へ」と変わり、午後8時前にテレビが「ライブドアの4人を逮捕」の六本木ヒルズの電光ニュースを映し出し、在京各新聞社の号外配布を映し出しました。
★ それからがまた大変。テレビ各局は、NHKも、民放も、一斉に特別番組に切り替え。東京地検から東京拘置所に移送されるライブドアの堀江貴文社長、宮内亮治取締役、岡本文人取締役、ライブドアファイナンス中村長也社長を乗せた車をヘリコプターで追い続け、収監の模様を実況中継。
★ この1週間、マスコミ各社は、「Xデーは何時か?」と、毎日、予測記事を書き続けました。そして、この日が来るのを待ち受けていたかのように地検特捜部が逮捕に踏み切ると、直ちに特別番組に登場させてコメント・・・「特捜部の捜査対象は大別して(1)捜索容疑となった関連会社の企業買収などにからむ工作(2)ライブドア本体の決算粉飾疑惑――に分けられる」
★ 如何にも自信に満ちた「ワケ知り顔」のコメントですが、抽象的な専門語が並ぶだけ。いくら聞いても、それがどのように法に触れる重大な犯罪なのか? さっぱり分かりません。そのクセ、次々と登場させる街頭での通行人インタビュー。どれもこれも・・・「法を犯したのなら、責任をとるべきですね」
★ 深夜まで延々と続いたこの大騒動。アメリカ映画によく登場する”バッファローの大暴走”を思い出しました。メガトン級の巨大マスコミも実は小心な神経質な集団なのですね。それぞれが核心に迫る確とした自信がなく付和雷同。一人が走ると全体がパニックを起こして大暴走を始める。そんな感じの報道振りです。
★ 拘置所に収監される模様をヘリコプターを飛ばして追っかけ、「先頭が誰、2番目は・・・・未だ3番目は確認出来ません」 それを確認するために配置されている各社記者の待機状況も”ニュース”に。「拘置所門前にはマスコミ各社の記者が詰めかけて騒然としています」 パニック状態で起こるのが、いわゆる「書き得」 このようにくだらぬニュース、解説が続きました。
★ 私は、テレビを見ながら、パソコンに釘付けになっていました。開いたままのページは、『livedoor News 』 自分たちの会社社長や幹部役員が逮捕、収監されていく状況や、社内の動きを淡々と報道し続けています。大手マスコミのヒステリックな大事大主義的大暴走とは全く違って、冷静に、”報道”を続けています。
★ アレッ!とビックリしたのは、ホリエモン逮捕の直後に画面に出てきた「闇の不正と闘う」地検特捜部とは」とタイトルを付けた同社の吉川忠行記者の記事。テレビが「今、逮捕されました」と大騒ぎを始めたその時に次の記事がlivedoor News 』に登場したのです。
★ テレビ画面のヘリコプターや追っかけオートバイの”大暴走”を見ながら読んで見ますと・・・
★ 目を疑いますね。これ・・・検察賛歌ではありませんか。自分の会社の社長を検挙した検事を「闇の不正と闘う」地検特捜部と解説した記事を掲載する新聞社・・・・他にあるでしょうか? ホリエモン氏が育てた ”市民記者”制度の真骨頂です。
★ 私は、『livedoor News 』 と言う新メディアの登場に注目し続けてきました。私自身が、長年、続けてきたホームページを休止していたのを、ブログという新技術の登場に触発されて、昨年6月に再開したのは、実は、この『livedoor News 』 と出逢ったからでした。
★ IT時代の到来に目覚めたのはホリエモン君のおかげ。こいつはスゴイ人物だ。すっかり惚れ込みました。「カネがすべて」の直截な彼の人生哲学にはついて行けませんでしたが、IT革命への洞察力は天才的です。
★ 以前にも、このブログで、ご紹介したこともありますが、『livedoor News 』は、「だれでも記者になれる。市民記者が創る新しい電子新聞」なのです。もう電波と電信の堺はなくなった、インターネットで発信者と受信者を直結する新しいメディアを自分たちの手で創ろう。そんな呼びかけで始まったものです。
★ マスコミ各社は”あくどい錬金術”に焦点を絞ってホリエモン退治の一大キャンペーンを始めていますが、それは堀江氏の裏面にあった金融ビジネスに関する部分の問題です。「カネの力がすべて」のライブドア・グループ。恐らくそれは事実なのでしょうが、40社近いと言われるそのグループの中には、キチンとした優良実業もあるのです。私は、『livedoor News 』がその一つだと信じています。
★ 実質的にワンマン経営だった堀江氏と、その側近取締役3人が一挙に逮捕され、指導者を失った巨大企業は、瞬間、大混乱に陥りました。今後の運営はどうするのか? 社内動揺の沈静に少し時間がかかったようですが、逮捕から数時間後、「今後の取締役会等の運営については、会社の業務に影響がないよう速やかに決定し、お知らせいたします」との「お知らせ」を公表しました。新執行体制確立への動きが始まったようです。
★ ライブドア・グループには若い有能な社員がひしめいています。みんな起業精神に満ちあふれた30歳代とか。指導者のあくどい錬金術は厳しく断罪され、速やかに切り離すべきでしょうが、こうした若い自由な精神に満ちあふれた創造型能力を同時に切り捨てるのは如何にも惜しい話です。
★ 私は、これを機会にライブドアが虚業と実業をはっきりと見分け、立派な実業部門を更に発展させることを心からねがい、それが実現することを期待しています。
★ それからがまた大変。テレビ各局は、NHKも、民放も、一斉に特別番組に切り替え。東京地検から東京拘置所に移送されるライブドアの堀江貴文社長、宮内亮治取締役、岡本文人取締役、ライブドアファイナンス中村長也社長を乗せた車をヘリコプターで追い続け、収監の模様を実況中継。
★ この1週間、マスコミ各社は、「Xデーは何時か?」と、毎日、予測記事を書き続けました。そして、この日が来るのを待ち受けていたかのように地検特捜部が逮捕に踏み切ると、直ちに特別番組に登場させてコメント・・・「特捜部の捜査対象は大別して(1)捜索容疑となった関連会社の企業買収などにからむ工作(2)ライブドア本体の決算粉飾疑惑――に分けられる」
★ 如何にも自信に満ちた「ワケ知り顔」のコメントですが、抽象的な専門語が並ぶだけ。いくら聞いても、それがどのように法に触れる重大な犯罪なのか? さっぱり分かりません。そのクセ、次々と登場させる街頭での通行人インタビュー。どれもこれも・・・「法を犯したのなら、責任をとるべきですね」
★ 深夜まで延々と続いたこの大騒動。アメリカ映画によく登場する”バッファローの大暴走”を思い出しました。メガトン級の巨大マスコミも実は小心な神経質な集団なのですね。それぞれが核心に迫る確とした自信がなく付和雷同。一人が走ると全体がパニックを起こして大暴走を始める。そんな感じの報道振りです。
★ 拘置所に収監される模様をヘリコプターを飛ばして追っかけ、「先頭が誰、2番目は・・・・未だ3番目は確認出来ません」 それを確認するために配置されている各社記者の待機状況も”ニュース”に。「拘置所門前にはマスコミ各社の記者が詰めかけて騒然としています」 パニック状態で起こるのが、いわゆる「書き得」 このようにくだらぬニュース、解説が続きました。
★ 私は、テレビを見ながら、パソコンに釘付けになっていました。開いたままのページは、『livedoor News 』 自分たちの会社社長や幹部役員が逮捕、収監されていく状況や、社内の動きを淡々と報道し続けています。大手マスコミのヒステリックな大事大主義的大暴走とは全く違って、冷静に、”報道”を続けています。
★ アレッ!とビックリしたのは、ホリエモン逮捕の直後に画面に出てきた「闇の不正と闘う」地検特捜部とは」とタイトルを付けた同社の吉川忠行記者の記事。テレビが「今、逮捕されました」と大騒ぎを始めたその時に次の記事がlivedoor News 』に登場したのです。
★ テレビ画面のヘリコプターや追っかけオートバイの”大暴走”を見ながら読んで見ますと・・・
今回、捜査に入った東京地検特捜部とは、正式名称を「東京地方検察庁特別捜査部」という。特別捜査部は、東京、名古屋、大阪の地方検察庁にのみ置かれた組織で、大きな経済事案や政財界を巻き込んだ疑惑など高度な法律知識を有するケースを扱うことが多い。
証券取引法違反容疑での捜査は、証券市場の公正な取引を守るSESCが先に調査に入り、地検に告発するのが通例で、今回のように、SESCによる告発の前に、地検が直接に強制捜査に入るのは異例だ。この東京地検特捜部を率いるのが、大鶴基成(もとなり)部長(50)。前任の井内顕策(けんさく)氏(56)が最高検察庁の検事に昇格した2005年4月に、同地検交通部長だった大鶴氏が着任した。
大鶴部長は大分県出身で、1980年に検事になると、約12年間、福岡、大阪、釧路、水戸、大分など各地検検事を務め、13年前に東京地検特捜部に着任。通算9年2カ月在籍し、副部長として土屋義彦前埼玉県知事の長女による政治資金規正法違反事件や、日本歯科医師会をめぐる事件などを指揮した。
法務省のホームページ上にある「検事を志す皆さんへ」というページにアクセスすると、大鶴部長のメッセージが掲載されている。題目は「闇の不正と闘(たたか)う」、大鶴部長率いる現特捜部の方針がうかがえる。
文中で、検事志望者に対し「悪質な事案であるにもかかわらず、法の網の目をかいくぐるようにして行われているため、なかなか刑事事件としては立件されないものや、巧妙な隠蔽(いんぺい)工作が行われているためそもそも捜査機関に探知さえされないものなど、闇の部分の広がりは想像以上のものがあります」と大鶴部長は問題提起している。
その上で、困難な捜査を打開するものとして、
◆悪いことを悪いと感じることができる素朴な正義感
◆実直に生活する人々の生活と利益を守る熱意
◆法律適用を多角的に検討し駆使する能力-
の3点を挙げ、「額(ひたい)に汗して働いている人々や働こうにもリストラされて職を失っている人たち、法令を遵守して経済活動を行っている企業などが、出し抜かれ、不公正がまかり通る社会にしてはならない」と主張している。
★ 目を疑いますね。これ・・・検察賛歌ではありませんか。自分の会社の社長を検挙した検事を「闇の不正と闘う」地検特捜部と解説した記事を掲載する新聞社・・・・他にあるでしょうか? ホリエモン氏が育てた ”市民記者”制度の真骨頂です。
★ 私は、『livedoor News 』 と言う新メディアの登場に注目し続けてきました。私自身が、長年、続けてきたホームページを休止していたのを、ブログという新技術の登場に触発されて、昨年6月に再開したのは、実は、この『livedoor News 』 と出逢ったからでした。
★ IT時代の到来に目覚めたのはホリエモン君のおかげ。こいつはスゴイ人物だ。すっかり惚れ込みました。「カネがすべて」の直截な彼の人生哲学にはついて行けませんでしたが、IT革命への洞察力は天才的です。
★ 以前にも、このブログで、ご紹介したこともありますが、『livedoor News 』は、「だれでも記者になれる。市民記者が創る新しい電子新聞」なのです。もう電波と電信の堺はなくなった、インターネットで発信者と受信者を直結する新しいメディアを自分たちの手で創ろう。そんな呼びかけで始まったものです。
★ マスコミ各社は”あくどい錬金術”に焦点を絞ってホリエモン退治の一大キャンペーンを始めていますが、それは堀江氏の裏面にあった金融ビジネスに関する部分の問題です。「カネの力がすべて」のライブドア・グループ。恐らくそれは事実なのでしょうが、40社近いと言われるそのグループの中には、キチンとした優良実業もあるのです。私は、『livedoor News 』がその一つだと信じています。
★ 実質的にワンマン経営だった堀江氏と、その側近取締役3人が一挙に逮捕され、指導者を失った巨大企業は、瞬間、大混乱に陥りました。今後の運営はどうするのか? 社内動揺の沈静に少し時間がかかったようですが、逮捕から数時間後、「今後の取締役会等の運営については、会社の業務に影響がないよう速やかに決定し、お知らせいたします」との「お知らせ」を公表しました。新執行体制確立への動きが始まったようです。
★ ライブドア・グループには若い有能な社員がひしめいています。みんな起業精神に満ちあふれた30歳代とか。指導者のあくどい錬金術は厳しく断罪され、速やかに切り離すべきでしょうが、こうした若い自由な精神に満ちあふれた創造型能力を同時に切り捨てるのは如何にも惜しい話です。
★ 私は、これを機会にライブドアが虚業と実業をはっきりと見分け、立派な実業部門を更に発展させることを心からねがい、それが実現することを期待しています。
by zenmz
| 2006-01-24 11:28
| ネット考現学