2006年 08月 28日
【6231】 タカサゴユリ・・・初秋を告げる季節の使者 |
★ 植物時計、と言う言葉がありますが、植物は、天体の動きに実に忠実に生きています。毎年、「終戦記念日」が終わり、朝夕、秋の気配を感じるようになると、我が家の庭のあちこちで、「タカサゴユリ」が一斉に開花します。
★ この辺り一帯は、25年前までは、赤松で覆われたマツタケ山でした。なだらかな丘陵が続き、山間の谷沿いに棚田が広がる米作地でもありました。岡山県のど真ん中。典型的な中山間地です。過疎対策と、過密化し始めた岡山・倉敷のベッドタウン造成を絡めて出現したのが「吉備高原都市」 今は、そのすべてが宅地に変わり、地名も変わりましたが、元々の名は「山ノ田」 名実共に消えました。
★ 18年前、ちょうど、先の昭和天皇が亡くなられた、その日、私たちは、ここに移り住みました。住み慣れた大阪・千里ニュータウンから新幹線で岡山駅に降りた時、手にした号外一面に「平成」と大書されたポスターを掲げた小渕官房長官の写真が今も瞼に焼き付いています。真に正確に平成の年数・歳月を私たち夫婦は岡山に住みついて来ました。
★ 家を新築したものの、大金をはたいて造成した庭の植木は次々と枯れ、芝生もなんども植え替えてもダメ。草木も生えぬ状況が続き、何とか緑が根付くようになったのは雑草が自生し始めてから・・・何度も植え替えた植木が根付くのに5年はかかったように思います。
★ でも、自然の力は偉大です。丸裸にされ、赤土をむき出しにして、草木一本、見あたらなかった宏大な造成地に、やがて赤松が自然に再生し始め、我が家の庭先にあるのり面には赤松が生い茂りました。同時に庭のあちこちにタカサゴユリも再生して広がり、このところ、一斉に大きなラッパを広げて「秋だ秋、秋が来たよ」と虫たちを呼び寄せています。
★ そうは言っても、ヤマユリとは違って、あまり重宝されないタカサゴユリですが、私の思い入れは特別です。「荒れ野に咲く花」ですが、これこそ、正に女神。我が庭の守り神です。
★ その数を数えるのも楽しみのひとつ、昨日、丹念に数えたら、開いた花だけでも300個以上ありました。この他にひとつの茎に10数個もツボミをつけて開花待ちのものも多々、あり、まだ新たな開花がつづきます。やがて9月も半ばに近づき、盛りが終わると、花弁は枯れ落ち、長い雌しべがタネ袋のサヤをふくらませます。そして来春に弾けてタネをまき散らします。ユリ科植物はユリ根で増殖するはず。事実、タカサゴユリも掘り返すと、根は球根です。
★ このタネ・・・? 本当に芽をふくのかどうか? 一度、採取し、春に蒔いてみましたが、ダメでした。諦めて、そのままにしておりますが、自然の力は偉大です。一昨年辺りから、急に”群生”の兆しを見せ始めました。これまでは、「ここに1株、あっちにも・・・」と、一株単位で楽しんでおりましたが、昨年は数株単位。今年は「この調子だと、我が家の庭はタカサゴユリが群生するのでは?」と思わせる勢いです。
★ ともかく、我が家にとってタカサゴユリの開花は初秋の訪れを告げる好ましい使者です。これから暫く、毎日、大輪を開いて家の隅々の生き物に「秋だ、秋だ」と告げ回ります。少しずつ、時間のずれがあるのは、周辺の植え込みや、建物の日陰に根を下ろした”晩生”(おくて)達です。
★ それにしても、何とも不思議なのがタカサゴユリの習性。 どうして、選りに選ってこんな所に? と、思うほど、奇妙な場所に根を下ろしています。特に目立つのが石垣の隙間に分け入る”隙間狙い”。我が家でも、道路から玄関に通じる長いアプローチ脇の石垣にスックと立ちはだかっているのが一番の大物です。
★ 約3週間前、わざわざドイツから我が家をご訪問下さった「おつう」さん。お泊まりいただいた別棟の「ゼニモト・ホテル」もタカサゴユリが取り囲んでいます。「キウイ棚やタカサゴユリを拝見するのが楽しみです」とお便りもいただいておりましたが、お越し下さった当時は、未だ硬いツボミをつけたままでした。
★ この写真は、特に「おつう」さん宛。どうぞ、ご覧下さい。ベランダ先周辺のタカサゴユリ、一斉に開花し始めましたよ
★ この辺り一帯は、25年前までは、赤松で覆われたマツタケ山でした。なだらかな丘陵が続き、山間の谷沿いに棚田が広がる米作地でもありました。岡山県のど真ん中。典型的な中山間地です。過疎対策と、過密化し始めた岡山・倉敷のベッドタウン造成を絡めて出現したのが「吉備高原都市」 今は、そのすべてが宅地に変わり、地名も変わりましたが、元々の名は「山ノ田」 名実共に消えました。
★ 18年前、ちょうど、先の昭和天皇が亡くなられた、その日、私たちは、ここに移り住みました。住み慣れた大阪・千里ニュータウンから新幹線で岡山駅に降りた時、手にした号外一面に「平成」と大書されたポスターを掲げた小渕官房長官の写真が今も瞼に焼き付いています。真に正確に平成の年数・歳月を私たち夫婦は岡山に住みついて来ました。
★ 家を新築したものの、大金をはたいて造成した庭の植木は次々と枯れ、芝生もなんども植え替えてもダメ。草木も生えぬ状況が続き、何とか緑が根付くようになったのは雑草が自生し始めてから・・・何度も植え替えた植木が根付くのに5年はかかったように思います。
★ でも、自然の力は偉大です。丸裸にされ、赤土をむき出しにして、草木一本、見あたらなかった宏大な造成地に、やがて赤松が自然に再生し始め、我が家の庭先にあるのり面には赤松が生い茂りました。同時に庭のあちこちにタカサゴユリも再生して広がり、このところ、一斉に大きなラッパを広げて「秋だ秋、秋が来たよ」と虫たちを呼び寄せています。
★ そうは言っても、ヤマユリとは違って、あまり重宝されないタカサゴユリですが、私の思い入れは特別です。「荒れ野に咲く花」ですが、これこそ、正に女神。我が庭の守り神です。
★ その数を数えるのも楽しみのひとつ、昨日、丹念に数えたら、開いた花だけでも300個以上ありました。この他にひとつの茎に10数個もツボミをつけて開花待ちのものも多々、あり、まだ新たな開花がつづきます。やがて9月も半ばに近づき、盛りが終わると、花弁は枯れ落ち、長い雌しべがタネ袋のサヤをふくらませます。そして来春に弾けてタネをまき散らします。ユリ科植物はユリ根で増殖するはず。事実、タカサゴユリも掘り返すと、根は球根です。
★ このタネ・・・? 本当に芽をふくのかどうか? 一度、採取し、春に蒔いてみましたが、ダメでした。諦めて、そのままにしておりますが、自然の力は偉大です。一昨年辺りから、急に”群生”の兆しを見せ始めました。これまでは、「ここに1株、あっちにも・・・」と、一株単位で楽しんでおりましたが、昨年は数株単位。今年は「この調子だと、我が家の庭はタカサゴユリが群生するのでは?」と思わせる勢いです。
★ ともかく、我が家にとってタカサゴユリの開花は初秋の訪れを告げる好ましい使者です。これから暫く、毎日、大輪を開いて家の隅々の生き物に「秋だ、秋だ」と告げ回ります。少しずつ、時間のずれがあるのは、周辺の植え込みや、建物の日陰に根を下ろした”晩生”(おくて)達です。
★ それにしても、何とも不思議なのがタカサゴユリの習性。 どうして、選りに選ってこんな所に? と、思うほど、奇妙な場所に根を下ろしています。特に目立つのが石垣の隙間に分け入る”隙間狙い”。我が家でも、道路から玄関に通じる長いアプローチ脇の石垣にスックと立ちはだかっているのが一番の大物です。
★ 約3週間前、わざわざドイツから我が家をご訪問下さった「おつう」さん。お泊まりいただいた別棟の「ゼニモト・ホテル」もタカサゴユリが取り囲んでいます。「キウイ棚やタカサゴユリを拝見するのが楽しみです」とお便りもいただいておりましたが、お越し下さった当時は、未だ硬いツボミをつけたままでした。
★ この写真は、特に「おつう」さん宛。どうぞ、ご覧下さい。ベランダ先周辺のタカサゴユリ、一斉に開花し始めましたよ
by zenmz
| 2006-08-28 13:20