2006年 09月 06日
【6238】 大女優・森光子さんを想う |
★ 「森光子さん:『放浪記』上演1800回に」・・・・
昨日(9月5日)の朝刊の片隅にコンパクトに報ぜられていた芸能ニュース。深い感銘を心に刻みながら、報道の一語一語を確かめながら読みました。
★ モリミッチャン・・・現役の新聞記者だった頃、私たちは、森光子さんを話題にするとき、特別の親しみを込めて、こう呼びました。気さくな姉さん。決して偉ぶることのなかった方でした。改めて「森光子さん(86)」を凝視しました。(86)??? この白髪の猫背老人である私よりさらに10歳も年輪を重ねたおられる。誰しもとっさに、思ったことでしょう。
記念すべき1800回公演でも、あの“でんぐりがえし”の名場面、あったのかしらネ?
★ 実は、この日の公演に先立ち、記者会見が行われ、衣装の日本髪、和服姿で登場した森さんは
「“でんぐりがえし”の場面になると、拍手をいただける。スポーツ番組みたい」
と笑わせ、さらに石段を降りる場面の稽古中に地震に見舞われたというヒヤヒヤエピソードも。
「でも、地震がきても、あわてない自信はありますよ」
と健在ぶりをアピールした、そうです。86歳のモリミッチャンらしいいい話ですね。
★ あまり芸能関係には興味がない私ですが、若い頃から森光子さんには特別の関心を抱いて来ました。ただ同じ京都生まれの京都育ち、それも同じ京都・三条で幼少時を過ごした”地縁”が生んだ自分勝手な親近感なのですが、私の母などは、三条木屋町にあった割烹旅館の名を挙げて「そこで森光子さんは生まれはったんやデ」と、いつも話題にするほどの大ファンでした。
★ それはともかく、この76歳の老人には86歳の老女優が十代少女を演じて違和感を感じさせない。その演技力に感じ入っています。これこそ本当の”入神の演技”なのでしょうね。よくモリミッチャンを話題にすると、「オバケ」と評する人がいますが、私などは最高のほめ言葉と思っています。作家、林芙美子の半生を描いたこの劇を1961(昭和36)年の初演から代役なしでこなしてきて上演1800回。
★ 記録そのものは前人未踏の大記録、それも現在進行形で日々、更新中。10月からは、名古屋・中日劇場で続演して、同月31日の千秋楽には1858回を迎えるはず、だそうです。振り返ってみると、その意味は、10代少女の役を41歳で演じ始めて45年。全く代役を立てず、自ら演じきって気がついたら86歳。舞台を見る誰にもそれを感じ取らせなかった!!! 何とすばらしいことではありませんか。
★ その秘密は? これは、もう多くの方がご存じだと思います。モリミッチャンは筋力を鍛えるため、「ヒンズースクワット」を1日150回行い、エネルギー源は1日3個の鶏卵。やはり、ストレッチは健康の基です。特に背筋を伸ばしてしゃがんで立つ動作を繰り返す「ヒンズースクワット」は、腰を柔軟に保ちます。この機会に新聞が“でんぐりがえし”にスポットを当てて、その秘密を書き立ててくれたら、ひょっとすると、高齢者の間で「ヒンズースクワット」が大流行するかもしれませんね。
★ まあ、他人頼みは当てにしないで、このブログで大いに推奨しておきましょう。私も、毎日、実際に行っていて、その効き目は体験済みです。高齢者の方は是非、「ヒンズースクワット」をなさってみてください。今からでも遅くない。モリミッチャンのように「1日150回」忠実にやれば、やがて“でんぐりがえし”も出来るかもしれません。そして、若い恋人も・・・これは、まあ、ふくらむ夢で、いいです。ネット上に簡単に独習できる解説が出ていました。
★ 世紀の大女優、森光子さんは昨年、文化勲章を受章されましたね。壮絶な人生を歩んできた方でした。京都の芸妓と京大の学生との間に生まれ、十代少女時代に両親と死別し女学校を中退せざるを得なかった、いとこの映画スター、嵐寛寿郎を頼って芸能界入したものの端役ばかりで苦労を重ね、戦争中は歌手として戦地慰問団に加わった経験をしています。
41歳になって初めて世に出るきっかけを掴んだ。それが「放浪記」の主役でした。自らの人生を投影しての演技。文化勲章は実にモリミッチャンの放浪人生に与えられたものと言ってもいいでしょう。
★ 私がいつも深い感銘を受けるのは、終演後のカーテンコールです。客席に向かって頭を下げるあのお辞儀・・・深々と体を折り曲げて、ゆっくり、ゆっくり頭を上げていきます。頭を上げたとき、彼女が客席を見つめるまなざしの美しさ。誰しも慈母の目を感じるのではないでしょうか。舞台の”かわいい女”は、見事に慈母観音に身替わりして慈愛のまなざしを向けて立っておられます。
本当に大女優ですね。
昨日(9月5日)の朝刊の片隅にコンパクトに報ぜられていた芸能ニュース。深い感銘を心に刻みながら、報道の一語一語を確かめながら読みました。
女優の森光子さん(86)が主演する舞台「放浪記」が4日、東京・丸の内の帝国劇場で行われた昼の公演で通算1800回を迎えた。61年の初演以来、主人公の作家林芙美子役を演じ続け、90年に山本安英さんの「夕鶴」(1037回)を抜いてからは、現代劇では一つの作品の主演記録を更新中だ。
61年の芸術座の初演から45年。単独主演の最長記録更新に、特別カーテンコールにはジャニーズ事務所の近藤真彦、東山紀之、城島茂、山口達也、堂本光一ら8人が駆けつけ、東山は森を抱擁して記録達成をねぎらった。カーテンコールで森さんは「ここまで、とても速かったようなポツポツと来たような、いろんな思いが交錯しています。これからも健康でいて、皆様の前に立ち続けたい」とあいさつした。
★ モリミッチャン・・・現役の新聞記者だった頃、私たちは、森光子さんを話題にするとき、特別の親しみを込めて、こう呼びました。気さくな姉さん。決して偉ぶることのなかった方でした。改めて「森光子さん(86)」を凝視しました。(86)??? この白髪の猫背老人である私よりさらに10歳も年輪を重ねたおられる。誰しもとっさに、思ったことでしょう。
記念すべき1800回公演でも、あの“でんぐりがえし”の名場面、あったのかしらネ?
★ 実は、この日の公演に先立ち、記者会見が行われ、衣装の日本髪、和服姿で登場した森さんは
「“でんぐりがえし”の場面になると、拍手をいただける。スポーツ番組みたい」
と笑わせ、さらに石段を降りる場面の稽古中に地震に見舞われたというヒヤヒヤエピソードも。
「でも、地震がきても、あわてない自信はありますよ」
と健在ぶりをアピールした、そうです。86歳のモリミッチャンらしいいい話ですね。
★ あまり芸能関係には興味がない私ですが、若い頃から森光子さんには特別の関心を抱いて来ました。ただ同じ京都生まれの京都育ち、それも同じ京都・三条で幼少時を過ごした”地縁”が生んだ自分勝手な親近感なのですが、私の母などは、三条木屋町にあった割烹旅館の名を挙げて「そこで森光子さんは生まれはったんやデ」と、いつも話題にするほどの大ファンでした。
★ それはともかく、この76歳の老人には86歳の老女優が十代少女を演じて違和感を感じさせない。その演技力に感じ入っています。これこそ本当の”入神の演技”なのでしょうね。よくモリミッチャンを話題にすると、「オバケ」と評する人がいますが、私などは最高のほめ言葉と思っています。作家、林芙美子の半生を描いたこの劇を1961(昭和36)年の初演から代役なしでこなしてきて上演1800回。
★ 記録そのものは前人未踏の大記録、それも現在進行形で日々、更新中。10月からは、名古屋・中日劇場で続演して、同月31日の千秋楽には1858回を迎えるはず、だそうです。振り返ってみると、その意味は、10代少女の役を41歳で演じ始めて45年。全く代役を立てず、自ら演じきって気がついたら86歳。舞台を見る誰にもそれを感じ取らせなかった!!! 何とすばらしいことではありませんか。
★ その秘密は? これは、もう多くの方がご存じだと思います。モリミッチャンは筋力を鍛えるため、「ヒンズースクワット」を1日150回行い、エネルギー源は1日3個の鶏卵。やはり、ストレッチは健康の基です。特に背筋を伸ばしてしゃがんで立つ動作を繰り返す「ヒンズースクワット」は、腰を柔軟に保ちます。この機会に新聞が“でんぐりがえし”にスポットを当てて、その秘密を書き立ててくれたら、ひょっとすると、高齢者の間で「ヒンズースクワット」が大流行するかもしれませんね。
★ まあ、他人頼みは当てにしないで、このブログで大いに推奨しておきましょう。私も、毎日、実際に行っていて、その効き目は体験済みです。高齢者の方は是非、「ヒンズースクワット」をなさってみてください。今からでも遅くない。モリミッチャンのように「1日150回」忠実にやれば、やがて“でんぐりがえし”も出来るかもしれません。そして、若い恋人も・・・これは、まあ、ふくらむ夢で、いいです。ネット上に簡単に独習できる解説が出ていました。
★ 世紀の大女優、森光子さんは昨年、文化勲章を受章されましたね。壮絶な人生を歩んできた方でした。京都の芸妓と京大の学生との間に生まれ、十代少女時代に両親と死別し女学校を中退せざるを得なかった、いとこの映画スター、嵐寛寿郎を頼って芸能界入したものの端役ばかりで苦労を重ね、戦争中は歌手として戦地慰問団に加わった経験をしています。
41歳になって初めて世に出るきっかけを掴んだ。それが「放浪記」の主役でした。自らの人生を投影しての演技。文化勲章は実にモリミッチャンの放浪人生に与えられたものと言ってもいいでしょう。
★ 私がいつも深い感銘を受けるのは、終演後のカーテンコールです。客席に向かって頭を下げるあのお辞儀・・・深々と体を折り曲げて、ゆっくり、ゆっくり頭を上げていきます。頭を上げたとき、彼女が客席を見つめるまなざしの美しさ。誰しも慈母の目を感じるのではないでしょうか。舞台の”かわいい女”は、見事に慈母観音に身替わりして慈愛のまなざしを向けて立っておられます。
本当に大女優ですね。
by zenmz
| 2006-09-06 11:41
| 現代社会論