2007年 05月 02日
【7193】 山川草木悉有仏性・・・森山画伯の世界 |
★ 岡山の日本画家・森山知己さん(49)が描かれた倉敷市の名刹「不洗(あらわず)観音寺」の「客殿襖絵」が完成し、この大型連休に公開されています。森山さんは、実は、拙宅の”お隣”さん。私個人にとっては、「パソコンのお師匠さん」でしたが、実は、美術界ではその名が知られている日本画家で、「岡山県展」の審査員などもなさっている著名人です。
★ 倉敷・不洗観音寺は、1200年も前の天平年間の創建と言われる名刹で、現在の客殿は江戸中期に建設されたものですが、260年を経た今、老朽化が進み改築されることになりました。その機に「建物とともに現代の絵を300年先まで残したい」と、地元出身の新進気鋭画家である森山さんに白羽の矢となったものです。
★ 全5室8面32枚におよぶ襖絵は7年がかりで制作されました。その間、作品の一部は、毎年、岡山・高島屋画廊で行われるのが恒例となっている「個展」に出品され、その進捗を拝見しておりましたが、完成したものを拝見すると、その印象はガラリと変わります。
★ 森山さんは、
「世の中に存在する全ての物には元からみな命が存在し、自らの成長によって、それら全ての存在が自分と共にいきるもの、同胞であることを知ることができるようになるのだとか。そんな人の成長になぞらえた世界を客殿の襖に描き出したいと考えました」と、述べています。そして、
★ 「出会いを飾り、先ず迎える板戸には、誰もが素直に愛おしく感じるような遊ぶ子犬の群像を描き」
「そのついには、巡る季節と豊かさの象徴として、輝く金箔や銀を背景とした植物、自然、干支の世界を配し」
「最後は、変わらぬ物、自らは動かない鉱物を暗示する表現として大きな風景を描いた」
★ こうして、客殿の奥に進むにつれて、それらは次第に色を抑えて、静かな世界へ続く道を暗示しているのです。真に日本人の自然観そおもの。山川草木悉有仏性の仏教思想そのものと言えましょう。
★ 真に豪華絢爛・・・満開の桜と瀬戸内海の大パノラマを組み合わせた「瀬戸内春望図」、色彩豊かな琳派(りんぱ)風の「四季花木図」など部屋ごとに趣の異なる6つの世界・・・・その作品の更なる解説は、森山さん自身のホームページに掲載されています。こちらをご参照ください。
岡山近郊におられる方には是非、この機会に、現物をご覧になるようお薦めしたいと思います。
◎ くらしき不洗観音寺客殿襖絵展
会期:2007年5月1日(火)~5日(土)
時間:10:00から15:00まで
鑑賞奉納料:1000円(全20ページの豪華なカラー図録が貰えます)
不洗観音寺ホームページ
不洗観音寺へのアクセス
【注】
ここに掲載しました写真は、いずれも同展で配布されたカラー図録に収録されているものです。
★ 倉敷・不洗観音寺は、1200年も前の天平年間の創建と言われる名刹で、現在の客殿は江戸中期に建設されたものですが、260年を経た今、老朽化が進み改築されることになりました。その機に「建物とともに現代の絵を300年先まで残したい」と、地元出身の新進気鋭画家である森山さんに白羽の矢となったものです。
★ 全5室8面32枚におよぶ襖絵は7年がかりで制作されました。その間、作品の一部は、毎年、岡山・高島屋画廊で行われるのが恒例となっている「個展」に出品され、その進捗を拝見しておりましたが、完成したものを拝見すると、その印象はガラリと変わります。
★ 森山さんは、
「世の中に存在する全ての物には元からみな命が存在し、自らの成長によって、それら全ての存在が自分と共にいきるもの、同胞であることを知ることができるようになるのだとか。そんな人の成長になぞらえた世界を客殿の襖に描き出したいと考えました」と、述べています。そして、
「そのついには、巡る季節と豊かさの象徴として、輝く金箔や銀を背景とした植物、自然、干支の世界を配し」
「最後は、変わらぬ物、自らは動かない鉱物を暗示する表現として大きな風景を描いた」
★ こうして、客殿の奥に進むにつれて、それらは次第に色を抑えて、静かな世界へ続く道を暗示しているのです。真に日本人の自然観そおもの。山川草木悉有仏性の仏教思想そのものと言えましょう。
岡山近郊におられる方には是非、この機会に、現物をご覧になるようお薦めしたいと思います。
◎ くらしき不洗観音寺客殿襖絵展
会期:2007年5月1日(火)~5日(土)
時間:10:00から15:00まで
鑑賞奉納料:1000円(全20ページの豪華なカラー図録が貰えます)
不洗観音寺ホームページ
不洗観音寺へのアクセス
【注】
ここに掲載しました写真は、いずれも同展で配布されたカラー図録に収録されているものです。
by zenmz
| 2007-05-02 14:48
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