2007年 06月 20日
【7266】 《小食は長生きのしるし》 |
★ 喜寿。馬齢を重ねて77年。トシをとったセイでしょうか、毎日、一つ一つの小さな事柄に自分が生きてきた人生体験を乗せて考えることが多くなりました。昭和ヒトケタ、少年時代の飢餓地獄と、晩年の今、世界トップを争う経済大国の絢爛豪華なグルメ天国。80年足らずで経験した「天国と地獄」 毎日の日常を簡単に見過ごせない気分に襲われます。
★ 子・孫に一言。言って聴かせたい。その最たるものは、過食の罪です。私は、テレビで、大食競争や、グルメ番組が映し出されると必ず切ります。いい具合に老妻も娘も共にこの種の番組は大嫌い。これだけは文句も言わずに私に同調します。それだけでもうれしいです。過食は絶対にいけません。
★ こうした他人事の過食は批判しやすいですね。だが自分のことになると、どうか? 一番、大切なのは、こちらです。定年退職して、これまで他人見合いに生きざるを得なかった毎日。朝の出社時間から帰宅時間まで、すべてが誰かが決めた通りに動かざるを得ない”他律”生活で一番、気を付けねばならないのが「飲みニケーション」です。
★ 仲間はずれになるのが一番、怖いサラリーマンは昼の昼食からアフター5を深夜まで群がって飲み歩く習性を身につけています。それが結果として、トータル、常識では考えられない過食になっていることになかなか気がつきません。豊かになった現代日本の悲劇ですね。そして過食の罪は、罰せられつつあります。その身に担わされたメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群) だれのセイでもない。自ら招いた運命です。
★ 定年は、更に一つの試練を与えます。定年とは何か? 三つもの定年を重ねて来た私は、毎日の生き方を他人が決めた規律によって規定される”他律生活”から、24時間、すべてを自分自身が決める”自律生活”への転換だと思います。この切り替えがキチンと出来ないと、定年後人生は悲劇になります。
★ 一番、悪い例は、「これで自由だ」と、朝から晩までテレビを見ながら美食三昧な生活を始めることでしょう。外に出ることも少なく、食い放題、飲み放題・・・・豊かであるが故の退廃です。
★ 過食は驕りの人の食行動。いまこそ、それを唱えるべきでしょう。自ら振り返って、その罪を認識すべきではないか。過食が作り出す巨大な廃棄物。本来、貴重な食糧であるはずの魚、肉、野菜、穀物・・・すべてがゴミとして排出・廃棄されています。これ、皆、命があったもの
★ 美しく着飾り、レストランでグルメを楽しみ、安楽イスにもたれながら、ボランティア精神を語る現代人。自覚されざる過食の罪は、ここにあります。メタボリックシンドロームは、自然の摂理がもたらした罰と言うべきでありましょう。
《小食は長生きのしるし》
★ 肥満は大食がもたらす。
これは、はっきりしています。50年前、全国民が小食に堪えざるを得なかった時代には肥満はありませんでした。日本庶民すべてがスリムでした。時たま見かける肥満は財界人や政治家たち。当時は、肥満はエライさんのイメージと重なっていたことも事実です。貧困の時代、成功者と肥満はダブルイメージがありました。
○ 食材の数を増やすと栄養バランスはとれるが、カロリーは過剰になる。食材の数を増やすのは食生活の理想だが、《弁当に入るだけの量に限る》ことが大切。副食の彩りを鮮やかにして、ご飯を適量にカットすることのがこつ。
○ 最近の栄養学では、働き盛りは少しやせ気味で、定年後はぽっちゃり気味が良いとされる。
★ 我が敬愛する辻啓介博士はこう提言しておられます。傾聴すべきですね。
私は、その深い意味を、我が伴侶、ピピの食行動で確認できます。誠に、犬にも、犬としての矜恃(きょうじ)とも言うべきものがあるのですね。
ナント見事なこのプライド、人間の勝手な思いこみで愛情表現として余分のエサを与えても「足りるを知る」 見向きもしない。これぞ真の「矜恃」と感服します。
【注】
SNSからの転載です。
初出は、(火)・【私の食生活・今日の一戒」(15)】
(「日経WagaMaga」2007年05月27日)
★ 子・孫に一言。言って聴かせたい。その最たるものは、過食の罪です。私は、テレビで、大食競争や、グルメ番組が映し出されると必ず切ります。いい具合に老妻も娘も共にこの種の番組は大嫌い。これだけは文句も言わずに私に同調します。それだけでもうれしいです。過食は絶対にいけません。
★ こうした他人事の過食は批判しやすいですね。だが自分のことになると、どうか? 一番、大切なのは、こちらです。定年退職して、これまで他人見合いに生きざるを得なかった毎日。朝の出社時間から帰宅時間まで、すべてが誰かが決めた通りに動かざるを得ない”他律”生活で一番、気を付けねばならないのが「飲みニケーション」です。
★ 仲間はずれになるのが一番、怖いサラリーマンは昼の昼食からアフター5を深夜まで群がって飲み歩く習性を身につけています。それが結果として、トータル、常識では考えられない過食になっていることになかなか気がつきません。豊かになった現代日本の悲劇ですね。そして過食の罪は、罰せられつつあります。その身に担わされたメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群) だれのセイでもない。自ら招いた運命です。
★ 定年は、更に一つの試練を与えます。定年とは何か? 三つもの定年を重ねて来た私は、毎日の生き方を他人が決めた規律によって規定される”他律生活”から、24時間、すべてを自分自身が決める”自律生活”への転換だと思います。この切り替えがキチンと出来ないと、定年後人生は悲劇になります。
★ 一番、悪い例は、「これで自由だ」と、朝から晩までテレビを見ながら美食三昧な生活を始めることでしょう。外に出ることも少なく、食い放題、飲み放題・・・・豊かであるが故の退廃です。
★ 過食は驕りの人の食行動。いまこそ、それを唱えるべきでしょう。自ら振り返って、その罪を認識すべきではないか。過食が作り出す巨大な廃棄物。本来、貴重な食糧であるはずの魚、肉、野菜、穀物・・・すべてがゴミとして排出・廃棄されています。これ、皆、命があったもの
★ 美しく着飾り、レストランでグルメを楽しみ、安楽イスにもたれながら、ボランティア精神を語る現代人。自覚されざる過食の罪は、ここにあります。メタボリックシンドロームは、自然の摂理がもたらした罰と言うべきでありましょう。
《小食は長生きのしるし》
★ 肥満は大食がもたらす。
これは、はっきりしています。50年前、全国民が小食に堪えざるを得なかった時代には肥満はありませんでした。日本庶民すべてがスリムでした。時たま見かける肥満は財界人や政治家たち。当時は、肥満はエライさんのイメージと重なっていたことも事実です。貧困の時代、成功者と肥満はダブルイメージがありました。
○ 食材の数を増やすと栄養バランスはとれるが、カロリーは過剰になる。食材の数を増やすのは食生活の理想だが、《弁当に入るだけの量に限る》ことが大切。副食の彩りを鮮やかにして、ご飯を適量にカットすることのがこつ。
○ 最近の栄養学では、働き盛りは少しやせ気味で、定年後はぽっちゃり気味が良いとされる。
★ 我が敬愛する辻啓介博士はこう提言しておられます。傾聴すべきですね。
私は、その深い意味を、我が伴侶、ピピの食行動で確認できます。誠に、犬にも、犬としての矜恃(きょうじ)とも言うべきものがあるのですね。
ナント見事なこのプライド、人間の勝手な思いこみで愛情表現として余分のエサを与えても「足りるを知る」 見向きもしない。これぞ真の「矜恃」と感服します。
【注】
SNSからの転載です。
初出は、(火)・【私の食生活・今日の一戒」(15)】
(「日経WagaMaga」2007年05月27日)
by zenmz
| 2007-06-20 06:46
| 食生活:今日の一戒