2007年 08月 21日
【7377】 ベトナム語事始め |
★ その話をすると、判で押したように同じ質問が出されます。
「何故、何のために?」
ベトナム語を学び始めたことを話題にすると、第一に関心を持たれるのがこれ。
多分、その前に置いた
「そのトシにもなって??」
が省略されているのでしょうね。
★ 特に深い思いの後に”決断”したわけではありません。中には
「そもそもどういうモチベーションで・・・」
などと大きく構えられる真面目な方もあって、戸惑ってしまいます。
登山家が何故、山に登るのか? と、問われて
「山がそこにあるから」
と答えた、という有名な話を思い出します。
★ 私にとっては、正に
「ベトナム娘が近所にいるから」
というだけのこと。近所付き合いの必要からです。
チベット人だったらチベット語、ブラジル人だったらブラジル語でしょうね。
★ 先ず、交流ありき、です。
この山奥でも、ご近所で、未だ名前も知らぬ人はあちこちにいます。日本人同士でありながら、顔も知らず、言葉を交わすこともありません。
逆に夕方の散歩に、毎日、顔を合わせる。いつの間にか、目敏く私の姿を確認すると、「オジーチャン!」と声をかけるようになった異国の若い女性たち。正にご縁という他、ありません。
★ やがて、招き、招かれる「親善・交流」になり、気心が通い始めると、自然に、カタコト言葉の交換が起こる。
「これは、面白い、週1回、集まって交換学習しようか」
そして自然に始まった。まあ、言ってみれば、よいお付き合いの”形”なのです。
★ ですから、「教科書」などは用いません。そんなものを広げて、向かい合うのは退屈。私たちは、お互い
「本を読むなら、自分たちめいめいが、好きなモノを選んで読む」
お互いに、「これこれを読むべき、学習すべき・・・・」は、ご法度。必要なら全部、手作りです。
★ とにかく、お互い、顔を見合わせ、語らいの時を楽しむ。そのために集う。その楽しみを取り持つのが「コトバ」
”お勉強”といった構えは最初から捨てています。どちらかと言えば、遊び要素が強いです。
少し、やってみて、驚きました。9人のベトナム娘たちは、全員が、ひらがな、カタカナを完全に読み書き出来ます。
漢字ひらがな並記の「日越辞典」を持っていて、分からぬ単語を耳にすると、直ぐ、引いています。
★ 「もうこの娘たちの言語力は作文に十分」
そう感じた私は、お互い自由作文を書いて、それを翻訳しあう”遊び”を提案しました。
その”先導的仮説実験”を2回やって見ましたが、本当に素晴らしいです。
私は、長年、「語学の勉強」には苦労しました。でも、これは苦になりません。
★ 私がベトナム娘たちに書き送った短文を娘たちに「出来るだけ美しい、正しいベトナム語に」と翻訳を依頼し、送られて来た拙文の「ベトナム語訳文」で私がベトナム語を学ぶ。自分の発想したものがベトナム語で返ってきて、それを覚えるのですから、身に付く度合いは、【学校語学】とは違います。すんなり頭脳に納まります。
★ この方法をもっと効率的に高めようと、パソコンを提供することにしました。
幸い、お隣に住んでいる私のパソコン師匠役の青年(通称・オニイチャン)が、「そんならボクも一役」と余分のパソコンを1台無料提供してくれ、私のパソコンと合わせて2台を増設しました。
★ 「これで3台になった。1台3人割り当てで使えば、もっと効率的になるね。どんどん日越交換翻訳して、みんなで学習日記をつくりましょう」
みんな大喜びでした。
試行錯誤でコトバを選び、めいめいが思い思いにつくった文章がほぼ”完全な”異国語の文章になって出てくる。
毎回、味わう、その達成感。 ほんとうに素晴らしいものです。
★ その新しいパソコンを設置している時、娘たちが
「ガヤガヤ@+?#&%・・ガヤガヤ」
何事かと思ったら「ネズミありません」
★ ベトナム語でも、パソコンのマウスは「チュオッ」(ねずみ)と言うのだそうです。
「オッ、チューチュー・ねずみ、覚えた!」
と、言ったら大爆笑でした。
が、「ベトナム語は、conを付けます」 ????
★ 何か分からぬ説明が延々と続きました。
あれか、これか・・・・説明の一つ、一つを確かめて、やっと分かったのは。
ベトナム語の普通名詞は、「生き物」と「生き物でない」ものの区別がはっきりしていて、
「生き物」の名詞の前には必ず「con」(コン)を前置します。
例えば、「犬は、コン・チョー」 「ネコは、コン・ミョー」 「魚は、コン・カー」など
★ そして「生き物でない」名詞の前には、必ず「cai」(カイ)をつけて「生き物」(con)と区別します。
「机は、カイ・バーン」 「椅子は、カイ・ゲー」 「テレビは、カイ・テーヴィー」
★ これは、大原則。ベトナム語では、必ず、この二つを分けるそうです。
なのに・・・パソコンのマウスだけは別。
「パソコンのマウスも、生きているネズミも、同じ con(生き物冠詞)を付けます。おかしいけど、シューカンです」
★ 面白いですね。新出現のパソコン・マウスを生き物のネズミと同じように感じ取る”語感覚”。言われてみると、この”コン・チュオッ”君、パソコン画面をせわしく走り回っています。金物の道具も正に生き物のように動きます。
★ それはともかく、今、私の夢は大きくふくらんでいます。
これより、9人のベトナム孫娘たちと私の10人共著で随想録「吉備高原に老いを生きる」を書きつづっていく。
多分、子・孫に残す、【我が家の文化遺産】となるでしょう。
多分、ベトナムの孫娘たちにも、予定されている全3年間の貴重なニッポン生活記録になるに違いありません。
「何故、何のために?」
ベトナム語を学び始めたことを話題にすると、第一に関心を持たれるのがこれ。
多分、その前に置いた
「そのトシにもなって??」
が省略されているのでしょうね。
★ 特に深い思いの後に”決断”したわけではありません。中には
「そもそもどういうモチベーションで・・・」
などと大きく構えられる真面目な方もあって、戸惑ってしまいます。
登山家が何故、山に登るのか? と、問われて
「山がそこにあるから」
と答えた、という有名な話を思い出します。
★ 私にとっては、正に
「ベトナム娘が近所にいるから」
というだけのこと。近所付き合いの必要からです。
チベット人だったらチベット語、ブラジル人だったらブラジル語でしょうね。
★ 先ず、交流ありき、です。
この山奥でも、ご近所で、未だ名前も知らぬ人はあちこちにいます。日本人同士でありながら、顔も知らず、言葉を交わすこともありません。
逆に夕方の散歩に、毎日、顔を合わせる。いつの間にか、目敏く私の姿を確認すると、「オジーチャン!」と声をかけるようになった異国の若い女性たち。正にご縁という他、ありません。
★ やがて、招き、招かれる「親善・交流」になり、気心が通い始めると、自然に、カタコト言葉の交換が起こる。
「これは、面白い、週1回、集まって交換学習しようか」
そして自然に始まった。まあ、言ってみれば、よいお付き合いの”形”なのです。
★ ですから、「教科書」などは用いません。そんなものを広げて、向かい合うのは退屈。私たちは、お互い
「本を読むなら、自分たちめいめいが、好きなモノを選んで読む」
お互いに、「これこれを読むべき、学習すべき・・・・」は、ご法度。必要なら全部、手作りです。
★ とにかく、お互い、顔を見合わせ、語らいの時を楽しむ。そのために集う。その楽しみを取り持つのが「コトバ」
”お勉強”といった構えは最初から捨てています。どちらかと言えば、遊び要素が強いです。
少し、やってみて、驚きました。9人のベトナム娘たちは、全員が、ひらがな、カタカナを完全に読み書き出来ます。
漢字ひらがな並記の「日越辞典」を持っていて、分からぬ単語を耳にすると、直ぐ、引いています。
★ 「もうこの娘たちの言語力は作文に十分」
そう感じた私は、お互い自由作文を書いて、それを翻訳しあう”遊び”を提案しました。
その”先導的仮説実験”を2回やって見ましたが、本当に素晴らしいです。
私は、長年、「語学の勉強」には苦労しました。でも、これは苦になりません。
★ 私がベトナム娘たちに書き送った短文を娘たちに「出来るだけ美しい、正しいベトナム語に」と翻訳を依頼し、送られて来た拙文の「ベトナム語訳文」で私がベトナム語を学ぶ。自分の発想したものがベトナム語で返ってきて、それを覚えるのですから、身に付く度合いは、【学校語学】とは違います。すんなり頭脳に納まります。
★ この方法をもっと効率的に高めようと、パソコンを提供することにしました。
幸い、お隣に住んでいる私のパソコン師匠役の青年(通称・オニイチャン)が、「そんならボクも一役」と余分のパソコンを1台無料提供してくれ、私のパソコンと合わせて2台を増設しました。
★ 「これで3台になった。1台3人割り当てで使えば、もっと効率的になるね。どんどん日越交換翻訳して、みんなで学習日記をつくりましょう」
みんな大喜びでした。
試行錯誤でコトバを選び、めいめいが思い思いにつくった文章がほぼ”完全な”異国語の文章になって出てくる。
毎回、味わう、その達成感。 ほんとうに素晴らしいものです。
★ その新しいパソコンを設置している時、娘たちが
「ガヤガヤ@+?#&%・・ガヤガヤ」
何事かと思ったら「ネズミありません」
★ ベトナム語でも、パソコンのマウスは「チュオッ」(ねずみ)と言うのだそうです。
「オッ、チューチュー・ねずみ、覚えた!」
と、言ったら大爆笑でした。
が、「ベトナム語は、conを付けます」 ????
★ 何か分からぬ説明が延々と続きました。
あれか、これか・・・・説明の一つ、一つを確かめて、やっと分かったのは。
ベトナム語の普通名詞は、「生き物」と「生き物でない」ものの区別がはっきりしていて、
「生き物」の名詞の前には必ず「con」(コン)を前置します。
例えば、「犬は、コン・チョー」 「ネコは、コン・ミョー」 「魚は、コン・カー」など
★ そして「生き物でない」名詞の前には、必ず「cai」(カイ)をつけて「生き物」(con)と区別します。
「机は、カイ・バーン」 「椅子は、カイ・ゲー」 「テレビは、カイ・テーヴィー」
★ これは、大原則。ベトナム語では、必ず、この二つを分けるそうです。
なのに・・・パソコンのマウスだけは別。
「パソコンのマウスも、生きているネズミも、同じ con(生き物冠詞)を付けます。おかしいけど、シューカンです」
★ 面白いですね。新出現のパソコン・マウスを生き物のネズミと同じように感じ取る”語感覚”。言われてみると、この”コン・チュオッ”君、パソコン画面をせわしく走り回っています。金物の道具も正に生き物のように動きます。
★ それはともかく、今、私の夢は大きくふくらんでいます。
これより、9人のベトナム孫娘たちと私の10人共著で随想録「吉備高原に老いを生きる」を書きつづっていく。
多分、子・孫に残す、【我が家の文化遺産】となるでしょう。
多分、ベトナムの孫娘たちにも、予定されている全3年間の貴重なニッポン生活記録になるに違いありません。
by zenmz
| 2007-08-21 10:34
| ベトナムの”孫娘”