2007年 10月 24日
【7428】 おぞましい裁判員制度 |
★ 再来年の春には始まるとされている裁判員制度について、法務省が24日、裁判員に選ばれた人がどのような場合に辞退できるか定めた政令案を公表しました。
最大の懸案であった「思想信条を理由とする辞退」は明記せず、ケースごとに裁判官の判断に委ねることになったようです。
★ ともかく、70歳以上の高齢者や学生らのほか、重い病気やけがの人、同居親族の介護をしている人など四つの”止む得ない人”列挙し、辞退を認めています。何よりも、生きておれば79歳になる私は、最初から除外されていることを知り、ホッとしています。
★ 私は、裁判員制度がよく分かりません。3年前に「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(裁判員法)が成立した折、当時、国民的人気で絶頂期にあった”正義の味方”中坊公平弁護士が「画期的な刑事裁判への国民参加」とマスコミで解説しておられたことを思い出します。
★ 導入される裁判員制度については最高裁判所のホームページに詳細に亘って説明があります。しかし、何度、読んでも納得出来ません。
要するに殺人、強盗・強姦致死傷など凶悪刑事事件で死刑や無期懲役などの法定刑が定められているような重大事件の裁判に素人の陪席を求めて、裁判官だけで行って来た審理の方法をを大きく改めようというものです。そんな無茶な話!?? ・・・率直な印象です。
★ 細かいことは、さておき、このような刑事事件の裁判は、現在、3人の裁判官が審理し、判決しています。ところが、この法律が、2009年春施行されると、これに、国民の中から、無差別に選任される”素人”裁判員6人が加わり、9人で合議し、判決します。
★ これは驚くべきことです。こんなことが、まかり通っていいのか? 頭を傾げざるを得ません。私が懸念するもっとも大問題は、この法律の67条にある評決方法です。これによれば、3人の裁判官が全員揃って「有罪」と確信しても、6人の裁判員のうち5人が無罪だ、と言えば、結論は「無罪」となり、裁判長は、無罪判決を書かねばなりません。
★ これでは、一体、裁判官とは何か? と、問い直さねばならなくなります。
憲法37条3項は「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行い、この憲法および法律にのみ拘束される」と規定して、裁判官の職権について高い独立性を保障しています。
★ 裁判官について、特別の独立性を認める必要とその根拠は十分、あると思います。裁判の公平性を確保するため、司法試験をパスし、さらに最高裁判所の登用審査を経て任用された者だけに与えられる”裁判”という極度に高い専門性の人にだけ付与される権能です。国民の信頼はそこにあります。
★ 新しく出来た法律では、裁判員は、氏名も、住所も公表されず、判決書に署名もしないことになっています。いわば、「言いっぱなし」のずぶの素人集団。多分、それを実際に見た人は誰でも驚きますが、裁判で持ち出される文書は法律用語の羅列です。刑事事件の調書など素人にはちんぷんかんぷん。とても素人の手に負えるものではありません。
★ 恐ろしいことです。
なぜなら、このような無茶な刑事裁判陪席の強制がすべての国民に義務として課せられることが始まろうとしています。1.裁判員候補者名簿を作ります。裁判員は、選挙権のある人の中から,翌年の裁判員候補者となる人を毎年抽選で選び,裁判所ごとに裁判員候補者名簿が作られます。
★ そして、事件ごとにくじで,裁判員候補者が選ばれます。事件ごとに,その名簿の中からさらに抽選で具体的なそれぞれの事件の裁判員候補者を選び選任手続きに入ります。この場合、法律が認める除外該当者以外は、拒否できないのです。
★ 今日、決まった「除外者」の政令案は、新たな該当者として、次の各項を追加しています。
★ しかし、最大の懸案であった「思想信条を理由とする辞退」は、政令では明記せず、ケースごとに裁判官の判断に委ねることになったようです。昨年12月に内閣府が行った裁判員制度に関する特別世論調査では、「参加はしたくないが義務ならせざるを得ない」が44.5パーセント。「義務であっても参加したくkない」が33.6パーセントで、参加消極論が78パーセントに達しています。
★ 信号一つも守らない、駐車違反は日常茶飯事の世の中・・・社会生活のあらゆる場面で、順法精神が希薄な生活者が、ある日、突然、「裁判員」に選任され、「裁判官」と同格で、人を裁く。この飛躍がどうしていいことなのか? 私にはよくわかりません。ともかく70歳以上はお呼びでないので安心しました。でも、本音を言えば、このような悪法は、施行されず廃止されることを切望しています。
最大の懸案であった「思想信条を理由とする辞退」は明記せず、ケースごとに裁判官の判断に委ねることになったようです。
★ ともかく、70歳以上の高齢者や学生らのほか、重い病気やけがの人、同居親族の介護をしている人など四つの”止む得ない人”列挙し、辞退を認めています。何よりも、生きておれば79歳になる私は、最初から除外されていることを知り、ホッとしています。
★ 私は、裁判員制度がよく分かりません。3年前に「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(裁判員法)が成立した折、当時、国民的人気で絶頂期にあった”正義の味方”中坊公平弁護士が「画期的な刑事裁判への国民参加」とマスコミで解説しておられたことを思い出します。
★ 導入される裁判員制度については最高裁判所のホームページに詳細に亘って説明があります。しかし、何度、読んでも納得出来ません。
要するに殺人、強盗・強姦致死傷など凶悪刑事事件で死刑や無期懲役などの法定刑が定められているような重大事件の裁判に素人の陪席を求めて、裁判官だけで行って来た審理の方法をを大きく改めようというものです。そんな無茶な話!?? ・・・率直な印象です。
★ 細かいことは、さておき、このような刑事事件の裁判は、現在、3人の裁判官が審理し、判決しています。ところが、この法律が、2009年春施行されると、これに、国民の中から、無差別に選任される”素人”裁判員6人が加わり、9人で合議し、判決します。
★ これは驚くべきことです。こんなことが、まかり通っていいのか? 頭を傾げざるを得ません。私が懸念するもっとも大問題は、この法律の67条にある評決方法です。これによれば、3人の裁判官が全員揃って「有罪」と確信しても、6人の裁判員のうち5人が無罪だ、と言えば、結論は「無罪」となり、裁判長は、無罪判決を書かねばなりません。
★ これでは、一体、裁判官とは何か? と、問い直さねばならなくなります。
憲法37条3項は「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行い、この憲法および法律にのみ拘束される」と規定して、裁判官の職権について高い独立性を保障しています。
★ 裁判官について、特別の独立性を認める必要とその根拠は十分、あると思います。裁判の公平性を確保するため、司法試験をパスし、さらに最高裁判所の登用審査を経て任用された者だけに与えられる”裁判”という極度に高い専門性の人にだけ付与される権能です。国民の信頼はそこにあります。
★ 新しく出来た法律では、裁判員は、氏名も、住所も公表されず、判決書に署名もしないことになっています。いわば、「言いっぱなし」のずぶの素人集団。多分、それを実際に見た人は誰でも驚きますが、裁判で持ち出される文書は法律用語の羅列です。刑事事件の調書など素人にはちんぷんかんぷん。とても素人の手に負えるものではありません。
★ 恐ろしいことです。
なぜなら、このような無茶な刑事裁判陪席の強制がすべての国民に義務として課せられることが始まろうとしています。1.裁判員候補者名簿を作ります。裁判員は、選挙権のある人の中から,翌年の裁判員候補者となる人を毎年抽選で選び,裁判所ごとに裁判員候補者名簿が作られます。
★ そして、事件ごとにくじで,裁判員候補者が選ばれます。事件ごとに,その名簿の中からさらに抽選で具体的なそれぞれの事件の裁判員候補者を選び選任手続きに入ります。この場合、法律が認める除外該当者以外は、拒否できないのです。
★ 今日、決まった「除外者」の政令案は、新たな該当者として、次の各項を追加しています。
・妊娠中または出産から8週間以内。男性の場合、妻または娘が出産する場合で、入退院の付き添い・出産への立ち会い(事実婚も含む)
・介護がなくては日常生活に支障がある別居の親族または同居人がいる
・重い病気やけがの配偶者や親族、同居人の入通院への付き添い
・住所または居所が裁判所の管轄外の遠隔地で出頭が困難
・自己または第三者に身体上、精神上または経済上の重大な不利益が生じると認めるに足る相当の理由がある
★ しかし、最大の懸案であった「思想信条を理由とする辞退」は、政令では明記せず、ケースごとに裁判官の判断に委ねることになったようです。昨年12月に内閣府が行った裁判員制度に関する特別世論調査では、「参加はしたくないが義務ならせざるを得ない」が44.5パーセント。「義務であっても参加したくkない」が33.6パーセントで、参加消極論が78パーセントに達しています。
★ 信号一つも守らない、駐車違反は日常茶飯事の世の中・・・社会生活のあらゆる場面で、順法精神が希薄な生活者が、ある日、突然、「裁判員」に選任され、「裁判官」と同格で、人を裁く。この飛躍がどうしていいことなのか? 私にはよくわかりません。ともかく70歳以上はお呼びでないので安心しました。でも、本音を言えば、このような悪法は、施行されず廃止されることを切望しています。
by zenmz
| 2007-10-24 13:57
| 奴雁の目