2008年 04月 25日
【8032】 新聞記者・・・新しいことを聞いて記す者??? |
★ 思わず吹き出してしまいました。
25日付のある大手新聞朝刊に登場したコラム。
筆者は、記事を取捨選択して見出しを付けて新聞紙面に仕立てる編集レイアウト担当のデスク(副部長)か主任の任にある中堅記者だろうと思います。こう書いています。
★ この文章にもあるように今、現役記者が中高校から大学まで出向いて新聞の話をするのがはやっているその背景には新聞購読を止めた家庭が激増し、若者の大半が新聞を読まない傾向が一層、強まり、全国民規模での新聞離れの影響はモロに新聞経営を脅かしているせっぱ詰まった現実があります。
★ この事態を新聞業界全体の危機、として重要視した日本新聞協会は、昨年秋の全国大会で「新しい読者を作る」をメイン・テーマに取り上げ、編集幹部が額を寄せ合って対応策を徹底討論した経緯もあります。「見つける」のではありません。新しい読者を「作り出す」 危機感はそこまで来ているのです。
★ だが、しかし、大学に出かけた"中堅記者"が「新しいことを聞いて記す者。だから新聞記者」レベルの話をして新聞離れしている若者を「新聞読者」に連れ戻すことが出来るでしょうか? お粗末を通り越して、少々、読者をナメテいるような態度も窺え、不快感さえ覚えます。
★ 私も、元はといえば新聞記者。55年前に新人教育を受けたときにはもう少し、指導記者の言葉にはモノを考えさせる含蓄がありました。たとえば、こういう具合でした。
豊かな体験から絞り出された先輩記者の言葉に感動した覚えが私にはあります。
★ でも、「新しいことを聞いて記す者」??? 中学生の言うような同義反復で面白がるようでは記者として落第です。こんなことを口にして平気でおられるのは、多分、明治・大正時代から新聞人が引きずっている荒唐無稽な「社会の木鐸」意識なのでしょう。
★ ずっと昔の新聞記者は
「オレが書けば、それがニュース」
などとうそぶいていました。鼻持ちならぬエリート意識。
新聞が”社会の木鐸”など今では誰も信じませんね。
この記者殿、自分が言えば、重みがある、とでも自負しているのでしょうか?
脳天気な井の中の蛙、と言うほかありません。
★ ネット時代、もう民衆は新聞が拾ってくるニュースをさほど必要としてはいません。情報獲得のメディアはケイタイ、アクセスするのはインターネットです。
有能な個人ジャーナリストが新聞社と同列横並びで自らのホームページを運用し良質な情報を無料提供。読者は選り取り自由。しかもタダで自分に必要な情報を手にしています。
★ 新聞の大敵はブログとSNS。今や1社で1000万人が加入している mixi の影響力は誰も無視出来なくなりました。テレビ各社がmixi のアクセスキーワードに従って特集番組を組むようになってきています
更に新聞各紙も、ブログやSNSを取材源にして「新しいことを聞いたフリして記して」います。
★ 恥ずかしいと思わないのでしょうか? 他人のフンドシで相撲を取る。 私の目には新聞記者の自殺行為です。
★ 大衆にとって情報の意味は既に大変化を遂げつつあります。もはや”専門”記者が新しがるニュースは求めてはいません。個々人が生活のあらゆる場面で、リアルタイムに必要とする情報に直接、アクセスします。検索エンジンは直ちに個人の要求に応えてくれます。新聞社と大衆のニュース感覚は完全に乖離しました。
★ これはちょっと深刻。笑い話で済ませられなくなりました。その目でみれば、最近、もっとも心配な新聞の末期症状を思わせる情景があります。イマドキの記者は、記事を催促すると、「まだ発表がありません」と連絡して来るそうです。
★ この一言は、私ども古参記者は絶対に口にしなかったことです。最近、テレビやラジオでは放送記者やキャスターがやたらとこれを口にするのが普通になって来ていますので、気になって仕方ありません。
「一体、君たちは何者? 官庁・警察の御用聞き周りか?」
と怒鳴りたくなります。
★ 新聞記者は、小手先や、アタマで書くのではない。足で書く。現場を踏んで、自分の目で確かめた「えらいこっちゃ」 「なんでや」と、自分が納得出来るまで事実を調べ上げて、不正義を暴く。それが出来て初めて「新聞記者」を名乗れ。
発表モノを丸写しして記事ひな形文型にハメコンだら一本仕上がり??
それではスーパーのチラシ書きです。
★ 「新しいことを聞いて記す者、それが新聞記者」
大学で、新聞社の新人教育で、こんなことを真顔でいい、新聞コラムに書く”中堅記者” 最初はこみ上がって来た笑いでしたが・・・こう考えていると、炎上するローマを見ながら竪琴を弾く奢りの帝王・ネロと巨大新聞社が二重写しになってきます。
25日付のある大手新聞朝刊に登場したコラム。
筆者は、記事を取捨選択して見出しを付けて新聞紙面に仕立てる編集レイアウト担当のデスク(副部長)か主任の任にある中堅記者だろうと思います。こう書いています。
「新しいことを聞いて記す者。だから新聞記者。以前、知り合いの大学教授の講義にゲストとして招かれ学生たちにこう説明したことを思い出す。今年も新人記者が赴任し、始動し始めた。どんな新しいことを聞き出してくるか? 編集者のたのしみだ」★ 気楽に書かれているこのコラム。別に取り立てて、どうこう言うつもりもないのですが、存亡の危機に立っている新聞当事者にしては、また脳天気な話ですね。現役の新聞記者が高校や大学に出向いて、新聞に関する話をすることが随分、増えて来ていますが、こんな話をして回っているようでは困ります。
★ この文章にもあるように今、現役記者が中高校から大学まで出向いて新聞の話をするのがはやっているその背景には新聞購読を止めた家庭が激増し、若者の大半が新聞を読まない傾向が一層、強まり、全国民規模での新聞離れの影響はモロに新聞経営を脅かしているせっぱ詰まった現実があります。
★ この事態を新聞業界全体の危機、として重要視した日本新聞協会は、昨年秋の全国大会で「新しい読者を作る」をメイン・テーマに取り上げ、編集幹部が額を寄せ合って対応策を徹底討論した経緯もあります。「見つける」のではありません。新しい読者を「作り出す」 危機感はそこまで来ているのです。
★ だが、しかし、大学に出かけた"中堅記者"が「新しいことを聞いて記す者。だから新聞記者」レベルの話をして新聞離れしている若者を「新聞読者」に連れ戻すことが出来るでしょうか? お粗末を通り越して、少々、読者をナメテいるような態度も窺え、不快感さえ覚えます。
★ 私も、元はといえば新聞記者。55年前に新人教育を受けたときにはもう少し、指導記者の言葉にはモノを考えさせる含蓄がありました。たとえば、こういう具合でした。
「News を分析すれば、North, East, West, South.。つまり東西南北、上下左右を見渡して、そこに生起する諸現象を観察して、★ それが新聞記者という職業を的確に説明しているとは、主張しませんが、「新しいことを聞いて記す者」よりも格段に高いレベルで新聞記者とは何をするのか? その仕事の性質とやり方をよく教えています。
エライこっちゃ、なんでヤ。これ?
そう思ったら新聞ネタになる。徹底的に追求して記事にせよ」
「新聞記者は金蝿。臭い物に群がるが、オノレは心身ともに錦l。その矜持を保て」
豊かな体験から絞り出された先輩記者の言葉に感動した覚えが私にはあります。
★ でも、「新しいことを聞いて記す者」??? 中学生の言うような同義反復で面白がるようでは記者として落第です。こんなことを口にして平気でおられるのは、多分、明治・大正時代から新聞人が引きずっている荒唐無稽な「社会の木鐸」意識なのでしょう。
★ ずっと昔の新聞記者は
「オレが書けば、それがニュース」
などとうそぶいていました。鼻持ちならぬエリート意識。
新聞が”社会の木鐸”など今では誰も信じませんね。
この記者殿、自分が言えば、重みがある、とでも自負しているのでしょうか?
脳天気な井の中の蛙、と言うほかありません。
★ ネット時代、もう民衆は新聞が拾ってくるニュースをさほど必要としてはいません。情報獲得のメディアはケイタイ、アクセスするのはインターネットです。
有能な個人ジャーナリストが新聞社と同列横並びで自らのホームページを運用し良質な情報を無料提供。読者は選り取り自由。しかもタダで自分に必要な情報を手にしています。
★ 新聞の大敵はブログとSNS。今や1社で1000万人が加入している mixi の影響力は誰も無視出来なくなりました。テレビ各社がmixi のアクセスキーワードに従って特集番組を組むようになってきています
更に新聞各紙も、ブログやSNSを取材源にして「新しいことを聞いたフリして記して」います。
★ 恥ずかしいと思わないのでしょうか? 他人のフンドシで相撲を取る。 私の目には新聞記者の自殺行為です。
★ 大衆にとって情報の意味は既に大変化を遂げつつあります。もはや”専門”記者が新しがるニュースは求めてはいません。個々人が生活のあらゆる場面で、リアルタイムに必要とする情報に直接、アクセスします。検索エンジンは直ちに個人の要求に応えてくれます。新聞社と大衆のニュース感覚は完全に乖離しました。
★ これはちょっと深刻。笑い話で済ませられなくなりました。その目でみれば、最近、もっとも心配な新聞の末期症状を思わせる情景があります。イマドキの記者は、記事を催促すると、「まだ発表がありません」と連絡して来るそうです。
★ この一言は、私ども古参記者は絶対に口にしなかったことです。最近、テレビやラジオでは放送記者やキャスターがやたらとこれを口にするのが普通になって来ていますので、気になって仕方ありません。
「一体、君たちは何者? 官庁・警察の御用聞き周りか?」
と怒鳴りたくなります。
★ 新聞記者は、小手先や、アタマで書くのではない。足で書く。現場を踏んで、自分の目で確かめた「えらいこっちゃ」 「なんでや」と、自分が納得出来るまで事実を調べ上げて、不正義を暴く。それが出来て初めて「新聞記者」を名乗れ。
発表モノを丸写しして記事ひな形文型にハメコンだら一本仕上がり??
それではスーパーのチラシ書きです。
★ 「新しいことを聞いて記す者、それが新聞記者」
大学で、新聞社の新人教育で、こんなことを真顔でいい、新聞コラムに書く”中堅記者” 最初はこみ上がって来た笑いでしたが・・・こう考えていると、炎上するローマを見ながら竪琴を弾く奢りの帝王・ネロと巨大新聞社が二重写しになってきます。
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by zenmz
| 2008-04-25 21:54
| ネット考現学
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