2008年 06月 04日
【8071】 「”ロスジェネ”宣言」に想う |
★ 懐かしい。あの小林多喜二の小説『蟹工船』が今、爆発的な売れ行きだそうですね。「おい地獄さ行ぐんだで!」。東北なまりの書き出しが蘇ってきます。マルクス主義が大学内を闊歩していた時代に育った私には本当に懐かしい小説です。必読本でした。
★ それが今、再び人気を集めてマスコミ界で騒がれるようになった来ました。どうやら働いても貧困から抜け出せない「ワーキングプア」が大量発生している現代。そんな世相が『蟹工船』とダブルのでしょうか。ともかく80年前の昭和恐慌直後の危機的時代を思い起こさせます。
★ それを裏付けるように若い知識人が新しい雑誌を創刊しました。 超左翼マガジン『ロスジェネ』 編集長はどんな人か? 浅尾大輔さん。5年前、小説「家畜の朝」で第35回新潮新人賞を得た新進作家だそうです。
★ ともかく、どんな雑誌か? 『ロスジェネ』のホームページを開いてみて思わずニンマリしました。マルクスの『共産党宣言』をそのまま真似た「全国のロスジェネ諸君、団結せよ」と呼びかけた檄文が飛び込んで来ます。
★ 『蟹工船』との結びつきも、”ロスジェネ”自覚と深く結びついていることも分かりました。
★ 正に1990年代、就職難時代に学業を終えて社会に出ても正社員になれず、やむなくアルバイトやパートで食いつないで、気が付けば中年になっていた世代です。その目で編集委員の顔ぶれをみれば、そろって30歳代前半です。
★ 「ロスジェネ宣言」をじっくり読んで見ました。最初は、「マルクス・共産党宣言」のパロディ・・若者たちのコトバ遊びか、と、軽い気持ちでしたが、読むほどに本当に胸を締め付けられる思いがします。時代へのもがきが、言葉から噴き出しています。
★ 『蟹工船』ブームが生み出した雑誌か? 『ロスジェネ宣言』が生み出した『蟹工船』ブームか? それは、恐らく、1枚のコインの裏表関係でしょう。これは、確かに現在の時代状況を正しく映し出しています。
★ 有能な若い人々の時代への幻滅。若者たちは何に絶望感を抱いているのか? 方や私たちは抜け場のない時代閉塞感を感じつつあります。我々は、共に、同じような目に見えぬ大きな壁に取り囲まれているのかもしれません。
★ この若者たちが、その抜け穴を教えてくれるかもしれません。彼らの声に耳を傾けようではありませんか。「ロスジェネ宣言」は、結びでこう言っています。
★ ネット時代ですね。
編集長・浅尾大輔さんは、自分の素顔や日常の行動日記も全面的に公開しておられます。『My Last Fight』-言葉で、最後まで、たたかい続けるのだ! こちらも、非常に興味深く拝見しました。
** ご挨拶 ** ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
★ それが今、再び人気を集めてマスコミ界で騒がれるようになった来ました。どうやら働いても貧困から抜け出せない「ワーキングプア」が大量発生している現代。そんな世相が『蟹工船』とダブルのでしょうか。ともかく80年前の昭和恐慌直後の危機的時代を思い起こさせます。
★ それを裏付けるように若い知識人が新しい雑誌を創刊しました。 超左翼マガジン『ロスジェネ』 編集長はどんな人か? 浅尾大輔さん。5年前、小説「家畜の朝」で第35回新潮新人賞を得た新進作家だそうです。
★ ともかく、どんな雑誌か? 『ロスジェネ』のホームページを開いてみて思わずニンマリしました。マルクスの『共産党宣言』をそのまま真似た「全国のロスジェネ諸君、団結せよ」と呼びかけた檄文が飛び込んで来ます。
ロスジェネ宣言
一連なりの妖怪が ――「ロストジェネレーション」という名の妖怪が、日本中を歩き回っている。
就職超氷河期(1990年代という「失われた十年」)に社会へと送り出された20代後半から30代半ばの私たちは、いまだ名づけられ得ぬ存在として日々働き暮らし死んでいきつつある……、その数 20、000、000人。
「ワーキングプア」「フリーター」「ひきこもり」「ニート」「うつ病世代」「貧乏くじ世代」「負け組」「下流」「ロストジェネレーション」……。世間が私たちをさまざまなレッテルで一括りにする。
しかし、私たちは、「レッテル貼り」によって目の前にある問題や矛盾が隠されたり、未解決のまま先送りされることをのぞまない。(”ロスジェネ”の意味を解説した最初の部分だけ転載)
★ 『蟹工船』との結びつきも、”ロスジェネ”自覚と深く結びついていることも分かりました。
「娯楽はあふれている。マンガ・ゲーム・ギャンブル・インターネット。しかし、気づけばそこから一歩も脱出できない」
「私たちは依然として『蟹工船』で働いていた」。
★ 正に1990年代、就職難時代に学業を終えて社会に出ても正社員になれず、やむなくアルバイトやパートで食いつないで、気が付けば中年になっていた世代です。その目で編集委員の顔ぶれをみれば、そろって30歳代前半です。
★ 「ロスジェネ宣言」をじっくり読んで見ました。最初は、「マルクス・共産党宣言」のパロディ・・若者たちのコトバ遊びか、と、軽い気持ちでしたが、読むほどに本当に胸を締め付けられる思いがします。時代へのもがきが、言葉から噴き出しています。
★ 『蟹工船』ブームが生み出した雑誌か? 『ロスジェネ宣言』が生み出した『蟹工船』ブームか? それは、恐らく、1枚のコインの裏表関係でしょう。これは、確かに現在の時代状況を正しく映し出しています。
★ 有能な若い人々の時代への幻滅。若者たちは何に絶望感を抱いているのか? 方や私たちは抜け場のない時代閉塞感を感じつつあります。我々は、共に、同じような目に見えぬ大きな壁に取り囲まれているのかもしれません。
★ この若者たちが、その抜け穴を教えてくれるかもしれません。彼らの声に耳を傾けようではありませんか。「ロスジェネ宣言」は、結びでこう言っています。
いま「ロスジェネ」は、ここに、左翼と現実とをつなぐ空間を設定する。
この空間から紡ぎ出された言葉が、あなたの心に少しでも届くことになれば、うれしい。
ささやくような小さな声が、しだいに大きなうねりになることを願う。
★ ネット時代ですね。
編集長・浅尾大輔さんは、自分の素顔や日常の行動日記も全面的に公開しておられます。『My Last Fight』-言葉で、最後まで、たたかい続けるのだ! こちらも、非常に興味深く拝見しました。
** ご挨拶 ** ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
by zenmz
| 2008-06-04 09:22
| 現代社会論