2008年 09月 05日
【8165】 吉備の翁:心の風景(3) ピピ、”ペルシャ犬”への道 |
★ 雨が降らなければ、毎日、夕方に愛犬、ピピと散歩に出かけます。通常は7~8キロを速歩で歩きますが、夏場は、控えて5キロ。やはり犬は夏場に弱いです。私より犬の夏バテを心配して1時間以内で収めます。
★ この犬を連れての散歩。実は、私にとっては、重要な学習の時間なのです。今、私は、ペルシャ語を独習していますが、コトバの学習は、声を出すのが基本中の基本。これを怠ると、何語によらず、コトバは絶対に身に付きません。
★ 私は、25年間、大学教師として若い学生たちと交わってきました。一番、心配だったのは、学生たちのほぼすべてが黙読しかしないことです。「声を出せ」 最初の頃は、担当授業のすべての講義で、2,3人を指名して教科書を1ページずつ読ませましたが、大半の学生がマトモに読めません。それで自覚を促したつもりでしたが・・・
★ 専門用語の漢字など、殆ど「感じ」で済ませて平気です。「声」にならない。勿論、概念・定義など分かっていません。そこに出てくる外国語に至っては、独・仏・露・西・中国などは許せるとしても、英語も読めない。「声」になりません。日本語も、外国語も、すべて「感じ」 黙読習慣の弊害がモロに噴出しているのが今の【大学】教育の現場です。
★ 「いいか、コトバは、声に出せ」
「声が出せない字が出てきたら直ぐ字引を引け」
その繰り返し、繰り返しが25年の教師生活でした。さて・・・78歳の砌(みぎり) ペルシャ語を始めて、それを我が身に向けることになりました。
**********
★ 先ず、発音練習。ペルシャ語のアルファベット32文字から基本的な単語。書斎に籠もり、パソコン開いてネット授業を始めました。と、そこに素っ頓狂な声。
「どうしたの? 何か言った? 奇妙なうなり声出して? どうしたノー?」
★ 階下から二つの声が階段を這い上がって来ました。
「ビックリするじゃないか。急に大声出すな! 実は、これこれシカジカ」
そう説明したのですが、キョットン顔の妻と娘・・・
「分かった。ケド・・・変な声、出さないで!」
★ 私の”コトバ理想学習”の理論と実践は、こうして、出発点から思わぬ抵抗勢力と対峙するハメになりました。”抵抗勢力”は脅しまがいのコメントで武装し迫ります。
「パソコンオタクもいい加減にしなさいよ。アゴが上がって姿勢も爺むそうなってるヨ」
★ 音を立てて崩壊する我がコトバ学習論・・・先人の諺を思い出して自らを慰めました。
「ああ、予言者、故郷に容れられず」 と、言うコトワザあったナ。
「汝、嘆くなかれ、今こそ想い出せ! ”ソクラテスの妻”の面影を」
=== ペルシャ犬、養成 ===
◎ しかし、「コトバは声」 この信念を妻・娘ごときの妨害で止めるわけにはいきません。そこで愛犬、ピピに持ちかけました。
「ピピよ、一緒にペルシャ語、勉強しよう。世に”ペルシャ猫”は有名だが”ペルシャ犬”など聞いたことがない。君を”ペルシャ犬”に仕立てよう」
◎ こうして、散歩しながらピピ相手にペルシャ語を語りかけることにしたのです。
幸い、この辺りは人気が極端に少なく、どのお決まりコースを辿っても人と出会うことなど滅多にありません。歩きながらの会話程度の声で「ヤカマシイ」と苦情もありません。
なにしろ、この吉備高原都市、だだ広い土地なのに人がいない。
◎ ならば、私が、ピピをイラン人がアッと驚く「ペルシャ犬」に仕立てて見せよう。何時の日か、イランの方々と仲良くなり、我が家に迎える日があれば、この「ペルシャ犬」がホステスの主役を務める・・・これまた私の楽しい夢です。
**********
◎ さて、帰宅すると、私は、書斎で復習をします。先ずハッサン先生の講義です。
次いで、黙ってインターネットを開き、辞書検索して黙読。「イン・チエ? ウン・チースト?」(コレは何? あれは何だろう?」 知らない単語を調べて、ミミズ文字に綴ります。
◎ ペルシャ語は文法は簡単です。英語よりウンと楽です。けれど、発音はちょっと難しい。喉の奥で出す濁音、清音など力まないと出ない音が随分多くの単語にあります。ハッサン先生のように、それを力まず、優しい口調に発音するには”慣れ”しかありません。
◎ そろそろ武者修行に出ようか。今、私のペルシャ語がどれだけ通じるか? ピピが分かってもイラン人が???では話になりません。実際にイラン人に会って、試してみたい、との願望が募ってきました。ネットで検索すると、姫路にイラン料理のレストランがあります。経営者は若いイラン人。
◎ もう25年も前のこと、ロンドンの下町で食べたイラン料理。庶民の定番と言われる「チョロカバブクビデ」 羊の挽肉を串に刺して焼いて、サフランをまぶしたご飯に乗せた逸品。あの忘れがたい味が、このお店のメニューにも掲載されています。
◎ 車で1時間半もあれば行けます。もう少し気候が好くなったら、ペルシャ語で料理を注文し、イランのシェフと料理談議をやってみよう。今、その夢がどんどん膨らんでいます。この武者修行。果たしたら、またご紹介しましょう。
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** ご挨拶 ** ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
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★ この犬を連れての散歩。実は、私にとっては、重要な学習の時間なのです。今、私は、ペルシャ語を独習していますが、コトバの学習は、声を出すのが基本中の基本。これを怠ると、何語によらず、コトバは絶対に身に付きません。
★ 私は、25年間、大学教師として若い学生たちと交わってきました。一番、心配だったのは、学生たちのほぼすべてが黙読しかしないことです。「声を出せ」 最初の頃は、担当授業のすべての講義で、2,3人を指名して教科書を1ページずつ読ませましたが、大半の学生がマトモに読めません。それで自覚を促したつもりでしたが・・・
★ 専門用語の漢字など、殆ど「感じ」で済ませて平気です。「声」にならない。勿論、概念・定義など分かっていません。そこに出てくる外国語に至っては、独・仏・露・西・中国などは許せるとしても、英語も読めない。「声」になりません。日本語も、外国語も、すべて「感じ」 黙読習慣の弊害がモロに噴出しているのが今の【大学】教育の現場です。
★ 「いいか、コトバは、声に出せ」
「声が出せない字が出てきたら直ぐ字引を引け」
その繰り返し、繰り返しが25年の教師生活でした。さて・・・78歳の砌(みぎり) ペルシャ語を始めて、それを我が身に向けることになりました。
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★ 先ず、発音練習。ペルシャ語のアルファベット32文字から基本的な単語。書斎に籠もり、パソコン開いてネット授業を始めました。と、そこに素っ頓狂な声。
「どうしたの? 何か言った? 奇妙なうなり声出して? どうしたノー?」
★ 階下から二つの声が階段を這い上がって来ました。
「ビックリするじゃないか。急に大声出すな! 実は、これこれシカジカ」
そう説明したのですが、キョットン顔の妻と娘・・・
「分かった。ケド・・・変な声、出さないで!」
★ 私の”コトバ理想学習”の理論と実践は、こうして、出発点から思わぬ抵抗勢力と対峙するハメになりました。”抵抗勢力”は脅しまがいのコメントで武装し迫ります。
「パソコンオタクもいい加減にしなさいよ。アゴが上がって姿勢も爺むそうなってるヨ」
★ 音を立てて崩壊する我がコトバ学習論・・・先人の諺を思い出して自らを慰めました。
「ああ、予言者、故郷に容れられず」 と、言うコトワザあったナ。
「汝、嘆くなかれ、今こそ想い出せ! ”ソクラテスの妻”の面影を」
=== ペルシャ犬、養成 ===
◎ しかし、「コトバは声」 この信念を妻・娘ごときの妨害で止めるわけにはいきません。そこで愛犬、ピピに持ちかけました。
「ピピよ、一緒にペルシャ語、勉強しよう。世に”ペルシャ猫”は有名だが”ペルシャ犬”など聞いたことがない。君を”ペルシャ犬”に仕立てよう」
◎ こうして、散歩しながらピピ相手にペルシャ語を語りかけることにしたのです。
幸い、この辺りは人気が極端に少なく、どのお決まりコースを辿っても人と出会うことなど滅多にありません。歩きながらの会話程度の声で「ヤカマシイ」と苦情もありません。
なにしろ、この吉備高原都市、だだ広い土地なのに人がいない。
◎ 「イムルーツ、ハッレ、ショマー、フベ?」◎ ところで、余談ですが、ペルシャ語で猫は「ゴルベ」と言って最高に重宝されます。これは世界共通ですね。ところが・・・イラン人はどうも「サグ」(犬)は好きでないようです。犬に関わる諺はすべてネガティヴ。悪いことの引き合いに犬が持ち出されます。何故でしょう?
(今日はご機嫌いいかね?)
クン、クン・・声をかけると、ピピは、いつも鼻を鳴らして答えます。
私の耳にはペルシャ語の「フベ、フベ」(好いよ、イイヨ」と聞こえます。
◎ この辺り、人は少ないのですが、最近は車が多くなりました。突然、カーブして近寄ることもあります。困ったことにピピは車が大好き。車に近寄ろうとします。
「デガット・ミコニ!」(危ない注意して)
「セダー・ナコン」(騒ぐな)
「ビシッド・インジャ!」(ここに座って!)
「ファラームッシュ・ナコン」(忘れるな!)
◎ 道を歩きながら、言い続け、語り続けます。
「ラースト・ボロウ」(真っ直ぐ行け!」
「インジャ・ダステ・チャプ」(ここで左だ)
「カミ・エステラート・コニム」(少し休もうか)
「オッブ・メイル・ダリー?」(水、飲むかい?)
◎ ピピは、ボーダー・コリーの雑種。3歳半になるメス犬です。ボーダー・コリーは牧羊犬ですから、運動量が違います。歩くだけでは満足しません。必ず一度、自由に走れるように放ってやります。
「メイレ・ショマースト」(さあ、好きにしろ!)
◎ 一走りすると、さすがに疲れた表情; ビヤ・インジャ!」(こっちへオイデ)
身体をこちらに向けて近寄ってきました。疲れた表情が「もう帰ろう」と言っています。
「ホッシュ・ゴザシュト?」(楽しかった?)
「ヘイリー・カステ・ショディ?」(疲れたね)
語る私のペルシャ語に反応して適切に動きます。ピピも、最近、ペルシャ語がかなり分かるようになりました。
◎ 「オー、コダー・ベヘタリン・ヘジャロ・ベ・マン・ダーデ。ヴァ・ウーン・ト・イ。ピピ ト・ドホターレ・ベヘタリン。」
(おお、ピピよ。神は私に最高の贈り物を下さった! それはオマエだ。ピピよ。オマエは最高の娘)
◎ ならば、私が、ピピをイラン人がアッと驚く「ペルシャ犬」に仕立てて見せよう。何時の日か、イランの方々と仲良くなり、我が家に迎える日があれば、この「ペルシャ犬」がホステスの主役を務める・・・これまた私の楽しい夢です。
**********
◎ さて、帰宅すると、私は、書斎で復習をします。先ずハッサン先生の講義です。
次いで、黙ってインターネットを開き、辞書検索して黙読。「イン・チエ? ウン・チースト?」(コレは何? あれは何だろう?」 知らない単語を調べて、ミミズ文字に綴ります。
◎ ペルシャ語は文法は簡単です。英語よりウンと楽です。けれど、発音はちょっと難しい。喉の奥で出す濁音、清音など力まないと出ない音が随分多くの単語にあります。ハッサン先生のように、それを力まず、優しい口調に発音するには”慣れ”しかありません。
◎ そろそろ武者修行に出ようか。今、私のペルシャ語がどれだけ通じるか? ピピが分かってもイラン人が???では話になりません。実際にイラン人に会って、試してみたい、との願望が募ってきました。ネットで検索すると、姫路にイラン料理のレストランがあります。経営者は若いイラン人。
◎ もう25年も前のこと、ロンドンの下町で食べたイラン料理。庶民の定番と言われる「チョロカバブクビデ」 羊の挽肉を串に刺して焼いて、サフランをまぶしたご飯に乗せた逸品。あの忘れがたい味が、このお店のメニューにも掲載されています。
◎ 車で1時間半もあれば行けます。もう少し気候が好くなったら、ペルシャ語で料理を注文し、イランのシェフと料理談議をやってみよう。今、その夢がどんどん膨らんでいます。この武者修行。果たしたら、またご紹介しましょう。
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** ご挨拶 ** ブログ【彷徨人生・・・喜寿から傘寿へ】公開に当たって
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by zenmz
| 2008-09-05 20:45
| 奴雁の目